IS 世界を守る者 EP33 約束 |
風月荘の一室。
そこには意識を失った一夏が居て、近くには鈴が居て一夏に語りかけた。
「一夏、さっきアリスちゃんやガイアークの皆がジャンボットの反応があったから、ジンヤを探しに行ったから安心してね…」
鈴は普段の強気な風と違い、優しく語りかけていた。
「さっき、楯無さんが来て次の福音の戦いに手を貸してくれるって…ジンヤも凄いよ。もしもの為に福音に発信機をつけて、その事をラウラに話していたんだ……」
鈴は一旦、そこまで言うと一夏に言った。
「ねえ、一夏。アンタがずっとそのまま寝ているとアタシがおばあちゃんになっちゃうから…早く、起きなさいよ」
鈴はそう言うと、時計を見て時間を確認した。
「一夏、時間だから行くね…アタシは…アンタの事がずっと好きだからね…」
鈴はそう言うと、自分の唇を一夏の唇に重ねた。
「じゃあ、行って来るね…」
そして、鈴は部屋を出た…
一方、一夏は闇の中を歩いていた。
「出口が見当たらない…早く、戻らなければ…」
「一夏…」
闇の中から声が聞こえたので一夏はその方を見た。
そこには茶髪で少し一夏に似た少年が居た。
「お前……ジャンナインか?」
一夏は声から見て自分のIS、ジャンナインと言った。
すると、ジャンナイン?が頷いた。
「ジャンでいい…一夏、お前に聞きたい事がある。お前は力を得た時、お前は何をする?」
その質問に一夏はある人物を思い出して言った。
「そんな力いらねえよ…ラウ兄に言ったようにいじめっ子になりたくないからな…」
その答えにジャンは満足そうに頷いていた。
「正解だ、一夏…実は神崎ラウが以前、織斑千冬に同じ質問をしたんだ」
「ラウ兄がアイツに?!」
予想もしない事に一夏は驚いた。
「織斑千冬の答えは世界を思い通りにして、王様になりたいと…その答えに神崎ラウは失望した。だが一夏、お前はそれ以上の答えを出した…満足だ」
ジャンはそう言うと、身体が光の粒子になり、一夏の右腕に集まり、それが待機状態のジャンナインになった。
すると、ジャンナインから強い光を放った。
そして、一夏は目を覚ました…
一方、真耶が風月荘の臨時作戦室に居る千冬に報告した。
「お、織斑先生!専用機持ちの皆さんや織斑くんが居ません!多分、福音の所へ向かったんじゃないかと…」
「一夏も居ないだと…それにしても、あのバカ共が…」
すると、真耶は真剣な表情で言った。
「織斑先生、やはり神崎くんの言っていた通りにラウさん達、BSAAの力を借りるべきでは…」
「山田君、これはIS委員会が極秘でやれとの命令だ。特にBSAAの力を借りるのは論外だ」
千冬の言葉に真耶が反論した。
「織斑先生!委員会が銀の福音が無人機だとウソの情報を渡した事を忘れたんですか!?」
真耶が激怒して言った事に千冬やその場に居た教師は驚愕した。
「それにラウさんが言っていました!」
真耶は昔、教師なりたての時、アメリカのある町に旅行に行った時にT−ウィルスによるバイオテロに巻き込まれた。
その時、ラウに助けられ、コンビニに隠れた。
そして、生き残ったBSAAの部隊や生存者も集まった。
生き残った部隊員は残りの弾薬をチェックしながら、生存者と共に脱出ルートを確認していた。
「火力に人員は充分…生存者には怪我人は居ない。なお、結構」
そう言いながら、ラウは自分の愛銃、コルトS.A.A.(シングル・アクション・アーミー)をリロードした。
すると、1人の部隊員が通信を聞いてラウに言った。
「隊長、大変です!IS委員会の空爆部隊が30分後にこの町を空爆するって!」
部隊員の言葉に生存者に新入りの部隊員が驚愕した。
「ちょっと待て!俺達、生存者が居るんだぞ!?」
「なんで、委員会の部隊がここを空爆するのよ!?」
「どうなっているんだよっ!!」
それを聞いていたベテランの部隊員が火炎放射器の燃料カートリッジを替えながら言った。
「IS委員会からすればバイオテロに何もできないから、何でもいいからISでバイオテロを解決したいと考えているんだよ。それが例え、人道に反しても…」
そして、ラウが言った。
「お前等、生き延びたいか?」
その言葉に全員が頷いた。
「なら、走るぞ。30分もあれば、走ってココから出る事もできるだろ!!」
ラウの言葉を聞いた全員が一気団結した。
なんとか、町を脱出すると、その直後にISの空爆部隊が町を空爆した。
ラウはその光景をかつて、自分が味わったラクーンシティでの絶望を思い出した。
その後、真耶がラウに聞いた。
「所でラウさんは隊長より、司令官の方が向いていると思いますけど…」
すると、ラウは言った。
その事を思い出しながら真耶は言った。
「事件は会議室で起きているんじゃない、現場で起きてるんですよ!!」
真耶はそう言うと、作戦室から出て行った。
一方、ジンヤは流れ着いた島で慟哭した後気を失った。
すると、ジンヤの目の前に花畑があった。
「花畑か…自分もお迎えが来たか…」
「ちがうよ!おにいちゃん!」
声がする方を見ると、そこにはジンヤの弟、妹のノゾム、アイカが居た。
「ノゾム、アイカ…ごめん、僕がキミたちの事を忘れて…」
「おにいちゃん、泣かないで」
「それより、わたしたちが好きなこの本を読んでよ!」
アイカは黒い炎と黄金の風を取り出して、ジンヤに渡した。
ジンヤは意を決すると読み始めた。
BGM:鐘を鳴らして(オーケストラVer)
その本の内容は黄金の騎士が黒い影、ホラーと戦い、人を守る話であった。
「これで、人間はもうホラーにおそわれることはありません。黄金騎士の戦いは終わってのでした。そしてボロボロになった黄金騎士の前に現れたのは…」
そして、ジンヤは次のページを開いた。
そこには白紙だったが続きがあった。
ジンヤは涙を流しそうになるが堪えて言った。
「そこには黄金騎士の家族が仲間達が居ました。ボロボロだけど、みんな笑顔でした。そして、黄金騎士は家族と仲間達と一緒に家に帰りました」
読み終えると、アイカ、ノゾムが足元から光の粒子になり始めた。
「おにいちゃん…お願いがあるよ」
「…この世界を守って」
「ああ、キミたちの事も世界を守る事を忘れないよ…」
そう言う、ジンヤの目から涙が流れていた。
そして、ジンヤは目を覚ました。
「パパ!パパが目を覚ましたよ!」
『ジンヤ、大丈夫でおじゃるか!?』
そこにはアリスやガイアークの四大臣達が居た。
浜辺には蛮機族ガイアークの戦闘機蛮ドーマをヒラメキメデスがチューニングした特別仕様機蛮ドーマSPが数機あった。
「…!福音は一体…」
『銀の福音は今、他の皆が戦っているぞよ!』
キタネイダスの言葉にジンヤは立ち上がると、ジャンボットを展開した。
「ジャンボット、本当に長かったな…」
『ジンヤ、キミの考えた事に私は意見しない。キミが決めろ…』
そして、ジンヤは福音の所へ向かった。
『ジンヤ、無茶なり!』
『それより、今は蛮ドーマSPで追いかけますよ!』
アリス達も蛮ドーマSPでジンヤの後を追った。
一方、福音は楯無を含める専用気持ちと戦っていた。
「ハァァァァ!!」
『La♪』
箒が福音に切り掛かるが福音に回避される。
「行くわよ、簪ちゃん!」
「分かっている、姉さん!」
そこに楯無が蛇腹剣、ラスティー・ネイルを簪が超振動薙刀、夢現で福音に切り掛かった。
「セシリア、シャルロット!狙いを外すな!!」
「言われなくても分かっておりますわ!ラウラさん!」
「僕だって、こんな時には絶対外さないよ!」
そこにラウラが砲戦パッケージ、パンツァー・カノニーアの両肩のレールカノン、ブリッツをセシリアは全長2メートルのレーザーライフルスターダスト・シューターをシャルロットはアサルトカノン、ガルムを狙い撃ちした。
『La!』
福音は撤退しようと上昇しようとするが…
「アンタがそう動くのは分かっていたのよ!」
そこで待ち伏せしていた鈴が機能増幅パッケージ、崩山で赤いを炎を纏った弾丸を放つ拡散衝撃砲を福音に放った。
『La!?』
そのまま、福音は海に沈んだ。
他の専用気持ちの活躍に箒は思った。
(何故だ…この紅椿は最新の第4世代。スペックが上の筈なのに…)
すると、シャルロットが思い出したように言った。
「あ、パイロットのファイルスさんの事を忘れてた」
「「「…」」」
一瞬、勝利ムードから空気が静まり返った。
「や、やばいじゃん!早く助けに…」
すると、海から銀の福音が現れた。
先ほどと違い、姿が一部異なっていた。
「い、いかん!二次移行だ!!」
ラウラがそう言うと、強化された銀の鐘を発射しようとし始めた。
『La!!』
すると、楯無が皆の前に立ち、両手を正面に翳した。
「はぁ!」
なんと、海の水がバリアとなって福音の攻撃を防いだ。
「お、お姉ちゃん。その技は一体…」
「以前、ジンヤくんがその場にある物全てが武器であり、防具であるって言っていたからね…それにこれはまだ未完成だし…」
本来、これは敵の攻撃を防ぎ、敵の目で欺く物でまた一時的だが全方位をバリアとして扱う技で今は正面しか防げていない。
そこに横からゴーレムが現れ、鈴と簪にレーザーを放とうとしていた。
そこに……
「うあたぁぁぁぁぁ!!」
「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ジンヤと一夏が現れ、ゴーレムを殴り飛ばした。
「一夏!大丈夫!?」
「ジンヤくん、大丈夫!?」
ジャンナインは所々火花が出ていて、ジャンボットにいたっては殆ど半壊していた。
「まあね…楯無さんが来てくれるとは嬉しいですよ」
「じ、神崎……」
箒はジンヤを見て驚愕した。
絶対防御を貫く武器、守斬で胸を貫いた筈なのに生きている事に…
「やあ、篠ノ之ちゃん、化けて出たと思って良いよ?」
ジンヤは皮肉そうにそう言うと、一夏がジンヤに尋ねた。
「ジンヤ、お前も腹を決めたか?」
一夏の言葉にジンヤは頷いた。
「ああ、いくぞ。ジャンボット」
『こっちは何時でもOKだ』
「今までありがとよ、ジャンナイン」
『ああ、こっちこそありがとな』
すると、2人が光に包まれた。
「ジンヤさん!?まさか、アレは…」
「二次移行…」
光が消えると、近くに居たゴーレムが真っ二つに破壊された。
そして、2人が居た。
一夏のISはフード付きの黒いコートに黒の長刀黒斬、白い盾付きの片手剣白斬を持っていた。
ジンヤのISは忍者風な姿に右手には最新式な妖刀を持っていた。
「これが俺の新たなIS、ロクサス…」
「僕のは…忍・灰狐か」
そして、武器を構えると叫んだ。
「「行くぞ、相棒!!」」
2人は福音とゴーレムに向かった。
説明 | ||
作戦失敗後。 一夏とジンヤは… |
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某機動戦士のセリフを思い出す「MSの性能の違いが戦力の決定的差ではない」今の箒に似合うセリフだ(yosiaki) | ||
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