IS・B 〜インフィニット・ストラトス・ブレイヴ〜 第三章 前編 ラーメンと喧嘩と転校生
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「おはよー風間君。 ねぇねぇ、転校生の話し聞いた?」

朝、教室に入ると女子からそんなことを聞かれた

「転校生?うちのクラスに?」

「ううん、2組に来るんだって。 しかも中国の代表候補生らしいの」

代表候補生か、またセシリアの時みたいなことにしないようにしないとな

「へぇ、ってことはクラス代表になんのか?」

「うーんどうだろ、そこまでは知らないかな。 あっ織斑君、ねぇねぇ聞いたー?・・・」

一夏が教室に入るとその女子は一夏の元に行って転校生の噂を話していた

「この時期に転入とは、私の存在を危ぶんでの転入かしら」

「いや、セシリアお前クラス代表じゃないだろ」

「その情報、古いよ」

いつの間にか後ろにいたセシリアにツッコミを入れていると一夏がさっきの女子から噂を聞いているであろう場所から聞き慣れない声が聞こえたのでその方を向く

「鈴……? お前、鈴か?」

一夏は中国代表候補生らしい女子を見るなり驚きの表情をしていた、反応からして知り合いだろうな

一夏に鈴と呼ばれた女子は腕を組み、片膝を立ててドアに寄りかかっていた

そして後ろのセシリアと窓際の箒から機嫌悪いオーラが漂っていた・・・恐っ

「そうよ。中国代表候補生、鳳鈴音。今日は宣戦布告に来たってわけ」

その一言に教室はざわつき始める

「鈴・・・」

教室がざわつく中一夏が口を開く

「何格好付けてるんだ?すげえ似合わないぞ」

「な!? なんてこと言うのよ、アンタは!」

一夏の言葉に鳳は寄りかかっていたドアからずり落ち言葉を荒げる

スパーン!

「痛っつ、なによ!?」

後ろから叩かれ怒りを込めながら振り向き叩いた主に振り向く

そこには我らが担任こと織斑先生が立っていた

「もうSHRの時間だぞ。」

「ち、千冬さん‥‥」

織斑先生の登場に鳳は後込む

「織斑先生と呼べ。さっさと戻れ、邪魔だ」

「す、すみません‥‥」

頭を下げながら教室から出て行く鳳、去り際に「またあとで来るからね!逃げないでよ、一夏!」と言い残してまた織斑先生に怒られていたが

「では、SHRを始める」

そして織斑先生が教卓に立ちSHRを始める

・・・ちなみにダンは俺等より早く教室に来ていて、しかもあの騒ぎの中寝ていたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして結局あの後鳳が教室来ることはなく昼休みになったので俺、ダン、一夏、箒、セシリアの五人で学食に来た

各自注文を受け取り席に着こうとしていると

「待ってたわよ、一夏!」

ラーメンを持って鳳が立ち尽くしていた

「鈴、そこ通してくれ、通行の邪魔になってるぞ」

「な、なによその反応!? アンタを待ってたのよ!」

その行動に冷静につっこむ一夏、なんつーか慣れてるな

「悪いけど通してくれないか、カレーが冷めるんだが」

「あ、ご、ごめん」

ダンの申し出に以外にも素直に道を空ける鳳

「ほれ、とっとと席着こうぜ、鳳とやらも」

「あぁ」

「ちょ、待ってよ!」

ちょうど空いていた六人掛けの席に鳳も加えて座り俺達は食べ始める

しばらく二人は食べながら他愛のない会話をしていたが箒とセシリアが負のオーラを発していたので二人が聞きたいであろうことを聞く

「で?お前らどういう関係なんだ?」

「どういう関係、と言うと?」

「いつからの知り合いなのかとか、付き合ってるのかとか」

俺のこの質問に学食中の視線がこっちを向く

「べ!べつに私達は付き合ってるとかそんなんじゃ・・・」

「あぁ、鈴とはただの幼馴染だ」

一夏のその一言で周りの女子はなんだ幼馴染かと自分の食事に戻った

「・・・・・・・」

鳳は一夏を睨んでいた

「幼馴染・・・?」

「そうか、箒は入れ違いだんたんだ。 鈴は箒が転校した後の幼馴染、つまりお前がファースト幼馴染で鈴がセカンド幼馴染ってことになる」

なんだよ、ファーストとかセカンドって、幼馴染に使う言葉じゃないだろ

そう心の中でツッコミつつ自分のラーメンを啜る

「そうなのか」

「始めまして、よろしく」

「あぁ、こちらこそ」

聞いているだけなら友好的なのだろうがお互い表情とセリフが噛み合っていなかった

「オッホン、私の存在を忘れてもらっては困りますわ。 中国代表候補生、凰鈴音さん」

セシリアはまた対抗意識を燃やしていた

「・・・・・誰?」

鳳はそれを興味なさそうに返した

「なっ!私をご存じない!?イギリス代表候補生、セシリア・オルコットを!?」

「うん、あたし他の国とか興味ないし」

なんか前にもこんなことなかったっけ?・・・あ、俺等か

「い、言っておきますくけど、私あなたのような方には負けませんわよ」

「あんたも昼はラーメン派なの?」

「あぁ、家がラーメン屋で昔からくってたからな」

「へぇ、気が合うわね、あんた名前は」

「風間月光、月光でいいぜ」

「そう、それじゃああたしも鈴でいいわよ」

「おう、よろしくな、鈴」

「って私の話を聞きなさい!!」

こんな感じで今日は非常に騒がしい昼食になった

「カレーはいつ食べてもうまいな」

「へぇ、馬神さんってカレー好きなんですか」

「思い出の味だ。 それと呼ぶ時はダンでいい、喋り方も普通にしてくれ」

「そうか、んじゃあ改めてよろしくな、ダン」

「あぁ、よろしく、一夏」

そんな中ダンと一夏はのん気に食事していたのであった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

放課後、一夏の特訓とダンがISに慣れるためということで俺達はアリーナにやってきた

メンバーはいつものメンバーに今回セシリアとダンが加わった形になっている

「そんじゃまぁとりあえずどうする?」

「どうする・・・というと?」

俺がそう言うとダンが聞いてくる

「一夏とダン、誰が誰の特訓を見るかって・・・」

「「私が一夏 (さん)の特訓を見る(見ますわ)!」」

俺が言い終わる前に箒とセシリアが割り込んだと思ったら二人で言い合いを始めた

「白式の武器は剣だ、だったら私が特訓をした方がいいに決まっているだろう!」

「それを言うなら私がISの操作の特訓をした方がいいに決まってますわ!」

「ちょ、お前ら落ち付け・・・」

「「月光 (さん)は黙ってくれ(下さい)!」」

「えー」

箒とセシリアはどっちが一夏の特訓を見るかで言い争い続ける。

そこにダンが一言

「じゃあ箒が武器の指導でセシリアがISの指導をすればいいんじゃないか」

「「え?」」

「俺は月光に見てもらうから二人は一夏の特訓を見てくれ」

「う、うむ、馬神がそう言うならそうするとしよう。 うん」

「そ、そうですわね、どうせなら二人で一夏さんの特訓を見ましょうか」

一瞬の沈黙の後、箒とセシリアが非常にうれしそうにそう言った

「ちょっ、俺の意見は!?」

今の今まで完全に置き去りの一夏が反論するが

「却下だ(ですわ)」

「またかよ!?」

例のごとく却下されていた、てかなんだかんだで息合ってんなあの二人

「んじゃそういうことで頑張れよー、一夏」

「ま、待ってくれ月光・・・」

「いくぞ一夏、私が剣の極意を教えてやる」

「一夏さん、私がISの操作を手取り足取り教えてあげますわ」

「痛たたた!二人とも引きずってる!引きずってる!!」

一夏は二人に引きずられていった

「・・・んじゃ始めるか」

「あぁ」

その後、俺はダンにISの操作を教えた。 そしてダンはものの見事に習得したのであった

・・・特訓が始まりしばらく経つと一夏がアリーナでぶっ倒れていたのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあまた後で」

「おう、んじゃな」

とりあえず一夏は二人に任せてダンと更衣室に戻り、寮でダンの部屋の前で別れた

「さぁて、どうすっかな・・・」

暇になったから校内をぶらつく・・・すると後ろから走る足音が聞こえて来た

「ん?・・・うお!?」

振り返ったときには既に遅く、激突されてしまった

「痛てて、・・・って鈴?」

俺にぶつかったのは鈴だった。 鈴は目に涙を浮かべ、今にも泣き出しそうだった

「どうした、なんかあったのか?」

「・・・なんもないわよ」

「んな泣きながら言ったって説得力ねえよ」

「・・るさい・・・」

かろうじて聞き取れる程度の声で返す鈴・・・・・やっぱほっとけねぇよな

「とりあえず・・・部屋、来るか?」

「・・・・・うん・・・・・」

いまだ項垂れる鈴を連れ先生に見つからぬように俺は部屋へ戻った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「落ち着いたか?」

「えぇ・・・悪かったわね」

部屋にあったウーロン茶とチョコを渡し、ようやく落ち着いたようなのでできるだけ優しめに話しかける

「んで、なんかあったのか?」

「・・・・・・・・・・」

そう聞くと鈴は黙り込む

「まぁ、言いたくなきゃいいさ。 嫌なことあったら飯食って寝ろ、そうすりゃ大抵吹っ切れられる」

「・・・ぷっ、なによそれ」

俺のセリフにようやく笑う鈴

「ははは、おっちゃんの受け売りだよ」

「なんかいかにもあんたを育てた人って感じね、その人」

「ってどういう意味だ」

「そのまんまの意味よ」

ようやく昼までの感じに戻った鈴は一息置いて俺に話し始めた

 

 

 

 

「・・・・・なるほどな、それで一夏と大喧嘩、と」

「・・・うん」

「・・・はぁぁぁあ、ったくあいつの鈍さにはある意味驚かされっぱなしだな」

一夏は安定の朴念仁ぶりを発揮し、鈴との約束を勘違いしていた

「・・・にしても毎日酢豚作ってやるってのもどうかと思うがな」

「なっ、しょうがないじゃない!自信あったの酢豚だけだったんだから・・・」

「まぁとりあえずそれは置いといて、どうすんだ?」

「どうするって、なによ?」

「一夏と喧嘩しっぱなしでいいのか?」

「・・・わかんない、そりゃあ仲直りしたいし謝ってもほしい。 でもあいつに会うとまた喧嘩しちゃうと思う・・・」

そう言うと鈴は再び黙り込む・・・しゃあねぇ、乗りかかった船だ

「そういうことなら、俺が一肌脱ごうじゃないの」

「・・・え?」

「お前たしかクラス代表になったんだよな」

「えぇ、そうよ」

「んで、俺らのクラス代表は一夏だ」

「・・・・・あっ」

俺の言いたいことが判ったのか鈴はハッとした表情をした

「そういうこと、素直になれないなら素直になるためのきっかけを作ればいい」

「素直になるためのきっかけ・・・」

「あぁ、そっから先は自分で考えられるだろ」

「・・・・・えぇ、そうね。 よーし、そうと決まれば明日一夏に宣戦布告よ!」

鈴は立ち上がり意気揚々と宣言した

「おう、その意気だ」

「ありがとね月光、それじゃ部屋に帰るわね」

「あぁ、また明日」

鈴は俺に手を振りながら軽い足取りで部屋を出て行った

「さーて、そろそろ食堂にでも行くか」

気付くと時間も頃合になっていたので夕食のため食堂に向かった

・・・食堂で一夏に会ったのでとりあえず一発チョップを叩きこんでおいたということをここに記しておく

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第三章 前編
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