ぬこの魔法生活 第19話 |
◆ 第19話 ぬこと検査 ◆
どうも、無事アースラに到着したみぃです。
んで、現在、アースラのスタッフとの作戦会議というか顔合わせの最中なのであります。
「高町なのはです! よろしくおねがいします!」
(ご主人の使い魔的なことをやってるみぃです。コンゴトモヨロシク)
相変わらずこっちをじっとりと見ているクロノ。
だから、ぬこには男に見つめられて悦ぶような性癖はないと何度言ったら……
代わりにユーノで我慢しろよ、ショタ同士仲良くやんなさいな。
なんてことを思ってたら、ご主人と目があって赤くなるクロノの姿が!
赤くなってんじゃぬぇ!
そして、ユーノ!貴様にもそんな顔をする筋合いなんぞねぇよ!
ご主人が欲しくば、ぬこや恭也さんたちを倒してからにするんだな!
ま、仮に倒したとしてもやらんがね。
「さて、今日のところはここまでにしましょう。あとは状況が動き次第随時対応していくわ」
そう、リンディさんが締めくくり、会議は終了いたしました。
結局のところ、挨拶意外なにもしなかったけど、まあいいさね。大凡のことは前回聞いてるし。
ご主人がフェイト嬢のことに集中してもらえれば、ぬこはそれでいいのですよっと。
「あ、なのはさんたちはちょっと残ってもらってもらえるかしら?」
「あ、はい。わかりました」
ふむん、何かお話でもあるんですかね?
こっちから話すことは一部を除いて大体話したんだけどねぇ。
「あの、どんな御用なんですか?」
「あぁ、そんなにかしこまらなくてもいいのよ? ただ、みぃさんのことでお話があるんです」
(ぬこのことですか?)
はて、今更フェイト嬢をかばったことでも追求されるんでしょうか?
「昨日お話を聞かせてもらったとき、あなたはジュエルシードの影響で魔法が使えるようになったと言っていたでしょう?
だから、一度精密検査をしておいた方がいいと思うのよ」
(むぅ、確かに。特に自分では変化が感じられないけどどうなったかは知っておいた方がいいかもです)
「そうだよね、何かあったら大変だもん。じゃあ、お願いしてもいいですか?」
「はい、任されました。エイミィ、連れて行ってあげて」
「はーい。じゃあ、こっちだよ」
そういうわけで、ぬこはご主人と別れて医務室的なところに行くことになりましたよ。
◆
「じゃあ、私はここまでだね。後はこっちの先生がやってくれるから、“気を付けて”ね?」
(りょーか……い? 待って、エイミィさん超待って。何その気を付けてねって!? ぬこ何されるの!?)
ぬこの質問に答えることなく、エイミィさんはとてもイイ笑顔のまま颯爽と去っていった。
とてつもなく嫌な予感に襲われて、逃げようかと考える間もなく、エイミィさんが言っていた先生らしき人がやってきた。
その人は白衣にメガネ、口には禁煙パイポの美人なお姉さんだった。
なんだよ、普通そうな人じゃない。
「ん? やぁ! 新しい((患者|モルモット))というのは君かい?
できれば人間のほうがよかったのだが……まあいい、まあいいさ。安心したまえ、猫くん。
私が隅々まで((解析|バラ))してあげようじゃないか!」
(ぎゃーーッ!? 突っ込みどころが多すぎるぅッ!?
とりあえず解析という言葉には絶対バラすなんてルビは振れないから!?
ぬこ、絶対五体満足では帰れない! ご主人助けてぇーー!!)
「む、大丈夫だ。ほんの少し足やしっぽが少々多機能になるだけだよ。
ちなみに君はどんなのがいいんだい? 私はしっぽからミサイルとかお勧めしたいのだが」
(いやぁーーー!? リアルサイボーグクロちゃんになっちゃう!? つか、管理局って質量兵器を禁止してんじゃないの!?)
「なに、バレなきゃ問題ないなんて発生しないのさ。コレでも私は偽装に関しては右に出る者はいないと自負しているのだよ」
(そういう問題じゃないといっている! くそっ、やられてたまるか! ぬこは徹底抗戦するぞ!!)
このままぬこはリンディさんたちが飛んでくるまで逃げ回り続けたのである。
はぁ、はぁ、佐藤さんじゃないけどリアル鬼ごっこの気分を味わったぜ……
「まぁ、そのミルクでも飲んで落ち着きたまえ。とりあえず自己紹介から始めようではないか猫くん。
私はセラス。セラス・ラフェスタだ。ここで医務官をやっているんだ」
(ぬこは高町さんちのみぃといいます。あと、落ち着くのはどう考えてもセラスさんだったとぬこは思うんだ)
「過ぎたことさ。では、検査を始めようじゃないか猫くん」
(変なことしない?)
「何を馬鹿なことを言うんだ。この私がいつ変なことをしようとしたね?」
(自分の胸に聞いてみるといいよ……)
「むぅ、私の身体に聞くだと? 胸は余り自信はないのだが……とりあえず、脱げばいいのか?」
(是非っ! ……じゃない! 何で脱ぐことになってるのさ!)
「それを……私に言わせるのか?」
意外と鬼畜なのだな、と頬を染めるセラスさん。
もうやだ、この人……
こんな人が医務官とかこの船大丈夫なの? むしろこの人を病院送りにする必要があるんじゃないの? ご主人助けてー
―――んぅ? なんか急に眠気が……目がトロンとしてきます。
「ふむ、ようやく効いてきたか。有り合わせで適当につくったものだが、案外うまくいくものだな。さすが私だ」
(何、を……?)
「まぁ、要するに君が飲んでたミルクには私の作った睡眠薬的な物が入っていたのだよ」
(何それ怖い)
特に“的”という言葉が。
「安心して寝ていたまえ。起きるころには万事滞りなく終わっているだろうからね」
平然と言ってのけるセラスさんに文句を言ってやろうと思ったが、睡魔には勝てる訳もなく、目を閉じるぬこであった。
くそぅ、覚えてくださいよ!
――――ハッ、ぬこは何をっ?
「おや、起きたかね?」
(……ここは?)
「ん? ここは私の部屋だ。と言っても半分研究室みたいなものだがね。
それより、お疲れ様、検査は終わったよ。よくがんばったな」
そういってなでてくれるセラスさん。そ、そんなんじゃ誤魔化されないんだからね!
こんなのマッチポンプですもの!
「むぅ、別にそんなつもりはないんだが……まあいいさ、それより結果が出たんだが先に説明しようか?
この後、君のご主人様や艦長たちに報告するんだが……」
(はぁ、それならご主人たちと一緒でいいですよ。二回聞いてもしょうがないですし)
「そうか、ならばそうしよう。ふむ、少し時間が空いてしまったな……」
きゅー
「………」
(………)
「うぅ……」
(ご飯、食べましょうか……)
「……あぁ」
◆
というわけで、ぬこの検査結果の報告です。
先ほどの出来事はセラスさんとの間で秘密にしようと決まりました。
別に高級猫缶に買収されたわけではないのであしからず。
「では、検査結果を報告させてもらいます」
「ええ、お願いね」
まぁ、難しいことはよく分からないので簡単に要約すると。
・ジュエルシードの魔力を浴びたことによって魔法生命体に近いものになっている
・それにより、魔力供給があれば少なくとも老衰によって死亡することはないらしい
・一応ぬこの害になるような影響は今のところ発見されず
こういうことらしい。ぬこはいつの間にかぬこではなくなっていたらしいよ! というか、不老不死とか厨二くせぇ。
まぁ、肉体的なダメージでは普通に死ぬらしいから、最強系オリ主にはなれそうもないぬこでした。なるつもりもないけど。
(やったねご主人。ずっと一緒にいられるらしいですよ、ぬこ)
「うんっ、ずっと一緒だね!」
それにしてもなんというかご都合主義なお話だなぁ。
魔法が使えるようになって、寿命も延びて。いいことばかりで何かしっぺ返しがありそうで怖いです。
「まぁ、報告することはこんなところです」
「分かりました。後でその結果の報告書を出しておいてちょうだい」
「はい。っと、そうだ猫くん。この後もう少し話して置きたいことがあるんだ。少し付き合ってもらえないかい?」
(ん? 了解ですよ。というわけでちょっと行ってきますねー)
「うん、いってらっしゃい」
さてさて、その何かのお話ですかね?
(で、結局なんのお話なんですか? ご主人に聞かせたくない類のお話なんでしょ?)
「うむ、理解が早くて助かるよ。なのは君はまだ幼いからね、あまり聞かせるような話ではないと思ってね」
まあ、確かに。あまり心配駆けたくもないですし、今はフェイト嬢の事に集中してもらいたいしね。
「つまりね、こういうケースは非常に珍しく興味深いということなんだよ」
(……リアル実験動物扱いにされかねないと?)
「まぁ、そういうことだね。
一応艦長に報告する際には、外部に漏らさないことを徹底させるようにするつもりなんだけどね」
(隠し通すと言うのは難しい、ですか)
「なのは君の使い魔として登録してあれば詮索するような人たちはいないと思うんだけどね……
どこにでも例外という奴は存在するし、人の口には戸は立てられないし、ね」
さすがのぬこも実験動物扱いで薬付けとかになるのは勘弁願いたいですわぁ。
あひんあひん、とか言わなきゃならない羽目になるとかマジ勘弁。誰得ですか。
(でも、それ以上の対策は難しいわけですよねぇ)
「まぁ、そうなるね」
(なら、そういう状況になったときに考えるとしますよ。
今そんなこと考えてもどうしようもないし、セラスさんたちがちゃんと隠蔽してくれるんでしょう?)
「もちろん。言っただろう? 偽装に関しては右に出る者はいないと、ね」
なんて言ってウインクするんだからね、この人は。かっこいいなぁ、もう。
そのカッコよさに免じて最初の出来事は水に流すとしましょうかね。
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