魔法先生ネギま 〜疾風物語〜 第六話
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「やっと京都に着いたの。ハヤテ」

「そうだなクラマ。出来れば喋らないで欲しいけど」

「(む、すまんの。なんだか久しぶりの気がしてな)」

「(とりあえず、普通の狐の振りしててくれないか?いや普通の狐は人の頭に乗らないけど)」

「(気にするな。ハヤテの乗り心地がいいのが悪い)」

 

あ、どうもお久しぶりです。疾風です。

クラマが言ったとおり俺たちは京都にいる。絶賛怪しまれ中ですが

 

「(とりあえずは神鳴流に行ってみるか。もしかしたら剣術を教えてもらえっかも知れないし)」

「(ワシは得体の知れない人物に教えてはもらえないと思うがな)」

「(クラマうるさい)」

 

確か神鳴流の総本山はどっかの神社だったな…。神鳴流ってか関西呪術協会か

この時代にあんのかね?

っ!……周りに人がいないな。それにこの気配…

 

「(クラマ。気付いてるか?)」

「(無論だ。既に囲まれているな。一、二、三…九人ってところかの)」

「(九人ねぇ…始末できない人数じゃないが、騒ぎは起こしたくないな。しかし何故だ?)」

「(ハヤテは気、魔力ともに漏れないようにしておるし、ワシもチャクラは厳重に封じておるぞ?)」

「(……待てよ?クラマ。確かお前は九尾の狐だったよな?)」

「(勿論じゃ。昔は妖怪や魔獣とも呼ばれておったのう)」

「(…原因分かったぞ。クラマ、お前妖気を抑えてなかったろ)」

「(…ナンノコトカノウ?)」

「(片言だしこっちを向こうか?空見てんじゃねぇよ)」

「う、うるさいうるさい!ワシは悪くないもん!悪いのはハヤテだもん!!」

「…思いっきり喋ってるんですが」

「(何の事じゃ?ワシ分からん)」

「当然のように念話にシフトしてんじゃねぇよ」

 

ハァ。もういいかな…

 

「それで?何で俺たちを狙うのかな。京都神鳴流サン?」

「気付かれているなら隠れている意味は無いです、ねっ!」

 

いきなり和服の剣士が現れて、携えた刀で斬りかかってきた

俺は草薙で防ぎ、後ろに距離をとる

 

「おいおい。挨拶も無しに斬りかかるのが京都の流儀なのか?」

「九尾の狐なんてものを使役している危険人物に言われたくないですね」

「ほら見ろ。やっぱりお前が原因だったじゃねぇかクラマ」

「違うの!絶対ハヤテが悪いんだもん!!」

「ハイハイ、分かったから。とりあえず、人に変化しろ。頭に乗られてちゃ戦えん」

「…わかった」

 

ポヒュン、と軽い音を立てて白煙が舞い上がる。その中でクラマは人への変化を完了させていた

見た目はあの、うん。Fate/EXTRAのキャス狐だ。髪の毛は橙色だがな

相手側は前方に五人、後方に四人、か

 

「クラマ。お前はあちらの四人を相手してくれ。くれぐれも殺さないようにな?」

「わかっている。一応ハヤテは我が主という事だからの」

 

そう言い、後方へ駆けて行く

 

「…もうよろしいですか?」

「ああ。んじゃ、一丁始めますかぁ!『写輪眼』!!」

 

言うと同時に踏み込み、峰打ちを狙う。しかし、それは俺の知らない歩法によってかわされた

…なるほど。これが瞬動術、あるいは縮地法か。コピーは出来た、が今使うのは瞬身で充分だ

 

「驚きましたか?これが瞬動です。そして、隙だらけですよっ!」

「おっと、危ないなァ!」

 

左から襲い掛かる斬撃を瞬身でかわす。そして後ろに回って

 

「『((双龍閃|そうりゅうせん))』!」

 

神速の、抜刀術

 

「なっ!速い!?でもこの程度の速さなら…!」

 

甲高い金属音が鳴る。そう。これは神速といわれる抜刀術だが、使い手が俺だ。俺は誰に教えを受けたわけでもないので未だ抜刀術は難が有る

当然刀での一撃は防がれた。しかし

 

「っ!さ、やで」

 

地に倒れ伏す神鳴流の剣士。『双龍閃』は刀と鞘の二段構えの攻撃なのだ

だがこの技が明らかな場合は二段階目の攻撃さえ防がれるといういわば諸刃の剣の技だ

さて、これで一人戦闘不能

 

「次は、誰だ」

 

言い切る前に三人ほどが斬りかかってくる

しかし、それは剣術でもなんでもない。ただの無謀だ

 

「『((龍巻閃|りゅうかんせん))』!」

 

俺は最初の一人を体ごと廻りながらかわし背後から首への峰打ちで気絶させ、刀を納める

 

「『((龍巻閃・嵐|りゅうかんせん・あらし))』!」

 

納刀した刀を正眼に構え、空中高く跳びあがる。そして突進してくるニ、三人目に向かい宙返りをする

その宙返りにより鞘が二人の頭を捉え、昏倒した

これで四人

 

「最後だ」

 

抜刀術をするために構える。それに相手も反応し、構える

 

「さっきの二段構えの技だろ!分かってるんだよ!」

「さぁ、どうだろう?」

 

お互いがお互いの隙を見つけるために、動けない

やがて痺れを切らしたのか、相手が先に動く

 

「死ねェェェ!!」

「『((双龍閃・雷|そうりゅうせん・いかずち))』!!」

 

精一杯踏み込み、抜刀する

勿論相手に初撃は防がれる。しかし先の技とは違い防がれたのは…

 

「鞘だとぉ!?」

 

俺が放った『双龍閃・雷』は先ほどの『双龍閃』とは逆。つまり双龍閃は刀から鞘。反対に双龍閃・雷は鞘から刀とつなげる連続技なのだ

双龍閃だと思い対応すると見事に引っかかる、と言う訳だ

鞘によって刀を弾き飛ばされ呆然としている相手に峰打ちを決めて気絶させる

これで五人目。俺の方は終わりだが、クラマのほうはどうだ?

 

「…まあ俺と同じようなものだな」

 

そこには、全員漏れなく昏倒している神鳴流剣士達がいた

 

「おいクラマ。お前アレ何してああなった?」

「む?全員掌仙術で古傷などを治してやったのだ。なぜか皆眠ってしまったがな」

 

…お前チャクラでかすぎるんだよ

普通出来ないぞ。他意なしで傷を治そうとして昏倒させるのは

 

「…まあそれは置いておこう。まずは、俺と話をしようじゃないか。京都神鳴流の長さん?」

「そうですね。私も聞きたいことがありますので」

 

俺が声をかけるやいなや、突然人が現れた

クラマは自分が気づけなかった事に驚愕する

 

「馬鹿な!?先ほどまでは人の気配などまるで無かったはず?!」

「まあその辺はほっておけ。で?何が聞きたい?」

「ふむ。ではまず、なぜ九尾の狐を従えているのですか?アレは遥か昔に退治られたはずです」

「簡単に言えば、こいつは九尾の狐そのものじゃない。言うなれば九尾から気、魔力などが分けられて出来た精神体。それに俺が体を与えたんだ」

「なるほど…」

「おい違うだろう。ワシは六道仙にnムグッ!」

「(黙っとけ。俺が云々は違うが全てが嘘というわけじゃないだろう)」

「では次に、何故神鳴流を訪れたのですか?」

「俺はある流派に属しているのでね。神鳴流をあわよくば教えてもらおうと思ったんだが」

「別にいいのですが、少し私と勝負してくださいますか?」

「その勝負に勝てば、神鳴流を教えてもらえると思っていいんだな?」

「ええいいですよ。なんなら奥義もお教えします」

「乗った。クラマ俺が倒した奴らの治療に行ってくれ。とどめは刺すなよ?」

 

俺と神鳴流の長は相対し、お互い刀を構えた

 

「ああ気を使っても構いませんよ。私も使うので」

「わかった」

 

気で強化すればあの『奥義』も使えるか…?いや試してみる価値は有るな

長は刀を上段に構え、俺は左足を前にして抜刀術の構えを取る

 

「…正気ですか?左足を前にしての抜刀術など。自傷の危険性すらあるのですよ?」

「生憎だが、これが奥義の構えなんでね」

 

長は剣先に気を集中させ、俺は体中に満遍なく気を充満させる

これからやる技は、後ろ向きな気持ちじゃ出来ない。絶対に、勝つ

 

 

 

一瞬の静寂が訪れる。やがて、どちらからとは言わずはじかれる様に同時に踏み込んだ

 

 

 

「『神鳴流奥義・((斬岩剣|ざんがんけん))』!!」

「『飛天御剣流奥義・((天翔龍閃|あまかけるりゅうのひらめき))』!!!」

 

長は岩をも斬り裂く研鑽された一撃を

俺は神速の抜刀をさらに昇華させた、超神速の抜刀術を

お互いが今出せる、最高の技をぶつけ合った

 

 

骨が軋む。筋肉が悲鳴をあげる。当たり前だ。まだこの奥義を使えるほど俺は熟練していない

それを気によって無理やり身体能力を引き上げ、可能にしているのだから

 

「ッオ、オオオオオオッォォォァァアアアアアア!!!!」

 

裂帛の気合を込め、長の刀を弾く

長は驚愕の表情を浮かべていたが、まだ終わりじゃない!

俺の抜刀術により空を切ることで弾かれた空気は長を打ち据え、体勢を立て直すのを妨害する

さらに空気が弾かれたことにより真空が発生。元に戻ろうとするために生じた風によって長を引き寄せる

引き寄せられた長の首に、草薙を突きつける

 

「…私の、負けだね」

「俺の勝ち、だな」

 

長が立ち上がり、俺に手を差し出しながら

 

「それじゃようこそ。京都神鳴流へ」

 

俺はその手を握りながら

 

「ああ。こちらこそよろしく。…ッツゥ」

「ん?どうした…って君右腕の骨がことごとく折れてるじゃないか!なんか筋肉も断裂してるし!」

 

最後は締まらなかった

 

「大丈夫だ。あとでうちの狐に回復術を掛けて貰うから。それより、あんたの名前は?」

「うん?私の名前は((青山泰春|あおやまやすはる))だよ。一応京都神鳴流の当代最強の位を貰っているよ」

「そうか。俺の名前は波風疾風だ。飛天御剣流の…一応初代」

 

初代って言っていいのかどうかが微妙だけどな…。

 

「凄いじゃないか!その齢で新しい流派を開くなんて!」

「あ、俺見た目どおりの年齢じゃないよ。呪術の実験の失敗で不老になったから」

「へ?となると、君何歳?」

「一応、二百年生きてます」

「あ〜。まあ呪術の失敗じゃあ可能性は無きにしも非ずか〜」

 

とりあえず、腕の痛みが尋常じゃなくなってきた、んだ、が…

 

「クラマぁ。こっち来て俺に掌仙術かけてくれぇ」

「わかった。いい練習台がたくさんいたのでな。自信は有る」

「腕が治ったら屋敷に来てくれ。部屋を用意させよう」

「ワシらの部屋は一つでいいぞ。泰春とやら」

「お前は何を言ってr痛ァ!?」

 

 

ああ。これからの日々が平穏でありますように

 

「おまっ、チャクラ流しすぎだ!俺じゃなきゃ昏倒してるぞ!?」

「ならいいではないか。今ワシが治しているのはハヤテなのだから」

 

 

…平穏とは無縁の生活になりそうだ

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第六話です。更新遅くなりました。
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コメント
シキさまご指摘ありがとうございます。これは単純に自分のミスです。指摘箇所を修正しました(ディアーリーズ)
エヴァを助けて村を作った時点で三百年経ってるのに泰春に二百年生きてるって言うのおかしくね?(シキ)
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魔法先生ネギま オリ主 飛天御剣流 京都神鳴流 オリキャラ 

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