乱世を歩む武人〜第二十七話(前)〜
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戦が始まり夏侯惇さん率いる第二軍が突撃をかける。

 

霞さん率いる第一陣も続いて突撃を始めた。

 

もとより櫓に頼る策しかなかったのか数の割には大した脅威度もないらしく面白いように陣形が崩れているのがわかる。

 

そんななか私が何をやるべきかというと・・・

 

袁紹部隊

「「「見つけた!曹孟徳!覚悟ーっ!」」」

 

桂枝

「また来たよ・・・面倒だなぁ」

 

 

余り物を処理していた。

 

 

 

 

 

 

 

〜一刀side〜

 

さっきからポツポツ出てくる袁紹軍の兵士は立ちふさがる秋蘭と荀攸を見ると確実に荀攸をねらっている。

 

袁兵士1

「おい、あれは夏候淵じゃないのか?」

 

袁兵士2

「ああ・・・間違いない。顔良さまや文醜様じゃないと相手にならん。なら・・・」

 

袁兵士3

「ああ、隣にいる一般兵を倒してなんとか抜けていくぞ!」

 

袁兵士たち

「「「了解!うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」

 

桂枝

「またこっちかよ・・・何なんだ一体」

 

そういってやる気なく剣を構える荀攸。

 

アイツ自身わかってるのかどうかは知らないがあいつの格好は通常の兵士のソレだ。オマケにあの関羽ですらその行動に気づかなかったという話のあるくらいオーラ的なものが全くない。

 

なので相手としてはそっちを狙うのが当然の選択になる。俺だってそうするだろうと考えればよく分かる。しかし・・・

 

袁兵士1

「うぐっ!」

 

流れるような動作で剣で首を一突き。

 

袁兵士2

「あがっ!」

 

自分の剣を首から抜かずに相手の剣を使って腹部分の柔らかいところを貫き

 

袁兵士3

「くはっ!」

 

今度はソレを引きぬいて相手の頸動脈を一閃した。

 

一刀

「・・・アレ近くで見たくないなぁ」

 

夏候淵

「まぁな・・・だが実に効率のいい殺人術だ。」

 

実際全員一撃で殺せてるんだからそうなるよな・・・でも

 

一刀

「なんか嫌だな・・・目の前で友人が息をするように人を殺す乗って」

 

夏候淵

「なんだ、荀攸が怖くなったのか?」

 

一刀

「まさか。その程度であいつを怖がったりしないさ。ただやっぱりこういう世の中はさっさと変えなくちゃって思うよな。」

 

夏候淵

「ああ、だから私たちは戦っているんだ。」

 

一刀

「それはわかっているさ・・・」

 

でも・・・どうしてもやりきれない思いを抱えつつ俺は荀攸が相手の兵士から剣を抜くのを遠目で眺めていた・・・

 

 

 

 

〜一刀side out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「袁術軍が撤退を開始したようです。」

 

もう50は行ったかなぁといった所で戦局が変わった。少し離れたところでやっていたがそろそろ戻ろうか。

 

華琳

「そのようね・・・この様子だと袁紹もそろそろでしょう。秋蘭、袁紹が動いたらそちらの追撃はアナタに任せるわ。」

 

前線にいる夏侯惇さんには袁術の追撃をさせる気なのだろう。さらに遅れて第一陣も動いている。

 

桂花

「念のため伝令を出しておきましょうか?春蘭のことですから、戦に夢中になって忘れているのかもしれません。」

 

華琳

「そうね、春蘭に「全権」を任せたこと、もう一度伝えておいてちょうだい。」

 

なんだ?全権の部分をやけに強調したようだが・・・まぁわからないしいいか。

 

夏候淵

「なら華琳さま。私も行ってきます。」

 

そういって出撃準備を始めていた夏候淵さん。

 

華琳

「任せるわ。」

 

夏候淵

「はっ!出られるものから私に続け! この大戦の総仕上げ、我々の手で果たすぞ!」

 

曹兵士

「「「応!!」」」

 

そういって向かっていく兵士たち、さて、ソレじゃあ私も追撃に向かいましょうかーーーーーー

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーー殺気?

 

 

 

 

 

 

 

〜一刀side〜

 

秋蘭と一緒に向かおうとしていた荀攸が突然あさっての方向を向いて立ち止まった。

 

その目はまるで何かを警戒しているような目付きだ。

 

一刀

「・・・どうしたんだ?荀攸。」

 

桂枝

「いや・・・ちょっとな。すまん、ちょっと出てくる。」

 

一刀

「出てくるって・・・おい!荀攸!」

 

そういって向いていた方向へと走りだしてしまった。

 

向かっていった方角には川へと続く林があったがすでに戦前に罠がないことは確認済みだ。

 

一体なんだろう?疑問に思うが既に荀攸の姿は見えなかった・・・

 

 

 

〜一刀side out〜

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

曹操軍本陣から少しばかり離れたところにある林の中

 

ここには10人規模で組まれた袁紹軍の決死部隊がいた。

 

 

 

 

袁兵士1

「おい、気づかれてないだろうな」

 

袁兵士2

「ああ、問題ない。夏候淵も行っちまったしこれが最後の勝負だ・・・」

 

彼らはみなあの派手な鎧をぬぎ軽装状態である。突撃時から奇襲をかけようとしたが夏候淵隊がいたので今まで彼女たちが離れる機を待っていたのだ。

 

そして今、夏候淵隊が袁紹軍の追撃に入りようやく絶好の機会が訪れた。

 

張?

「この戦・・・すでに我軍の負けは決まっているだろう。お前らまで無理をする必要ないぞ?」

 

そういって部下をなだめているのはこの決死隊を率いる張?。袁紹軍の2枚看板に武勇でこそは劣るものの、十分に強い男である。

 

袁兵士1

「そんなことを言って・・・どうせ張?さんは行くんでしょう?」

 

袁兵士2

「なら・・・たった4人でも数は多い方がいいですって!」

 

袁兵士3

「そうですぜ!それに・・・アンタは俺達の希望の星なんだ!あの袁家で男で軍を任せられてるのはアンタだけなんですぜ?」

 

袁兵士4

「そうです!それに俺達も張?さんには随分と恩義がある!ココで返さずにいつ返すっていうんです!」

 

張?

「・・・済まないな。」

 

そう言って彼は一呼吸。

 

張?

「いいか、目的は敵将、曹操の殺害だ。もしダメそうなら近くにいる「天の御遣い」とやらを探して人質にしろ。ソレを盾にして袁紹様達の安全を確保する」

 

袁兵士1

「はっ!もし天の御遣いが近くにいない場合は?」

 

張?

「その時はそうだな・・・軍師を使え。奴らも大して武はないと聞いている。いいな!」

 

袁兵士達

「「「応!!」」」

 

そう言って駆け出そうとしたその時、

 

 

 

 

 

 

彼らの後ろから聞こえてくる声。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桂枝

「へぇ・・・うちの主人と姉貴と身内全部狙う気なんだ。じゃあ・・・

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーー死ぬしか無いよな?」

 

 

 

 

 

 

 

その声の主に気づいた時にはもう遅く。

 

 

 

 

 

 

 

一撃の元2人の隣り合っていた兵士が絶命した。

 

 

張?

「!?」

 

慌てて振り向くとそこには曹操軍の一般兵の格好をした男がいた。

 

張?

(馬鹿な・・・一閃で首を2つは寝るような男が一般兵であるはずが・・・)

 

彼が驚いたのは2つ、一つはただの兵卒剣首を跳ねるその膂力と剣速。

 

そしてもうひとつ、それはアレだけのことをしていたのに殺気がほぼ皆無であることだ。

 

 

袁兵士2

「貴様ぁ!」

 

袁兵士4

「よくも同胞を!」

 

張?

「馬鹿!よせっ!」

 

怒りに任せて残った兵達が突撃を駆ける。しかし・・・

 

桂枝

「すいっと」

 

袁兵士2

「ぐぁっ!」

 

縦切りを紙一重で左にかわしその横を抜けるその一瞬で右手に持った剣で回転しながら首を一閃。

 

袁兵士4

「ギャアっ!」

 

その回転のままもう一人の兵に近づき心臓を一突きだ。ドサリと3つの物が地面に落ちた。

 

どちらも間違いなく生きてはないないだろう。

 

桂枝

「さて、アンタはちょっとは強いみたいだが・・・どうする?」

 

荀攸はそのまま血に濡れた剣を張?に向ける。

 

張?

(ここまで・・・か。)

 

張?は部下4人の死体を前に冷静に現状を把握していた。

 

彼の力量は決して低くない。袁家の二枚看板を相手に打ち合うの事が出来る程度には実力があり袁紹軍では最強の男だろう。

 

だが彼の目の前にいる男はその次元ですらいない。

 

不意を打ったとはいえ一振りで二人の人間を絶命させる技量。

 

更に襲いかかった二人に対してまるでそれを知っていたかのような完璧な対応。更には片手で人の首を撥ね飛ばし、貫くその膂力。

 

おそらく氣の強化をしているのだろうが・・・ともすれば二枚看板ですら凌駕するその力に勝つ術を張?は持ち得ていなかった。

 

そして・・・だからこそ不思議でならなかった。

 

張?

「それほどの力を持ち・・・何故貴様はそのような格好をしている?」

 

自分ですら凌駕する力をもつくせに一般兵と何ら変わらない姿をしている目の前の男が。

 

桂枝

「おかしいところなどなにもないさ。自分は張遼隊の副将なんでね。」

 

張?

「神速の張遼の・・・そうか、貴様が徐栄だったのか。」

 

彼はその名を反董卓連合時に聞いたことがあった。

 

桂枝

「へぇ・・・有名なのかい?」

 

張?

「袁紹軍の男で知らぬものなどいないさ・・・神速の張遼が認める力をもち義勇軍半数をたった一人で殺し尽くした男。「すべての武器を難なく使いこなす殺戮武人」としてな。」

 

桂枝

「おやおや、随分と変な通り方してるなぁ・・・」

 

苦笑しながらも構えているその姿に隙はない。

 

張?

「だが・・・俺は運がいいのかもしれないな。自らの死を「最強の男」に委ねることができるのだから・・・」

 

そういいながら彼も己の剣を構えた。その死をも覚悟した堂々とした構えに桂枝も感嘆する。

 

桂枝

(なるほど・・・こんな決死隊を進んでやるだけはある。その覚悟も、力も十二分か)

 

改めて剣を構え直す桂枝。彼としてもこんなところで死ぬ気はサラサラない。だが・・・

 

桂枝

「・・・一つ訂正しておこう。徐栄は偽名だ。」

 

桂枝は張?の覚悟を認めた。彼も普段は他人に冷酷であるが一人の武人。その「心意気」を理解できぬものではない。

 

張?

「・・・そうか。我が名は張?。良ければあなた名をお聞かせ願えないだろうか?」

 

しばしの沈黙、その後桂枝はゆっくりと口を開き

 

桂枝

「性は荀、名は攸、字は公達。そして・・・・・

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーー真名、桂枝」

 

 

 

 

己の真名を口にした。

 

 

 

 

 

 

張?

「真名・・・?いいのか?これから殺し合いをするという人間に対して」

 

張?は戸惑いながらもあらためて桂枝に確認を問う。

 

桂枝

「・・・呼びたければ呼べばいい。」

 

桂枝は構えをとかずに許可をだした。

 

張?

「・・・かたじけない。我が字は儁乂(しゅんがい)。真名は持たぬ身ゆえあなたに預けることができぬ。」

 

桂枝

「構わない。」

 

そうか、と張?は顔を伏せあらためて剣を構え直した。

 

そうやって数秒ほどたっただろうか。張?が大きく息を吸う。

 

張?

「行くぞ「桂枝殿」!我が剣の前に倒れるがいい!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 

名乗りと主に桂枝へと襲いかかる張?。対する桂枝は無言のままゆっくりと剣を下げる

 

桂枝

「・・・」

 

張?

「とったぁっ!」

 

大きく剣を振り下ろす張?。その剣は確実に彼の頭を2つにすることが出来る力がこもっている。

 

桂枝

「呼んだか・・・じゃあ、悪いが」

 

桂枝は下ろした剣を思い切り振り上げる。膂力と氣を集中したその剣は張?の剣をすりあげ左に軌道をずらす。

 

張?

「なっ!?」

 

完全に振り下ろした状況からまさかはじかれるとは思っていなかったのだろう。彼の振り下ろした剣は桂枝の腕を中ほどまで切ることに成功するが地切断に至らず。そのまま前のめりになってしまう。

 

前のめりになったその首は丁度彼の振り上げた剣の軌跡に入る。

 

 

 

 

 

 

 

桂枝

「お前は今、この瞬間」

 

 

 

 

 

 

 

その機会を生み出した者がそこを見逃すはずもなく、彼は己の矜持とともに狙いを定め

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桂枝

「ーーーーーーーーーーーーーここで死ね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

 

 

 

 

 

剣を張?めがけて振り下ろしたのであった・・・

 

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瞬殺されました。

 

春蘭相手にアレだけ小賢しいことをして何とか勝ってた桂枝ですが男相手なら件の筋肉達磨などの人

 

外を除いてほとんど一撃です。

説明
勝ちしか見えないVS袁紹戦

ついに主人公以外のオリキャラが登場!
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コメント
今まで気を失っていたのだ⇒機を 2つは寝るような男が⇒刎ねる 一つはただの兵卒剣首を跳ねるその⇒剣で首を刎ねる(黄金拍車)
>> 不知火 観珪 さん (-人-) ゴメイフクヲオイノリイタシマス 墓前に桂枝と漢女達の話を書いて添えに行きますね(RIN)
>>アルヤさん btbamさん  性別的には一応♂なので^^;ってかそこに食いつくのかよ!っていうのが心境です。(RIN)
あれは、人に分類していいのかどうかすごく疑問www(btbam)
漢女などの人外ww 確かに貂禅たちは化けmうわっ!? 何をする! やめrぎゃあああああ(神余 雛)
筋肉達磨はもはや男というカテゴリじゃないだろ。あれはもはや「漢女」という名のまったく別の存在だ。(アルヤ)
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官渡の戦い 恋姫 恋姫†無双 桂枝 

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