恋姫〜一刀と天下覇道の三剣〜 |
第一章少年期旅編
五話「いざ涼州へ!」
桜園の誓いを交わしてから一ヶ月、俺と凱は賊を狩りながらひたすら山道を歩いていた。
今の目的は馬!! っという事で目的地は涼州。
凱からは「馬ならその辺りで売っているので良いんじゃないか?」っと言われたが、「これから相棒にする馬だから涼州のいい馬がいい!」って俺が言ったため目的地が涼州の西平に決定した。
その間、俺達はお互いの事をもっとよく理解しようと、お互いの過去を話し合ったりした。
凱は元々戦争孤児だったらしい。
8歳の時に両親を失った凱は、どこかも解らない村で路頭に迷っている所を凱の師匠、五斗米道教主である張魯さんに拾って貰い、そのまま弟子になったそうだ。
それから6年間、厳しい修行に耐えたお蔭で、凱は一人前の五斗米道の継承者になったそうだ。
凱が過去を話してくれたという事は、当然俺も、俺の過去を話したという事だ。
さすがに未来から来た事や体が縮んだ事なんかは伏せたが、鉄砕牙・天生牙・叢雲牙のことなんかは包み隠さずすべて話した。
俺の体には妖怪の血が四分の一入っていてるからこそ、この三剣を扱えるという事、
刀はそれぞれに能力があることなど包み隠さずにだ。
最初の方は凱も驚いてたけど、俺の気の量なんかで大体分かっていたようだ。
「怖くないのか?」って聞いたら「………まだ、そんなこと言ってるのか?#」って本気で切れられた。
そして驚くべき事があった。
天生牙が凱に反応した≠フだ。
今の継承者は俺であり、本来なら他の者に………それも人間に反応するなんてまずありえない。
普通は反応するどころか触れれば拒絶されるはずなのに…………。
恐らく、凱の癒しの気と思いに反応したんだと思う。
凱は気は純度の高い治癒の気だ、それも俺なんかが到底及びもしない超高純度な気と、人を救いたいという愚直なまでに純粋で素直な思い…………恥ずかしいけど、俺の事を思ってくれる事が………////////// (親友的な意味で)
実際、凱が天生牙を握っても、拒絶は起こらず逆に天生牙が自ら凱を求めているような気すらした。
その後、俺が握ってもやはり何の問題もなかったが…………、まさか天生牙が凱にも反応するなんて…………。
天生牙が凱に反応した事で、本来は俺以外が三剣に触れると激しい拒絶反応が起こる事を凱に説明した。
「なるほど、その刀にはそんな秘密があったのか…………」
「あぁ、天の『天生牙』≠ヘ一振りで百の命を救い、地の『叢雲牙』≠ヘ一振りで百の亡者を呼び戻し、人の守り刀『鉄砕牙』≠ヘ一振りで百の敵を斬る、……それぞれに特殊な力がある妖刀だ。
そしてそれは、本来なら現契約者である、俺以外は触れただけで相当な拒絶反応が起こるはずなんだけど………」
「けど俺はなんともないぞ?
どうなっているんだ?」
…………今、凱の頭の上に?が大量に浮かび上がっているのが見える……。
「恐らく、凱の癒しの気と思いに反応したんだと思う。
凱の気は純度の高い治癒の気なんだ……それも俺なんかが到底及びもしない超高純度な気。
そして人を救いたいという愚直なまでに純粋で素直な気持ち。(最後のは恥ずかしすぎて言えない //////)
この二つがあるからこそ天生牙が反応したんだと思う」
「なるほど……、しかし一刀のお祖父さんは妖怪だったんだな」
「あぁ、俺の家計は曾曾曾祖父ちゃんからずっと、大妖怪の地位についてたんだ。
父さんは次期総代将なんだけど、俺はその地位を譲り受ける事ができないんだ、……いや、譲り受ける気がないって言ったほうがいいかな」
「なんでなんだ?」
凱は不思議そうに首をかしげる。
「さっきも言ったけど、俺には4分の1しか妖怪の血が流れていない、だから妖怪化もできないし、完全な人間にもなりきれない……。
いくら継承条件である三剣の内一本に認められ、従える事ができても、妖怪の血が薄いんじゃしょうがない」
「まて、継承条件が天下覇道の三剣の内一本を従えることなら、一刀は完全に条件を満たしているじゃないか、それなら他の奴らにも反論できないんじゃないのか?
一刀が継承しても問題ないはずだろ?」
「確かに凱の言うと通りだ。
だけど、これは俺なりのケジメなんだ」
「…………ケジメ?」
「あぁ、こんな中途半端な俺が継承してもうまく纏められる筈がない、仮にできたとしてもそう長くは続かない。
それに、俺は人の血が濃いからすぐに死んでしまう……………………これが継承を受けない理由だ」
俺はそう答えた、凱は目を閉じて何かを考えた後、黙った顔を上げ夜空を見上げた。
そして、星を見ながら口を開いた。
「…………俺は大丈夫だと思うぞ」
「……え?」
凱の言葉が一瞬判らなかった。
「良いと思うんだ俺は、……確かに一刀は4分の1しか妖怪の血が流れてないかもしれない、人にも妖にも完全になりきれないかもしれないと自分で思ってるかもしれない」
凱は俺の方に向き直って静かに言った。
「………一刀は人間だよ、少なくとも俺はそう思っている。
それに天下の三剣すべてに、一刀は認められている…………、俺はそれで十分だと思う。
それに、一刀には人を引き付ける何かが………そうだな、魅力かな?
まぁ、それがある、だからもっと自信を持つべきだ。
仮に付いて来なくたって良いじゃないか、失敗したって良いじゃないか、……もしもそうなっても、俺だけは一刀の見方だからさ」
…………やっぱり嬉しいよな、他人に認められるのって……。
今までは家族しか俺の事を理解してくれなかった、……けど、今は凱がいる。
友が、親友が、義兄弟がいる。
元の世界に帰る方法はわからないけど、こっちにも家族ができた。
「…………ありがとう、凱……」
「どういたしまして、……それじゃあ俺はそろそろ休む、後は任せた」
「あぁ、任された」
そうして夜は耽って行く。
それから更に一週間後、相変わらず山道を只管歩いていたら、賊に襲われていた村を偶々見つけた。
当然無視できる筈もなく、村を襲っていた葱(金)背負った鴨(賊)を狩って路銀貸せぎの絶好のチャンス!
敵(カモ)の数は約500、俺と凱で容赦なく潰していった。
旅の途中でわかったことがもう一つある。
…………凱は滅茶苦茶強いのだ。
体術・気術なら俺と同等、槍術・弓術なら俺以上だ。
俺も三剣流の一環として剣術・槍術・弓術・体術・棍術・丈術・旋棍術などなど色々習ってある程度使いこなせるが、特に力を入れてたのが剣術・気術・体術だったからそれ以外はあまりやっていなかったが…………っと、話がそれたな。
兎に角凱は強い、1人で旅をしていてもそこらの賊には負けやしない。
ここで凱の針以外の武器を紹介しよう。
まずは籠手・足甲、名は『医守』。
凱が体術や医療の際に使う武具、気を纏う事ができる特殊な素材でできている。
籠手には刃が付いている。
戦闘中は刃を外し、手術の時はこれを使用する。
二つ目は大弓、名は『銀旋光』。
軸に鉄、表面は銀覆われているため重量はあるが、凱はこの弓で4里(2キロ)先の的の中心を射抜く事ができる。(実際に見た)
三つ目は槍、名は『銀龍』。
銀旋光と同様に銀と鉄でできている。
刃根には銀でできた龍頭が彫られていることから凱が名づけた。
どれも張魯さんから貰ったお守り代わりらしい。
俺の三剣と同じ、凱にとっては張魯さんとの繋がりがある大切なモノだ。
凱は既に人を殺す覚悟があった。
だから俺と来る事を選んだ。
「…………やっぱり、凱は強いな……」
戦闘の最中、俺は呟くように再確認しながら俺は鉄砕牙で、凱は銀龍で賊を斬っていった。
それから一刻(2時間)ほど過ぎて、ようやく金の元(賊)を殲滅し終わった。
それから更に二刻後、ようやく着た州の役人から報酬を貰った俺達は疲れたため今日はこの村の村長さんの家にとめて貰う事にした。
あとがき
え〜まず始めに、長々と投稿しなかったのには訳があります。
おたふく風邪にかかっていた為、両親よりネット禁止令がでておりました。
ようやく直ったのですが、この夏はオープンキャンパスを見に行ったりして忙しいので、1週間に一度位しか投稿できないと思います。
ご理解のほどよろしくお願いします。
アンケートですが、もう希望か来ないのでそろそろ打ち切りにします。
結果は、
1が6票 2が14票。
これによりこの作品は今後、一刀を中心とした義勇軍・国を作っていく流れにしていきます。
そしてもちろんオリキャラも出していきますが、自分は恋やカップルといった恋愛系を書くのがイッッッッッッッッチ番苦手です!
ですので、そういった時はどなたか助け舟を出してください、お願いします。
ではではまた次回お会いしましょう!
説明 | ||
ついに旅編スタート! |
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総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
3857 | 3379 | 21 |
コメント | ||
初コメです。頑張ってください!!(アーモンド) 必然的に苦手な方面に行くとわかっていながらこの話を書いたオシリスさんに敬礼!(`・ω・)ゝ(雪猫) 続き楽しみにしてるッス〜。(鬼神) 次話期待してます どんなメンバーが仲間になるのかも楽しみです(ユア) 一刀の独自勢力ですね。一刀の勢力がどんなメンバーで構成されるか楽しみにしてます(ミドラ) |
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