SAO〜黒を冠する戦士たち〜 第三十四技 リアルのキリト |
第三十四技 リアルのキリト
キリトSide
「それにしてもキリト君。私は何故、あの速度の攻撃を君が避けれたのかが不思議でならないんだが…」
「わたしも気になるんだけど…」
舞台から退場したあと、ヒースクリフだけでなくアスナまで問いかけてきた。
奴にはあまり知られたくはないが、疑われる可能性があるから答えておこう。
「俺が行った回避。あれはスキルではないが、別段できない動きでもないからな」
「というと?」
俺の返答にヒースクリフが答えを求めてきた。
俺とヒースクリフの違い。それはリアルにこそある。
「ヒースクリフ。あんたの敗因は二つ…。
両方とも関連した理由だが、まず一つ……それは俺に武器を変えさせたことだ」
「ふむ…。それが二つ目の理由に繋がるわけか…」
「ああ。その二つ目の理由は…、俺とアンタのリアルでの違いだ。
おそらくだがアンタは、リアルでは他のプレイヤー達と特に変わらない身体能力のはず。
それが理由だ」
俺とヒースクリフの問答にアスナは少しわかっていない様子だが、ヒースクリフは理解はしたようだ。
「つまりキリト君…。君のリアルでの身体能力は私を凌駕している、と。
だが、それでは先ほどの動きについては説明できていないのでは?」
やっぱりコイツのことはこのまま警戒しておいた方がいいな。
「いいぜ、種明かしをしてやる…。俺はある剣術、いや、武術の師範代なんだ」
俺が言った事にヒースクリフもアスナも驚愕している。
ヒースクリフにとっては自分よりも若い子供が、
アスナにとっては同じ年齢くらいの人間が武術の師範代をしているのだ。
驚かない方がおかしいだろう。
「なるほど、そうだったのか…たしか『((神霆流|しんていりゅう))』と言っていたね。
だが、聞いたことのない流派だと思うが…」
当たり前だ。この流派は裏の流派。普通の人間は知らないはずだ。
俺は偶然出会った人がその師範で、俺はその人に教えを請いて弟子になったのだ。
無論俺だけじゃないが…。
「悪いがこれ以上は教えられない。掟だからな…」
「…それならば仕方ないな」
これ以上の回答は無理だと言うと、引いてくれたようだ。
「さっきの動きについては教えてやるよ。
まず、あの異常な速度の((スキル|・・・))を避けた動きだったな。
あれは神霆流の回避術だ。それに攻撃や動きも神霆流のものだ」
アスナは感心した様子で頷いている。
ヒースクリフもどこか納得した表情をしている。
「理解した…。君がした動きは君自身が現実でできる動きだからこそ、この世界でも行えたということか。
スキルではなく((ただの動き|・・・・・))として認識されるわけか」
「まぁ、そういうことだと思う。俺は製作者ではないから詳しいことは知らないがな…」
ヒースクリフの予想に俺は答えた。
ただ俺の、俺達の推測がただしければ((GM|ゲームマスター))はおそらく……。
「キリト君。一日だけの協力だが、早速で悪いと思うが明日訓練があってね。
是非、それに参加してもらいたいのだが…」
「訓練か…。構わないが一日だけだぞ」
奴が協力の内容を伝えてきたので、俺はそれに答えた。それに奴は頷いたので俺も答えることにしよう。
「わかった。引き受けよう」
「うむ、礼をいおう。では、アスナ君は約束通り脱退を認めよう。それでいいのだね?」
「えっ!?」
「ああ、頼む」
俺と奴が勝手にアスナの脱退を進めていたことに、彼女は驚いている。
ヒースクリフは再び頷くと「仕事があるので失礼する」と言って去っていった。
この場には俺とアスナが残された。
「そういうわけでだ…。アスナ、明日は訓練に参加するから明後日から改めて俺とコンビを組んでくれるか?」
「え、ぇ、えっと、わたしでよければ…///」
「それじゃあ、よろしくな」
「う、うん///」
俺達は握手を交わしてから闘技場をあとにした。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
剣術や武術を学んでいるからこそ、この世界のキリトはイメージを行うのが上手いんです。
この世界での動きというのは結局のところイメージが重要ですからね。
それではまた次回で・・・。
説明 | ||
第三十四話です。 今回は現実でのキリトという存在のちょっとした話です。 まあ、うまく書けているとは思いませんが・・・。 では、どうぞ・・・。 |
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コメント | ||
アサシン様へ ・・・・・・ふっ(ニヤリ)(本郷 刃) ・・・・・師範代って、もしかして複数人?・・・・・(アサシン) |
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