機械部の憂鬱 TAKE  17〜18
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TAKE 17 背信者の陰謀

 

クーラー。

それは人類一、画期的な装置である。

勿論、俺たち機械部にもそのクーラーは付いていた。

「・・・・・・なんか暑いな」

といつもの部屋でハルが言う。

ちなみに今もクーラーは付いている。

「そうか?」

と少し離れたところにいた背の高い男が言う。

ファルコンだ。

「ちょっと、キョン君。クーラー付いているか見てくれるかな?」

とハルが命令口調で言う。

夏休みに入ってからハルが王様みたいになった。

で、少し前にハルに聞いたところ”当たり前であるっ!!”とか抜かしやがった。

と俺は無様にもハルの命令に従う。”いつか見下してやる”

俺はクーラーの制御板を見る。

問題なく作動しているようだ。

「おい、ちゃんと作動してるぞ。」

それもそのはずであるいつもあのえびぞうが一番にこの部屋に入り自分のためにクーラーを全開にするのだから。

ちなみにその本人は先生に呼び出しを食らってる。

たしか、体育館リサイタルの話だったな。

それはえびぞうが立ち上げた”一人演劇部”による鑑賞大会の話で、

リサイタルを無許可で行いそしてその場に居た生徒10名と先生2名を病院送りにしたらしい。

今もそいつらは病院で入院中らしい。

ガラガラガラドンッ!!

おっどうやら、本人のご到着みたいだ。

「俺、参上っ!!」

いつもどおりえびぞうは決め台詞をはく。

しかし、みんなスルー。

もはやえびぞうなど旧世代の異物だ。

「おい、キョンっ暑いけぇどうにかしろっ!!」

と久々にウラ先輩が命令する。

といわれてもクーラーは作動しているし、何をすればいいのだろう。

・・・・・反応に困った俺は制御盤を見る。

何も変わらないはずの制御盤で異変が起きていた。

「うほっ!!なんか、ピコピコしてるよっ!!」

そう、制御盤に意味不明の文字が浮かび上がったのである。

”F4”

それはフィルターの異常を知らせる文字である。

「あら〜。ガクッ!!」

とえびぞうが真横で変なことをする。

「なんか、これ壊れてるよっ!!」

と俺。

「どうしたん?」

とか言いみんな集まってくる。

「マジで壊れてるぞ。」

と先輩。

「何々、俺にも見せて。」

とハルが近づいてくる。

ハルはしばらく制御版を見て言った。

「あ、それなら直せるよ。」

(はぁ、良かった。)

とりあえず安堵する俺。

そして、ハルがボタンを動かす。

すると今までの異常が嘘だったかのように直る。

ウィィィィン。

とクーラーが現代の音を出し始めた。

「ほれ、直った。」

しかし。

制御版はすぐに異常を示す。

「えっ何でっ!!」

と驚愕するハル。俺もすこしビックリだよ。

「これはどうしようもないなぁ。」

といつの間にか最近姿をくらませていた部長が笑顔で言う。

「仕方がない、あれを使うか。」

とハルがいつもよりも低い声で言った。

そして、ハルはえびぞうを見る。

「ハル・ビ・マシーンクラブが命ずる、クーラーを直せっ!!」

そのとき、俺の目の前にイメージが流れ込む。

もっとも、ギ○スをかけられているのはえびぞうだが。

「ふふふふふ。」

とハルが不気味な笑いを見せる。

「利くか、ばーか。」

とギ○スにかかったはずのえびぞうが言う。

「な、何っギ○スが利かないだとっ!!K2っ!!どういうことだっ!!」

とハルが俺を見て言う。

「不満か?」

と俺は言う。

「不満だっ!!奴はギ○スキャンセラーを使えるのだなっ!!」

とハルは歯軋りする。

しかし、ハルの予想は違った。

「えびぞう・E・イーチカーワンが変身する。隊パープルッ!!」

とえびぞうはあの緊急戦隊大変隊のキャラに変身。

そのときハルは戦慄を覚えた

「な、何。そのギ○スは番外編の時にしか出ないはずだっ!!」

いやー、ハル君。君のも十分に別世界の話だから。

「ええい、こうなったらっ!!」

とハルが臨戦態勢をとる。

やばい、長年の戦いがついに再開されるのか?

「隊パープルっ」

えびぞうとハルの戦いが始まった。

 

そんな時、俺とファルコンは制御版をいじっていた。

「・・・・壊れたな」

「うん、壊れたね。」

と他愛のない話。

後ろではハルとえびぞうの戦いが始まっていた。

俺たちはその戦いを暖かく見つめるのであった。

まぁ、スミッコ風に言えばハルたちの戦いなんてどうでも良かったのだ。

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TAKE 18 K的存在とE

 

 

「暑い・・・・」

と俺の隣に居たハルが言う。

現在、部屋の温度は摂氏32度。

夏の昼としては普通の温度である。

しかし、我々現在っ子にとってはクーラーという必須アイテムは欠かせないものだった。

気温は現在も上昇中↑

しかし、どんなときでも奴はうるさい。

そう”えびぞう”だ。

「お前僕に連られてみる?答えは聞いてないっ!!」

と今日もうるさい。

「はぁ、向こう行ってくる。」

とハルが言う。

「俺も行こ」

とファルコンもつられて行く。

と俺も行ってしまう。

最近はこのパターンだ。

ん?”向こう”とは何かだって

そういえば説明をしていなかったな。

向こうとは時々出てくるけど部室の隣の部屋だ。

正式名称はうろ覚えで第3計測室だったかな?

まぁ、いままでえびぞうがキィィィィィンバッタン(くどいようだがコ○ンの奴)とかやって出てくる部屋がそうだ。

それはいいとして俺たちはクーラーが破壊されてからはこの隣の部屋でだべりながら作業するってことだ。

と言っても俺たちは作業を忘れだべったりすることの方が多かったりするのだ。

「Kって最近見ないね」

とハルが言った。

話の始め方とすればいいほうだが内容がダメだな。

「ああ、Kね」

と俺。

「そういえばアイツってDV受けてるって」

とファルコン。

世間的には衝撃的な話だ。

しかし、その話はずいぶん前から上がっているから新情報でもない。

「いやね、DV受けてるって絶対嘘だと思うよ。」

とファルコンが言う。

「そうそう、あいつマジおかしいけぇ。だってさ、この間いきなり俺の前に出て”太陽の動きに気をつけろ”とか言ってくるんダゾ」

とハルが言う。

これについても以前から聞いている。

「他にも”かみ殺すぞ””つちにかえれ”とかも言ってるし。」

とハルが続けて言う。

このまま続ければKの名言全集ができるな。

うん、絶対そうだ。

「あいつ、どう育てれば作れるんだろう?」

とファルコン。

やや、問題発言的な言葉が混じっていたが気にしない。

それがここのルールだ。

するとハルが言った。

「Kがゲーム化したらどんなのだろ。」

とんでもない一言だ。

これによって我々がどんどん作業から引き剥がされていく。

しかも、ハルの言葉で我々はKのゲーム化という無限の想像領域に引き込まれる。

それならどうして阻止しないって?

そりゃ、見ればわかるだろ。

俺も奴らに汚染されているんだ。

こんなことも考えられないように・・・・・。

「やっぱり、そこはレトロなファミコンで。」

と俺。すっかり汚染されました。

「技は”アイアンバック”で必殺技は”ダブルエルボー”だな。」

とハルが言う。

ファルコンがそれに続けて言う。

「ん、でもって最終ボスはK自身」

「いや、そこは巨大母だろっ」

と突っ込む俺。

「ん、負けたらやっぱり選択肢としてアレを。」

とハル。

「アレですか?(ニヤリ)」

と俺たちは不気味な会議をする。

「お前達な〜にやってんだっ!!」

といいところで現実に戻される。

危うく閉鎖空間に閉じ込められるところだった。

『いや、何も』

と俺たち3人はそろえて言った。

Kの物語はまだまだ終わらなかったのに。

説明
機械部の続きです。
暇な人はお気軽に。
途中からでも読んでみてください。
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