魔法先生ネギま 〜疾風物語〜 第七話
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「さて、昨日約束したとおり君たちは『京都神鳴流』を習う事になったわけだが―――」

「『たち』では無いぞ泰春。習うのはハヤテだけじゃ」

「いやクラマも習え。お前は剣術じゃなく呪術を、な」

「…ふむ。たしかにワシも呪術とやらには興味が有るの。わかった。ワシも習おう」

「呪術の方は門外漢だからあとで関西呪術協会に依頼しておくよ」

 

泰春と勝負をした翌日、俺とクラマは道場で講義を受けていた

 

「『京都神鳴流』は魔を打ち払う剣術だ。古来より日本にはびこる『魔』…。まあその最たるものが妖怪だ。神鳴流の剣士は、主に『関西呪術協会』の呪術師の前衛を務める。あと『神鳴流は武器を選ばず』とされていてね。剣術以外も多少は出来るよ」

「はいせんせー」

「お!どうした疾風君。先生は勤勉な生徒は好きだぞー」

「その割には昨日、刀を弾かれて呆然としていた奴らがいたんですけど。あと呪術師もいませんでした」

「それはだね。昨日迎撃に出た彼らはまだ修業中の身でね。まだ剣術以外を習っていなかったんだ。君ならいい経験を積めるだろうと思って彼らを迎撃に向かわせたんだ。実際彼らはまだ気配の消し方もできてなかっただろう?」

「俺が奴らを殺したりしたらどうするつもりだったんですか?」

「それは無いと思ってたよ。君は大切な者を護るとき位しか本気を出さなそうだったからね。殺気を伴った攻撃をしたらその時点で僕が割って入ったさ」

「…呪術師の方はどうなんですかー?」

「ああ。君が来たのが突然で呪術師たちへ連絡が出来なかったんだ。それとさっき言った経験を積ませるためにね。さてそろそろ実演と行こうか。庭へ来てくれ」

 

俺たちは立ち上がって泰春に付いて行く。クラマが正座で痺れて立てなかったのは笑えた

庭へ向かう途中で巫女さんがクラマに耳打ちをした

 

「ハヤテ。準備が出来たそうなので、ワシは呪術協会へ行って来る」

「ああ。気をつけろよ」

「ワシを誰だと思っておる」

 

そう言ってクラマは上機嫌で巫女さんへついていった

歩いて数十分たってやっと庭へ到着した。庭には人の身長ほどある岩やら人型の的やらが並べてある。その中のいくつかには斬撃の後も見受けられた。道場からとはいえ家の中を移動するのに、これだけ時間かかるってどんだけ広いんだよ泰春の家…

 

「やっと着いたね。まったく無駄に広いんだから困ってしまうね。今回は迷わなかったからよかったものの…」

「自分の家で迷うって相当の方向音痴か、それとも本当に迷うくらい広いのかどっちなんだ…?」

「ま、それは放って置いて、実演だったね。」

「(『写輪眼』っと)」

 

泰春は巫女から長大な野太刀を受け取り、構える

 

「まずは昨日君に破られた『斬岩剣』だ。この奥義は剣先に気を集中させて―――」

「『神鳴流奥義 斬岩剣』!!」

 

泰春は気を練り、目の前の大岩に向かって奥義を放った

 

「―――一気に振り下ろす。コレが斬岩剣だ。奥義の中で一番単純といってもいい」

 

大岩に異変は見られなかったが、泰春がチョイと指で触れるとたちまち真っ二つに裂けていった

俺はこの技を真正面から受けたのかよ。そう思うと背中に冷たい汗が流れた

 

「次の奥義は『((斬鉄閃|ざんてつせん))』。コレは刀身全体に気を流す。そして、振りぬく!!」

「『神鳴流奥義 斬鉄閃』!!」

 

今度は人型に向かって、螺旋状の気の斬撃を放った

放たれた斬撃は人型に命中し、腹に当たる部分を抉りとった

容赦ねぇ…。アレまともに当たったら俺も即死だな

 

「うん?どうしたんだい疾風君。顔が青ざめてるけども」

「いや、なんでもない…続けてくれ」

 

どうやら随分と顔に出ていたらしい。いやそりゃ気分悪くもなるさ。あれ人間に当たったら臓物ごと抉り取られるもの

 

「そうかい?まあいいや。今度は『((斬空閃|ざんくうせん))』。コレは基本的には斬鉄閃と同じと思っていい。違うのは…実際に見たほうが早いかな」

「『神鳴流奥義 斬空閃』!!」

 

またも泰春は人型に向かって気の斬撃を放つ

しかし今度は抉り取るのではなく、横に真っ二つに切り裂いた

 

「見ての通り、この『斬空閃』は遠距離の敵に向かって攻撃するための奥義なんだ。斬鉄閃とは射程距離が段違いだよ」

 

斬空閃か…。使い勝手はよさそうだな。魔法詠唱する時間がないときとかは特に

 

「じゃあ次だ。次は『((百烈桜華斬|ひゃくれつおうかざん))』。一対多の時に使える奥義だ。んっと、すまないが人型を僕の周りに八体ほど並べてくれないか?」

 

泰春の言う通りに周りに八体の人型を並べ、少し離れた所で見る

 

「『神鳴流奥義 百烈桜華斬』!!」

 

泰春が円を描くように刀を振るったかと思ったら、八体の人型が一体残らず切り裂かれていた

俺は欧州ではお尋ね者だからな…。一対多もすることが有るかも知れんし、覚えておいて損は無いな

 

「次で『教えられる』奥義は最後だ。これ以上の奥義は、効果が実際見れ無いものや青山宗家の者しか伝承できないんだ。すまない」

「ああ。大丈夫だ。あとで見せてくれればそれでいい。「見れば覚えられるからかい?」ッ!なんで…!?」

 

なんでだ?俺は写輪眼の効果は泰春に言ってないぞ!?

 

「君は僕を馬鹿にしてるのかい?さっきの講義していた時と実演していた時に明らかに『眼』が違ったじゃないか。魔眼か何かだと思っていたよ。効果は分からなかったから鎌をかけさせて貰ったけど。その様子だと『模倣』ってところかな?」

 

…嵌められた。あ〜あ、言うしかないか

 

「…その通りだ。俺の眼の名前は『写輪眼』。あらゆる物を『模倣』し自分の物に出来る。俺の一族しか持てない特殊な眼だ」

「しかし、そんな眼のことは裏の世界にいる僕も聞いたことが無いんだけど…」

「…まあ当たり前だよ。この眼を持ってるのは今では俺しかいないんだから」

「まさか、君の一族は」

「滅んだよ。自分たちの住んでいた里に謀反を起こそうとして、一族の天才に裏切られ。今では俺が最後の生き残りだ」

「…すまないね。嫌な事を思い出させた」

「気にするな。俺は実際それを体験していない。この眼にしても遠縁に当たるその一族の血が、たまたま俺だけ発現しただけだ」

「そうかい。まあ、見せるだけならいいよ。『見せただけで覚えられたら仕方が無い』しね」

「…ありがとうよ泰春」

「どういたしまして。さて、話を戻して。最後の奥義『((雷鳴剣|らいめいけん))』は刀に溜めた気を雷に変えて一気に振り下ろすんだ」

「こういう具合にね。『神鳴流奥義 雷鳴剣』!!!」

 

泰春が帯電した刀を先ほど斬岩剣で真っ二つにした岩に振り下ろした

その瞬間、思わず耳を塞ぐほどの轟音が辺りに轟いた

 

「この奥義をやると地形が少し変わっちゃうのが難点なんだけどね」

 

泰春が刀を振り下ろした岩を見てみると、もはや形すら残っていない

まるで本当に雷が落ちたかのように地面が抉れていた

 

「………お前、それはやりすぎじゃないか?」

「あはは。この奥義は久しぶりだからちょっと力加減を間違えちゃったかな?」

 

 

 

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作中に出てくる神鳴流奥義の解説はオリジナル解釈です

ところどころ間違っている部分も有るかもしれません

誤字脱字、おかしい部分がありましたらご指摘お願いします

説明
第七話です。閑話は今しばらくお待ちください
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