魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第17話 「到着!海鳴市」 |
?ヘリ内?
「ガタガタガタガタ・・・」
「なぁ、なんでダンテはこんなに震えてんだ?」
ダンテの右隣に座っているヴィータが向かい側に座ってい るフェイトに尋ねた
乗る前からこんな調子だったので、さすがに気になったの だろう
「さぁ?乗る前に何かシグナムと話していたみたいだけど ・・・」
ヴィータがダンテの左隣に座っているシグナムに目を向け た
その視線に気がついたのか、シグナムが答える
「私は何もしていないぞ、そうだな・・・高町の言葉を借 りると『お話』しただけだ」
「そりゃあ、こうなるわけだ・・・」
視線をダンテに戻すと、いまだに震えていた
「安心しなダンテ、何かあったらアタシが守ってやる!」
「ヴィ・・・ヴィータさん」
ダンテは震える手でヴィータの手を握りしめた
恐怖のあまり自分が何をやっているのかわかっていないの だろう
「お、おい///」
「ヴィータさん・・・お、俺、ヴィータさんみたいな素敵 な女性に出会えて凄く幸せです・・・」
「ダ・・・ダンテ!///な、なんだよ!照れるじゃんか!///」
「お、おっと・・・あ」
さすがに恥ずかしくなったのかヴィータがダンテの肩を叩 くと、バランスを崩してシグナムの方へ倒れてしまった
その体勢は、ダンテの頭がシグナムの太ももで受け止めら れる形になっている
簡単に言うと、膝枕状態になってしまっていた
「・・・ダンテ」
「は、ははははい!」
シグナムに話しかけられるも、震える声で返事をするダン テ
何やらコンソールのようなもので調べものをしているキャ ロやティアナを除く他のメンバーも、ある人は顔を赤く、 ある人は頭の上にハテナマークを浮かべてこのやり取りを 見ていた
「貴様という奴はー!」
「ご、ごめんなさ!ぐが・・・!」
シグナムに後ろからヘッドロックをかけられ身動きが取れ ないダンテ
「なんや、今度はシグナムとイチャラブしとんのかいな」
「ダンテ君、私よりもシグナムさんと仲良くなっちゃった 。むぅ・・・」
「えっと・・・第97管理外世界、文化レベルB」
「魔法文化なし・・・次元移動手段なし・・・って魔法文 化ないの!?・・・ダンテさんどうしたんです?」
なのはが自分よりもシグナムと仲良く(?)していることに 少し嫉妬している傍らで、現在進行形でダンテに何があっ たのか知るよしもないティアナらが尋ねる
「うん、私とはやてちゃんが魔法と出会ったのも偶然だし ね」
「で、では何故なのはさんや八神部隊長のような魔力量の 人が?」
「まぁ、突然変異・・・かなぁ」
「す・・・すいません!」
「シ・・・シグナムさん、そろそ・・・ろ落ち・・・落ち る・・・」
「ふん!」
「兄さんの地球はどんな感じなんです?」
やっとシグナムのヘッドロックから解放されたダンテにエ リオが問い掛ける
「え、えっとね・・・話を聞いた感じ同じかな?」
喉を抑えながらエリオの質問に答える
「その分他の技術が発達してるのかな・・・ふふっ、もう 実写なんだか区別つかなかったりね・・・いやー俺も危な かった」
(兄さんの世界って、一体・・・)
他の人達も首を傾げている
まぁ、余計なことは言わないでおこうと心の中で自分に言 い聞かせるダンテであった
ーーーーーーーーーー
リィンさんの巨大化(でも小さい)に驚いたあと、八神さん とヴィータさんとシグナムさんとシャマル先生は、寄ると ころがあると言って違う転送ポートとやらに行ってしまっ た
そして俺たちは・・・
?海鳴市、湖?
「はい、到着です?!」
リィンさんの号令で俺たちは目を開ける
「うわぁ・・・」
「ここが・・・」
「なのはさん達の・・・故郷」
「にゃはは、ミッドとあまり変わらないでしょ?」
次々と感想を言うフォワードたちになのはさんが笑顔で答 える
「空も青いし、太陽も一つだし・・・」
「山も水も、自然の匂いも同じです」
「キュクル?」
「湖・・・綺麗です」
周りの風景を見ながら、また次々と感想を言うフォワード 陣
俺も、何だか本当に久しぶりだ
前は毎日のように暮らしていた世界だが、少し離れただけ でこうも違うものか?
「というか、ここは具体的に何処なんでしょう?なんだか 湖畔のコテージのようですが・・・」
「現地の住民の方の別荘なんです。この度、捜査員の待機 所として使用することに快く承諾していただけたですよ? 」
「現地の人ですか・・・ん?」
俺たちが話していると、一台の車がやってきた
「自動車?この世界にもあるんだ・・・」
「よかった・・・スポーツカーじゃない」
軽くトラウマになりかけているスポーツカー事件(※フェ イトさんも含む、そう名付けた)について考えていると車 からショートカットの女性が降りてきた
「なのは!フェイト!」
「アリサちゃん!」
「アリサ!」
なのはさんたちの知り合いだったのだろう、そのショート カットの女性になのはさんとフェイトさんは駆け寄ってい った
「なによも?、ご無沙汰だったじゃない!!」
「にゃはは?、ごめんごめん」
「いろいろ忙しくって・・・」
「私だって忙しいわよ?、大学生なんだから?!」
「アリサさん、お久しぶりです?」
リィンさんもアリサさん・・・に寄っていった
「リィン!久しぶり?!」
「はいです?」
リィンさんも加わり、話に花を咲かせる四人
一方俺たちは、完全に置いてきぼりをくらっていた
そんな俺たちに気がついたのか、フェイトさんが俺たちを アリサさん・・・に紹介する
「あ、紹介するね。私やなのは、はやての友達で・・・幼 なじみ」
「アリサ・バニングスです。よろしくね?」
「「「「「よろしくお願いします!」」」」」
バニングスさんの自己紹介に俺たちは元気に答えた
「そういえば、はやてたちは?」
「別行動です。違う転送ポートから来るので」
「たぶん・・・すずかのところに」
「そっか」
バニングスさんは短い返事を返した
するとなのはさんが説明を始める
「さて、じゃあ改めて今回の任務を簡単に説明するよ」
「「「「はい!」」」」
なのはさんの言葉に四人が目の色を変えた
完全に仕事モードになっている
なのはさんは地図を出現させ説明を続ける
「探索地域は、この海鳴市全域。反応があったのは・・・ ここと、ここと、ここ」
地図に印のようなものが現れた
どうやらそこに目的のものがあるらしい
「動いてる・・・あ、すいません!」
つい、口を挟んでしまった
何だかそう思ったから
「ううん、いいんだよ。まだそれはわからないけど・・・ 」
「対象ロストロギアの危険性は、今のところ確認されてな い」
「仮にレリックだとしても、ここには魔力保有者が少ない から暴走の確率は極めて低い」
「とはいえ、やっぱり相手はロストロギア。場所も市街地 だから、油断せず・・・しっかり調査していこう!」
「では、副隊長たちには後で合流してもらうから」
「先行して出発しちゃおう!」
「「「「はい!」」」」
隊長の言葉に返事を返すフォワードたち
いよいよ任務が始まる
シグナムさんからの通信のあと、なのはさんらスターズ部 隊・・・は中距離調査
フェイトさんらライトニング部隊・・・はサーチャーだの 何だのを仕掛けに行くらしい
途切れ途切れに聞いていたので、詳しいことはわからない けど
「それじゃ、探索開始だよ」
「「「「はい!」」」」
「ダンテ君は・・・アリサちゃん、悪いんだけどダンテ君 をお願い」
「了解です!隊長」
なのはさんに敬礼するバニングスさん
「ふふっ、それじゃ行くよ!」
そんなバニングスさんの様子に微笑みを浮かべ、調査に出 発して行ったご一行
故郷に来たとはいえ立派な任務
前は参加せざるを得ない状況だったので仕方なかったが、 やはり一般人をつれまわすわけにはいかなかったのだろう
「・・・」
「・・・」
やっぱりというか何と言うか、予想通り沈黙が支配してい た
なのはさん達もいない
完全に孤立してしまっていた
「そうか君が・・・」
沈黙を破ったのはバニングスさんだった
俺を、身長的な理由から下から覗き込むように見ている
「・・・はい?」
「なのはたちから聞いてるよ、とてもいい子だって」
「それは・・・恐縮です」
「あはは、聞いてた通りだ」
するとバニングスさんは、俺を観察するように周りをぐる っと回っていた
「ふーん・・・」
「・・・」
そんなバニングスさんに何も言えず、俺はただ突っ立って いることしかできなかった
「君ってさ・・・」
「はい」
さぁ、これから何を言われるのかと身構えると
「結構カッコいいよね」
「・・・はい?」
バニングスさんが放った言葉は、予想の斜め上を行くもの だった
「あれ?自覚なし?なのはたちに好かれてたりしない?」
「なんか・・・気に入られてはいるようですけど」
「ほうほう・・・」
バニングスさんは顎に手を当て考え始めた
カッコいいなんてそんな、バカなことがあるわけがない
「じゃあ私と一緒に行こう!街案内してあげる」
「え?あ、ちょっと!バニングスさん!」
「アリサでいいよ!」
俺はバニングスさんに手を引かれ、車の中へと入って行っ た
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