とある忘れられた召喚術師
[全3ページ]
-1ページ-

《見つかっちゃった・・・》

 

 

〜深夜・地下街〜

 

街が静まりかえっていたころ、この地下街の一角では大勢の人間と金、ゲスな笑い声で満ちていた。

誰も気付かないような細い路地の小さな扉の先には、学園都市で使用禁止の薬、機械などの違法物が闇オークションによって売りさばかれていた。

今日も己の欲望を満たすべく、闇オークションが行われていた。

 

そう、つい10分前までは・・・・

 

〜3分後〜

 

闇オークション会場への隠し扉の前には一人の女子高生が立っていた。

黒のハーフパンツに、深めにかぶったフード付きの眼鏡っ子。深夜に一人でいるのは家出少女にしか見えない。

しかし、彼女の腕には『ジャッチメント』の証である腕章がついていた。

 

『ジャッチメント』とは、学園都市全体の風紀委員のようなものである。

犯罪者の逮捕や学生による警察と言える。

 

彼女は辺りを確認して隠し扉の中に入っていった。

幸運なことに警備員は居なかった。

 

「ふぁ〜あ、深夜に一人でやれって・・・」

 

愚痴を溢しながら携帯で、事前に関係者から仕入れた施設の地図を見ながら別れ道や階段を迷わず進んでいく。

最後に階段を上り豪勢な扉の前に着く。

 

「ついたにはついたけど、警備がザル過ぎんだよな・・・・罠?」

 

ここに辿り着くまでに警備員と一回も遭遇しなかった。

防犯カメラが数台あっただけで警備は無いに等しい。

 

「まず後にして、ここは敵の本陣だ。気合いを入れて一気に」

 

扉を蹴り破りオークション会場に入る。

勢いよく入ったが中の様子は酷いものである。

 

「なによこれ・・・」

 

テーブルやイスは散乱していた、壁や床、テーブルには銃弾のあとも残っていて飲みかけのグラスやボトルの中身が溢れている。

そんなことよりも、もっとおかしい点がある。

 

「人がいない?」

 

荒れ果てた会場の何処にも人間がいない。

ここまでやって来た道は一本道であり、別の道に入ると行き止まりになっている。

今日もオークションが始まっているのも確認してある。

 

「ととと取り出す、支部に連絡して」

 

ヤメローーー

 

ステージ裏から叫び声が聞こえる。

取り出した携帯をしまい、ステージまで走っていく。

ステージのカーテンに隠れてちゃんとは見えないが、隙間から男が四つん這いになって何かから逃げていた。

 

「助けてくれ、金なら・・・」

「喰え」

 

四つん這いになっている男を、馬が現れて丸呑みしてしまう。

ただの馬にしてはおかしく、木で出来ている。

そう、木製の馬が動き人間を丸呑みにしたのである。

 

パタンと本の閉じる音と共に木の馬は消え、一人の男と目があった。

 

〜ジャッチメントの子が入る少し前〜

 

トートは溜め息をしながら、オークション会場への隠し扉の前にいた強面のお兄さんと肉体言語で会話した後に中に入っていった。

 

今回の依頼はアレイスターからの依頼ではなく、形式上の上司からの仕事である。

ここの闇オークションの主はその上司からここを任されている人間で、最近オークションの勢力大きくなっていき、主が調子にのって言うことを聞かなくなってしまった。

その上に、ジャッチメントに闇オークションの事がばれてしまい速急にオークションを中止せよと命令を出したが、増長したオークションの主が言うことを聞はずもなく。

 

「ジャッチメントごとき、私選りすぐりの護衛で十分だ!ハハハハ」

 

とまあ、みごとにフラグを立ててしまい。

ジャッチメントに捕まって、暗部の事がばれてしまうのもやだなので。

いっそ自分達で潰してしまおうと、トートが派遣されたのである。

 

会場ではすでに違法薬物が出品されていた。

まず、オークションの会場にいる人間は殺すでもなく全員捕縛との上司からの指令である。

ここにいる人間は昼に一般市民として生活しているので、急に行方不明となったらさらにジャッチメントがさらに深く探して来る。

なので一端捕縛し、急病やらと誤魔化して監禁し後処理をしようとことになっている。

 

とはいえ推定50人弱の人間をばれないように、一人で運ぶのは無理がある。

絶対嫌味だと思いながら本を片手にだす。

 

「幾万の兵を運ぶのは太古の木馬

 

今ここに再降臨せよ『トロイアの木馬』」

 

トートのジョブは『召喚術師』

本来なら自分の命と引き換えに軍神を召喚するところを特殊な契約をすることにより、詠唱をして召喚するランクに応じて精神力orその他を消費し召喚することが出来る。

 

魔法もかなりの高レベルで使うことが出来る。

 

 

召喚することが出来るのは、上から『軍神』『神司』『精霊』『使い魔』までの3段階。

されに『軍神』などの使っている道具などを精神力orその他(軍神達を召喚するより軽い)で使うことが出来る。

 

特殊な契約をする際に『軍神』達は基本的に精神力を代価に力を貸すが、時には別の物を要求することがある。

ある神は「寿命をよこせ」別の神は「血が欲しいねえ」

と様々である。

唯一代価を精神力だけにする方法が一つだけあるが、それは別の機会に。

 

今回召喚したのは『トロイアの木馬』ランクは『精霊』

能力は物質の移動。

一回に大量の人間を移動させるのは一番。

 

突然現れた木馬が次々に人間を丸呑みする光景に会場は混乱に陥る。

逃げようと扉を開けようとしても、見えない壁で扉から逃げれない。

そして一人また一人と動く木馬に丸のみにされていく。

 

「あとはひーふーみー・・・恐いお兄さんとここの主か」

 

客を木馬が全員丸のみにしたあと、残ったのは会場にいた黒スーツにグラサンのお兄さん達と、いかにも成金くさい男だけになった。

 

「あいつだ!あいつをやれ!」

 

こっちを指さし、ここの主が叫ぶと黒スーツのお兄さん達が懐に手を入れ黒光りするハンドガンで容赦なく撃ってきた。

『ウォール』をはれば簡単だがあえて突っ込む。

 

「当て方が下手くそ過ぎる、もっと狙いをつけろ」

 

これが弟たちのキングやケイトなら一発か二発はくらっただろうが、『ヘイスト』を使い一気に距離を詰める。

近づいたとたんにスキンヘットの男は銃を捨てて右腕を振り上げる。

振り上げた腕はいきなり元の三倍の大きさになり、トートを潰しに来る。

バックステップで距離をとり回避する。

 

「フハハハどうだね、わが自慢の護衛は。

ここにいるのは全員がレベル3の強者だ、君もなかなかのものだな。

どうだい、私の部下にならないかい。

ジャッチメント出はないようだしねえ」

 

次々と銃を捨てて、それぞれ火を出したり電気やら地面に手を当てて石柱を出したりする。

主を無視して詠唱をする。

 

「誘うのは闇の世界、静かなる眠りを『スリプル』」

 

スリプルにより黒スーツの男達は倒れてイビキをかきはじめる。

 

(一人一人相手してもよかったけど、正直な気持ちこっちの方が効率いいし、なんせ楽!)

 

「おい、お前らどうした!早く起きてあいつを倒せ!」

 

一人後ろに逃げていた主は『スリプル』の効果範囲外だったので眠らずにすんだようだ。

主をにらんで『トロイアの木馬』に黒スーツ達を丸呑みにさせると、ヒィーーーとステージまで逃げていった。

 

黒スーツを全員飲み込みせたあとステージまで行くが主の姿が見えない。

ステージの両端にカーテンで隠れている物置があった。

案の定その中に主はいた。

 

「ヤメローーー!助けてくれ、金なら」

 

この期におよんでまだ命乞いか、別に殺しはしないけど)

 

「喰え」

 

まだ言葉の途中だが、遮るように『トロイアの木馬』に命令を出し、丸呑みにさせる。

会場にいた人間すべては、これからトートが『コード』の特別施設に行き、そこで『トロイアの木馬』から出され、処理を受ける。

本を閉じ、終わったーと背伸びをしようとすると・・・

 

「あ・・・・」

 

カーテンの裾からこっちを見てるジャッチメントらしき女の子がいた。

 

(やっぺ、まずった・・・)

-2ページ-

 

 

トートのジョブ説明

 

ジョブ名

 

召喚術師

 

能力

 

・契約をすることにより『軍神』『神司』『精霊』『使い魔』を召喚する事が出来る

 

・契約は実際に会い、交渉または戦闘など誠意を見せて相手側がOKを出せば、術者の道具にサインを入れて終わり(トートの場合は本)

 

・召喚する際は「詠唱」を行い、主に「精神力」(ゲームでいうMP)を消費して召喚する。

 

・召喚する時はサインが入った道具を持たない限り制御はできない(最悪術者は死ぬ)

 

・時には「精神力」以外を求めてくるものもいる

 

例寿命、血、幸運

 

・ランクが決まっており、上から『軍神』『神司』『精霊』『使い魔』でランクに応じて精神力の消費が違う(純粋にランクが上がると消費量が多い)

 

・契約以外に直接闘い、勝つことにより自分の配下につかせる事が出来る

 

・配下につかせると、精神力の消費が減ったりある程度の無茶をさせたり、精神力以外を求めてくる者の量を減らせたりする

(それでも『軍神』レベルの消費は凄い)

 

・『軍神』などのらが使っている『神具』『宝具』などの道具や『伝説の道具』をこれまた精神力を消費して借りる事が出来る

(召喚するよりらくだが『軍神』の『神軍』=『使い魔』)

 

・魔法も使える

 

・基本は儀式を行い魔法を覚える(魔法どうしを組み合わせて偶然出来ることも?)

 

・本に詠唱部分を書いておくと、普通より多く精神力を消費するが、詠唱をしなくても魔法を使える

 

-3ページ-

 

今回まで出てきたもの

 

 

・トロイアの木馬

 

トロイの木馬として、ギリシャ神話やウイルスとして有名

 

トロイア戦争においてトロイア(籠城側)を陥落させるのに手詰まり状態になりオデュッセウス(城攻め側)が巨大な木製の馬を作り

 

その中に兵士を入れて、本陣は退却し、敵兵は木馬を城に入れる

 

その夜、敵兵が寝ている隙に内部から壊滅させ戦争に勝利した

 

能力

 

対象物を飲み込むことにより対象物を一時的に別のとこで管理することができる

 

収集、格納、移転をすることができる

 

一定の距離なら別のとこに転送できる

 

 

 

幾万の兵を運ぶのは太古の木馬

 

今ここに再降臨せよ『トロイアの木馬』

 

 

・ウォール

 

前方に縦4メートル、横2メートル、厚さ30センチの壁を出現させる

 

硬さは超電磁砲と相討ち、ロケランぐらい平気

 

 

 

堅牢な壁よ、体現せよ『ウォール』

 

 

・クイック

 

対象者の速度を1.5〜3倍にする

 

術者以外にも有効、使っている間は精神力を消費する

 

 

 

時間の流れよ、加速せよ『クイック』

 

 

・ヘイスト

 

クイックと似ていて、術者の周り(50センチ)の時間の流れを加速する

 

加速させた範囲内に侵入してきたものまで加速するので注意

(例 銃弾が手前で加速)

 

クイックより精神力の消費量が少ない

 

自分にしか効かない

 

 

空間の流れよ、加速せよ『ヘイスト』

 

 

・スリプル

 

半径5メートル内の敵を強制的に眠らせる

 

脳に直接寝むるという指令を出すので息を止めても無駄

(精神的なもの、ガスで眠るわけではない、洗脳と同じようなもん)

 

 

誘うのは闇の世界、静かなる眠りを『スリプル』

説明
投稿遅れちった、アイディアはあるのに文章にできない・・・

(茶・ω・)。〇(コミケすげかった)

知っている神話、物語、神、精霊、宝具があったら教えてください
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1034 1018 0
タグ
とある とある科学の超電磁砲 とある魔術の禁止目録 FF零式 

茶渋さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com