英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 303 |
〜翡翠の塔・頂上〜
「みんな、行くわよ!……来て!テトリ!」
戦闘開始早々、エステルは全員に掛け声をかけて全員の闘志を高め、テトリを召喚した!
「後方で援護を頼むわ!」
「はい、わかりました!」
エステルの指示に頷いたテトリは後方で魔術の詠唱やオーブメントを駆動させ始めたクローゼとケビンの所まで下がった。
「それっ!」
しかし、そこにブルブランが特殊なカードを放ってダメージを与えるクラフト――ワイルドカードをエステル達に放った!
「きゃっ!?」
「あいたっ!?」
「うぁっ!」
「ぴえっ!?」
ブルブランが放ったクラフトに命中したエステル、ケビン、クローゼ、テトリは呻いたが
「朧!!」
ヨシュアはクラフトを放つ事によって、回避し、ブルブランを攻撃したが
「フフ………」
ブルブランはステッキで防御した!そして周りの人形兵器達は自分の身体から糸のようなものを元の位置に戻ったヨシュアに放った!
「!!」
敵の攻撃に気付いたヨシュアは一端後退して、回避し、そしてオーブメントを駆動させた!
「耐えられます?剛震突き!!」
そして霊体の為、ブルブランが放ったカードがすり抜けたリタがブルブランにクラフトを放った!
「フハハハハ………!」
しかしブルブランは不敵に笑いながら分身するクラフト――シャドウキャストを使い、3人に分身した!リタの攻撃は分身体のブルブランに命中した為、本体には当たらなかった!そして分身は消え、ブルブランは一人に戻った。
「…………厄介な技を持っていますね。」
ブルブランの技を見たリタは警戒した表情でブルブランを見た。
「今助けたるっ!そらっ!」
一方後方でケビンはクラフト――セイクリッドブレスを放って、効果範囲内にいる自分、クローゼ、テトリを回復した!
「癒しの闇よ!闇の息吹!!」
一方エステルも自分に治癒魔術をかけた。そしてヨシュアのオーブメントの駆動が終わり、さらにクローゼの詠唱も終わり、アーツと魔術が人形兵器達に放たれた!
「出でよ!氷剣!!」
「シャドウスピア!!」
2人が放った攻撃によって、敵達はそれぞれダメージを受けた!
「せいっ!!」
「フッ!!」
そしてエステルは棒で、ヨシュアは双剣でさらに攻撃したが
「「…………………」」
2体の敵は手に持っていた剣らしき武器で防御した!
「のびちゃえっ!重酸の地響き!!」
「怒りの炎よ、噴き上がれ!!ナパームブレス!!」
しかしそこにテトリの魔術とケビンのアーツが放たれ、敵の防御は崩された!
「「…………………」」
一方攻撃された敵達はケビンとテトリの足元に人1人分の穴を発生させ、2人を穴の中へと落とした後、2人がいた真上に転送した!
「へっ………んな、アホな〜!?」
「ぴえええええ〜!?」
穴に落ち、空中に転送された2人は悲鳴を上げながら落ちた!
「あいたっ!?」
「いたっ!?」
落ちた2人はダメージを受け、呻いた!
「や〜っ!ラ・ティアラ!!」
ダメージに呻いている2人にクローゼはアーツを放って、2人の傷を回復した!
「助かったわ〜。」
「ありがとうございます。」
回復された2人はクローゼにお礼を言った。
「おぉぉぉ!」
一方ヨシュアはクラフト――魔眼で敵達の動きを止め
「行くわよ〜………瞬散撃!!」
エステルは棒で素早い突きで敵達を攻撃して、ダメージを与えた!
「もう、しまいにしよか…………ハァァァァァァ………!滅!!」
ケビンはクラフト――デスパニッシャーを放って、大ダメージを与え
「……行きます!凍結!!」
クローゼは魔術を放って、敵達を凍らせ
「これで終わりです!猛る大地よ、我が矢に力を!……大地の援護射撃!!」
とどめにテトリがSクラフトを放って、敵達を破壊し、倒した!
「やあっ!」
エステル達が人形兵器達と戦っている一方、リタはブルブランに攻撃したが
「フフ………」
ブルブランは回避し、そして
「こんなのはどうかな?」
杖から数本のナイフを素早く出し、敵に放つクラフト――マジックナイフをリタに放った!
「甘い。」
しかしリタは水でできた簡易結界をはって防御し、クラフトを放った!
「決める……!死角の投槍!!」
「フハハハハ………!」
しかしブルブランはクラフト――シャドウキャストを使って、3人に分身したが
「……かかりましたね。行けっ!」
リタは不敵な笑みを浮かべて1体ブルブランに当たる寸前で槍を操って狙いを変えて、他の1体のブルブランに攻撃した!
「何!っ!?」
リタの攻撃に驚き、そして脇腹に命中したブルブランは呻いた!するとブルブランの脇腹から大量の血が出て来た!
「フフ、私は分身に関しては”ある方”のお傍にいたお蔭で、見極められますので、無駄ですよ?」
「フハハハハ!幼いながら、中々やるじゃないか!ならば、君にふさわしい最期を贈ろう!」
リタの言葉に高笑いをしたブルブランはステッキを振るった!するとリタの背後から突如棺桶が現れ、リタを閉じ込めた!
「さあ、美しく散るがいい!!」
そしてブルブランは空中へと跳躍して、ステッキを剣に変え
「フハハハハハ、さらばだ!!」
剣をリタを閉じ込めている棺桶に放った!ブルブランの最高の奇術にしてSクラフト――デスマジックが命中した事に着地して、口元に笑みを浮かべたブルブランだったが
「フフ………」
なんと攻撃し終わった場所を見ると傷一つついていなく、不敵に笑っているリタがいた!
「馬鹿なっ!?」
傷ひとつついていないリタにブルブランは驚いた!
「エアリアル!!」
そしてリタはアーツを放った!
「くっ………!」
リタが放ったアーツで発生した竜巻によってブルブランはその場に留めさせられると同時にダメージを受けていた!
「フフ、”オーブメント”に”アーツ”といいましたか。身体能力を上げ、誰にでも魔術に似た力が使えて便利ですね。………ハッ!」
ダメージを受けているブルブランを見たリタは、自分が装着しているオーブメントを見て口元に笑みを浮かべた後、竜巻の発生が終わると同時にクラフト――薙ぎ払いを放った!
「はっ!?」
リタの攻撃によってブルブランは腹を斬られ、斬られた部分から血を出して呻いた!
「燃えなさい!火球!!」
「ハァァァァァ………紅燐剣!!」
「そこやっ!!」
「行けっ!水弾!!」
「ヤアッ!!」
さらにたたみ掛けるようにエステル達の魔術やクラフト、遠距離攻撃がブルブランを襲ったが
「ハッ!!」
ブルブランは命中する直前で大きく後ろに跳躍して、後退し、エステル達の攻撃を回避した!
「ふむ……思っていたよりもやる。ならばこちらも本気で―――」
エステル達から距離をとったブルブランが呟いたその時、塔の屋上の装置から出ていた奇妙な光が消え
「む!?」
「!」
屋上を覆っていた黒い光も消え失せた。
「あ……!」
「元に戻ったんか……!?」
「ふむ、どうやら役目はこれで終わりのようだな。……仕方あるまい。引き上げるとしようか。」
「へっ……」
ブルブランが呟いた事にエステルは驚き、仲間達と共にブルブランを見ると、ブルブランはステッキを構えた状態で、周りに薔薇の花びらが舞っていた。
「ちょ、ちょっと!?」
「ま、待ってください!」
ブルブランの行動を見たエステルとクローゼは制止の声を上げたが
「ハハ、殿下は勿論だが遊撃士諸君の戦いぶりにも輝きを感じさせてもらった。それが真実であるかは次の機会に確かめさせて頂こう。それでは諸君、失礼する。」
ブルブランは高笑いをしながら消えた。
「に、逃げられた……」
「残念です。このまま戦えば撃破できたのですが………」
ブルブランが消えた事にエステルはジト目で呟き、リタは残念そうな表情をして答えた。
「………………………………」
一方ヨシュアは真剣な表情になった後、エステル達と共に装置に装着されてある”ゴスペル”に近づいた。
「これが”β”……。”結社”が造ったゴスペルの最終型か。今までの新型よりもさらに一回り大きいみたいだ。」
「塔の屋上が元に戻ったのはいいんだけど……。問題はこれを使って何をしていたのかってことよね。」
「今まで動いていた装置もまた止まってもうたみたいや。何かイヤ〜な予感がするわ。」
「竜を操っていた事といい、絶対に何かの悪い事に使われたのは確かだね。」
「それに、先ほどまで屋上を包んでいた結界……。あれは何だったのでしょう。」
ヨシュアの言葉にエステルは頷き、顔をしかめて言ったケビンの言葉にリタは頷き、クローゼは不安そうな表情で呟いた。
「………………………………。とりあえずこれでこの塔は元通りになったと思う。一旦、”アルセイユ”に戻ろう。」
「うん……。戻って博士に報告しないとね。」
その後アルセイユに戻ったエステル達は博士に塔の探索で手に入れたデータクリスタルやゴスペル、そして異空間になっていた塔内部や屋上の事を説明し、その後他の四輪の塔の新たな情報――”紅蓮の塔”にてヴァルターらしき人物が目撃されたのを聞き、アルセイユで紅蓮の塔の上空に向かった。
エステル達が紅蓮の塔に向かったその頃、紅蓮の塔付近の街道、トラッド平原道では結社の人形兵器達と王国軍、そしてエステル達が援軍に出したメンフィル兵達の戦いが繰り広げられていた……!
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第303話 | ||
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