青いチビの使い魔 第18話 |
キキSide
「オリヴァンさまは、御寝室だお休み中でございます」
そう言ってメイドさん(名はアネットというらしい)は俺たちを寝室に案内をしながらオリヴァンのこと説明する。だが俺はそんなことどうでもいい、今俺は帰りたい。とにかく帰りたい。だって、面倒臭いんだもの。どう考えたって、あの親で引きこもりってことはロクな奴じゃない。はぁ〜と心の中で愚痴っていたら寝室の前に着いていた。
「アネットございますよ。ぼっちゃま、扉を開けてくださいまし。もし、ぼっちゃま!」
アネットちゃんが中にいるだろうお坊ちゃんに声を掛けるが、返事も無けりゃあ扉も開かない。タバサはアネットを退けるとアンロックを唱えるが扉は閉まったままだ。そんな時、俺の隣にいたアッシュが前に出て腰の剣を無言で引き抜き、ザァンッ!と、扉を叩斬った。おお、豪快だな。アッシュによって斬られた扉はバラバラになって、部屋の中に倒れていき
「だ、誰だお前ら!!」
中に居たぽっちゃりしたガキがあまりのことに驚愕して叫けんできた。あー、やっぱりこんな奴なんだね。アッシュは無言でガキに近づいていって、そいつの首筋に刃を突きつけた。
「おいクズ。テメェのくだらねぇワガママのせいで、俺がこんなくだらねぇことするはめになってんだ。殺されたくなかったら、言う事を聞きやがれ」
「あー、無駄な抵抗はしないほうがいいぞ。彼、本気でその首落としかねないからな」
「・・・・・・・(コクコクコク)」
アッシュが殺気を振り撒きながら脅し、俺がダメ押しで忠告したらオリヴァンは恐怖で表情を歪めながらも何度も頷いた。さて、
「どうする?」
「ふん。学院とやらに行かせればこのくだらねぇ任務は終了だ」
俺が聞くと、アッシュはそう言い返してオリヴァンの首にさらに剣を近づける。
「ん〜? 正確には通わせるだから、ただ行かせただけじゃ任務完了にはならないと思うぞ?」
「チッ。ならどうすんだ? こんなクズ、そう簡単にどうこうできねーぞ」
「俺の知ってる修行に決められた装備で森で一週間ほどサバイバルするってのがあるんだが、こいつにナイフ一本持たせて近くの森に放置するすれば、一週間後には確実にまともになってるはずだ。まあ、なってなかったらもう一週間放置ってな感じでどうだ?」
「ほう。なかなかいい案だな。よし、じゃあ早速森に捨てに行くぞ」
そう言ってアッシュは俺の案に頷き、オリヴァンを森へ連れて行くために無理矢理立たせようとしたが、
「ふざけるなっ!? そんなことしたら死んじゃうじゃないか! 僕はお前たちのような卑しい人間と違って僕はド・ロナル家の嫡男だぞ! なぜ僕がそんなことをっ・・・・ひっ!?」
「黙れクズが。てめぇの意見なんざぁ知ったことか」
オリヴァンが駄々をこね始めたが、アッシュが即座に威圧して黙らせた。んじゃ、さっそくシルフィをと思ったら、ゴンッ!ガンッ!
「痛っ・・・」
「・・・ッ!なにしやがる」
タバサに後頭部を殴られた。俺たちはただ、手っ取り早く、尚且つオリヴァンのためにと思って行動したのに。
「無茶。彼が死んでしまう。後は私がやるからあなた達は下がって」
タバサがそう言うので、俺は肩をすくめ、アッシュは剣を収めて部屋にある大きなソファに座る。オリヴァンは俺たちが離れてほっとしたのか肩を落として力を抜いたが、
「・・・ッ!? な、何をする! 降ろせ! おいっ!」
タバサは無言で杖を振り、オリヴァンを浮かせると彼を連れて部屋から出て行ってしまった。うーん、暇になってしまった。しょうがないのでメイドさんに紅茶とお菓子を持ってきてもらった。
「なっ! お前等! 何、僕の部屋でくつろいでるんだ!」
しばらく部屋にあった本で文字の読み書きを勉強していたら、オリヴァンが帰ってきた。出てってから1時間位しか経ってないんだが。
「おい! 聞いてるのか!!」
「あ゛?」
「黙れクズ」
無視していたらオリヴァンが怒鳴ってきたので、俺とアッシュが睨んだら
「うっ・・・」
と唸り、その後黙ったままベットに行き、一緒に帰ってきたタバサ相手にあーだこーだと愚痴というか弱音というか。まあ、所謂言い訳をしていた。・・・・・・・・・うっさいな〜。そして、なんやかんやで翌日。
「フッ!」
「ハァッ!!」
キイィン!
俺とアッシュは庭にて訓練をしていた。朝起きて、庭を見たら剣振ってるアッシュを見かけたので、声をかけて、軽くと思っていたら・・・・・・訓練を始めてから一時間位やりあってるわけなんだけど、そろそろ疲れてきた。
「ふぅ。そろそろ終わりにしようぜ。疲れた」
「・・・そうだな。それと手合わせ感謝する」
「別にいいって。俺も暇だし、訓練する時は声かけてくれ。俺も手伝うからよ」
「そうか。ならこの馬鹿げた任務が終わるまでよろしく頼む」
「おう、よろしく。俺の名はキキだ」
「アッシュだ」
てな具合にアッシュと仲良くなった。
「ところでアッシュ。タバサがどこ行ったか知らないか?」
朝起きたらタバサがいなかったのでとりあえずアッシュに聞いてみた。
「あ? いや、知らねぇ。例のガキの方はお前が来る前に出て行ったのは見たが」
「そうか。あんがと」
オリヴァンが進んで外に出かけるなんておかしい。えっと、確かタバサが何かしてたはずなんだけど・・・・・、ダメだ思い出せない。まぁ思い出せないってことはどうでもいい事ってことだな。
「・・・・・・・・本でも読むか」
その日、俺は日がな一日、本を読んで過した。オリヴァンはどうしたって? どうなったんだろうね?
で、任務三日目。朝起きると、やっぱりタバサはもういなかった。しょうがないので庭でアッシュと訓練をした。そして訓練を終えて、暇になったので
「そうだ。遊びにいこう」
で、思い立ったが吉日、街に来た。金は屋敷にあった奴を勝手に借りてきた。返す気はないけどな。
「久しぶりに遊べるな。あっちじゃ、基本任務ばっかで遊びに行けなかったからな〜。さて、遊ぶと言ってもこの世界だとカジノぐらいしかないんだが。まぁいいか、試したいこともあるし」
で、カジノ到着。ギャンブルじゃー!なんてな。さて、向こうじゃ出来なかったチャクラと白眼によるイカサマを試しますか。まあ、十中八九成功すると思うけど。で、
「見事に大成功っと。チャクラ糸でダイス系やルーレットを操ったり、白眼で相手の手札を透視したりで、ぼろ儲け。『もう止めてくれ!』と泣かれてしまった。まぁいいか、えっと店に返した分を引いて・・・三千エキューぐらいか?ふむ、重いし邪魔だな。どっかの酒場でパァーっと使うか」
ってな感じで日も暮れていたので近くにあったいい感じの酒場に入り、
「お〜い、店主と客! 今居る客とこれから入ってくる客の代金は俺が全部払うから好きなだけ飲み食いしていいぞ!」
と大声で叫び、三千エキュー入った袋をカウンターに広げた。そしたら少しの静寂の後、
『おおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』
と、客達が雄叫びを上げて祭り状態になった。店主も超笑顔で
「どんどん食べてってね」
とまだ頼んでもないのに料理やお酒を出してきた。そんなこんなで俺は飯をたらふく食って、酒場で仲良く(?)なった兄ちゃんに連れられて、
「こ、ここはっ!」
「へっへっへ。ここはなかなか可愛い娘たちがいるって評判の店でよ。あんただって若いんだ。色々もてあましてるだろ?」
と、娼婦館へと足を運ぶ事になった。木ノ葉の里にはなぜかこの手の店が無く、里から離れた歓楽街へ行かなくてはならないのだが、さきも言ったように俺は任務のせいでなかなか遠出が出来ず、出来たとしても、年齢制限に引っかかっていたために、入ることが出来なかったが・・・ここでは関係無いみたいだ。
俺は、ウキウキしながら兄ちゃんと入店し・・・・・・・・・・・・・
「そして、いつの間にか朝か」
昨夜一緒にいた兄ちゃんはいつの間にかいなくなっており、兄ちゃんの分も含めて結構な額を払わされた。まぁ金は有るから別にいいけど。
「ん〜。腹へったし、出店でなんか食べよ〜」
その後、店を出た俺は出店を回りながら街を徘徊し、夕方になったのでそろそろ屋敷に帰ろうとしたら
「あれ? タバサ?」
タバサがこそこそと移動しているのを見つけた。なので、俺も後をつけてみた。着いた所はボロボロの建物。そこでオリヴァンが腕の立ちそうな男と決闘しようとしていた。なぜそんな状況に? まぁ俺には関係ないからどうでもいいけど。で、決闘(笑)が始まろうとしたら、アネットがオリヴァンの前に出て相手に決闘を止めてくれるように頼んでいたが、男はキレてアネットに魔法を放った。
「・・・・・・・ふむ、例の魔法人形だといえ見過ごせる行為ではないな」
俺は相手の男と雇い主のガキの顔を覚える。オリヴァンがアネットの死に激昂し、泣きながらも男に向かって行ったが、手も足も出ずにボコボコにされて流石にヤバイ状態になり、男が止めをさそうとしたらタバサがそれを阻止した。その後、男とタバサが戦い始め、俺は誰にもバレないようにテキトーに小石を男に幾つか投げつけてタバサを援護した。結果、あっという間にタバサが勝った。
「ふむ。で、これってなんだったんだ?」
今更だが一体どういう経緯で決闘っぽいことになったのかわからない。まぁいいや。ガキ共が逃げてったあと、タバサはアネットに近づくと縮んで小さな人形になってしまった。
「へえ、結構面白い力の流れだな。今度傀儡人形作る時の参考にしよう」
俺は白眼で魔法人形の力の流を見て頷き。そして、本物のアネットがやってきて気絶しているオリヴァンんを抱き起こしてタバサに何度も頭を下げた。それから、俺は瞬身の術で逃げたガキ共を追い、フルボッコにして屋敷に帰ると、先に帰っていたタバサから
「任務終了。帰る」
と告げられた。アッシュは
「俺が任務の報告をしといてやる。お前らはそのまま帰っていいぞ」
と言って、一人で帰ってしまった。なので俺たちはそのまま学院に直帰する事にした。
「きゅい〜。お兄様、一人で遊びに行くなんてひどいのね。シルフィ、暇で暇で退屈だったのね」
シルフィに乗って帰る途中、シルフィにそう言われた。
「あー、すまんすまん」
「きゅい!ずるいのね!私なんかそこのチビ助に扱き使われたのにー」
きゅいきゅいと文句を言ってくるので大人しく聞いてやる。
「まったく、お兄様ったら。私も美味しいもの食べたいのね!」
「ん?俺、そんなに臭いするか?」
俺は軽く服の臭いを嗅ぐ。
「きゅい。私達の嗅覚は人間より優れてるから、気にしなくてもいいと思うのね。それよりも、今度はシルフィも連れてって欲しいのね。昨日の夜も女の子と一緒でとても楽しそうだったのね。甘い匂いもして、お菓子でも食べてたのね?」
「・・・ッ!!?お、おう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
シルフィよ、なんてことを口走ってるんだ!? それとタバサから冷たい視線を感じるのは気の
「帰ったら・・・・・・・話し」
せいでは無かった。
「ん〜・・・・。タバサ、別にたいした事では・・・」
「O・HA・NA・SHI」
「イエス、マイ・ロード」
怖いよ、タバサ。ああ、また怒られるのか。・・・・・・怒られるだけで済むか? 済むよな? 済んで欲しいなぁ(悲)。俺は悲惨な未来を想像しながら学院に帰った。
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