英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 346 |
〜根源区画・奥〜
「そ……そんな……。”輝く環”が……き、消えてしまっただと……。馬鹿な……そんな馬鹿なああああっ……!!」
地面に跪いているワイスマンは狼狽えて、叫んだ!すると
「ぐ…………うああああああああっ!?」
突如、頭を押さえて悲鳴を上げた!
「な、何!?」
「一体教授に何が………?」
その様子を見たエステルは驚き、ヨシュアは戸惑った。そして少しするとワイスマンの目が琥耀石のような茶色の瞳になり、そして髪は燃えるような赤に変わった!
「フン、所詮は人間か………この役立たずが。貴様は引っ込んでおれ。」
そしてワイスマンは鼻を鳴らして、呟いた。
「なっ!?」
「髪や瞳がエステルさんやプリネさんのように変わった!?」
「………貴様、何者だ。教授ではないな?」
それを見たエステルやクローゼは驚き、レーヴェはワイスマンを睨んで尋ねた。
「フン、人間ごときに名乗るつもりはないが、まあいいだろう………我が名はケルヴァン!ケルヴァン・ソリード!!」
エステル達を見て、鼻を鳴らしたワイスマン――かつてはリウイの側近として仕えていたが、”幻燐戦争”を引き起こし、そしてリウイを裏切って、リウイの手によって殺された”闇軍師”ケルヴァン・ソリードは名乗り上げた!
「あ、あんですって〜!?ケルヴァンって言えば………!」
「かつて我が父、リウイに側近として仕えていましたが、その裏で”姫将軍”と共に”幻燐戦争”を引き起こし、そしてお父様を闇の魔王に仕立て上げようとした裏切り者!」
「それにリウイのお父さん――グラザ様をガーランドに殺すように仕向けた男!」
ケルヴァンの名を聞いたエステルはケルヴァンを睨んで声を上げ、プリネは信じられない表情で説明した後、ケルヴァンを睨み、さらにエステルも続けて言って睨んだ。
「クックック…………まさかリウイ様とペテレーネの娘の貴女にこのような場所で会えるとは思いませんでしたよ?プリネ姫。」
「黙りなさい!貴方はフェミリンス神殿にて、父――リウイの手によって討ち取られたはずです!なのになぜ、生きているのですか!?」
凶悪な笑みを浮かべて自分を見るケルヴァンをプリネは睨んで叫んだ。
「フフ………私もそこの小娘やイリーナ様のようにこの男に転生したのですよ………」
「なっ!?」
「あ、あんですって〜!?」
「やれやれ………リウイ陛下達の過去を知る2人の様子からすると、どうやら二度と生まれ変わって欲しくない人物まで、生まれ変わったようだね………」
ケルヴァンの話を聞いたプリネとエステルは驚き、オリビエは溜息を吐いていたが、真剣な表情でケルヴァンを睨んでいた。
「事情をよく知らない私達ですが、それでも貴方は私達の敵である事には違いないようですね………!」
「テメエが何者だろうと、どうでもいい!ブッた斬ってやる!」
「みんなの為に!貴方を倒す!」
そしてクローゼ、アガット、ミントはケルヴァンを睨んだ。
「フン、愚かな人間共とそんな人間共と群れる魔族の面汚しどもが。」
エステル達に睨まれたケルヴァンはすざましい魔眼をエステル達に放った!
「きゃっ!?」
「まさか教授の技まで使えるなんて………!」
「しかも、教授の技より明らかの上のようだな…………」
動きが封じられたエステルは悲鳴を上げ、ヨシュアは驚き、レーヴェは動けない状態でケルヴァンを睨んだ。
「フン、この程度の技に何もできないとは所詮は愚かな人間達だな。」
「あんですって〜!?」
ケルヴァンの言葉にエステルは怒ってケルヴァンを睨んだ。そしてケルヴァンはエステル達の中にいるプリネに近づき
「フン!」
「あうっ!?」
プリネを蹴って、地面に吹っ飛ばした!
「プリネ!?」
「姉さん!」
「カリン!」
それを見たエステル、ヨシュア、レーヴェは声を上げた。そしてケルヴァンはゆっくりとプリネに近づいた。
「クックック………リウイ様を再び、闇の魔王にする為に役に立ってもらいますよ?プリネ姫。」
「っつ!何をするつもりですか………!」
「そうですな………ただ殺すというのもつまらないものですし………徹底的に犯してから、殺すとしましょうかな?」
「!!」
「本当ならイリーナ様を殺して、闇の魔王になってもらうつもりでしたが………リウイ様は大変家族を大事にしているようですしな。アリア様が人間共に犯されて殺されたように、愛娘がこの私に犯され、そして無残にも殺された事を知ったリウイ様はどうなるでしょうな?」
「っつ!貴方って人はまだ、お父様を闇の魔王に仕立て上げる事を諦めてなかったんですか…………!」
ケルヴァンの話を聞いたプリネは身体が動けない状態でケルヴァンを睨み
「このゲス野郎が…………!」
「………さすがにこのボクでも怒りがわいて来たよ………!」
「最低です…………!」
「酷い…………!なんでそんな事ができるの!?」
「ふざけるなっ!!」
「それ以上姉さんに近寄るな!指一本姉さんに触れてみろ………ありとあらゆる方法であんたを八つ裂きにしてやる……!」
アガット、オリビエ、クローゼ、ミント、レーヴェは怒りの表情で睨み、ヨシュアはすざましい殺気を纏ってケルヴァンを睨んで叫んだ!
「ふざけんじゃないわよ!そんなの絶対に許さないんだから!」
「フン、そういえば貴様にはこの私の計画を潰した報復があったのだったな。」
そしてエステルの叫びを聞いたケルヴァンは鼻を鳴らした後、エステルを見た。
「ハアッ!?何の事よ!」
「………せっかくこの私自らこの男を操ってイリーナ様を眠らせるように仕向け、そしてリウイ様が眠らせた張本人を見つけ、復讐をする事で”魔”を目覚めさせようとしたのに、貴様が邪魔をしてくれたお蔭で、リウイ様は”魔”に目覚めなかったのだからな。」
「!!じゃあ、ルシオラさんがイリーナさん達を眠らせた理由って………!」
「テメエが操って眠らせたのか!」
「道理であの時、陛下の話を聞いて困惑していた訳です………!」
ケルヴァンの話を聞いたエステルは驚き、アガットは推測をして睨み、クローゼはルシオラが戸惑っていた事を思い出した。
「その通り。クックック………貴様はプリネ姫の後でこの私自ら犯してやるから、楽しみにしているといい。」
「あんたって奴は〜!」
凶悪な笑みを浮かべているケルヴァンをエステルは怒りの表情で睨んだ。
「クク………さて、大切にしていた処女を失う覚悟はできましか?プリネ姫。”姫君(プリンセス)の中(オブ)の姫君(プリンセス)”と謳われる貴女はどのような喘ぎ声を鳴いてくれるのでしょうな?」
「例え、どんな辱めを受けようと………貴方ごときに屈する事はありません!」
「クックック……威勢だけはいいようですが、実際はどうでしょうな?」
プリネの言葉にケルヴァンは凶悪な笑みを浮かべてゆっくりとプリネに近づいた。
「姉さん――!」
「カリン―――!」
それを見たヨシュアとレーヴェが叫んだその時!
「………どうやらイリーナやラピス達だけでなく、誰も転生をすることを望んでいない余計な者まで転生をしたようだな……」
「うっわ〜………クーデターの時にあんたみたいな奴が黒幕にいるとは思っていたけど、よりにもよって、あんた自身が関わっていたとはね………ホント、リウイの言う通り、余計な奴まで転生したみたいね。」
「生まれ変わってもなお、リウイ様への裏切り行為………万死に値するわ。今度は私自身の手で二度と、転生しないように魂ごと滅してあげるわ。」
「貴方という人は………!転生をしてもなお、リウイを闇の魔王にする事を諦めていなかったんですか………!」
「………貴方は以前と全然変わらないようですね、ケルヴァンさ……いえ、ケルヴァン………!私とリウイ様の可愛い娘を犯そうとした罪………絶対に許しません………!」
「エヴリーヌの大事で可愛い妹のプリネを犯そうとしたあげく、殺そうとするなんて………お前、処刑決定。絶対に生きて返さない。」
「………パイモンをも許した寛大な心を持つ余でもさすがに今しようとする悪行は見逃せんな。お前だけは絶対に許さん。覚悟するがいい。裏切り者、ケルヴァン・ソリード。」
出口の方から聞き覚えのある声が次々と聞こえてきた!
「何………!?この声は!」
声を聞いたケルヴァンが驚いたその時!
「「死愛の魔槍!!」
ペテレーネとリフィアの声がした後、2本の魔槍がケルヴァンを襲った!
「チッ!!」
自分を襲う魔槍に気付いたケルヴァンは舌打ちをして、プリネから離れた。しかし!
「殺す!精密射撃!!」
「それぇっ!!」
「連接剣の恐ろしさ、たっぷりと味わいなさい!」
「ガッ!?ギャアアアアッ!?」
さらにエヴリーヌとカーリアン、ファーミシルスの声がした後、矢と衝撃波、そして連接剣の刃が放たれ、矢と衝撃波、刃は手が切断された肩に命中して肩を破壊し、矢と衝撃波、刃によって肩を破壊されたケルヴァンは悲鳴を上げた!そして、リウイが飛び込んでケルヴァンに攻撃を仕掛けた!
「セアッ!!」
「グッ!ガッ!?」
リウイが放ったクラフト――フェヒテンケニヒを咄嗟に異空間から剣を出して防御したケルヴァンだったが、リウイの技のすざましい威力によって吹っ飛ばされた!
「マスター、今助けます!浄化の水よ……降り注げ!キュアシャワー!!」
「イーリュンよ………かの者達に浄化のお力を……大いなる浄化の風!!」
さらにツーヤ、ティアが現れて魔術を放って、エステル達全員の魔眼の効果を解いた!
「「光よ、傷ついた者達に癒しを!………癒しの風!!」」
そしてイリーナとセラウィが現れて、魔術でエステル達全員の傷を回復し
「みんな、無事か!?」
ウィルも続いて現れた!
そして屋上で戦っていたはずのメンバー全員やプリネの使い魔達が駆け付けた……………!
説明 | ||
第346話 | ||
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