超次元ゲイムネプテューヌ『女神と英雄のシンフォニー』チャプターT第7話『新たな仲間と洞窟探検』 |
「モンスターってよく洞窟とかにいるけど。動物と同じでやっぱり……愛の巣なのかなぁ。勝手にお宅訪問やってます。ごめんなさい」
次の大陸同士の接近を待つ間、プラネテューヌでモンスター退治をする事にしたケイト達は町の人たちからの依頼を受け、件のモンスターが潜む洞窟へやってきた。その前に受けた別の依頼の報酬でプラネテューヌで購入した太刀を手に持ちながらネプテューヌがそんな事を口走るもんだから
「モンスター同士が愛、ねぇ……」
繁殖ならば頻繁にやっていそうだがモンスターが洞窟内でイチャイチャ……
(想像したら気持ち悪くなってきた……)
頭に浮かんできたのはいつかの鍵のモンスターが二匹。片方は口紅を塗り頭に可愛らしいリボンを着け、その二体がイチャついてる。甘い空気なんて微塵も無い、ただ、気持ち悪いだけだ。砂糖じゃなくて別の何かを吐きそうになる。首を横に振りそのイメージを頭から追い出しあたりを見渡す
「しっかし、前の工場跡地と違って暗いな……完全に真っ暗ってわけでもないが先の視界は全然だな」
特殊な鉱石の一種なのか。赤や青といった緑といった様々な鉱石が所々岩壁から顔を出し光っている為、周辺は辛うじて見えるも先まではみえなかった。先頭に居たケイトは二人の方に向き直る
「そうだね、こんぱも気をつけて。どこに何があるか判らない……」
と、コンパに一声かけ、ネプテューヌも歩き出そうとする
「ねぷっ!!?」
「おっと」
が、何かに躓いたのかいきなり前のめりに倒れケイトの胸に飛び込む姿勢になる
「大丈夫か」
「う、うん。ありがと……」
「ねぷねぷこそ気をつけないとダメですぅ。そこらじゅう岩だらけで硬いですから……」
「違っ!ぶつかったよ。今、何かがぶつかってきたの」
ネプテューヌがコンパの注意に反論し、後ろに目を向けて二人もネプテューヌの視線を追うと
「いったー……ぶつかってきたのはそっちでょ? そもそもココは、アンタ達みたいな子供がうろついていい場所じゃないの!」
そこには裾の長い紺色のコートに栗毛色のロングヘアーに双葉をイメージさせるリボンを着けた少女が尻餅をついており、その手には携帯が開いた形で握られている
(どう考えてもぶつかったのはそっちだと思うが……)
携帯人間の事故の定番、携帯を見ながらによる前方不注意というやつだろう
「子供って、人のこと言えないでしょ! だいたい誰! ココの人!?」
「アンタには私がホームレスか何かに見えるの? 私はアイエフ、アイエフ=ネバーランド。モンスターを倒してほしいって協会に頼まれてきたの、アンタ達は何!?」
「俺達は町の住人からの依頼でここのモンスター退治に来たんだが――」
「あれ、じゃ目的は同じなんだ。わたしネプテューヌ、で後ろに居るのはコンパとケイト!」
「コンパ=イルハートです。は、はじめましてです。趣味は手芸、特技は暗算です。意外でしょうです? でも、ちょーっと自信あるですよ」
「そうなの? じゃあ今度から買出しは全部コンパに頼もう」
「おーい、話がチョイとずれてるぞ。っと、俺はケイト=リンドブルムだ。どうやら協会と町の住人で二重依頼になってたみたいだな」
「つまり、目的は一緒なんでしょ? ならダンジョンの奥までエスコートしてよ!」
互いの自己紹介を終えるとネプテューヌがアイエフを勧誘し始める。
「何で私が……でも大勢の方が効率はいいかもね。いいわ、仲間になってあげる。ただし! エスコートはあんた達がしなさい!!」
「本当に仲間になってくれるの!? むーっ!言ってみるもんだね! こんぱ、あいちゃんもパーティ入るって」
「入るのは構わないけ、ちゃん付けはやめて。柄じゃないから」
「だったら、呼び捨てでいいか? 俺の方もそっちの好きに呼んでくれて構わない。年の近い相手にさん付けってのは俺も柄じゃないんだ」
「四人そろってやっとパーティーっぽくなったです! これからはずっと一緒ですね! 末永くよろしくです、アイエフ……さん」
「はいはい、よろしくよろしく。……でも、ずっとってなに? しばらくの間だけよ。このダンジョンの中だけの付き合いなんだから」
「報酬のほうはどうする?」
「それぞれクライアントが違うんだし、別々でいい――」
と、退治後の報酬の分け方について相談を初めたその時――
「ぶぶー! 私達四人はもうパーティー! 逃げたくっても逃げられないよ!? パーティは勝手に逃げたり、はけたり、ノシしたりは世界ルール違反で天罰ものなんだから! わかる?」
「な、なんか良く分かんないけど……わかったわ」
と、若干……否、ほぼ強引にアイエフをパーティーに加え、ケイト達は洞窟を進む。そんな時――
「やっぱり妙だわ……」
突然、アイエフが足を止めてあたりを見渡す
「妙……ってのは?」
「セプチウム鉱石の輝きが普通より強い。ただモンスターが居るだけの洞窟ならこんなこと無いはずなのに」
自分の目の高さにあった白い鉱石を凝視しながらアイエフは目を細める
「セプチウム鉱石……って、この光ってる鉱石の事か?」
「そうよ。大気中の魔力を吸収する性質を持っていて、その吸収量に比例して光を放つ鉱石で主に杖と言った魔力的装備や装飾に良く使われる……って、そんな事も知らないの? 確かにセプチウムの加工技術はルウィーにしかないけどセプチウム自体はどの大陸でも取れるから割と有名よ?」
「ちょいと訳ありでな。俺は――」
前の一軒で異世界人である事を隠す必心配はないため今度は普通にカミングアウト使用とした矢先
「ケイトはね、チキュウの人間なの! このゲイムギョウ界を救う為にやってきたんだよ!」
「「……ハッ?」」
と、ケイトの言葉に割り込んできたネプテューヌの言葉にアイエフだけでなくケイト本人も訳が判らんという反応を見せる
「なぁ、ネプテューヌ。いつからあんたの中で俺に救世主って言う設定が追加されてるんだ?」
「救世主じゃなくて、英雄だよ! モンスターの被害が蔓延し始めたゲイムギョウ界。そんな時、古の英雄と同じ世界からやってきた棒術を巧みに操る戦士! これはもう、どう考えてもケイトはこの世界を救う為にやって来たに違いないっ!」
「そ、そうだったですか!? それじゃ私達、英雄のパーティなんですね!」
「あー、盛り上がってるところスマンが残念ながらハズレだ。目的は一応あるが……ここには不慮の事故で飛ばされたんだ」
と、盛り上がっている二人に対して率直に述べると二人してガクッっと崩れ落ちそうになる
「あれっ……違うの?」
「ああ、失踪した親友をの手がかりを追っていたら、いきなりここに飛ばされたんだ」
と、そこで漸く自分の目的を3人に打ち明けた
「つまり、そのパソコンゲームをやっていたら突然ここに飛ばされたですね」
「ああ」
その時、腕を組んで考えていたアイエフが腕を解き
「ねぇ、ケイト……その女神大戦ってゲームだけどもしかしたらゲームじゃないかもしれないわ」
「ゲームじゃない? どういうことアイちゃん?」
「ちゃん付けはやめて。私の推測だけど恐らくそれはチキュウの住人をゲイムギョウ界に飛ばす為のプログラムの様なもの、しかも大部分は意識不明に陥るって事は無差別ではなく特定の人間……もしくは特定の条件を満たした人間のみを送るものじゃないかしら?」
「特定の条件……か」
その話は本当ならば俺とアイツはその条件を満たしている事になる。しかし……
(俺もアイツもそんな特別な人間じゃない、よな?)
自分もアイツもあっちではちょっと厳しい身の上で生きるただの人間だ。もし、思い当たる節があるとすれば
(やっぱ、この棒術の記憶……だな)
こっちでは地球が知られている事。過去にも地球人が来た事があることから、ここはゲームの世界でもない、完全な異世界と言うことになる。故にゲームの世界だからこその補正だ、という説は却下となっている。何より、俺の使う棒術は学んだ覚えはないが、確かに頭と体が覚えていたものだ。アイエフの言う条件はやっぱしこれが関係してる可能性が高い
「まぁ、いまここであれこれ話していても答えはでないからこの件については置いておきましょ。それよりも、問題はこれよ」
そう言ってセプチウム鉱石に目を向ける
「さっきも言ったけど未加工のセプチウム鉱石が大気中の魔力を吸収しただけじゃこんなに輝かないわ。加工して意図的に吸収量を高めるか、もしくは――」
そこでアイエフは表情を険しくすると
「強い魔力を持った何かが入り込んでそいつからにじみ出る魔力によって大気中の魔力濃度が濃くなるかのどっちかよ」
「そ、そうなんですか……?」
アイエフの言葉にコンパの表情が曇る。恐らくいつかの工場跡地の様に明らかにレベルの違う敵が入り込んでいると思っているのだろう
「ええ、だから周りを警戒しながら慎重に探索、件のモンスターを倒したら寄り道しないですぐに戻るわよ。無駄に手ごわい奴と戦う必要なんてないわ」
「了解だ」
「うん……」
「わ、わかったですぅ……」
やれやれ、どうやら今回の冒険もただでは終わりそうに無いな……
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遂にアイエフ登場。そしてゲイムギョウ界に新たなに軌跡シリーズから設定を持ってきてしまったぜ | ||
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