仮面ライダーエンズ 第十九話 カードと駆け引きと三号ライダー
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月影しおんは、友人と別れて一人で帰り道を行く。

「帰ったらまず今日の夕食の買い出しだな…」

誰も聞いていないのに、しおんは呟いた。

 

 

 

彼女がこの世界に転生してから、かなりの年月が経っている。本当なら、彼女はしおんという名も、月影の姓も、変えることができた。しかし、作り物の存在ではあるが、自分は月影博士の娘であるということ。それから、キュアムーンライトこと、月影ゆりの妹であるということを忘れないために、あえて月影の姓を名乗っている。そして、彼女の名前となっている紫苑の花。その花言葉は、『君を忘れず』。自分にとって最も大切な家族の繋がりを忘れないよう、しおんはこの二つを使っているのだ。

 

 

 

 

 

 

「?」

と、しおんは何かに気付いて、そちらを見る。すぐ近くにある森の上空に灰色のオーロラが現れ、光を落として消えたのだ。

「あれは…」

光は森に向かって落ちていく。しおんは光の正体を確かめるべく、走りだした。

 

 

 

 

 

 

 

やがて、光の墜落点にたどり着いたしおん。光は、未だに強い輝きを放っている。

 

 

 

 

その眩いばかりの輝きが消えた時、姿を現したのは男性だった。

「う…」

男性は僅かに呻く。よく見ると、男性は傷だらけだ。

「おい!大丈夫か!?」

慌てて駆け寄ったしおんは、男性を揺さぶる。

「………」

男性は目を開け、二〜三秒しおんの顔を見つめたあと、気絶した。

「まずい…ひとまず家に…!!」

幸い、ここから自分の家までは近い。しおんは男性を抱えると、急いで自分の家まで運んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「何とか目を覚ましてくれ…!!」

男性に手をかざすしおん。すると、しおんの手から光が放射され、男性の傷が回復していく。彼女は真のプリキュアとして覚醒したことで、こんな具合に他者の傷を癒すことができるようになったのだ。

「…」

ゆっくりと目を開ける男性。

「よかった。気が付いたか!」

しおんはようやく一息つき、胸を撫でおろす。男性は起き上がり、しおんに尋ねた。

「…ここはどこだ?」

「ここは私の家だ。倒れていたから、運んできた。」

「そうか。悪かった」

「私は月影しおん。お前は?」

男性は名乗る。

「…大道克己。」

「…では大道「克己でいい。」…克己。一体何が起きたのか、話せるか?」

しおんは克己と名乗った男性に訊く。

「…俺にもわからない。気が付いたらここにいた」

「…そうか…」

理由は克己にもわからないらしい。

「とにかく、もうしばらく休んでいるといい。今何か作ろう」

「…」

しおんは席を立ち、克己は黙って見送る。それから、部屋を見渡してみた。しおんの部屋は年頃の女の子らしく、綺麗に片付けられ、またぬいぐるみなどのインテリアもされている。

「すまない克己。」

ほどなくして戻ってくるしおん。

「今日買い出しに行くのを忘れていた。今から行ってくるから、待っていてくれ。」

しおんは克己を救出することに夢中で、今日買い出しに行くことをすっかり忘れていた。冷蔵庫の中には何もない。なので、今から行くと宣言する。

 

しかし、

 

「俺も行こう。」

 

なんと、克己が同行を申し出てきた。

「そんな…お前は怪我人だぞ!?まだ起きたばかりなのに…」

「怪我なんかしてない。」

それはしおんが治したから当然だ。

「それに、恩を受けたままじゃ気持ち悪いからな。」

「だが…」

しおんは渋る。だが、

「行かせろ。」

直後に克己が見せた威圧的な視線から断れなくなり、

「…わかった。」

仕方なく了承することに。

 

 

こうして二人は買い出しに行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーいアプリシィ!」

単独行動をしていたアプリシィを、ウォントが発見した。

「…ウォント」

「どうしたんだよ、俺に黙ってエンズ狩りなんてさ?」

アプリシィは皇魔を倒すため、一人で行動していたのだ。一応仲間に心配をかけないよう、コレクとメイカーには言って出た。

「お前は出掛けていたろうが。」

ちなみに、ウォントは修造に会いに行っていた。何でも妙に気が合ってしまい、ちょくちょく交流しているらしい。ウォント曰く、彼だけは一番最後に殺すとのこと。

「そうだったな。悪い悪い」

カラカラと笑うウォント。しかし、その顔は突然真剣なものになる。

「じゃ、とっとと始めるか。」

「ああ。」

互いに相づちを打ち、怪人形態に変身したウォントとアプリシィは、そこらにいる一般人から適当に選んで、シード二体を生み出す。逃げ惑う人々を襲い、欲望を貯めていくシード達。ウォントはアプリシィに訊いた。

「んで、作戦は?」

「そんなものは必要ない。シードに騒動を起こさせて誘き寄せ、倒す。四人がかりなら勝てる」

「結局いつものパターンか…」

「勘違いするな。人間を一人でも多く殺し、なおかつエンズを始末するには、この方が効率がいいだけだ。」

「……まぁ俺達デザイアの使命を果たすにはこれくらい派手な方がいいし、何より、俺はあんまりチマチマした作戦は苦手だからな。」

ウォントは以前アプリシィのメダルを取り戻すために作戦を計画したことがあったが、代わりに自分のメダルを奪われてしまったため、それ以来作戦を考えるのは控えている。単細胞な自分がいくら作戦やら計画やらを考えたところで、うまくいくはずがないということがわかってしまったからだ。

「奴らが騒動に気付いて駆けつけてくる頃には、シードも成長してるだろ。とりあえず、それまでこっちも…」

ウォントは片手に炎を宿し、

「俺達の仕事をしようぜ!」

それを投げつけて近くのビルを破壊する。

「賛成だ。」

アプリシィも片手からツララを発射し、建物を串刺しにしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

街を歩くしおんと克己。しばらくして、黙っていた克己は口を開いた。

「お前、一人暮らしか?」

「ああ。最初は苦労したが、慣れてみると結構楽しいぞ?いろいろと気楽だしな。」

「…そうか」

確かに、何でも一人でこなさなくてはならないため、大変ではある。だが、うるさく言う者が誰もいないため、その分気楽だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう、親がいない分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…私の父がいないというのは、確かに寂しいがな。」

「…何?」

「言っても信じてもらえないかもしれないが、私は転生者なんだ。転生前の世界で、私は父に認めてもらうためだけに戦い続けていた。」

そして敗れたしおんは、今わの際に父、月影博士から聞いた。お前は私の娘だ、と。

 

作り物の存在でしかなかった彼女が、ようやく報われた瞬間だった。

 

ちなみに彼女は知らないことだが、月影博士は、しおん亡き後に起きた砂漠王デューンとの戦いに敗北し、死んでいる。しかし、このエンズの世界に転生できていないので、どのみち知っていたところで意味はないが。

 

と、しおんは克己から、驚くべき答えを聞いた。

 

 

 

「お前もなのか?」

 

 

「…えっ?」

「俺も転生者だ。」

なんと、克己も転生者だったのだ。

「それはどういう…」

詳しい話を聞こうとするしおん。

 

 

その時、悲鳴が聞こえてきた。

 

 

見ると、大勢の人間が逃げてきており、騒動の元と思える場所からは火の手が。

「話は後でゆっくり聞く。克己は先に帰っていてくれ!」

しおんは駆け出した。

「…」

その姿を見送る克己。しかし、数秒してから、克己もまたしおんを追った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お?」

ウォントはしおんの存在に気付き、攻撃の手を止める。

「お前達の仕業か!」

しおんはウォント達を睨み付けた。

「何だお前は?」

アプリシィはしおんと初対面なので、誰だかわからない。

「これ以上はやらせない!!」

しおんはココロパフュームを出し、

「プリキュア!オープン・マイ・ハート!!」

コスチュームを身に纏って、

「生まれ変わりし一輪の花!!ダークプリキュア!!」

ダークプリキュアに変身した。

「お前…あのダークプリキュアとかいうやつか。」

ウォントはしおんの正体がダークプリキュアだということに気付く。

「何者か知らないが、私達の使命を邪魔するなら殺す。」

アプリシィの言葉を皮切りに、シード達もツララを模したツララシード。鬼火を模したオニビシードへ成長する。

 

しかし、ダークプリキュアは一歩も退かない。

「その野望は砕かせてもらう。私の心で!!」

プリキュアとして悪を倒すため、デザイアに立ち向かう。

 

 

 

 

プリキュアの力は、はっきり言ってライダーよりも遥かに上だ。すなわち、ライダーの次元程度しか力を持たない怪人になど、負けるはずがない。

 

だが、そのライダーの力がプリキュアに匹敵するものであった場合、ライダーが戦う怪人もまた、同等の強さとなる。

 

エンズとビーツ。そしてデザイアが、まさにそれなのだ。特にデザイアは幹部怪人。しかも今回は二体がかりで、配下の怪人までがいる。対照的にこちらは一人。いかにプリキュアとはいえ、あまりにも分が悪い。

「ぐあっ!!」

数は力なりという言葉がある通り、それは早くも現れ始めてきていた。相手の能力は、炎や氷を操るなど単純明解なものだが、それも常軌を逸したレベルの威力となれば、馬鹿にはできない。加えて通常の戦闘力さえ、デザイアやシードには凄まじいものがあるのだ。全くもって、強大な敵である。

「わかったか?いくら完全復活してねぇっつっても、俺達を舐めたらそういうことになるんだよ。」

「くっ…」

ウォントの発言に顔を歪めるダークプリキュア。舐めていたわけではないのだが、彼女もデザイアがここまで強いとは思っていなかった。

「とどめは私が刺す。」

ウォントの前に進み出たアプリシィは、右手を氷の槍に変え、

「死ね」

ダークプリキュアに向かって突撃する。

 

だが、

 

「ぐあっ!!」

アプリシィは横から体当たりしてきた克己によって、地を転がる。

「克己!」

驚くダークプリキュア。

「また人間か!俺の邪魔を!!」

人間嫌いなアプリシィは、怒りを隠そうともしない。

「克己、逃げろ!」

今のでアプリシィは間違いなく本気になった。このまま戦えば、克己を守りきることはできない。そう思ったダークプリキュアは克己に逃げるよう促すが、

 

「氷は俺がやる。お前は炎をやれ」

 

なんと、克己は戦うつもりだ。

「馬鹿なことを言うな!お前は何の力もないだろう!」

ダークプリキュアは焦る。克己に戦う力などないと思っていたからだ。

しかし、

 

「いや、力ならある。」

 

克己はダークプリキュアの言葉を否定した。

「えっ?」

そして克己は、

 

「俺は…」

 

バックルを取り出す。

 

 

「仮面ライダーだ。」

 

出したバックルを腰に装着し、あるカードを装填。

 

 

 

そして…!

 

 

 

「変身!」

 

〈OPEN UP〉

 

純白のエネルギーシルエット、ソウルエレメントが出現。それを通過した克己は、額に角を持ち、両肩と両膝にスペード、ハート、ダイヤ、クローバーのレリーフが刻まれた純白の戦士に変身していた。

「克己…?」

ダークプリキュアは思わず声をかける。

「今の俺は仮面ライダーポーカーだ。」

名前を訂正させ、ポーカーと名乗った戦士。ポーカーは剣、ポーカーラウザーを抜く。

「さぁ、地獄の駆け引きを楽しみな!!」

 

 

「何だあいつ?」

ウォントは首を傾げた。今現れたライダーは、エンズでもビーツでもない。オーズやバースですらない。全く未知のライダーだったのだ。

「駆け引きだと…ふざけるな!!」

ポーカーの台詞に激怒したアプリシィは、ポーカーにツララシードを向かわせる。

「ふん。」

ポーカーはポーカーラウザーをソードモードからガンモードに切り替えた。それをツララシードに向けて引き金を引くと、刀身から光線が放たれ、ツララシードにダメージを与える。

「氷には炎だ。」

ポーカーが言うと、ダイヤのレリーフから二枚のカードが飛び出し、それを掴み取ってスラッシュリーダーにラウズする。

 

〈BULLET,FIRE〉

 

すると、カードの力がラウザーに宿り、ポーカーは再びツララシードを狙撃した。今度は炎を纏ったより大きな光線、バーニングショットが放たれ、ツララシードはかなりの傷を負う。

「おおっ!!」

間髪入れずにラウザーをソードモードに切り替え、接近戦を仕掛けるポーカー。ポーカーのパワーはエンズやビーツと比べると見劣りしてしまうが、弱点属性を利用した攻撃やチャンスを生かした戦闘を行うことで、それを補っていた。

「…!!」

アプリシィはポーカーの戦いに目を奪われる。カードを使って戦う戦士がいるとは夢にも思わなかったからだ。そして、ウォントもまたポーカーの戦いぶりに、意識を向けていた。

(っ!今!!)

ダークプリキュアはその隙を見逃さず、ウォントに飛び掛かる。

「おわっ!?」

しかし、オニビシードがウォントを突き飛ばし、代わりに攻撃を受けることで、ウォントは難を逃れた。オニビシードはダークプリキュアと戦いながら言う。

「ウォント様!アプリシィ様!お逃げください!ここは我らに!」

「だが!」

「プリキュアは強い!それにあの戦士の実力は未知数です!」

「我々シードはいくらでも代わりがあります。ですが、あなた方デザイアに代わりはない!我らの使命を、ここで終わらせてはなりません!!」

渋るウォントに、オニビシードはツララシードと並んで退却を進言する。

「…ちっ!行くぞアプリシィ!」

「…くっ!」

二人の忠誠心に折れたウォントとアプリシィは、引き上げていった。

「なるほど、自分の主を思いやれる連中ってことか。見直したぜ」

ポーカーはラウザーを肩に担ぐ。

「だったらこっちも…ん?」

最強の姿でとどめを刺してやる、と言おうと思い、自分の左腕を見たのだが、

(アブゾーバーが壊れている…)

彼にさらなる力を与える籠手が、致命的なまでの損傷を受けていた。

「…まぁいい。おい月影!」

「!」

「…決めるぞ。」

「…ああ。」

次の一撃で決めることを、ポーカーはダークプリキュアに伝える。と、今度はポーカーの四つのレリーフ全てからカードが飛び出し、同じスート同士で融合。四枚のカードとなって、ポーカーの手に収まった。ポーカーはその四枚をラウズする。

 

〈LIGHTNING SONIC,BURNING DIVIDE,SPINiNG DANCE,BLIZZARD CRASH〉

〈WILD RAVE〉

 

カードの力を身に纏ったポーカーは、四人に分身。それぞれが、雷撃を纏ったキック、ライトニングソニックを。さらに二人に分身しての炎を纏ったキック、バーニングディバイドを。風を纏ったきりもみキック、スピニングダンスを。吹雪を放ちながら食らわせる飛び蹴り、ブリザードクラッシュをツララシードに命中させた。これぞポーカー ノーマルフォーム最強の必殺技、ワイルドレイヴだ。

「アプリシィ様…ぐあああああああ!!!」

ツララシードは爆発した。

「プリキュア!ダークパワー・フォルティシモ!!」

「ぐおあっ!!」

ダークプリキュアはエネルギーを纏って突撃し、オニビシードを貫通。

「ハートキャッチ!!」

黒いクリスタルドームでオニビシードを包み、

「ああああああああああああああ!!!」

撃破する。

 

 

 

互いに変身を解除する克己としおん。先に口火を切ったのは、克己だった。

「どうやら、ここは俺のいた世界とは違う世界らしい。」

克己はようやく、その事実に気付く。そういった話は、心当たりがないわけでもない。かつて自分の世界にディロードというライダーが立ち寄ったことから、自分以外にもライダーがいる世界があるということはわかっていたからだ。それに彼自身、違う世界から転生した存在でもある。

「では、お前が元いた世界に帰る方法を探す必要があるということか…」

しおんは言う。確かに、ここは克己の世界ではない。ならば、自分のいるべき場所へ帰る必要がある。

 

 

しかし、

 

 

「その必要はありません。」

 

 

謎の声が響き、二人は突如として現れた灰色のオーロラに呑み込まれてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たどり着いた場所は、いくつもの地球が浮かぶ、宇宙空間。待っていたのは、一人の青年。

「僕の名前は紅渡。あなたに伝えなければならないことがあって来ました」

渡と名乗った青年は、克己を見て言った。

「何だ。」

「…あなたの世界は、もうありません。」

「!?」

渡は語る。先日起きた創世の使徒、仮面ライダージェネシスとの戦いの余波で、克己がいたポーカーの世界は消滅してしまったのだと。どうやら克己だけは、世界消滅の際に現れる世界の歪みに巻き込まれたおかげで、消滅を免れたらしい。

「…受け入れ難いかもしれません。ですが…」

「…わかってるよ。なくすことにはもう慣れてるからな」

克己は、自分で自分の母を殺している。一番大切なものを自分で消したのだ。

 

もう慣れていた。だから、今さら自分のいた世界が消えたくらいでは、悲しまない。

「その代わりと言っては悪いですが」

「?」

だが、渡の話にはまだ続きがあった。

「あなたにはこの世界で生きてもらいたいのです。この世界のライダーは、まだ危うさが見え隠れしています。あなたの力が必要なのです」

消えてしまった世界の代わりに、このエンズの世界で生きて欲しい。それが渡の頼みだ。当然、彼には自分の要求がどれだけ酷なことかわかっていた。しかし、消えた世界を蘇らせることはできない。聞いてもらうしかないのだ。

 

 

 

克己の返答は

 

 

 

 

 

 

 

 

「わかった。なら俺はこの世界で生きる」

 

 

 

 

 

 

 

 

OKだった。しおんは驚く。

「いいのかそんな簡単に?お前の世界が消えたんだぞ?」

「ないものをいくらねだったって仕方ないだろ?」

それは確かにそうだ。

「それに…」

「?」

だが、克己はそれ以上に、負い目を感じている。

「俺が今まで奪ってきた命に比べたら、安いもんだ。」

 

彼は元々テロリストであり、数えきれない数の命を奪ってきた。奪うということは、奪われる覚悟も必要になるということ。そして、遂に自分も奪われた。それだけのことだった。

「あなたがこの世界で暮らせるよう、根回しはしておきます。」

「ああ、頼む。」

「…本当にごめんなさい。あれは僕にとっても予想外だったんです」

「何でお前が謝る必要がある?俺は気にしてない。だからお前も気にするな」

「…はい。」

克己に言われ、渡は二人をエンズの世界に戻した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

克己はW、そしてクロスとの戦いに敗れ、死んだ。だが、死ぬ直前に彼はこう願ったのだ。

 

 

 

『もう一度生まれ変われたら、今度は正真正銘、正義のライダーとして戦いたい』、と。

 

 

 

 

 

それが通じたのかは定かではないが、結果として克己はポーカーの世界に転生し、正義のライダー、ポーカーになれた。そして、平和な世界を勝ち取れたのだ。

 

 

 

 

 

 

「そうか、お前も元々悪だったのか。」

「ああ。」

己の身の上をしおんに話す克己。それを知った上で、しおんは克己に提案する。

「行く所がないなら、私の家に住まないか?」

「…は?」

早い話が同居だ。

「いくら気楽な一人暮らしとはいえ、やっぱり不具合がある。お前がいてくれると助かるが…」

それだけではなく、しおんは克己を放っておけなかった。いくら根回しがあったとしても、克己一人では不自由がある。なら、同じく一人である自分と足せば、少しは負担も軽減できるし、何より寂しくない。

「…いいだろう。恩返しもしたいしな」

克己は了承した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

渡の根回し。それは、転入生という形で克己をロストグラウンド学園の生徒にするというものだった。時期的にもちょうどいい。届けられた制服を着た克己を見て、

「なかなか様になってるぞ。」

しおんはこう褒めた。

「ふん。」

克己は照れ隠しに鼻を鳴らし、二人は学園へ行く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しおんはまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

克己と皇魔には繋がりがあり、そのせいで転入早々に大騒動になるということに。

 

 

 

 

 

 

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次回、

仮面ライダーエンズ!!

 

レスティー「わぁー!綺麗!!」

 

?「美しいものなど壊れろ!!割れろ!!消えてしまえ!!」

 

ルシフェル「そんな装備で大丈夫か?」

 

イーノック「大丈夫だ。問題ない」

 

 

第二十話

そんな装備と桜吹雪と銃火器コンボ

 

 

大道克己

 

クロス、Wとの戦いに敗れ死亡した大道克己は、死ぬ直前に正義のライダーになりたいと願ったことにより、ポーカーの世界に転生した。性格はいくらか丸くなっており、今では正義のライダーとして戦っている。

 

 

仮面ライダーポーカー

 

克己が邪神フォーティーンが封印されたカードを使って変身するライダー。フォーティーンの強大すぎる力を制御するために、スペックを高めに設定してあるので、ブレイド、ギャレン、カリス、レンゲルが束になってかかってきても軽々と撃退できるほど強い。飛行能力も備えている。

 

両肩、両膝にスペード、ハート、ダイヤ、クローバーのレリーフがあり、戦闘時はそこからカードを召喚して使う。また、召喚したカードを融合させ、一枚のカードとして使うことも可能(仮面ライダークレストの戦闘を参照)。

 

必殺技は、四人に分身してライトニングソニック、バーニングディバイド、スピニングダンス、ブリザードクラッシュを放つ、ワイルドレイヴ。

 

 

パンチ力 1800AP

キック力 3000AP

ジャンプ力 ひと飛び120m

走力 100mを3,5秒

 

ワイルドレイヴ 26000AP

 

 

醒銃剣ポーカーラウザー

 

ブレイラウザーとギャレンラウザーが一つになったような、ポーカーの武器(GNソードUを思い浮かべていただけるとわかりやすい)。ソードモードとガンモードを備えており、ガンモード時は光線を撃つ。

 

初期AP 18000AP

 

 

ポーカーバックル

 

克己がポーカーに変身するためのベルト。これにチェンジフォーティーンのカードを装填し、オープンアップすることで、純白のシルエット、ソウルエレメントが出現し、これを通り抜けて、変身を完了する。ちなみに、ポーカーの世界は戦争によって様々な技術が発展した世界で、これによって克己がアンデッドになることはなく、克己は戦争のない世界にするために戦っていた。

 

 

チェンジフォーティーン

 

フォーティーンが封印されたカード。

説明
遅くなってすいません!三号ライダーの登場です!
ちなみにこのライダー自体はラージさんの作品に出ていますが、僕が名前や能力にかなりのアレンジを加えています。ですが、ラージさんには許可をもらっていますので、ご安心を。
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