魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第18話 「故郷!海鳴市より」
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海鳴市へ無事到着し、八神さんやシグナムさん、ヴィータ さんやリィンさんを除くなのはさんやフェイトさんは、エ リオ君やスバルさんたちを連れ調査に行ってしまった

 

一方、俺はというと

 

「ここは私たちが通った学校。なのはとフェイト、すずか と青春を謳歌した場所なんだ」

 

「・・・はぁ」

 

「でもすぐあっちに行っちゃって、それ以来」

 

やれやれと手を振っているのはなのはさん達のお友達、ア リサ・バニングスさん

 

現在俺はバニングスさんと海鳴市観光をしていた

 

手を引かれて車に乗せられた時に俺は、最終的な集合場所 であるコテージに放っておいていいですよと言ったのだが

 

『せっかく来たのにもったいない!案内してあげる!』

 

と、妙にテンションが上がった声で言われたので・・・現 在に至る

 

「すずかさん・・・ですか」

 

「ええ、後で会えると思うけど。いい人だから安心して」

 

校舎から目を戻し、俺に顔を向けてそう言った

 

なのはさん達の友達なのだから、いい人であるのは何とな くわかるけど・・・

 

でもどうも・・・なのはさん達の友達だからこそ、何だか 緊張する

 

ーーーーーーーーーー

 

「そういえば、なのはさんはいつ・・・」

 

「魔法と出会ったかって?」

 

「・・・はい」

 

運転しているバニングスさんに話しかけたところ、言おう としたことを先取りされてしまった

 

少し気になった

 

なのはさん達はいつから機動六課で・・・いや間違えた、 管理局で働いているのか

 

「うーん、九歳くらいの頃からかなぁ・・・」

 

「そんな時から!?」

 

知らなかった

 

そんな小さい頃から働いているなんて・・・

 

「私もすずかも最初は知らなかった、でもいつの間にかそ っちの世界ではエースなんて呼ばれちゃってるほどになっ ててね」

 

バニングスさんの話では、驚いたことに最初フェイトさん はなのはさんの敵だったらしい

 

なのはさんの必死の説得により、フェイトさんを何とか助 け出すことに成功したとか

 

「それにしても、二人ともあの頃から変わらないわね?、 早くはやてに会いたいわ」

 

「あのままおっきくなったんですか・・・」

 

なんか、偶然訓練場を通りかかった時(誰が何と言おうと 偶然)に、何とな?くこっそり覗いてみたら(もう一度言う が誰が何と言おうと偶然)、バカでかい光線のようなもの を撃っていた光景を見て

 

どのくらい訓練したらあんなのが撃てるんだろう?

 

と思ったことがあったが、まさかそんなに昔だとは思わな かった

 

「よしっと」

 

そんな事を考えていると、車が道路の脇へと止まった

 

「さてと、次の目的地はここよ!」

 

バニングスさんが首で示す方向を見ると、そこには何だか お洒落な喫茶店のようなものが建っていた

 

「翠屋・・・ですか?」

 

「そう!」

 

お店にはそう書いてあった

 

一体この店は何なのだろう?

 

バニングスさん達が学生時代に通ったお店・・・とかだろ うか?

 

「ここは一体?」

 

「ここはね・・・今話していた人物の実家なのだよ」

 

今話していた人物・・・なのはさんの!?

 

いやいやいやこれはまずい!

 

何だか嫌な予感しかしない!

 

速急に立ち去るようにバニングスさんに言わないと!

 

「バニングスさん!べ、別の場所に行きましょう!」

 

「何言ってんの!せっかく来たんだから寄って行かないと 損よ!」

 

「ですがさすがに!」

 

「お店なんだから、それに!」

 

そう言うとバニングスさんは俺の胸ぐらを掴むと自分の方 へと一気に引き寄せた

 

バニングスさんの顔が一気に近づき、俺は必然的に目を反 らした

 

美人なので、恥ずかしさから目を合わせることが出来ない

 

一応車はサイドブレーキを引いてあるため安全である

 

だが今は俺が安全じゃない

 

「いい?バニングスさんじゃなくてア・リ・サ。リピート アフターミー?ア・リ・サ!」

 

「ア・・・アリサさん」

 

「違う違う!」

 

するとバニングスさんはもっと俺の顔を自分の顔に近づけ た

 

もう吐息がかかってもおかしくない距離である

 

「『さん』はいらないの、ア・リ・サ!また『さん』付け たらこのままキスするわよ!いいの!?」

 

「は・・・はぁ!?いやいやわけわかんないっすよ!」

 

真っ昼間、車の中で一体俺たちは何をやっているんだか

 

でもまさかこんな美人さんが俺みたいなのにそんなことす るわけがない

 

「ア・・・アリサさん!さすがにそれは!」

 

「ん!」

 

「おっと!」

 

すると、予想とは裏腹にアリサさんは本当に唇を近づけて きた

 

元々吐息がかかりそうな距離だったので本当にキスしそう になった

 

過去形なのは、何とか俺はギリギリでアリサさんの顔を手 で押さえたからである

 

「わかった!わかりました!アリサ!これでいいですよね !」

 

「うん、分かればいいのよ」

 

アリサ・・・は俺の胸ぐらから手を離し、やっと解放して くれた

 

そんなに名前で呼んで欲しかったのだろうか?

 

なぜ?

 

「さて、早速行くわよ!ほらほら」

 

アリサは満足そうな表情で俺に車を下りるよう諭す

 

「ほ、本当に行くんですか?」

 

「もちろん、それと歳あんまり離れてないんだから敬語も 止めること!」

 

「ですが・・・」

 

「・・・キスしてほしい?」

 

「わかりまし・・・いやわかった!アリサ!」

 

普通なら絶対喜ぶシチュエーションだが、いかんせんさっ きの出来事から恐怖しかない

 

また車のトラウマが増えた・・・

 

?翠屋、店内?

 

「こんにちは?!」

 

「こ・・・こんにちは」

 

店に入ると、そこはまさに喫茶店という雰囲気が漂ってい た

 

団体用の席もある

 

「あら、いらっしゃいアリサちゃん」

 

「あ、桃子さん!」

 

奥から、これまた何処と無くなのはさんと同じような雰囲 気をした髪の長い美人なお姉さんが出てきた

 

やっぱり、姉妹そろってそっくりなのはこの地球も変わら ないんだなぁ

 

「久しぶりね?アリサちゃん」

 

「はい!桃子さんもお元気そうで!」

 

何だか、弟と妹のことを思い出した

 

弟もよく、俺にそっくりだと親戚のおばさんや近所のおば さんに言われていた

 

妹も目元が俺にそっくりだと言われている

 

どれも・・・懐かしい思い出に感じる

 

「アリサちゃん、こちらの方は?」

 

「あ、はい。なのは達と一緒に地球に来た」

 

「あ・・・ダンテです。こんにちは」

 

「あ?、あなたが?」

 

すると桃子さんは俺に一歩近いて話を続ける

 

近くで見ると更に美人に見える

 

「なのはから話は聞いてるわよ?とってもいい子だって? 」

 

「あ・・・はぁ」

 

前髪を手で払いながら言う桃子さん

 

そこまで俺はいい奴ではないような気がするんだけどなぁ

 

なのはさん、一体どんな報告をしていたんだろう?

 

「あ、ごめんなさい。申し遅れました。私、高町桃子と言 います。なのはの・・・」

 

「あれ?ダンテ君!?」

 

何処か聞き覚えのある声がしたので振り返ってみると、噂 をすればなんとやら、というよりここはその人物の家なの だから当然といえば当然

 

振り返るとそこには、玄関から入ってきたなのはさんと、 スバルさんとティアナがいた

 

「なんでダンテ君が?あ、アリサちゃんか」

 

「そうそう」

 

手を腰に当てて答えるアリサ

 

「ダンテさんじゃないですか」

 

「ダン兄だ!偶然だね!」

 

ティアナさんもスバルさんも驚きの声をあげる

 

というか、いつの間にかスバルさんが本当の妹とみたいな 口調になっている

 

「あら、なのは」

 

「あ、お母さん!久しぶり!」

 

「よかったわ?、元気そうで」

 

こっちもこっちで親子の再会を喜んでいた

 

やっぱりこういうのを見ると心が和む

 

ん?まてよ、何か重大な事を見逃しているような気がする ・・・

 

感動の親子の再会

 

親子の再会・・・

 

親子の・・・

 

親子!?

 

「え?え?な・・・なのはさんのお母さん!?」

 

「ええ、その通り。なのはさんのお義母さんよ??」

 

「お母さん、字が違うよ?」

 

まさか・・・まさかそんなことが・・・

 

「どうしたの?ダン兄」

 

「いや・・・世の中不思議がいっぱいだな?と」

 

「あらあら、ふふふ」

 

俺が考えていたことを察したのか、桃子さんが口に手を当 てて微笑んでいた

 

ーーーーーーーーーー

 

その後、なのはさんからケーキをご馳走になり、俺はアリ サと一緒に夕飯の買い出しに行くことになった

 

なのはさんのお父さんが出てきて、あらぬ誤解(ご想像に おまかせします)を受け半殺しにされかけたのには驚いた けど、なのはさんの素敵な笑顔によりその場は何事もなく (たぶん)おさまった

 

なのはさんとスバルさんとティアナさんはまだ仕事がある らしく、また街へと出掛けてしまった

 

「とんだ災難だったね」

 

「まぁ誤解だからいいけど・・・」

 

現在、車に乗りデパートに向かう途中である

 

そのまた途中で、アリサが言っていたすずか・・・さんと 合流するらしい

 

「えーと・・・あ、いたいた!」

 

駐車場に入ると、目当ての車を見つけたのかアリサが言う

 

その先には、これまた髪の長い美人な人が車の前に立って いた

 

車を止め、改めて見てみたもののやはり美人

 

なのはさん達の友達って美人な人が多いなぁ

 

「すずかー!」

 

「あ、アリサちゃん」

 

車から降りたアリサは一目散にすずか・・・さんの元へと 向かった

 

俺もアリサの後を追う

 

「久しぶりね?、こうやって出掛けるの」

 

「ええ、大学生も大変よね」

 

「なのはちゃん達は?」

 

「うん、あの頃から変わらなかったわ」

 

久しぶりの再会を喜んでいる最中、俺は最初の時と同じく 空気と化していた

 

しかも今回はティアナさん達がいないので完全に孤立して しまった

 

「あ、すずか。紹介するわね、こっちがなのは達がよく話 してるダンテ」

 

「ああ、あなたが」

 

すずか・・・さんは俺に向き直り自己紹介を始めた

 

「初めまして、月村すずかっていいます。なのはちゃんや フェイトちゃん、はやてちゃんやアリサちゃんとは大親友 です。よろしくね?」

 

「あ、ダンテです。どうもご丁寧に」

 

「なのはちゃんやフェイトちゃんから話はよく聞いてるよ ?とってもいい子だって」

 

なのはさん・・・一体何を話したんだろう?

 

そこまでいいことしたかなぁ・・・

 

「ふーん・・・ふんふん」

 

気がつくと、すずかさんはアリサと同じように俺を見てい た

 

俺の周りをぐるっと一周しながら俺を観察している

 

「なるほどなるほど・・・」

 

「ど・・・どうしたんです?」

 

顎に手を当てながら何かを納得するような表情をする月村 さん

 

「君ってさ・・・」

 

「はい」

 

さぁ、今度は一体何を言われるんだと身構えると

 

「結構かわいいよね」

 

「・・・はい!?」

 

月村さんから出てきたのは、アリサよりも意外な言葉だっ た

 

かわいい?

 

そんなこと一度も言われたことないんですけど!

 

「いやいやいや!その・・・そんなことないですって!自 分で言うのもあれですけど、カッコいいとかならともかく かわいいだなんて!」

 

「ふふふ」

 

慌てふためく俺の様子を見て、月村さんはクスクスと笑っ ていた

 

もしかして・・・俺自分で自分の首絞めてる?

 

「さて!すずかとも無事仲良くなったことだし行きますか !」

 

「はーい、ほらダンテ君」

 

「え?あ、おっと」

 

俺は月村さんに手を引かれデパートへと入って行った

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