見た目チンピラな善人の悪魔生活
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10.初仕事は教育?

 

 

 

 

 

刑夜side

 

オレは目の前にいる二人の名前を知り、困惑している

この二人はオレの前世でやったゲームに出てくるやつらだからだ

こいつらの見た目も一致しているから本人であるだろう

てか、オレ何世界渡っちゃってるんだよぉ

 

「そういえば、凶月よ。貴様を召還したこの紙に書いてある事はどういう事なのだ?」

 

オレが考えているとヴァルバトーゼがあのチラシを見せながら説明を求めてきた

 

「あぁ、そうだな。そのチラシに書いてある事は元々人間のためにやる事だよ」

 

「何?

人間のためだと?」

 

「最近の悪魔はそんな事をやっているのか?」

 

二人は信じられないようだ

そりゃぁ、そうか

確かこの世界観の悪魔はこんな事を絶対しねぇもんなぁ

 

「最近と言うよりも、オレたちのところではやってんだよ」

 

「なるほど、その言い方から察するに、別の魔界の者か貴様は」

 

「それならば納得がいきますね」

 

オレが言った事を聞き、二人は納得していた

それはいいがオレには今気になる事があるからなぁ

 

「納得してるとこ悪ぃが、そのチラシはどうやって手に入れたんだ?」

 

「この紙か?

これは時空ゲートから偶然出てきた物だ」

 

「まれに時空ゲートから別魔界の物が流れ着く事があるが、そのまれに当たったのだろう」

 

偶然流れ着いたのはわかったがそれは可笑しいなぁ

 

「ちょっとそれは可笑しいぜぇ。オレたちのとこは別魔界に行く手段はねぇはずだからなぁ」

 

「何だと?

別魔界に行く手段がない?

どういう事だそれは」

 

「閣下、魔界には時空ゲートが一つはあるはずです。行く手段がないはずありません」

 

ありえないと二人は思っているがオレはある考えが浮かんだ

 

「もしかするとオレのところとお前らのところの世界自体が全く違うんじゃねぇのか?」

 

オレがそう言うとフェンリッヒがさらにありえないといった表情をしてきた

 

「お前が言っている事が確かならオレたちはこうして会う事は不可能なはずだぞ。ましてや時空を渡る手段がそちらにない以上はな」

 

尤もらしい事だ

こっちは時空を渡る方法はない

それならこうして別の世界に行く事なんて不可能だ

そう思っていると否定してきたはずのフェンリッヒがある可能性を口にした

 

「それかもしかするとこの紙が偶然そちらでできた時空の割れ目に入ってこちらに流れ着いた事になるかもな」

 

「そういう事になるかもな」

 

そう考え続けているとヴァルバトーゼがいきなり声を上げた

 

「考えても答えがでなければまだ考えても意味はなかろう。それに今考えるのは貴様はこれからどうするのかだ」

 

確かにその通りだな

本来オレは仕事をしに来たんだからなぁ

 

「あぁ、そうだな。オレは自分の仕事を果たすために来たんだからなぁ。だが、お前らは悪魔だからなぁ、人間じゃねぇと意味ねぇからなぁ」

 

はぁ、困ったもんだよ

仕事に来たはずなのにその仕事ができないからよぉ

 

「ふむ、こちらが呼んだのに何もしないというのも申し訳ないな」

 

そう言いすぐに片手を振るいオレに向かってまた言い出した

 

「ならば凶月よ。こちらの仕事を代わりにしてもらおうではないか」

 

「はぁ?

それはどういう事だぁ?」

 

オレが聞き返すとヴァルバトーゼは不敵に笑いながら答えてきた

 

「何、簡単な事だ。貴様の言う人間共に願いを叶えるのはその願いを叶えるために代価をもらうものであろう。だがこちらの勝手でその仕事ができなくしてしまったのだから、こちらでその仕事の代わりになる事をさせてやろうとしているだけだ」

 

「ようするにお前らの仕事を手伝えという事か」

 

「そういう事だ。それにちゃんと報酬も用意しよう」

 

それを聞いたオレは考えた

いいかもしれねぇなぁ

悪魔の仕事の代わりとしてやる事ができる

 

「あぁ、いいぜぇ。手伝ってやるよ」

 

オレがそう答えるとヴァルバトーゼはその笑みを深めた

 

「そうか、ならば契約成立だな。ならば早速案内しようではないか」

 

そう言い踵を返そうとすると

 

「閣下、お待ちください」

 

フェンリッヒがヴァルバトーゼを止めた

 

「どうした、フェンリッヒよ」

 

「閣下、考えるのが早過ぎます。それにいきなり現れたこの男を信用するのはよろしくありません。この男の言っている事は嘘で、我々に害をもたらす可能性もあります」

 

フェンリッヒの言ってる事は普通は頭にくると思うがオレはそうではなかった

逆にその通りだと思った

初対面のやつに対してそういう反応を示すのは当然だ

信じてやられたなんてよくあるからなぁ

 

そう言った後、聞いていたヴァルバトーゼはまた両手を広げて言った

 

「フェンリッヒ、たとえそうであってもそれでやられる俺ではない事をお前は知っているだろう。もしそうであっても俺はそれを真っ向から叩き伏せる!

それにそれだけではない、こいつの目からは敵意はないし、嘘をつくようなやつではない!

だからこそ俺はこう決めたのだ!」

 

そう高らかに言い切った

それを見てオレは目の前にいるこの男の堂々とした態度に驚いた

騙されたとしてもそれを叩き潰すと言いのけたのだ

これほどのやつはそうはいない

 

「はあ、そのあり方は閣下の悪いところでもあり、良いところでもありますからね。わかりました。

……全ては我が主のために」

 

それを聞いたフェンリッヒは諦めた表情をしながらもそれを了承していた

 

「では改めて凶月よ、やってもらう事を言うぞ。貴様にやってもらうのは俺たちがやっているプリニーの教育の手伝いだ。ここ最近プリニーの数が増えてきたのでな、手が足りない事ができてきたのだ。だからこそ貴様にはその仕事をともにしてもらうぞ」

 

「オイ、それはわかったが、オレは教育だとかは全くやった事がねぇぞ」

 

オレはそう言ったがそれに構わずヴァルバトーゼは話を続け

 

「そんな事気にしなくてもいい。それに実際にやって覚えればいい」

 

そんな無茶ぶりをしてきた

無茶苦茶だなぁ、オイ

 

「ふん、そんなに自身がないのなら諦めてしまえばいいだろ」

 

オレの様子を見てフェンリッヒがそう言ってきた

それに怒る気はしねぇがただ言われるのはいただけねぇなぁ

 

「あぁ、いいぜ。やってやろうじゃねぇか」

 

オレの応えを聞き、ヴァルバトーゼが笑いだした

 

「フフフ、いいぞ、その意気だ。そうでなければ意味がない」

 

そう言い歩きだす

 

「ならば膳は急げだ。さっさと向かうぞ」

 

それを聞いたオレはついていこうとしたが、

 

「おい、ちょっと待て」

 

フェンリッヒに止められた

なんだと思いながら向くと

 

「いいか、閣下はああ言っているがオレはまだ信用していない。だからもし閣下に牙を向けるようなことをしたら叩き潰すしてやるからな」

 

そう言われた

やはりフェンリッヒはこうか

わかってはいたが

 

そう思いながらオレは二人の後を追った

 

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