IS.B 馬神 弾という名の操縦者 2nd break 第一章 黒煌編 〜ep.3 悪魔の龍神? |
弾side
3777年 7月7月 午前4:00
旅館の庭
あと三時間か、まだ箒が戻らないな。
「キミが馬神 弾 君?」
後ろから、勝斗の姉の千絶さんが声を掛けて来た。
「はい、何でしょうか?」
「アナタに渡したい物があってね」
渡したい物?
「これ…」
「ん?」
渡されたのは、ISのデータチップ。
それに書かれていたのは、《変化速度》と書かれていた。
「形態変化の変化速度を上げる為の、形態変化機能限定の強化データよ。私の研究で解明した序でに、この強化データを完成したの」
「これをどうやってISに?」
「私がやるわ、ちょっと右腕を部分展開して」
「…はい」
ISの強化は直ぐに終わった。
千絶さん…パソコン打つの早い…
午前 5:45
いよいよ作戦開始だ。
同行するのは、どういう訳か箒とだけだ。
勝斗はIS.Pとの連絡をするため、作戦に参加出来なかった。
《そろそろ時間だ。ISを展開しろ》
「「了解」」
織斑先生の命令で俺たちはISの展開の準備する。
俺はライジング・アポロのカードを掲げて…
「ライジング・アポロ!!! 行くぞ!!」
『おう!!!』
俺の周りから炎が纏い、ISが装着された。
箒のは…
紅を貴重としたISだった。
そういう事か、箒は専用機持ちになったのか。
何とかサポートしないとな…
《作戦開始だ、悪魔の龍神…アルバトリオンを討伐せよ》
「「了解!!!!」」
今度は勝斗の根気強い声で命令した。
さて、あの島か、黒煙に包まれた島だ。
side out
「グルルルルル………」
黒い島の奥地で待ち構えるは…
身体中に返り血が付けられた黒い龍神、アルバトリオン…
「グルルッ!!!!」
アルバトリオンは二つの気配を感じ取った。
その気配は…
「こいつが……!!!」
「なんて…禍々しい姿だ!!!」
ISを展開した篠ノ之 箒と馬神 弾。
アルバトリオンは二人を鋭い目で睨みつける。
「行くぞ、箒!!」
「おう!!」
二人はアルバトリオンに攻撃を仕掛けようとすると…
【何奴だ!!!】
「「!!!」」
アルバトリオンは二人を睨みつけながら、言った。
いや、云ったというべき。
【俺の覚醒の邪魔する者は……牙の錆になってやる!!!】
アルバトリオンは翼を広げ、二人に牙を立てながら襲う。
「来るぞ!!」
「っ!!!」
弾と箒は避け切り、箒はその後、二刀の太刀を展開し、アルバトリオンに斬りかかる。
しかし…
「ぐあっ!!!」
アルバトリオンは瞬時に身体の向きを変え、尻尾で薙ぎ払った。
弾はアルバトリオンの後ろに回り込み、爪で攻撃する。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!!」
【甘い!!!】
アルバトリオンは再び身体の向きを変え、今度は赤黒い光線を撃った。
弾は反応出来ず、光線を丸ごと喰らってしまう。
「があぁぁぁああ!!!!」
しかし、これだけでは終わらない。
弾は黒太陽〔ライジング・バルカン〕に形態変化をして、再びアルバトリオンに向かった。
今度は赤黒い炎を纏いながらの[指定アタック]だ。
アルバトリオンはこれを爪で受け止める。
その後ろから、箒が二刀の太刀で再び斬りかかる。
アルバトリオンは後ろから迫る予感を感じ、爪で受け止めている弾を受け流した。
「なっ!?」
「しまっ…!!!」
弾と箒は互いに反応出来ず、激突してしまう。
弾の方が勢いが強かったせいか、そのまま、海に堕ちた。
【ふん、俺に刃向かうからこうなる……ん?】
アルバトリオンが見えた先には、弾達が堕ちた方向の海から白き光があった。
堕ちた反動で水飛沫が舞って見えないが、光っている事は確かだ。
その水飛沫が晴れると、そこには、嵐太陽〔アマツマ・アポロ〕を展開した弾と、弾の片腕を掴んでいる箒がいた。
「大丈夫か、箒」
「あぁ、何とかな…」
二人は無事を確認した所で、アルバトリオンに目を向ける。
「行くぞ!!! 箒!!!」
「おう!!!」
二人はアルバトリオンに真っ先に向かった。
【ふん、やれる者なら、やってみろぉぉぉぉ!!!!】
勝斗side
旅館 大広間
そろそろ一時間が経つ…
決着はついたのだろうか…
ドォォォォォォォォォン……
む、決着がついたか、行ってみよう。
海岸
俺がついた時には、まゐ達が悲しそうな顔をしていた。
理由は問も無い。
弾と箒は、ISを装着されたまま、身体中に傷がついていた。
「弾!! 起きて!! 起きてよ!!!」
「しっかりして!!! 箒!!!」
まゐと鈴は倒れている弾と箒を揺さぶる。
ISは勿論、皮膚までも重い傷があった。
無理もない、あのアルバトリオンの目覚め…もとい、覚醒の時は刻々と迫っている。
「次の作戦が来るまで皆は安全な場所で待機しろ」
俺はそう言い残し、この場を後にしようとすると…
「お待ちになって、天神さんはどうして心配なさらないですの?」
「そうだよ!! 何で僕達が悲しんでいるのに、勝斗は……!!!」
怒るように、セシリアとシャルロットが言う。
「作戦は作戦…、これ以上は言うな」
俺はそれだけ言うと皆は沈黙。
俺はただならぬ雰囲気を出しながら、旅館へ戻る。
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