英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 253 |
〜メンフィル帝国・帝都ミルス郊外・メンフィル軍演習場〜
「グオオオオオオッ!!」
カファルーは自分の弱点攻撃をしたミントを脅威に思ったのかすざましい炎をミントに吐いた!
「!魂断獄炎撃(ソウルブレイクファイア )!!」
対するミントもすざましい炎のドラゴンブレスを吐いて対抗した!カファルーとミントが吐いたブレスはぶつかり合い、ブレスによる一進一退の攻防になった!
「なんて戦いだ………」
「”最強”の存在である”魔神”と”伝説”の存在である”竜”。もはや俺達みたいな人間が介入できる戦いじゃないな………」
カファルーとミントの攻防をアガットは呆然とした表情で見て、ジンは真剣な表情で見ていた。
「ミントちゃん……」
「頑張って〜!ミントちゃん!!」
クロ―ゼは心配そうな表情でカファルーとブレスの攻防を続けるミントを見続け、ティータは大声で応援した。
(エステル。ミントが魔神の注意を惹きつけている間に私達が一気に決めるわよ!)
「うん!」
パズモの念話に頷いたエステルは剣を鞘に戻して、今度は棒を構えた!
「たぁっ!」
「せいっ!」
そしてニルとエステルは二手に分かれて、それぞれカファルーの側面から、ニルは連接剣の刃を伸ばす技――連接剣伸張、エステルはクラフト――真・捻糸棍をカファルーに放ち
(猛りの風よ!我が呼びかけに応えよ!大竜巻!!)
「のびちゃえっ!酸衝撃!!」
パズモとテトリは魔術を放って、カファルーにダメージを与え
「ウオオオオオオオオッ!!」
サエラブはとてつもない雄叫びを上げて、敵を怯ませる技――拡散咆哮を放って、カファルーの攻撃を止めた!
「ハァァァァ…………せいっ!!」
さらにそこにエステルがクラフト――真・金剛撃をカファルーの頭に命中させた!
「グオッ!?ガアッ!」
エステルのクラフトが命中したカファルーは呻いた後、エステルを睨み、エステルに角を向けて突進したが
「よっと!」
エステルはカファルーの突進を回避した。そして次の魔術の詠唱を終えていたパズモとテトリが魔術を放った!
(光よ!我が仇名す者に裁きの鉄槌を!贖罪の光霞!!)
「大地よ………我が呼びかけに応え、真なる猛りを!ベーセ=ファセト!!」
「ガッ!?」
エステルに攻撃をかわされたカファルーにパズモとテトリが放った上位魔術が命中し、カファルーは呻いた!
(行くぞ………!疾風牙!!)
さらにそこにサエラブがすざましいスピードでカファルーに攻撃した後、駆け抜け
「聖なる雷よ!我が剣に宿れ!極光!電撃剣!!」
ニルは空より強襲して、カファルーにダメージを与え
「行っくよ〜!惑星轟雷爆撃(プラネットサンダースパーク )!!」
ミントはすざましい雷のドラゴンブレスをカファルーに放った!
「!?グオオオオオオオッ!?」
ミントのドラゴンブレスをその身に受けたカファルーは呻き声を上げた!
「よっし!これでかなり弱らせたんじゃないかしら!」
カファルーの様子を見たエステルが喜んだその時
「グオオオオオオオオオオオオオオオオオ―――――ッ!!」
カファルーは今まで以上にすざましい雄叫びをした後、身体全体にすざましい炎を纏わせた!
「………まさかカファルーを本気にさせるなんて………勝負はここからだよ、エステル。」
カファルーの様子を見たエヴリーヌは驚いた後、真剣な表情でカファルーを警戒しているエステルを見ていた。そしてカファルーは翼の部分にすざましい炎を纏わせてミントに突進した!
「アアッ!?………………っつ!………」
すざましい炎を翼に纏わせて突進するカファルーの技――紅蓮の翼を受けたミントは悲鳴を上げた後、竜の姿から人型の姿に戻り、身体にいくつかの場所に火傷と打撲を負った状態で地面に蹲っていた!
「ミント!大丈夫!?」
カファルーの攻撃を受け、地面に蹲っているミントを見たエステルは慌てた様子でミントに駆け寄った。
「うん……まだ戦えるけど、さっきのドラゴンブレスを数回使った影響で魔力が足りなくて、今は”竜化”できないよ………」
「ミントが無事なら、そんなのどうでもいいわ!………ティアラル!!」
ダメージで呻いているミントにエステルはオーブメントを駆動させて、ミントの傷を治癒した。
「火傷もしているようね。光よ!……浄化!!」
さらにそこにニルも近付いて来て、魔術でミントの火傷を治した。そしてカファルーは飛び掛かる態勢で、炎を纏わせている翼にさらにすざましい炎を纏わせ、炎によって翼の長さを倍以上にした!そしてカファルーはエステル達に翼をはばたかせ、すざましい炎の翼の形をした衝撃波――獄蓮の翼を放った!
「やばっ………!」
自分達に襲いかかるすざましい炎の衝撃波にエステルが焦ったその時
(聖なる領域よ!我等を守りたまえ!防護の聖域!!)
パズモがエステル達の前に出て、自分達の周りに結界を貼った!炎の衝撃波は結界にぶつかった!
(エステル達は………私が守る!!)
そしてパズモは結界にさらに魔力を注いだ!そのお陰である程度は威力が収まり、一部の炎は消えたが
(キャアアアアッ!?)
全ては防ぎきれず、パズモに命中した!
「パズモ!?」
カファルーの技に命中し、地面に落ちたパズモにエステルは慌てて駆け寄った。
(ごめんなさい、エステル……私は……もう………)
「後はあたし達に任せて!だから、今は休んで!」
弱々しい念話にエステルはパズモを両手ですくいあげて、心配そうな表情で言った。そしてパズモは光の玉となって、エステルの中に戻った。
「グルルルルルルルル………!」
そしてカファルーはまた、何かを溜める動作で、口にすざましい炎を収束し始めた。
「クッ………”守護天使”の名にかけて、防いで見せますわ……!」
「私もお手伝いします!」
カファルーの行動を見たニルとテトリは結界を展開しようとしたが
(……奴の攻撃は我が防ごう。ニル、テトリ。お前達は防御より攻撃に専念しろ。悔しいが我の攻撃では奴に決定打を与えられん。ならばお前達に望みを託すまでだ。)
「永恒!?」
サエラブの指示を聞いたエステルは驚いて、サエラブを見た。
「…………わかりましたわ。」
「…………はい!」
サエラブの指示にニルは重々しく頷き、テトリは真剣な表情で頷いた後、魔術の詠唱を始めた。
(獣の魔神よ……誇り高き”炎狐”の炎……思い知るがいい………!)
そしてサエラブはカファルーのように口にすざましい炎を収束し始めた!
「グオオオオオオッ!!」
そしてカファルーは口から全てを焼き尽くすような灼熱の炎を吐いた!
(”炎狐”の炎……思い知るがいい!獄炎の大渦!!)
自分達に襲いかかる炎をサエラブは口からすざましい獄炎の渦を吐いて、対抗した!カファルーの炎とサエラブの炎はぶつかりあい拮抗していたが、じょじょにカファルーの炎が圧していた。しかし
(”炎狐”を……舐めるなあっ!!)
サエラブは自らに気合を入れ、さらに炎の威力を強めてカファルーの炎を圧し戻し、カファルーの口にカファルーが吐いた炎ごと自分の炎を命中させた!
「グオッ!?」
自分の口に炎が命中した事によってカファルーは驚き、のけ反った!
(グッ……………)
一方炎を吐き終わったサエラブは力を使い果たしたかのように、弱った様子でふら付いた後、地面に倒れた!
「永恒!しっかりして!」
(フッ………勝利への布石は打った…………後は任せたぞ…………)
そしてサエラブは不敵な笑みを浮かべた後、パズモと同じように光の玉となって、エステルの身体の中に戻った。一方魔術の詠唱をしていたニルとテトリは自分達の足元に巨大な魔法陣を展開して、それぞれ”昇格”した事によって使えるようになった禁じられし魔術――大魔術を放った…………!
説明 | ||
第253話 | ||
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