IS・B 〜インフィニット・ストラトス・ブレイヴ〜 第0章 月の咆哮 |
三月某日
この俺、「((風間|かざま)) ((月光|げっこう))」がこの世に生まれて早15年と半年、進学する高校も決まり後は卒業するのを待つだけとなった
そんな俺は残り少ない中学生生活をエンジョイするため友達と遊び倒していた
「月光、今日の放課後はどうするつもりだい」
こいつはその友達の「((三沢|みさわ)) ((一樹|かずき))」、小学校からの付き合いだ
「ん? そうだな、たまにはゲーセンにでも駆り出すか?」
「ふむ、それもいいけど制服のままはまずいんじゃないか」
「あー、そっか。 んじゃどうすっかな・・・」
こいつん家はこの前言ったばっかだしゲーセンはだめとなると・・・うーん・・・
「ちょっとあんた達」
突然後ろから声を掛けられる
「なんだよ」
「レクレーションの準備に必要な道具を買ってきなさい」
そいつらは来週行われる卒業祝いレクレーションの実行委員だった
「なんで俺たちがそんなことやんなきゃなんねぇんだよ」
「なによ、文句あんの?」
「文句も何もそんなの実行委員の仕事だろうが」
「フン、男の癖に口ごたえしてんじゃないわよ」
一人の言葉に他の実行委員の奴らもそうだそうだとか言ってやがる
・・・ったく、また女尊男卑かよ
大天才と言われている篠ノ之 束が女しか動かせないISなるものを創ったおかげで女が男より強いという男尊女卑ならぬ女尊男卑が当たり前の世の中になってしまった
一昔前は男女平等とか騒いどいていざ力を持ったらこれだ、全く気に食わねぇ
「まあまあお嬢さん方、その仕事は僕がやるからどうか怒りを抑えてくれ」
「フフン、三沢は物分りがいいわね。 いいわ、三沢に免じて今回は許してあげる」
「ありがとう、では僕達はこれで」
去り際に一樹は実行委員の奴らに微笑む。 すると一部奴らが三沢君・・・とかつぶやいていた
ここで言っておくが一樹は女好きだ。 それでいてなかなかのイケメンだから女子には昔からもてていた。
「・・・・・・」
その一樹に続いて俺も無言で教室から出て行く
「ったく、あんな奴らの言う事なんて聞かなくてもいいだろうがよ」
俺は一人でもやることがないので一樹と一緒に買出しに来ていた
「そうはいっても女の子達は僕達のために頑張っているんだ、その手伝いをしても悪い気はしないだろう?」
「お前の場合は動機が違うだろうが」
女好きの幼馴染にツッコミを入れつつメモに書かれているものをかごに入れていく
まぁこいつの言ってることも間違いじゃないんだがあの態度が気に食わないんだよな・・・
もっと普通に頼めば俺だって行くっつーの
「さてこれで終わりだ、後は会計に・・・」
『お客様!今すぐここから非難してくだ・・・うわぁぁ!』
「なんだ?」
突然アナウンスが流れたと思ったら途切れた。 しかも非難しろって
「今のアナウンスって・・・」
一樹も異変に気が付き俺と顔を合わせる
そしてアナウンスがまた流れた
『この店にいる客どもよく聞け! この店は我々が制圧した!』
「なに?」
「制圧・・・?」
そのアナウンスに俺達だけでなく周りの客も同様していた。 そのとき
ドドドドド!
銃声が響き同時に建物が揺れた
客達は一瞬でパニックになり店から出ようとした
「痛! おい、押すんじゃねえ!」
「月光!僕たちも逃げよう!」
だが再び銃声がして出入口が崩れた
「な!?」
そしてそこにはISを装着した五人ほどの女性が立っていた
「ちっ、少し出ちまったか。 まぁいい、残った奴らを人質にするぞ」
彼女らは俺たちに武器を向けつつ言った
「くそっ、なんなんだよ!」
そのときの俺は知りもしなかった、この事件が俺の運命を変えることになるなんて
・・・・・・・・・・
俺たちは今ライフルを突き付けられ抵抗できない状態にある
つまりこの店を制圧した奴らの人質になっている状態だ
「なんなんだよ、こいつら」
「さぁ、僕に聞かれても」
「そこ!静かにしてな!」
くそっどうにかしねぇと
「よし、警察が来たか、ならこの国にいるISを動かした男を連れて来いと伝えろ」
・・・なに?
「おい一樹、ISを動かした男ってどういうことだ?」
「知らないのかい?この前ニュースでやってて大騒ぎになっていたよ」
「いや、俺ニュースとか見ねぇし」
俺たちは奴らに聞こえないよう小声で話した
「まぁなんにせよ彼女達の目的はそれのようだね」
ISを動かせる男か・・・よし
「一樹、耳貸せ」
「?」
「・・・・・・・・・・」
「な!?本気かい!?」
「そこ!うるさいよ!」
「・・・もう一度聞くが本気かい?」
「あぁ、これなら少なくともたくさんの人が助かるはずだ」
「ふ、君らしいと言えばらしいね。 わかった、僕も手伝うよ」
「あぁ、頼んだぞ」
「おい、あんた」
「なんだ」
見張りのちょっと丸めの女に声を掛ける
「そのISを動かせる男って奴の顔知ってんのか?」
「それはリーダーが知っている、それがどうした」
・・・案外あっさり言ってくれたな、よし
「そいつは俺だ・・・って言ったらどうする?」
「なに!?」
よし、引っかかった!
「あんた、それは本当か!?」
「あぁ、そうさ。 俺がISを動かした男、織斑一夏だ」
そのせりふに他の見張りや人質も注目した
「おい!今すぐにリーダーに知らせろ!」
そう言い一人がここから離れ、後の二人も俺に集まってきた
「ふっ、まさか人質に紛れていたとはね」
「ちゃんとリーダーに教えてもらっておくんだったな」
そう言い一樹にアイコンタクトを取る、すると一樹は頷き行動に移った
(頼んだぜ)
俺はそのまま見張りの奴らの気を引き付けた
「皆さん、今から言うことを静かに聞いてください」
僕の言葉に人質の人たちは注目する
「彼女達が僕の友人に気を取られているうちにここから逃げましょう」
そういうと彼らはざわついた
「静かに、気づかれます。 見張りが少ない今なら逃げられるかもしれません、この隙にここから逃げましょう」
僕の提案に彼らも頷いた
「こっちです、音を立てず慎重に」
僕の誘導にみんな着いてきた、よし、これなら・・・
(よし、うまくやってるな)
俺がこいつらの気を引き一樹が客を逃がす、なんとかうまくいってるな
「あのときは俺も驚いたさ、なんせいきなりISが動いたんだから」
「へぇ」
「あんたも大変ねえ」
・・・にしてもこいつら言っちゃ悪いがアホか?人質と世間話してるぞ
まぁおかげで作戦がうまくいってるんだが・・・
「おい!貴様ら何をしている!」
振り返るとさっき呼びに行ったやつが二人の仲間を連れて戻ってきていた
しまった!もう戻ってきやがった
「くっ、みんな!走るんだ!」
一樹が人質に指示する、すでに半分以上逃げていたがまだ残っている
「逃がすな!やれ!」
「させるか!」
逃げている人たちに銃を向けた女に俺はタックルをかます
「ぐっ!」
ダメージはなくても突き飛ばすことはできるはずだ
「今だ、行けぇ!」
その隙に人質は逃げる、だが
「きゃあ!」
一人の女の子が転んでしまいそれをさっきの丸めの女が捕まえてしまう
「いや!はなして!」
「どうします?もうこの二人しかいませんが」
「ふん、いないよりはマシだろ。 それよりさっき言ってた奴はどうした」
「あ、はい、こいつです!」
さっき世間話をしていたもう一人の女が俺を指差す
「・・・なんだと?」
「だからこいつですって」
「・・・バカヤロウ!全然違うじゃねえか!」
そういってリーダーらしき女はゲンコツを叩き込んだ
「痛ぁ!」
「なんだって!?」
いっせいに俺に注目してきた
「ちぇ、ばれちまったか」
「フン、なかなか肝が据わってんじゃないか。 だが、相手が悪かったなぁ」
そう言い俺の顎を掴み上げる
「だが人質のほとんどは逃がせたぜ」
「なるほど、それが狙いか、だが一人残しちまったなぁ」
さっき捕まった女の子を掴み上げる
「やぁ、たすけて!おかあさーん!」
「止めろ!その子は離してやれ!」
「黙りな!」
どごっ!
「ぐっ・・・」
腹に蹴りが入った
「あんたらは人質なんだ、立場を理解しな」
「くっ・・・」
俺は倒れこみ奴らを見上げる
「お前達、こいつを痛めつけてやりな」
その言葉に他の奴らが俺に近づいてくる
「悪いね、あんたとの世間話楽しかったけどリーダーには逆らえないんだ」
さっきの丸めの女がそう言う、くそっ、ここまでなのか・・・
女の子の叫びや奴らの声がぼんやりしてきた
(ちくしょう・・・俺は女の子一人助けてやれないのかよ・・・!)
意識が遠のく・・・もうだめかと思ったそのとき
『月光!』
声が聞こえた
『俺を使え!』
誰だ・・・お前は
『お前のポケットの中に入っている!』
俺の・・・ポケット?
ポケットに手を入れるとそこにはカードらしきものが入っていた
それに触れると突然頭の中に何かが流れ込んできた
これは・・・俺の記憶?
そうだ、俺はこの世界に転生したんだ
『それを持って俺の名を呼べ!』
お前の名・・・
『俺の名は・・・』
「月光龍・・・ストライク・ジークヴルム!」
すると俺の体になにかが装着された
「な、なんだ!?」
「こいつ、いきなり叫んだと思ったら・・・うわぁ!」
「きれい・・・」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおあぁぁぁぁぁぁああああ!!」
俺は一度咆え、その後のことは覚えてない
だが気が付くと奴らは全員倒れていて俺もその場に倒れた
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第0章 | ||
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