僕と君とやり直したい出来事と 第十問 |
―Fクラス―
雄二「ちっ・・・やっぱりか」
明久「どうしたの雄二?」
雄二「見てみろ」
明久「なっ!?」
誰もいない!?
明久「どうして・・・!」
雄二「大きく出てきたな―――」
??「・・・明久、雄二」
明久「ムッツリーニ!これは一体どうなってるの!?」
ムッツリーニ「・・・気絶してたからわからない」
明久「ムッツリーニを気絶させるなんて・・・」
ムッツリーニ「・・・姫路の胡麻だんごで」
あっ、食べちゃったのか・・・。
雄二「他のやつらは?」
ムッツリーニ「・・・それも少し―――」
??「坂本!」
雄二「須川か、一体何があった」
須川「姫路達が拐われたんだ!今、FFF団が全力で探している!」
雄二「・・・」
そんな、一体誰がこんなことを・・・!!
雄二「ムッツリーニ、姫路達の居場所・・・わかるか?」
ムッツリーニ「・・・俺が気絶する前に発信器を各自に取り付けておいた。怪しい客がいたから」
雄二「ナイス判断だムッツリーニ。現在位置を教えてくれ」
ムッツリーニ「・・・了解。・・・!?」
明久「どうしたのムッツリーニ?」
ムッツリーニ「・・・4人ともバラバラに移動している!」
雄二「こいつら・・・。そこまでしてFクラスに優勝させない気か!」
明久「どういうこと!?」
雄二「俺達が学園長室に行ったときのこと覚えてるだろ・・・」
・・・。
明久「ごめん雄二」
雄二「覚えてねぇのか!?」
だって・・・。
雄二「まあいい、お前がバカってことはわかってるからな」
今は否定しまい。
雄二「あの時出された条件は俺達の”優勝”だ」
明久「・・・あれ?メインは姫路さんと美波なんじゃ・・・?」
雄二「お前・・・まったく覚えてないんだな」
心のそこからごめんなさい・・・。
雄二「ま、確かに俺は今日・・・”メインは姫路達”と言った」
明久「?」
雄二「教室に”教頭”が居たからな」
!?そうだ、だんだん思い出してきたぞ。
雄二「思い出したか?」
明久「確か今回の優勝者に与えられる”腕輪”に欠点があったんだ!」
雄二「そう、それの回収が俺達の仕事・・・。これで、俺達以外のやつがお披露目しちまうと―――」
明久「暴走してしまう上に―――」
雄二「そういうことだ。ってことは、だ。今、姫路達を誘拐して、俺達に試合に出させない・・・。どんなことをしてでも、腕輪の暴走を観客の前で見せたがってるって訳だ」
明久「ってことは、今こんなことをしてメリットがあるのは・・・」
明久・雄二「「教頭|(だ)!!」」
そういえば、学園長(クソババァ)にしつこくしていたのを忘れてた!
雄二「とりあえずだが、須川」
須川「おう」
雄二「この店を空けるわけにはいかねぇから、FFF団のやつらを集めて仕事をしてくれ」
須川「な!?俺達がこいつらのところに行けば・・・!!」
雄二「忘れたか?この清涼祭は姫路に転校させないためにしているんだ。だから、設備を普通レベルぐらいにする必要がある。これは、俺達の優勝、このクラスの売上げにかかってるんだ」
そう、ここで僕と雄二が試合に出ると、そのまま店は閉まったまま・・・。FFF団がここに残らないと、設備――机やイスを買えるほどのお金は絶対たまらない・・・。それ以前に、もし姫路さん達を利用して『大会に出るな』なんて言われてもアウト。・・・それに須川の姿を見る限り、誘拐犯を止めようとした結果返り討ちにあったみたいに少しボロボロである。このまま行かせても、須川君達も危ないだろう。結局、試合までに僕達が皆を見つけ出し、救出しなければならないってことだ。
須川「・・・」
雄二「とりあえず、俺、明久、ムッツリーニ―――足りない分は教師を使う!」
教師?
明久「大丈夫なの雄二?」
雄二「ああ、とにかく学え―――クソババァのところに行くぞ」
明久「須川君!店は頼むよ!!」
須川「おう!任せとけ!!」
―学園長室―
『バンッ』
学園長「ノックぐらいしな」
雄二「それどころじゃねぇんだよクソババァ」
明久「ん?久保君?」
久保「やあ吉井君。どうしたんだいこんなところで?」
明久「ちょっと学え――クソババァに用がね」
学園長「言い直す必要はないはずだがねぇ・・・」
知るか!
雄二「とにかく、姫路達が拐われたんだクソババァ!」
学園長「!?」
明久「連れ戻すのに協力してくれますよね?」
学園長「・・・まさか、そんなことまでしてくるとは思いもしなかったよ。場所は割れてるのかい?」
雄二「ああ、だがこいつらは時間稼ぎのために、4ヶ所に別れて移動中・・・。俺達Fクラスは教室の設備も変えなければならないからな。今動けるのはこの俺を含めた3人だ。しかも、俺達の試合時間までそんなに余裕はない」
学園長「こちらもちょうど空いてる先生は―――」
鉄人「俺しかいない」ズン
て、鉄人!?
雄二「いつもなら厄介と思うところだが・・・。これは心強いじゃねぇか」
鉄人「ふん。まあ、今回は生徒があぶないからな。なにも言わないでおいてやる」
鉄人か・・・本当に心強い!
久保「・・・学園長先生」
学園長「なんだい?」
久保「もしかしたら、霧島さん達も一緒に誘拐されたかもしれません」
明久・雄二「「なっ!?」」
学園長「どういうことだい?今回の件に関してはFクラス―――こいつ達しか知らないはずだけどねぇ?」
久保「僕が来たのは、代表である霧島さんを含め、木下さん、工藤さんが教室に帰ってこないので報告にと・・・。他の先生を探したのですが、見当たらなくて」
明久「その3人の行き先は聞いたの・・・」
久保「もちろん聞いたよ・・・Fクラスに行くってね」
・・・。
雄二「翔子達は口封じか」
ムッツリーニ「・・・さっきの須川の様子では、その3人のことは知ってそうになかった」
雄二「多分、誘拐する途中で犯人達は見られたんだろうな・・・」ギリッ
明久「・・・」グググ
・・・なんだろ。
こんなに爆発寸前まで怒るようなことはあっただろうか?
なんでいきなり?姫路さん達が連れ去られたから?・・・それもある。
でも、この怒りは・・・っ!!
明久「行かなきゃッ!!」
雄二「・・・待て、明久」ガシッ
明久「止めないでよ雄二・・・。僕は――!!」
雄二「ムッツリーニ、4人分の発信器と通信機はあるか?」
ムッツリーニ「・・・」コクコク
雄二「これを持っていけ。ただ突っ走っても姫路達を見つけることはできないだろ」
・・・。
明久「ありがと・・・」タッタッタッ
雄二「おいっクソババァ。これを渡しておく・・・犯人のいる場所まで俺達に指示しろ」
学園長「・・・はぁ。わかったよ。もとはといえば私の責任だからねぇ」
鉄人「本来こういうのは没収すべきものだが・・・。今回は見逃すしかなさそうだな」
雄二「それじゃあ各自別れろ!!」
試合まで残り30分を切った―――。
僕達は4ヶ所に別れた内の1つに絞り、全速力で駆けて行く―――。
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