魔法少女リリカルなのはStrikerS00(仮)−−18 派遣3〜戦う理由〜−−
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気持ちの整理がつきました。

更新を再開いたします。

今回の更新に合わせて、派遣1と2を若干加筆修正しました。

CD三話目。

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−−派遣3〜戦う理由〜−−

 

夕食を済ませ片付けを始めると、スバルが刹那に話しかけた。

「そういえば、刹那さん」

「どうした?」

「せっかく地球に来たのに、ご家族に挨拶に行かなくていいんですか?」

スバルの質問は単純な疑問から出たものだったが、なのは達は表情を固くした。

「前に言ったが、ここは日本で俺の故郷とは違う国だ」

「ここから遠いんですか?」

「だいぶ距離があるな。それに今は任務中だしな」

「そうですか……」

「何だか寂しいですね」

エリオが歩み寄ってきた。

「何故だ?」

「だって、折角会える機会なのに……」

俯きながら言葉を紡ぐエリオは、悲しい顔をしていた。

そう言えば、エリオはフェイトが引き取ったと言っていた。

エリオの過去はわからないが、両親とは会えないということか?

だから、そんなに悲しい顔をしているのか?

「……また機会があるはずだ」

「そ、そうですよね」

「それよりも、早く片付けてしまおう」

「はい!」

エリオは笑顔を見せて、刹那の元を離れた。

「たとえ中東へ行ってもそこには誰も居ないが……」

エリオの背に刹那は呟いた。

 

「さてと、そろそろお風呂の準備をしよか?」

片付けが終わった時、はやてが皆に声をかけた。

「でも、此処にお風呂はないわよ?」

アリサがやや申し訳なさそうに話す。

「湖で水浴びをするには、時期的にまだ早いし」

「そうなると……」

「あそこですね」

すずかと美由希が微笑みながら、アリサの言葉を引き継ぐ様に話す。

「みんな、着替えを用意して」

「なのはさん?」

((FW|フォワード))4人は話が見えないのか、疑問符を頭に浮かべていた。

「市内のスーパー銭湯へ行くんだよ」

「スーパー銭湯?」

銭湯という言葉を知らないFW4人は、益々疑問符を並べた。

「そうだな……色々な人が利用できる大きな風呂……といったところか」

FW4人の疑問に答えるように、シグナムが簡単に説明を行った。

「なのは」

「刹那君?」

「俺は遠慮させてもらう」

「え?」

「風呂には慣れていない」

お風呂に入る習慣がない刹那が、銭湯へ行くことを拒んだ。

「でも、汗を掻いてるやろ? シャワーもないし……どないするん?」

「水で濡らしたタオルで体を拭く。それで十分だ」

「……」

どうしたものかとなのは達が顔を見合わせる。

「フリードだけ残して行くのも良くはないだろう?」

「キュク〜」

刹那がフリードへ視線を動かす。

「まぁ、確かにそうやけど……」

「俺とフリードがこっちで動ける様に待機しておく。お前達は行って来い」

「う〜ん」

刹那の提案にはやてが腕を組んで考え込む。

「刹那さんは一緒に行かないんですか?」

刹那を見上げながらエリオが尋ねた。

「ああ」

「そうですか……」

刹那の言葉に、エリオが残念そうに呟いた。

実は、エリオは刹那と一緒にお風呂に入ってみたいと思っていた。

六課にも男性はいるが、親しい間柄という人はかなり限られている。

というより、強いて挙げるのであれば刹那とヴァイスの2人だ。

しかし、刹那はシャワーで時間もエリオより遅め。

ヴァイスはエリオより早い時間帯に済ませている。

よって、エリオはいつも独りだった。

エリオにとっては絶好の機会だったが、刹那の言葉でそれは失われてしまった。

残念そうなエリオを見たフェイトが刹那に少し歩み寄った。

「刹那、どうしても……ダメ?」

「さっきも言ったとおり、フリードだけここに残して行くのは……」

「キュク〜、キュク〜」

フリードは小さな翼を何度も羽ばたかせて鳴く。

「? すまない。俺には何を言っているのかわからない」

「えっと……刹那さんも一緒にお風呂に行ってきてくださいって」

「は?」

「え?」

キャロの通訳(?)に刹那とエリオが声を上げた。

「フリードもこう言っているし……ね?」

「いや、しかし……」

フェイトが刹那を見上げながら懇願するが、刹那はまだ躊躇していた。

それを見ていたはやてが((動いた|・・・))。

「なのは隊長。フェイト隊長」

はやての言葉を聞いた瞬間、刹那が身構えた。

が、なのはとフェイトの反応速度は刹那のそれを超えた。

「!?」

部隊長室の時と同じ様に、刹那は両腕を組まれた。

「両隊長。私の言わんとするところは……わかっていますね?」

「「はい!」」

なのはとフェイトが敬礼をする。

「よろしい。では……」

「ま、待て!」

「待ったなしや。時間は有効に使わなあかん」

「はや「両隊長。よろしくなー」

刹那の抗議を遮って、はやてがニッコリ笑った。

「はい!」

「行くよ、刹那。あ、エリオもおいで。着替えを用意しなきゃいけないから」

「は、はい」

かくして、刹那は再びなのはとフェイトに連行され、エリオはその後を追った。

 

なのはとフェイトの行動にスバルとティアナ、キャロが呆気に取られてボー然としていた。

「おら。ぼさっと突っ立ってないで、早く着替えを取りに行って来い」

「「は、はい!」」

ヴィータの声に我に返った3人が割り当てられた部屋へ駆けて行く。

「ねぇ、すずか」

「なぁに?」

「フェイトは兎も角。なのはまで……何て言うか……積極的じゃない?」

「二人とも刹那さんに会えたのがよっぽど嬉しかったんだろうね」

「はぁ?」

すずかの言葉にアリサが気の抜けたような返事を返した。

「フェイトちゃんに強力なライバルが出現。と、言ったところかな?」

「どうだろうね〜。でも、なのはもまんざらじゃなそうだし」

「ほほう。それはそれは」

エイミィと美由希は何故かニヤニヤしていた。

「アタシはフェイトに頑張ってもらいたいな〜」

「キュク〜?」

アルフの言葉にフリードが首を傾げた。

 

海鳴市内のスーパー銭湯。

結局、刹那は着替えを持って来ていた。

あのまま拒み続けていたら、バインドで拘束されて連れて来られそうだったので、仕方なく了承し、なのはとフェイトから解放された。

「エリオ君も一緒に入る?」

「いっ!?」

「いいね。久しぶりに一緒に入ろうよ」

キャロとフェイトがエリオに何か言っているが、どうやら張り紙の事を言っている様だった。

――女性風呂への混浴は11歳以下の男児のみでお願いします――

エリオは確か10歳。

確かに条件はクリアしているな。

「いや、でも刹那さんがいるから……」

真っ赤になって拒むエリオ。

何故、俺を持ち出す。

「俺に気にせず、行ってきたらどうだ?」

「せ、刹那さん!」

何故、涙目で俺を見る?

「私はエリオと一緒に入りたいな〜」

エリオに迫るフェイト達を尻目に男性用更衣室へ歩み始める刹那。

さっさと済ませるに限る。

「ま、待ってください! 僕も行きます!!」

フェイト達に掴まる前に、エリオは急いで刹那の後を追った。

 

「あ〜あ」

「どないしたん?」

残念そうに溜息をつくフェイトを会計から戻ったはやてが首を傾げて見ていた。

「エリオと一緒に入りたかったみたいだけど……」

「逃げられたんですよ。まぁ、当然かもしれませんね」

ヴィータとシグナムがはやての疑問に答えるとはやてが笑った。

「なんや振られてもうたんや?」

「うん……」

「まぁまぁ、気を落とさんと行こう?」

「そうだね」

フェイトを促し、女性陣も更衣室へ向かって行った。

 

男性用更衣室の扉を開けて中に入ると、いくつものロッカーが並んでいた。

「……」

どうしたらいいか分からず、僕が立ち尽くしていると刹那さんが教えてくれた。

「鍵の付いているロッカーが使えるやつだ」

「は、はい」

適当な場所を見つけて、ロッカーの前に立つ。

刹那さんは反対側のロッカーを使うようで、背中合わせの形になった。

刹那さんにロッカーの使い方を教えてもらって扉を開ける。

スポーツタオルを用意して、服を脱いでロッカーの中に入れる。

準備を整えて鍵をかける。

「鍵は無くさない様に手首をバンドに通すんだ」

「はい」

刹那さんに言われたとおりにして、視線を上げて……。

「……」

「どうした?」

普段は制服を着ているから気づかなかったけど……。

鍛えているのか、刹那さんの体は引き締まっていて、何というか……男の僕でも少しドキドキするというか……憧れる。

「エリオ?」

「はっ! 何でもありません!」

ついボーとしてしまった僕に刹那さんが心配そうに声をかけてくれた。

我に返った僕に、再び衝撃的な出来事が起きた。

「エリオ君。刹那さん」

聞き覚えのある声が聞こえ、そちらを向くとタオルを体に巻いたキャロが立っていた。

「キャロ!? こ、こっちは男性用だよ!」

「11歳以下なら女の子もいいんだって」

「ええ!?」

まさか、キャロがこんな行動をするなんて!

刹那さんの方を見ると、やや大きく目を見開いていた。

声には出さなかったけど、結構驚いているみたいだった。

 

まさか、キャロがこっちに来るとは思ってもいなかった。

普段大人しいキャロからは想像できない行動力だな。

((あの2人|・・・・))の影響か?

追い返すわけにもいかず、仕方なく2人を連れて浴場へ向かう。

髪や体を一通り洗って湯船に入る。

タオルは湯船に入れてはならない。

ということをリンディ・ハラオウンに聞いたことがあったので、その決まりに従う。

「はぁ〜。気持ちいいね」

「そ、そうだね」

キャロがエリオに笑顔で話しかけているが、エリオは緊張が抜けていないようだ。

まぁ、仕方がないな。

キャロの言うとおり、確かに気持ちはいいが……やはり落ち着かないな。

風呂に慣れていないとうのもあるが、他の人間がいるというのも影響しているのかもしれない。

風呂に入るということは、腰を下ろして湯に体を入れるということ。

いざという時、体が動かし難いし、腰を上げるまでの時間もロスに繋がる。

何より無防備状態を晒すということ。

今はエクシアを首から下げているが、対応が遅れないか心配でもある。

(地球の日本でマスターが考えているような心配事が起きる可能性はかなり低いと思いますよ)

エクシアが念話で話しかけてきた。

(そうなんだがな……)

(偶にはゆっくりとした方がいいですよ)

(ああ……)

エクシアの言うとおり、少し気分を和らげる。

ふと、以前から思っていたことをエリオとキャロに聞いてみることにした。

「丁度いい機会だ。2人に聞いてみたいことがあった」

「え?」

「なんでしょう?」

エリオとキャロを正面に見据える。

こちらの雰囲気を察したのか、2人の表情が緊張した面持ちに変わった。

「お前達は、何故六課にいる?」

「六課にですか?」

「ああ」

俺の問いに2人が顔を見合わせた。

「お前達が訳ありなのは察しがつく。その辺りは聞かないが、六課の前線メンバーという仕事は危険が多いことはお前達でもわかるだろう?」

「「はい」」

「正直言うと、俺はお前達の様な子供を戦わせることには反対だ」

「……」

「お前達は何故六課にいる? フェイトに言われたのか?」

「違います」

エリオが即答した。

「僕はフェイトさんに救われました。その恩返しがしたいんです」

「私も同じです」

「……フェイトに恩を返したいという気持ちはわかった。しかし、恩を返すということであれば、別に【戦う】というこでなくてもいいのではないか? お前達は子供だ。子供なりの恩の返し方というのもあるだろう」

「刹那さんの言うとおりです。でも、僕は魔導の才があると言われて、その【力】フェイトさんの為に……誰かの為に使いたいと思ったんです」

「リニアレールの戦いの時に刹那さんは私に聞きましたよね? 自分の力に恐れていると」

「ああ」

「私は力が強すぎる為に、部族から追い出されました。世界を歩いて……管理局に拾われた後も私の居場所はありませんでした。でも、フェイトさんに助けてもらって、私が居ても良い場所を貰いました。だから、フェイトさんの役に立ちたいんです」

驚いた。

これが10歳の子供の意志とは……。

「お前達は……俺とは違うんだな」

「「え?」」

歪まされ、何の疑問も持たずにただ戦う。

そんな俺とは明らかに違う。

「お前達の意志はわかった。だが、それでもまだ子供だ」

「「……」」

エリオとキャロが俯いた。

「辞めろとは言わない。だが、無茶はするな。フェイトが悲しむ」

「あ」

「無理だと判断したら躊躇わずに退け。悩みがあったら、誰でもいいから相談しろ。いいな」

「「はい!」」

 

「僕も刹那さんに聞いても良いですか?」

「なんだ?」

「刹那さんの((防護服|バリアジャケット))は、僕達とは明らかに違いますよね。服と言うよりも鎧です」

「そうだな」

「右腕には大きな剣。左腕には盾。重くないんですか?」

僕の言葉を引き継いでキャロが聞く。

「GN粒子は通信阻害以外にも色々あってな。質量を軽減させることも出来る」

「軽くなるんですか?」

「ああ。だから、殆ど重さを感じないんだ」

「「へぇ〜」」

「他には?」

「あ。えっと、刹那さんは鍛えているんですか?」

「特別な事はしていない。筋トレはしているがな」

それから、暫くはキャロと一緒に刹那さんに質問したりされたり。

他愛のない会話を楽しんだ。

 

「エリオ。キャロ」

「スバルさん」

キャロに手を引かれて、結局女湯へ来てしまった。

本当は、もっと刹那さん一緒に居たかったなぁ〜。

「女湯へ入れるなんて子供の時だけなんだから、今のうちに見ておけば?」

スバルさんと一緒に歩み寄って来たティアナさんが、本気なのか冗談なのか分からない口調で話す。

ティアナさんの言う事は尤もですけど……。

「そう言えば、2人は今までどこに居たの?」

「露天風呂だよな〜」

「アルフ」

アルフとフェイトさんが歩み寄って来た。

「露天風呂?」

「屋外のお風呂のことだよ」

「それって見えちゃうんじゃないですか!?」

「敷地内だし塀も高いから大丈夫だよ」

フェイトさんが笑顔で答える。

「でも、エリオが入れたってことは……その〜、男の人も居るんじゃ?」

「男性は子供しか入れませんから大丈夫ですよ」

「それなら後で行ってみよっか?」

「そうね」

スバルさんが安堵したように軽く息を吐いた。

やっぱり、スバルさんだって恥ずかしいって思いがあるんだ。

それを僕にも向けて欲しかった……。

「ずっと、露天風呂に居たの?」

「なのはさん」

なのはさんがこちらに歩いて来る姿が映った。

「いえ、その前は男性用のお風呂に居ました。刹那さんと一緒に」

「「え?」」

なのはさんの質問にキャロが答えると、なのはさんとフェイトさんが固まった。

どうしたんだろう?

 

「せ、刹那と一緒に?」

「はい」

キャロが笑顔で答える。

「ほ、本当に?」

「はい。色々とお話しをしました」

なのはも驚いた様にキャロに聞く。

「あの〜。どうかしたんですか?」

どうしたもこうしたも……。

せ、刹那と一緒にお風呂に入るだなんて……。

子供の頃、一緒に暮らしていた私ですら恥ずかしくてそんな事……。

キャロ……。

「どんな話をしたの?」

固まっているなのはとフェイトを他所にスバルがキャロに話しかけた。

「えっと……色々です」

「え〜。教えてよ〜」

「ふふ。ちゃんと、後で話しますよ」

「絶対だよ〜」

「はい」

色々って何〜〜〜!?

凄く気になる〜〜〜!!

「エリオは何を聞いたの?」

「えっと、刹那さんは体を鍛えているんですかって」

「はい?」

「刹那さん。細身なのに凄く引き締まった体をしていたので……その、何ていうか。同じ男として、憧れるというか……」

やや俯きながら、恥ずかしそうにエリオが答えた。

それを聞いたなのはとフェイトが倒れた。

「わぁ! なのはさん!?」

「フェイトさん!? どうしたんですか!?」

「フェ、フェイトちゃん……」

「なのは……」

母さん。

リニス。

ごめんなさい。

私は……。

 

風呂を済ませ、着替えてロビーに出る。

まだ、誰も居なかった。

ロビーのソファーに座って暫く待つとエリオが男性用更衣室から出て来た。

「すみません。お待たせしました」

「いや、気にするな。他のヤツらはまだ来ていないしな」

「そうですか」

隣にエリオが座る。

「あの……」

「ん?」

「えっと、刹那さんがお風呂に慣れていなくて、利用しないことは知っていますけど、無理を承知でお願いします。偶にでいいので、六課でも一緒にお風呂に入りませんか? 今日みたく色々お話しをしたいんです」

「……いいだろう」

「本当ですか!?」

「ああ」

「ありがとうございます」

エリオが勢いよく頭を下げて、顔を上げると満面の笑みを見せる。

視線をエリオから外すと売店が目に映った。

エリオに「少し待っていろ」と言って席を立ち売店へ向かう。

商品を眺めてそれを購入する。

士郎から貰った金がこんな形で役に立つとは思わなかったな。

売店で購入した牛乳をエリオに差し出す。

「奢りだ」

「え? で、でも……」

「これくらいどうということはない。気にするな」

「い、いただきます」

ソファーに腰を下ろして紙袋を足元に置く。

「あの……それは?」

「土産だ」

「お土産……ですか?」

「ああ」

 

暫くすると、キャロが小走りで近づいてきた。

「刹那さん。エリオ君」

「キャロ」

キャロの姿を認めたエリオが立ちあがった。

続いて刹那も立ち上がる。

「他の連中も風呂から出たのか?」

「は、はい。でも……」

「?」

キャロに連れられて行くと、女性用更衣室の扉に近いソファーだった。

そのソファーには、なのはとフェイトの2人が横になっていた。

「のぼせた?」

「そ」

刹那の言葉にはやてが短く答えた。

「隊長2人が風呂でのぼせるとは……」

やや呆れた様に刹那が軽く息を吐きながら2人を見る。

「うう……」

「ごめんなさい」

なのはとフェイトが申し訳なさそうに答えた。

「2人が動けるようになるまで暫くはここで待機していた方がいいわね」

シャマルがなのはとフェイトの状態を見て、まともに動けないと判断する。

はやてがそれに肯く。

アルフが心配そうにフェイトの顔を覗き込むと、フェイトは「大丈夫だよ」とアルフの頭を撫でる。

そんな様子を見ていたエイミィが懐かしむ様に呟いた。

「昔、フェイトちゃんが風邪をひいた時に刹那君も看病したよね」

「「え!?」」

その言葉に視線が刹那に集中した。

「フェ、フェイトちゃん! それって、ほん……うっ」

勢いよく起き上がってフェイトに話しかけるが直ぐに横になった。

「無理はするな」

「はい……って刹那君。さっきの話は本当?」

「俺は何もしていない」

「でも、私達が帰るまでずっと傍にいたんだよね〜」

「へぇ〜」

エイミィの言葉に美由希が妙な視線を寄こしてくる。

アリサとすずかは「きゃー」と声を上げて、ヴィータとシグナムまで「ほぉ〜」と呟いている。

何なんだ。この居心地の悪さは……。

 

暫くの間、なのは達から質問攻めにあった。

というか、なのははのぼせて体調が悪いのではないのか?

何故、それほどまでに元気なんだ?

-3ページ-

始めましての方もお久しぶりの方もこんばんは。

ケイです。

色々と思うところはありましたが、更新を再開いたします。

今後も何卒、よろしくお願いいたします。

 

 

休止している間に、変な設定が脳内に構築されてしまいました。

以下、駄文ですがどうぞ。

 

 

小さな艦に備え付けられた一室。

その部屋に癖のある黒髪の青年が椅子に座ってコップに入った水を飲んでいた。

つい先程までシャワーを浴びていた所為か、髪の毛はやや湿り気を帯びていた。

青年の名は、刹那・F・セイエイ。

刹那がもう一度コップに口をつけようとした時、部屋のドアが開いた。

「ここに居たか、刹那」

「ティエリア」

部屋に入って来たのは濃い紫の髪に眼鏡をかけた中性的な顔立ちの青年。

名は、ティエリア・アーデ。

刹那の戦友である。

「どうしたんだ?」

「連絡事項がある至急会議室へ来てくれ」

「わかった」

水を飲み干し、立ち上がる。

隣の椅子に掛けてあった青い上着を取り手早く着る。

 

会議室へ入ると既にメンバーが揃っていた。

椅子に座るとティエリアが室内の電気を消し、大型モニターの電源を入れる。

「先程、本局から連絡が入った」

「本局から?」

「ああ。特務六課は【フッケバイン】に一度は追いついたが、捕縛には至らず逃がしたそうだ」

大型モニターにデータが次々と映し出される。

「……そうか」

「子鴉め、情けない」

「ディアーチェ」

濃い茶色の髪を持つ女性が、ディアーチェと呼ばれた女性を咎めた。

灰色の髪を持つ女性、ディアーチェ。

濃い茶色の髪の女性は、シュテル。

そして、

「((フェイト|・・・・))達は、作戦に失敗したの?」

水色の髪を持つ女性、レヴィ。

ディアーチェ、シュテル、レヴィ。

3人は時空管理局のエース。

八神はやて。

高町なのは。

フェイト・T・ハラオウン。

この3人と同じ姿を持つ。

「完全に失敗したわけではないようだ。【ゼロ因子】の保有者であるトーマ・アヴェニールと【リアクトプラグ】のシュトロゼック。そして、同行していたアイシス・イーグレットの3名を保護したとのことだ」

「我らのオリジナルなのだ。それぐらいは、達成してもらわねばな」

「因みに……」

「む?」

「部隊長、ヴィータ、エリオの3名は重傷だそうだ」

「……」

ティエリアの報告にディアーチェが黙った。

「主が重傷?」

代わりに銀色の髪を持つ女性が声を上げた。

「ああ。背後から刀でやられたそうだ。暫く安静にしていれば、問題はないそうだ」

「そうですか」

「心配か? リインフォース」

「心配していない、と言えば嘘になりますが、主ならば大丈夫でしょう」

「見舞いに行かせてやりたいところだが、俺達はまだあいつらに接触するわけにはいかない。すまないが、我慢してくれ」

「わかっています。刹那」

「それにしても【フッケバイン】かぁ……」

レヴィが頬杖をついて呟いた。

「シグナムに続いて、六課の3人に傷を負わせるなんてね。僕達の魔力を分断する力を持っているんだよね? そんなヤツ相手じゃ、この先も厳しいんじゃないかな?」

「レヴィの言うとおりだが、俺達は……」

「ああ。僕と刹那のデバイスには【GNドライヴ】が搭載されている。例え、魔力を分断する((能力|ちから))と言えど、硬質化と言えど、僕達には関係がない」

レヴィの疑問にティエリアが眼鏡を指で押し上げて答える。

「だったら刹那とティエリアで、ぱぱっとやっつけちゃえば?」

「俺達は相手を殲滅するためだけに存在するわけではない。六課は【エクリプス】の治療を一つの目的としている。【対話】が必要だ」

「だが、【フッケバイン】が大人しく応じる事はないだろう。刹那が【対話】を行う時、刹那が無防備になる。僕も刹那のサポートに回るから戦えない。だから……」

「今はまだ対峙する時ではなく準備をする。私達が戦えるように……」

ティエリアの言葉をシュテルが引き継ぐ。

「方向性はわかった。して、我らは次にどう動く?」

黙って聞いていたディアーチェがティエリアに次の行動予定を聞いた。

「【エルトリア】へ向かう。【博士】が君たちのデバイスに組み込む試作を見て欲しいそうだ」

「そうか」

「上手くパワーアップ出来れば、僕達も戦える様になるってことだよね!」

「そうなってもらわねば【フッケバイン】といつまでも【対話】が出来ない」

室内に明るさが戻る。

「リインフォース」

「なんですか? ティエリア」

「【エルトリア】に着いたら、検査を受けてもらう」

「わかりました」

「では、解散」

 

刹那・F・セイエイ。

ティエリア・アーデ。

ロード・ディアーチェ。

シュテル・ザ・デストラクター。

レヴィ・ザ・スラッシャー。

リインフォース。

時空を越えて創設された【ソレスタルビーイング】が戦争根絶に動く。

 

以上、新生ソレスタルビーイングでした。

誰か私を殴って、正気に戻してください。

説明
再び魔法少女の世界へ降り立ったガンダムマイスター刹那・F・セイエイ。聖王教会から再びロストロギア関係の依頼が舞い込んでくる。今度の目的地は……。魔法少女リリカルなのはA's00〜とある日常〜(仮)の設定を踏まえたクロスオーバー作品です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。
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コメント
やっぱおもしろい。刹那がサーシェスに撃たれた傷の話が欲しかった(kaitonaito)
・・・・・・・・・・・・なんじゃこりゃあああああああ!!!!!!!!!(アサシン)
>PKB俺タマさん。最新話を先にコメント返信してしまいました(汗) 最後の設定は、何で浮かんだのかわかりません。まぁ、STSを完結させるのが最優先事項なので、出来るかはわかりませんけど(^^;(ケイ)
最後の設定ネタ滅茶苦茶いいっすね!!このStrikerS篇が結末ついたら、執筆考えてバリバリOKですよ。にじファンの時から応援します。(PKB俺タマ)
>古鉄さん。ただいま帰りました。更新停止は、本当に申し訳なく思っていますm(_ _)m 新生は何というか、お詫び(?)の駄文。今後もよろしくお願いします。(ケイ)
当分続きは読めないのかと残念に思っていましたが、再開されたようでなによりです。新生ソレスタルビーイングのメンバーに思わず違和感ないなと納得してしまいましたw次回も楽しみに待ってます!お帰りなさい(古鉄)
>ぽたごんさん。ただいまです(^^)ゞ 続きを書きたいという欲求が勝りました。今後も色々とあるかもしれませんが、再びよろしくお願いします。(ケイ)
>キムチ鍋さん。はじめまして。本当に、色々と……。でも、帰ってこれました(^^; ただいまです(^^)ゞ(ケイ)
楽しみにしてましたよ!お帰りなさい^^こんなに早く気持ちが整理できるのは凄いと思いますよ。次回も楽しみにしてます(ぽたごん)
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