緋弾のアリア〜一般校の転校生〜 |
10弾〜キンジside〜
キンジ
俺は驚いていた、それはいつもの瑞樹の雰囲気とまったく違っていたからだ。
いつもはふざけていて、きちんと実力を測れない、
強い気もするが、弱い気もする、そんな感じだったが…
今はすごく強い。
アリアと戦ったときは、手を抜いていたんじゃないかと思うほどに…
まるで、ヒステリアモードになったときのように…。
[キンジ行くわよ]
と考えていたら、アリアからインカムを通して声がかかる。
「警視庁とかは動いていないのか?」
[動いてるけど…動いてるバスが相手なのよ、きちんと準備する必要があるわ]
「俺たちが一番乗りなのか」
[当り前でしょ。やつの電波をつかんで、通報を受ける前に動いたんだもの]
じゃあ、あの時もその電波を受けてきたのか。
感謝する気はないが助かったな。
[見えました]
レキの声に俺とアリアは窓に顔を寄せて見るが…この距離だと車が小さすぎて見えない。
「どこだレキ?見えないが」
[レキあれ?ホテル日航の前を右折してるやつ。窓のところに武偵校の生徒が見えるけど]
[よく見えるわね。あんたたち視力いくつよ]
[両目ともに6・0です]
[知らない]
「知らないってどういうことだ?」
[こっち来てからは知らない、前の学校は2・0だった]
レキは超人的、瑞樹は多分、一般校だと2・0が限界なのだろう。
[空中からバスの屋上に移るわよ、キンジは車内の状況を確認・連絡しなさい。レキと瑞樹はヘリでバスを追跡しながら待機]
アリアが何をするか言ってないが…まぁどうせ外側のチェックをするんだろうな。
「中に犯人がいたらどうするんだ?人質が危ないぞ」
[あり得ないわ、武偵殺しは車内に入ったりしない]
「武偵殺しじゃない場合もあるだろ!」
[違ったら何とかしなさい。あんたならできるはずよ]
こいつ…アリアのやり方が分かった、
アリアは現場に1番乗りして、圧倒的な戦力でその場を殲滅する、という方法だろう。
セオリー無視・非常識だ。
こいつは俺やチームメンバーの力を過信しすぎだろう。
どの国でも独唱曲(アリア )になるわけだよ。
パラシュートを使いバスの屋根に転がりながら着地する。
アリアはさっさと外側の確認に行ってしまう。
俺は犯人がいた時のために伸縮棒付きのミラーで中を確認するが、生徒がたくさんいて犯人らしき人物は見つからない。
中の生徒に窓を開けてもらい中に入る。
「キンジ!」
聞きなれた声に振り向くと、このバスに乗っていたらしい武藤がいた。
「武藤!お前このバスに乗っていたのか」
「あぁこんなことになるんなら、あの時おまえに譲っとけばよかったぜ」
「お前、友達見捨てたのかよ!そりゃ罰が当たるって!」
「キンジあの子だ」
「ととと遠山先輩助けてください」
この子は中等部の後輩だ。
「落ち着け何があった?」
「携帯がいつの間にかすり替わっていて…それが急にしゃべりだしたんです」
「 速度を落とすと 爆発しやがります 」
これはアリアが言った通り、俺を襲ったのと同一犯の仕業みたいだな。
[キンジ状況報告しなさい!]
「アリアの言うとおりだった、遠隔操作されてる。そっちはどうだ」
[爆弾みたいなものがある、カジンスキーβ型のプラスチック爆弾ね、武偵殺しの常とう手段よ、見えるだけでも炸薬の量は3500立方センチはあるわ]
どうやら逆さづりになって車体の下を覗き込んでいるようだが…。
3500!?なんだその量、バスどころか電車でもふっ飛ばせるぞ、その量だと。
[今から解体してみるわ……あっ!]
叫びとともにどんっ!とバスに衝撃が伝わる。
慌てて後ろを見ると。
1台のオープンカーが後ろにさがって距離をとっているところだった。
「アリア大丈夫か!?」
……応答がないさっきのにやられたのか。
ブォン
アクセル音がしてオープンカーがバスの横に行く。そしてUZIがこっちを向いて………
「全員伏せろぉぉッッ!!!」
叫び、みんなが伏せた瞬間。
バリバリバリバリバリッ!!!
無数の銃弾がバスの窓を粉々に破壊した。
ぐらっ
急にバスが蛇行を始める、そのことに不安を覚え運転手の所に行くと。
運転手は肩に被弾し、ハンドルにもたれかかるようにして倒れていた。
「くそっ武藤運転変われ!減速させないようにしろ!」
「いいけどよ、俺この前、改造車がばれて一点しか違反できないんだぞ」
完璧な自業自得だろうに。
「そもそもこのバスは通行帯違反だ。晴れて免停だな」
「キンジこれが終わったら覚えてろよ、轢いてやる!」
「アリア大丈夫か?」
「キンジ!ヘルメットはどうしたのよ!?」
「運転手が負傷したから今武藤に貸してるんだ」
「ばか、何で無防備で出てきたのよ!すぐ車内に行きなさい!……後ろ!伏せなさいばか!」
そう言われつい後ろを見てしまう。いつの間にかバスの前に来ていた車がUZIをぶっ放していた。
俺の顔をめがけて銃弾が飛んでくるのが見えた。
あっ死んだな、
意外とあっさりそう思った。
アリアが小さな体で俺にタックルしてきた。
ばすっばすっ
被弾音が二つ。
だが痛みを感じない。
アリアが…ゴロゴロとバスの屋根を転がっていく。
「アリアぁぁ!!」
必死にアリアにつながるワイヤーを引っ張る。
血が出えていないことからおそらく防弾服に当たったんだろう。
車は速度を落とし、側面に来てしまった。
今撃たれたら、俺もアリアもほんとに死ぬ。
《キンジ、死にそうになったら助けてって叫べ、絶対に助けてやるから》
瑞樹のあのセリフが頭をよぎる。
ほんとにいいのか?
まだ経験が圧倒的に足りないのに。
ランクが上だとしても、一般校出身だぞ。
それでいいのか?
でも……
「済まない瑞樹…普通に考えて、お前に頼むのは、おかしいんだと思う…でも、
それでも、助けてくれ、俺はいいから、せめて…せめてアリアを助けてくれ!
瑞樹!頼む!助けてくれ!」
ザッザザッ
[了解]
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〜武偵殺し編〜 一般校から武偵校に転校してきた瑞樹。 初心者なのにSランクになったり、事件に巻き込まれてしまう。 |
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