IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode40 海賊

 

 

 

 

次の日の朝・・・・・

 

 

 

 

 

本当であれば今日IS学園に帰る筈だったが、一般生徒を先に帰らせて、隼人たち専用機持ちは旅館に残っていた・・・

 

 

 

 

「全員揃っているな」

 

千冬は全員居ることを確認した。

 

場所は福音のときにも集まった宴会場である。

 

千冬を含めると、教師は山田先生のみであり、近くには輝春が壁にもたれかかっていた。

 

「・・織斑先生・・・一体何があったんですか?俺たちだけ残って・・」

 

 

「もしかして、昨日の福音との戦闘についての事情聴取でしょうか?」

 

「いいや。そうではない。それに事情聴取であれば学園でもできることだ。わざわざお前達だけ残したやる必要は無い」

 

「・・確かに・・・・では、一体?」

 

 

 

「・・昨日の夜・・・上層部より極秘任務が下された」

 

「極秘任務・・?」

 

「福音と戦ったばかりだって言うのに・・・なんでまた」

 

「・・神風・・・。そう思うのは無理も無いが、今は黙っておけ」

 

「・・・・・」

 

「・・・極秘任務の内容は・・・・『バシリスタ』の討伐だ」

 

「バシリスタ?」

 

「バシリスタって・・・・」

 

「最近世界各地で悪事を働く海賊のことだ」

 

と、ラウラが説明を入れる。

 

「か、海賊・・?」

 

「今時海賊なんかあるのかよ・・」

 

と、一夏は呆れたように言う。

 

「しかし、海賊如きにあたし達専用機持ちって・・大げさじゃないんですか?」

 

と、鈴は疑問に思って千冬に聞く。

 

「・・・普通であればそう思うだろうな・・・だが、そうもいかん相手だからな」

 

「・・・・?」

 

 

 

「・・何せ・・・バシリスタはISを所持しているからな」

 

「っ!?」

 

それを聞いてラウラとティア以外は驚く。

 

「あ、ISを!?」

 

「・・しかも・・確認されているだけでも七機を所持していることが分かっている」

 

「な、七機も・・・」

 

一夏は目を見開いて驚く。

 

「量産型を五機・・・専用機と思われるISを二機だ」

 

「し、しかし・・・どうやってそれだけの数を・・」

 

「・・・さぁな。どこかの研究所より奪取したか、もしくは裏で支援する企業か研究機関がいると、様々な説があるが、詳細は分からん」

 

「・・・・」

 

「だが、バシリスタのISパイロット達は一筋縄ではいかないほど、腕の立つ連中ばかりだ」

 

「・・・・・・」

 

「量産型のISを扱うパイロットだけでも代表候補生かそれ以上の技量を持ち、専用機二体については国家代表以上の実力を持っている」

 

「・・・噂には聞いていたが・・・・これほどとは」

 

ラウラも驚きを隠せなかった。

 

「以前にアメリカ代表と代表候補生とアメリカ軍の大部隊でバシリスタの討伐に向かったが、全く歯が立たずにバシリスタに大敗したようだ」

 

「そ、そんなに・・・」

 

鈴は身震いする。

 

「・・そんなやつらと、福音との戦いで傷ついた俺たちで討伐しろと・・・上層部は言っているんですか!」

 

と、隼人は立ち上がると千冬に言う。

 

 

「・・・実際のところ、私もこの作戦には反対だ。だが、上層部もこの状態を承知の上でバシリスタの討伐命令を下したのだ・・・」

 

「・・・それほど・・・重要ってことですか」

 

「・・・・・」

 

「福音の時もそうだ・・・。いつも他人任せだな」

 

 

 

「神風・・・お前の言うことは分かる・・。だが、今は抑えろ」

 

「・・・・」

 

 

 

「・・・だけど、今回の作戦には出撃できないメンバーも居るって言うのに・・・」

 

「・・・この中で出撃できない者はいるか」

 

すると、セシリア、鈴、ティア、エリーナが挙手した。

 

「四人か・・・・だから、か」

 

「・・・・?」

 

「どういうことですか?」

 

 

 

「上層部はこの事態を想定してか、一応増援として日本代表をこちらに送っていたようだ」

 

「増援?」

 

「しかも日本代表・・・一人?」

 

「・・あぁ」

 

「・・増援の意味なんかないな・・・たった一人って・・・」

 

「・・・だが、実質上私の後任にあたる人材だ。それなりには期待はしても良いだろう」

 

「・・・織斑先生の後任・・・?」

 

「・・・・・・・・」

 

 

 

 

 

「入って来い」

 

 

「では、お邪魔します!」

 

 

と、障子を勢いよく開けて、一人の女性が入ってきた。

 

「・・・・・」

 

すると隼人はその女性が入ってきた途端顔をしかめた。

 

 

 

二十代前半の女性で、服装は千冬と同じ黒のスーツであるが、ストッキングではなく黒のニーソックスで、スカートの丈が千冬より短い。黒く艶のある髪を膝まで伸ばしており、前髪をヘアピンで止めていた。スタイルも千冬より少しよく、スーツの上からでも分かるぐらいあった。その顔は誰かと似ているが・・・・

 

 

 

 

「お久しぶりですね。千冬先輩。元気でしたか?」

 

「あぁ・・・相変わらずだな、綾瀬」

 

「えぇまぁ。元気が一番ってやつでしょ」

 

「・・・確かにそうだが・・・それより、自己紹介ぐらいしろ」

 

「分かっていますよ」

 

そうして女性は専用機持ちのほうを向く。

 

「えぇ・・・私が日本代表の神風綾瀬・・・・千冬先輩の正式な後任ね」

 

 

 

 

「・・え?・・今・・神風って・・・」

 

「・・・もしかして・・・」

 

と、一夏以外は隼人の方を向く。

 

「・・・・・・」

 

 

 

「まぁ、苗字で気づいたと思うけど、隼人の姉です」

 

 

 

「腹違いのな」

 

と、隼人は刺々しく言った。

 

 

 

「あ、あの人が・・・」

 

「隼人の・・・姉さん」

 

「・・腹違いでも似すぎでしょ・・・・」

 

 

 

 

「隼人・・・久しぶりだね。最近忙しかったからこうして話すのって数ヶ月ぶりだよね」

 

「・・・・・・」

 

「それにしてもまた髪の毛が伸びたよね。姉さんそっくりになって嬉しいねぇ」

 

「・・・・・・」

 

「でもやっぱり隼人がISを使えるってところが一番驚いちゃったよ。姉弟でISが使えるのって千冬先輩と同じで良いなぁ」

 

「・・・・・・」

 

しかし隼人は一向に答えようとしない。

 

 

「・・・ねぇ、せめて返事ぐらいしてよ・・隼人・・・何度も言っているけどさ・・・」

 

 

 

「・・・気安く呼ぶな」

 

そうして隼人は後ろを向く。

 

 

 

 

「・・・隼人・・・。どうしたらいいですか千冬先輩」

 

と、綾瀬はしゅんとして今度は千冬のほうを向く。

 

「私の振るうな。関係には無いことだ」

 

「そんなぁ・・・」

 

そして綾瀬はガクッと肩を落とす。

 

 

 

 

「・・・とにかく、本作戦は神風綾瀬を含む専用機持ち六人と・・・・」

 

と、千冬は輝春の方を向く。

 

「・・・・・兄さんにも行ってもらうぞ」

 

千冬はなぜか言いにくそうに言う。

 

「言うと思ったよ・・・・だが、妹の頼みであれば、引き受けようじゃないか」

 

 

 

 

 

「・・えぇと・・どちら様?」

 

と、綾瀬はぽかーんとして輝春に聞いてきた。

 

「俺か?俺は織斑輝春。君が尊敬してやまない千冬の兄だよ」

 

「・・え、えぇっ!?千冬先輩のお兄さん!?」

 

「おう。それにISの操縦者」

 

その後綾瀬が驚きの声を上げたのは誰もが予想した・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃・・・・

 

 

「・・・・・・・」

 

男はイスに座ってモニターを見ていた。

 

その後ろには二人の女性が立っており、周りにはソナー士、通信士、操舵士など、様々な仕事をこなす女性たちが居た。

 

「まもなく日本の海域を通過します」

 

「そうか・・・・。しかし、ここを通るのは久しいな」

 

「えぇ。そうですね・・・マスター」

 

と、後ろに居る一人の女性が言う。

 

銀髪のロングヘアーで、背中まで伸ばしており、瞳の色は深い海の底のような蒼。白のレオタードを着て、袖をつけており、肩の部分だけを露出していた。白色のミニスカートを穿いており、ブラウンのブーツを履いていた。

 

「・・・様々な意味で有名な国ですからね」

 

そして女性の隣に居る女性が言う。

 

銀髪のショートヘアーで、瞳の色は隣の女性と同じで、服装もほとんど同じであった。しかもその顔も鏡に映したように瓜二つであった。女性二人のスタイルも同等で、良いほうであった。

 

「・・・・・・」

 

男性は航路が表示されたモニターを見て息を吹く。

 

少しボサついた薄い金髪をしており、顔には複数の傷を持ち、特に左の頬と右目の上下にある傷が目立っていた。服装は黒いコートを羽織り、白い手袋をして、少しボロボロの黒のズボンを穿き、軍用ブーツを履いていた。その顔は様々な戦いを勝ち抜いてきた歴戦の戦士を思わせる風貌であった。そして左肩には海賊旗を模したワッペンが付けられていた。

 

 

 

 

―――――――!!

 

 

 

「・・・・」

 

すると警報が鳴り響いた。

 

「何事だ!」

 

と、男性の隣に居た副船長と思われる女性が叫ぶ。

 

「十一時の方向よりIS編隊接近中!数は8!」

 

「IS編隊だと・・・。識別は」

 

「データ照合・・・・どうやらIS学園に在学している専用機持ちのようです!」

 

「IS学園・・・・モニターに表示させろ」

 

「は、はい!」

 

そしてレーダーの前に居る女性はすぐにモニターに接近している機影を表示した。

 

「・・ほう・・中々面白い構成だな」

 

「・・・日本代表のほかに・・・まさか救世主までいるとは・・・」

 

 

 

 

 

「ISが相手ですので、我々が出ます」

 

「戦闘員達に知らせろ。出撃だ」

 

「分かりました!」

 

 

 

「待て」

 

すると、男性がイスから立ち上がる。

 

「今回は俺も出る」

 

「マスターが自ら?」

 

「編隊の中には黒獅子がいる・・。以前より手合わせ願いたいと思っていたのでな」

 

「・・・マスターがそうおっしゃられるのっであれば・・・」

 

「私たちはそれに従いましょう」

 

「・・では、副船長。艦の指揮はお前に任せる」

 

「了解です・・・。キャプテン」

 

「・・では、行くぞ・・・フェイ、フィア」

 

「「ハッ!!」」

 

そうして男性と女性二人はブリッジを出た・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして隼人たちは海上を飛んでバシリスタが現れると思われるポイントまで向かっていた。

 

 

 

「・・いやぁ・・まさか千冬先輩お兄さんが噂の救世主とは・・・」

 

と、ISを身に纏った綾瀬はガンダムAGE-1をマジマジと見ていた。

 

 

 

そして綾瀬が纏っているISは結構古い感じのするもので、形状としては打鉄に酷似していたが、スカートアーマーの長さと広さがこっちのほうが多く、非固定ユニットのシールドも重ねていったような形状で、長さもISの脚部まで伸びていた。色は濃いグレーと黒。そして額には三日月を横にしたような形状のデバイスが装着されていた。

 

「そういえば綾瀬さんのISって・・・打鉄をベースにしたものなんですか?」

 

一夏は疑問に思って綾瀬に聞いてきた。

 

「いいや・・。むしろ原型」

 

「え・・?」

 

「どういう・・・ことですか?」

 

と、簪も興味を持った。

 

「私のISの名前は『武蔵・改』倉持技研で開発された第一世代の試作型IS」

 

「へぇ・・・。倉持技研のISなんですか・・・。だったら俺の白式と・・・って、第一世代!?」

 

一夏は第一世代という言葉を聞いて驚く。

 

「まぁ、驚くわよね」

 

「そ、それはそうですよ!第一世代はすべて退役したはずでは・・・」

 

「本当ならね。でも、この武蔵は当時誰にも乗りこなせなかった試作機で、お蔵入りになった機体なのよ。そんでもって私がこの機体を乗りこなしたことで、再び動き出したのよ。まぁ、そのままだと第三世代型と戦うのにはちょっと無理があるかなっていうことで、最新鋭の技術でアップグレードしたおかげで第二世代のISと同等の基準になったわけで、今じゃ唯一稼動している第一世代ってことかな」

 

「そ、そうなんですか・・・」

 

「でもって、打鉄は武蔵の構造を一部引き継いで設計されているのよ。だからそっくりなの」

 

「なるほど・・・」

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

隼人は会話を聞き流しながら辺りを警戒する。

 

ちなみに装備はアームド・アーマーBSとアームド・アーマーVNがまだ修復を終えてないので、今回は両腕は未装備であった。

 

 

 

 

 

 

 

《海中よりミサイル接近中!》

 

「っ!」

 

すると水中からミサイルが飛び出てきた。

 

「ミサイル!?」

 

「ちっ!」

 

隼人は右手にビームマグナムを展開すると、トリガーを引いて高出力のビームを放って、ミサイルの大半を撃ち落とす。

 

残りは輝春がビームライフルを放って撃ち落としてくれた。

 

「来るか・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『先制攻撃はどうやら通じなかったようです』

 

「構わんさ。それなりには腕の立つ連中が多いということだ」

 

そうして次々と格納庫より機体が発進していくと、男性は首に掛けているドクロのペンダントを手にすると光り輝き、ISを展開した。

 

『それではマスター・・。我々は先に行きます」

 

「あぁ」

 

そして黒いISを纏ったフェイとフィアはカタパルトに足を固定すると、注水がされていく。

 

 

 

「・・フェイ・シルバー・・・Gエグゼス ジャックエッジ・・・出る!」

 

そして左側のカタパルトよりフェイが発進した。

 

「フィア・シルバー・・・Gサイフォス・・・出る」

 

反対側のカタパルトよりフェイが発進した。

 

 

 

「・・・ダークハウンド・・・出る」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして海中よりIS部隊が出てきた。

 

「・・これが」

 

 

「バシリスタの・・IS」

 

そして全員臨戦態勢を取る。

 

最初に現れた量産型と思われるIS五機は全身装甲で、すべて黒色系で、頭部にはオレンジのバイザーを持ち、マスクにはドクロのようなスリットが入っていた。そして各機によって異なるが、右手の代わりに銃身を搭載したタイプと、通常の右手を持ったタイプに分かれていた。

 

 

 

そうして次に瞬間に二機のISが海中から出てきた。

 

「どうやら幹部の登場ってところだな」

 

「・・・・」

 

そして輝春と綾瀬も身構える。

 

新たに出てきた二機も全身装甲の黒色系で、右の機体はまるで海賊ハットのような頭部を持っており、量産型とは異なって黄色のツインアイで、どくろのようなマスクを持っていた。右手にはビームライフルを持ち、銃身下部にはナイフを装着した銃剣であり、左腕にはシールドを持っており、背中には二機のブースターを持ち、ビームサーベルと思われる棒を二本持っていた。

 

左側の機体は右とは異なっており、スマートな形状であり、ツインアイも黄色ではなく水色で、形状の違う海賊ハットのような頭部を持っていた。そして左手には手の代わりに銃身の短いライフルを持ち、その下部にはフックを装備していた。そいて右手には少し反りの入った実体剣を持っていた。背中にはバインダーのようなブースターを持っていた。

 

「幹部二人は俺たち二人で相手をする。お前達は量産機の方を頼む!」

 

「「「「「「了解!」」」」」」

 

そして一気に飛び出そうとしたその時・・・・・

 

 

 

 

「・・・・・ちょっと待て!」

 

すると隼人が全員を止めた。

 

「ど、どうしたんだ、隼人?」

 

 

 

「・・・もう一機来る」

 

「え・・?」

 

すると、海中より何かが飛び出てきた。

 

「な、なんだ!?」

 

そしてその機体は専用機二体の間に入ると、隼人たちを見る。

 

全身装甲の機体であって、カラーリングは黒をメインに、グレーなど、黒色系のカラーがほとんどであり、各所に赤が施されていた。頭の形状はまるで海賊の被る帽子のような形状をしており、額にはドクロがあり、黄色のツインアイを持って、右目には半透明のグリーンのアイパッチが付けられていた。両肩にはバインダーを持っており、まるでマントを思わせる形状で、先端にはフックを一基ずつ搭載されていた。胸部にもドクロがあった。そして右手には鋭く尖ったランスを持っていた。

 

「なんだあのISは!?」

 

「・・あんな機体が居るなど・・・データには・・・

 

 

 

「・・・恐らくあれってバシリスタの首領じゃない」

 

「え・・?」

 

そして一夏は綾瀬の方を見る。

 

「・・・オーラって言うもんが他とは全然違うわ」

 

「・・・・・」

 

 

 

 

 

 

「ようやく会えたな・・・黒獅子・・・力を見せてもらおうか・・・!」

 

そしてバシリスタのIS部隊が一気に動き出した。

 

 

 

「くっ!」

 

そして量産型のISはラウラ、シャルロット、簪、一夏、箒の五人に襲い掛かり、ジャックエッジとGサイフォスは輝春と綾瀬に向かっていく。

 

 

 

「っ!」

 

するとダークハウンドが隼人に向かっていくと、右手のランスを突き出して、隼人はとっさに左手にバスターソードを展開して前にやってランスを防ぐが、そのまま押されていった。

 

(こいつっ・・・!)

 

そして隼人はスラスターを噴射して上に飛び上がると、ビームマグナムを背中のバックパックにマウントして、バスターソードを振るうが、ダークハウンドは左肩のアンカーを射出すると、バンシィの右腕に巻きつけた。

 

「何ッ!?」

 

そしてダークハンドがそこから一気に飛び出すと、そのままアンカーを引っ張ってバンシィの右腕を引っ張ったところでアンカーを腕から外した。

 

その直後にバンシィの背中に飛び蹴りを加えて蹴り飛ばした。

 

「く、くそっ!」

 

隼人はとっさにバスターソードを振り向くと同時に振り上げるが、ダークハンドはランスで受け止めた。

 

「・・・・」

 

そしてダークハウンドはバンシィを押し返すと、隼人はすぐにスラスターを噴射して飛び出そうとするが、その直後にダークハウンドの胸部のドクロから眩い光が放たれた。

 

「うっ!」

 

隼人は反射的に目を腕で光を遮る。

 

 

 

 

「目くらましか・・!くそっ・・!目が・・・!」

 

しかし少し目を遮るタイミングが遅かったのか、目がくらんでいて景色が見えなかった。

 

『後ろから来ます!』

 

「っ!」

 

そしてリインフォースが隼人に声を掛けるが・・・

 

 

 

「遅い!」

 

そしてダークハウンドがランスを勢いよく突き出して、バンシィのバックパックに直撃させた。

 

「く、くそっ!」

 

そしてようやく目が回復して、隼人は何とか体勢を立て直してダークハウンドを見る。

 

「・・やってくれるな!」

 

隼人は一気にスラスターを噴射して飛び出し、バスターソードを振るうが、ダークハウンドは後ろに下がって斬撃をかわし、右肩のアンカーを射出すると、バスターソードに巻きつけた。

 

「っ!?」

 

そしてダークハウンドがそのままアンカーを引っ張ってバスターソードをバンシィの手から離して、バスターソードを後ろの方に放り捨てると、ランスの根元にある銃口よりビームマシンガンを放つ。

 

「くっ!」

 

隼人はとっさに両腕を交差させて攻撃を防ぐと、ダークハウンドは左肩のアンカーを射出して、バンシィにぶつけた。

 

「くそっ・・・!」

 

隼人はとっさに頭部のバルカンを放つが、ダークハウンドは素早くかわした。

 

「その程度か」

 

そしてフロントアーマーよりビームサーベルを出して左手に持って抜き放つと、バンシィに向かっていく。

 

隼人はとっさに右腕のビームトンファーを展開してビーム刃を出して斬撃を受け止める。

 

その直後に右足でバンシィを蹴り飛ばすと、ビームサーベルを振り下ろすが、隼人はとっさに右腕のビームトンファーを前に出して攻撃を受け止める。

 

 

(強い・・・これがバシリスタの首領か・・・)

 

そして隼人の頬に沿って汗が流れ落ちる・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

箒は雨月を振るうが、量産型は後ろに飛んで攻撃をかわして、右手のビームガンを放つ。

 

「くっ!」

 

箒はとっさに左腕の展開装甲を展開してエネルギーシールドを展開してビームを防いでいると、量産型は左手にビームアックスを展開して切りかかる。

 

箒はすぐに左腕の展開装甲をエネルギー刃に変換して、攻撃を受け止めた。

 

 

 

 

ラウラは量産型の攻撃をかわしていくと、レールカノンを放つが、量産型は左腕のシールドに角度をつけて上に弾いた。

 

「くっ・・・」

 

その直後に量産型が右手にビームアックスを展開すると、ラウラに切りかかる。

 

「停止結界!」

 

そしてラウラは右手を突き出してAICを発動させたが、その直前に量産型はスラスターを一気に噴射して飛び上がり、AICの効果範囲より逃れてから、ビームアックスを振り下ろしてレーゲンを切り付けた。

 

「くっ・・・!AICの効果範囲から・・・!」

 

ラウラは舌打ちをするとワイヤーブレードを放った。

 

しかし量産型はワイヤーをかわしていくと、ビームアックスを振り下ろすも、ラウラは右腕よりプラズマ手刀を展開して攻撃を受け止める。

 

 

 

 

 

シャルロットはアサルトライフルとアサルトカノンを同時に放つが、量産型は弾丸をかわしていくと、右手のビームガンを放つ。

 

「強い・・・・」

 

そして量産型が左手にビームサーベルを展開して切りかかるが、シャルロットは左腕にシールドを前に出して受け止めると、その直後に右足を上げて蹴りを入れた。

 

その直後に左腕のシールドをパージしてグレースケールを展開して、勢いよく突き出すも、量産型はすぐにスラスターを噴射してかわした。

 

 

 

 

 

 

「・・・・・」

 

簪は荷電粒子砲を放っていくと、非固定ユニットを展開してミサイルを放った。

 

 

しかし量産型は左手にミサイルランチャーを展開すると、ミサイルを四発放ち、一定の距離で爆発させると、簪が放ったミサイルが変な方向に飛んでいって爆発する。

 

「ジャミング粒子・・・・こんな高性能なものを・・・!?」

 

簪が驚いていると、量産型が左手にビームアックスを展開して簪に切りかかってきた。

 

「っ・・・!」

 

簪はとっさにスカートアーマーの裏側にあるニードルガンを展開して放って、量産型を牽制した・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

一夏は雪片参型を振るうが、量産型は後ろに飛んでかわしすと、右手にビームサーベルを展開して切りかかるが、一夏はとっさに左手に零型を展開して攻撃を受け止める。

 

「く、くそっ・・!」

 

一夏は強引に押し返すと、参型と零型の鍔を上に上げるとカートリッジをリロードして、刀身を展開してエネルギー刃を出す。

 

「くらえっ!」

 

そして勢いよく参型と零型を振るい、光波を放つが、量産型は左腕のシールドを前に放り投げて光波を防ぐとすぐに上に飛び上がって、左手にビームアックスを展開して一夏に切りかかった。

 

「っ!」

 

一夏は参型と零型を交差させて上に上げて、量産型の攻撃を受け止めた。

 

(何て強さだ・・・・量産型でこんなに強いと・・・隼人と輝春兄は・・・)

 

 

 

 

 

「ちっ!」

 

輝春はビームライフルを放っていくが、ジャックエッジは左腕のシールドで防いでいくと、銃剣型ビームライフルでAGE-1に向けてビームを放っていく。

 

「ドクロ顔とか海賊とか・・・イケてねぇんだよ!」

 

そしてビームライフルをリアアーマーにマウントすると、右サイドアーマーよりビームサーベルを抜き放って切りかかるが、ジャックエッジはビームライフル下部のナイフで攻撃を受け止める。

 

「・・・・・」

 

フェイはそのままAGE-1を押し返すと、銃剣を振るって、AGE-1の左腕のシールドの上部先端を切り裂いた。

 

「くっ!」

 

輝春はシールドをジャックエッジに向けて放り投げるが、ジャックエッジは銃剣を振るってシールドを切り裂くと、その向こう側には左手にビームサーベルを抜き放ったAGE-1が接近してきた。

 

「っ!」

 

フェイはとっさにシールドを前に出して攻撃を受け止めた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

そして輝春は強引にビームサーベルを引いていき、ジャックエッジのシールドを切り裂いた。

 

しかしその直後にジャックエッジは左手にビームサーベルを背中のバックユニットより引き抜くと、AGE-1に切りかかり、輝春もとっさにビームサーベルを前に出して攻撃を受け止める。

 

(この俺と対等か・・・・。日本代表は大丈夫か?)

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁっ!」

 

綾瀬は右手に持つ大型日本刀型ブレード『正宗』と左手に持つ同型を交互に振るっていくが、Gサイフォスは右手に持つヒートソードで巧みに受け流していく。

 

Gサイフォスは攻撃を受け流していくと、左手のビームガンを綾瀬に向けて放つが、綾瀬は正宗を振るってビームを切り裂く。

 

「くそっ!」

 

綾瀬はビームを切り裂いていくと、スラスターを一気に噴射させて接近すると、正宗を勢いよく振り下ろすが、Gサイフォスはヒートソードを上に上げて斬撃を受け止める。

 

(何てやつなの・・・・。この正宗の斬撃をまともに受けて尚受け止めるなんて・・・千冬先輩以来の強敵か・・・!)

 

 

 

「・・・・・」

 

そしてフィアは綾瀬を押し返すと、背中のブースターを展開して飛び出し、ヒートソードを振るうが、綾瀬は正宗二本を交差させて受け止める。

 

 

「くっ・・・・このっ!」

 

綾瀬は正宗を振るってGサイフォスを押し返すと、すぐさま正宗を振り上げるが、フィアはスラスターを噴射して宙返りをして斬撃をかわし、ヒートソードを振り下ろした。

 

「っ!」

 

綾瀬はとっさに非固定ユニットの左側で攻撃を受け止めた。

 

 

 

(・・・幹部でこの強さだと・・・・。・・・隼人)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてバンシィとダークハウンド両機はメビウスの輪を描くように刃を交えながら飛んでいき、二人は勢いよく飛ばしていき、ビームサーベルを交えた。

 

「くっ・・・!」

 

隼人は強引にダークハウンドを押し返すが、その直後にダークハウンドは右手に持つランスを向けると根元の銃口四つよりビーム弾をマシンガンのように放った、

 

それによってバンシィにビーム弾が直撃するが、隼人は諸共せずに突き進み、右腕のビームトンファーを振るうが、ダークハウンドは左手のビームサーベルで受け止める。

 

(くそ・・・・こうなったら・・・!)

 

そして隼人はダークハウンドを押し返すと、バックパックのカートリッジをリロードすると、一気に飛び出した。

 

 

「・・・・!」

 

そして一瞬で目の前から消えたバンシィにダークハウンドは一瞬と惑うが、その背後からバンシィが迫ってきた。

 

「もらったっ!」

 

そして右腕のビームトンファーを突き出すが、その直前でダークハウンドが後ろを向く際に回し蹴りをしてバンシィの横腹に入れた。

 

「ぐっ・・・!」

 

それによって隼人は横に吹き飛ばされて、その直後にダークハウンドがランスを突き出してバンシィの胸部に直撃させた。

 

隼人はそのまま吹き飛ばされるが、すぐに体勢を立て直した。

 

 

「・・俺の背中を取ろうなど・・・十年早い」

 

そしてダークハウンドはランスを振るってバンシィを見下す。

 

 

 

(・・・まさかあの動きをかわされるとは・・・想定外だ・・・・こうなったら・・・)

 

 

 

するとバンシィの装甲から金色の光が溢れ出てくると、装甲が展開していき、マスクが収納されて最後に角が展開して鬣のようになる。

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

隼人は背中より二本のビームサーベルを抜き放つと、両腕のビームトンファーも展開してダークハウンドに向かって飛び出した。

 

 

 

 

「・・・面白い」

 

するとダークハウンドはランスをリアアーマーにマウントすると、右手にもビームサーベルを持つと、バンシィに向かっていき、激しく衝突した。

 

隼人はダークハウンドを押し返すと四刀流でダークハウンドに切りかかるが、ダークハウンドは二刀流でそれらを受け流していく。

 

「ちっ!」

 

隼人は左腕のビームサーベルとビームトンファーを振るうが、ダークハウンドは身体を少し反らして攻撃をかわすと、ビームサーベルを振り下ろした。

 

隼人は右腕のビームサーベルとビームトンファーを前に出して攻撃を防ぐと、すぐに左腕のビームトンファーを突き出す。

 

しかしダークハウンドは左手のビームサーベルを逆手持ちにしてビームトンファーを受け流すと、強引にバンシィを押し返した。

 

「このっ・・!」

 

そして右手のビームサーベルとビームトンファーを勢いよく突き出すが、ダークハウンドは身体をずらしてかわして、バンシィに蹴りを入れた。

 

「ぐっ・・!」

 

吹き飛ばされる隼人にダークハウンドは両肩のアンカーを放つと、ワイヤーをバンシィの両脇に絡みついた。

 

 

 

「ぐ、ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

その直後にアンカーに電流が流されて、隼人に電流による痛みが襲った。

 

 

 

 

「・・・く、くそっ・・・!・・・調子に・・・乗るなぁぁぁぁぁ!!」

 

そして隼人はビームサーベルを持ったままダークハウンドのワイヤーを掴むと、手から何かを流し入れた。

 

 

 

「・・・っ!」

 

すると電流がダークハウンドに逆流すると、アンカーの基部が爆発した。

 

 

 

(システムに侵入して電流を逆流させたというのか・・・こんなISがあったとはな・・・)

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

隼人はワイヤーを両脇から外すと、ダークハウンドを見る。

 

 

 

(隼人・・・無茶をしないで・・)

 

(・・・だが・・ここで無茶をしないで、やつにどうやって勝てというんだ・・・)

 

(・・・・)

 

 

 

 

 

「・・・中々面白い戦い方をするな」

 

「・・・・」

 

するとダークハウンドのパイロットからオープンチャンネルで通信が来た。

 

「・・お前が・・・バシリスタの首領か」

 

 

「・・・いかにも・・・。俺の名は『キャプテンアーロン』・・と、名乗っておこう」

 

「キャプテン・・・アーロン」

 

「・・お前の名は」

 

 

 

 

「・・・神風・・・隼人」

 

 

「っ!・・・神風・・だと・・」

 

するとキャプテンアーロンと名乗る男性は驚きの声を漏らす。

 

 

「・・・・・」

 

 

「・・・そうか・・・なるほどな」

 

「・・・?」

 

 

 

 

するとダークハウンドの頭部横より何かが上に向けられて発射されて、空中で破裂して煙を出した。

 

 

 

「撤退信号・・・だと?」

 

 

 

すると戦っていた他の者たちも戦闘を中断して退こうとしていた。

 

「っ!逃がすか!」

 

そして隼人が追いかけようとした瞬間、ダークハウンドと残りの機体もマスクから眩い光を放った。

 

「またかっ!」

 

それによって全員腕で光を遮ると、海中より何かが飛び出てきて、宙で爆発して白い煙を放った。

 

 

 

 

 

 

 

「く、くそっ・・・」

 

隼人が腕を退けると、目の前には景色が見えないほどに煙幕が張られていた。

 

「逃げられたか・・・」

 

そうして辺りを見回していると、バンシィの下のフレームの輝きが無くなり、装甲が閉じていった。

 

「しかも、この煙幕には妨害粒子が入っているようです・・・。センサーがほとんど効きません」

 

ラウラがセンサーで辺りを探ろうとしていたが、ノイズが入って完全に効かなくなっていた。

 

「こっちも全然・・・」

 

「・・・このプログラムとは別の妨害粒子・・みたい」

 

「・・・そのようだな」

 

「・・・それにしても、引く手際もいいな・・・海賊だから逃げ足も速いってわけか」

 

「・・でも、なんで退いたんだろう」

 

と、綾瀬は何かに引っかかっていた。

 

「・・・何か引っかかるのか?」

 

「そりゃ、さっきまで私たちを押していて有利に立っていた筈なのに、何でいきなり撤退なんかしたんだろうって」

 

「・・・言われてみれば」

 

と、輝春はAGE-1の顎に手を当てる。

 

「あのまま押していれば私たちが負けたかもしれないのに・・・。そうすれば私たちのISを奪うことだってできる・・・なのにいきなり撤退するって不自然すぎる」

 

「・・・・・・・」

 

 

 

「・・・だが、逃げられたからにはどうしようもない。足取りも掴めそうに無いのであれば、尚更だ」

 

「・・・・・・」

 

「・・・仕方が無い。戻るぞ」

 

「・・輝春兄」

 

「このままじっとしたところで何も起こらん。千冬に報告でもして、策を考えてみるしかない」

 

「・・・・・・」

 

 

 

そうして隼人たちは旅館の方に戻っていった・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

後書き

自分で書いておいてなんだけど・・・海賊強いな・・・。

最近頭に浮かんだ案ですが・・・この作品の外伝を書こうかと思っている・・・いや、外伝と言うより後日談?・・・空白期間?・・・まぁ、ネタばれな要素が多いので、まだ執筆には入りませんが・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!

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コメント
強い敵ばかりな気がします。………無双ばかりなので泥臭い戦いがあってもいいんじゃないんですか?(jon/doe)
次はAGE‐3かAGE‐FXの登場を期待してしまう…。(mokiti1976-2010)
基本的に一定条件が揃えば可能と言う設定ですが、感情によっては自動発動となっている(ファントム)
バンシィのデストロイモードは、どのようにして起動するのですか?(retusa)
タグ
バンシィ ガンダム インフィニット・ストラトス IS 

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