魔法少女リリカルと恋姫な物語 〜少年の数奇な運命〜 第37話 襲撃と援軍 |
シャマルside
自分達のノルマが終わった私達は、シグナム達と合流するために街のほうへと向かっていた。途中、ザフィーラが話しかけてきたので私達は一度足を止めた。
「・・・シャマル、我は一度家に戻っておこうと思う」
「それはかまわないけど、理由を聞いてもいいかしら?」
「たった一人に四人も必要ないだろう。それに相手がどれくらい強いのか分からないとは言え、あの二人が((後|おく))れをとるとは考えにくい」
ザフィーラにそう言われて考えてみる。・・・確かに、はやてちゃんがまだ魔導師として目覚めていないとは言え、あの二人ならそうそう後れはとらないと思う。むしろ並の魔導師くらいなら圧倒するでしょうしね。
「分かったわ。援護には私一人でいくことにするわね」
「すまぬな」
「気にしないで。それに誰も家にいなくて、飼い犬もいないというのは、ご近所からも不審に思われるでしょうしね」
「・・・そうだな」
ザフィーラは飼い犬の部分が引っかかるようだけど、はやてちゃんがそれを望んでいるがゆえ、強く言えないみたいね。その後、ザフィーラと分かれて私は街へと再び向かった。
(それにしても、神那君も魔導師だったのね・・・)
神那君が魔導師だったってことは、合流しようとしてた二つの魔力反応は彼のご両親ってことかしら・・・。もしそうだとしたら、その二人も魔導師だという可能性が出てくるわね。
(これについては後でみんなと相談しなくちゃ)
考え事をしながら飛行していると、いつの間にか目的地の近くまで来ていた。あまり近づきすぎて、標的に気づかれては意味がないので、近くのビルの屋上に降りた。
「さて・と、今二人は・・・え、ヴィータちゃん!?」
何で結界も張らずに突っ込もうとしてるの!?いくら周りに人目がないからってそれはさすがにまずいわよ!そう思い、私はすぐさま結界を張った。すると周りの景色から私達魔力を持つものと建物だけが結界内に残された。
「ほっ・・・何とか間に合ったみたい・・・。それにしても、援護にいくって連絡したんだから、ヴィータちゃんももう少し待ってくれたらよかったのに。シグナムが近くにいて何してたのかしら?」
急がなくちゃいけないのは分かってるけど、魔法の事を管理外世界の人間にばれるわけにはいけないでしょうに・・・。帰ったらお話しなくちゃいけないわね♪
side out
なのは side
―――ヴィータが襲撃するちょっと前―――
「ちょっと遅くなっちゃったかな?」
<<まだ大丈夫です。走らずとも晩御飯には間に合うでしょう>>
「そっか・・・でも走ったほうが速く家に着くし、少しだけゆっくり出来ると思うから走って帰ろう!」
<<マスターがそう望むのなら・・・>>
アリサちゃんのお家で遊んでたら、ちょっと遅くなっちゃった。なので私は走って家まで帰る事にした。アリサちゃんに、送っていこうか?と言われたけど、そこまでお世話になるわけにはいかないと思い、断っておいた。
「はぁ・・それにしても神那君も来ればよかったのに・・・。でもお話ってなんだったんだろうね?」
<<それは明日にでも聞けばよいでしょう。それにしても、マスターは神那様のことがよほど気になるようですね>>
「ふぇ!?ち・違うよ!好きとかそんなんじゃなくて単に気になると言うか・・・」
<<・・・マスター、私はそう言ったはずですが・・・。好きという言葉は一度も使っていません>>
「・・・あぅ///」
うぅ、レイジングハートがいきなりそんなこと言うから、混乱しちゃって墓穴を掘っちゃったよ・・・。周りに誰もいなかったのが救いかな・・・。その後も、レイジングハートと話しながら帰っていると、誰かから通信が入った。
<<ヴェルジュからの通信です>>
「ヴェルジュから?神那くんじゃなくて?」
<<はい。とりあえず開きますね>>
なんだろう・・・神那くんじゃなく、ヴェルジュからの通信って・・・。嫌な予感がする。
【聞こえますか?】
「うん、聞こえるよ。どうかしたの?」
【はい。先ほど私達は敵に襲われ、神那は魔力を奪われました。現在、柳殿が迎えに来てくれていますのでこちらの心配はいりません】
「え?」
神那君が襲われた?それに魔力を奪われたって・・・。
「それってどういう<<((Protection|プロテクション))>>っ!?」
「ちっ!完全に不意をついたと思ったのに・・・!」
ヴェルジュと通信で話していると、赤い服を着た女の子にいきなり襲撃された。それと同じタイミングで結界も張られた。とりあえず、むこうも((大事|おおごと))にはしたくなさそうな感じなの。
「いきなりだね・・・」
「・・・」
むぅ・・何も喋ってくれないの・・・。
「どうしていきなり襲うの?」
「お前に話す事なんて何もねぇ」
「理由くらい教えてくれても・・・」
「話すことがねぇって言っただろ」
今のは何?あの子のデバイスの先端の少し下の部分が、スライドして戻っていった。それと同時に魔力が爆発的に上がるのを肌で感じる。なにかヤバイ感じなの・・!
「恨みはねぇが、お前の魔力・・いただくぜ!」
「くっ!」
赤い服の子がデバイスを振り上げてこっちに向かってくる。ここは下手に避けるよりも、一度防御して反撃を。なによりあんな物で殴られたらたまったもんじゃないの・・・。
[レイジングハート、プロテクション!]
[OK。マスター]
「でええりゃああぁぁ!!」
<<((Protection|プロテクション))>>
「くぅっ!」
なんで・・さっきより攻撃が重たいの!?もしかしてさっきのデバイスの一部分がスライドしたせい?ってそんな事考えてる場合じゃないよ!もうプロテクションがもたない・・・!そう考え終わると同時に、プロテクションは音を立てて砕け散った。
「ああっ!」
「もらった!」
そう言うと同時にあの子がもう一度デバイスを振りかぶって向かってくる。私はそれを空中に飛ぶ事で避けた。ここで・・・!
「まだ終わらないの!」
<<((Divine|ディバイン)) ((Shooter|シューター))>>
「なっ!?ちっ!」
こちらが魔力弾を撃った直後、あの子はすぐさま方向転換してそれを避けた。でもこれでいいの。こちらの体勢を立て直す時間が取れれば・・・!あれ?あの子が被ってた帽子はどこにいったの?
「てめぇ・・・よくもはやてが作ってくれた騎士甲冑に傷付けやがったな・・・」
「そ・そこまで怒らなくても・・・。それに私だって今まで努力してきたんだから、これくらいはしておかないと・・・」
「そうか・・・でもよ、努力したからって勝てるわけじゃねーよな・・・」
そう言うとあの子は自分の周りに小さな鉄球を展開した。なんかすごく怒らせちゃったみたいなの・・・。
(?私の魔力弾と同じ仕組みなのかな・・・)
「・・・だりゃあ!」
「うそぉ!?」
デバイスを振りかぶったと思ったら、あの子はそのまま鉄球を撃ち出してきた。ぜんぜん私のと仕組みが違うよ!デバイスがハンマーの形をしてるからって、まさかそれで撃つとは思わないの!しかも次々と撃ってきてるの!
「レイジングハート、お願い!」
<<OK、マスター。((Protection|プロテクション))>>
「うぅっ・・・!」
一発一発が結構重たいのに、それが何発も来られるとまた・・・!しかも煙で前が見えないの!
「もぅ・・もたない・・・!」
硬さには結構自信があったプロテクションは、最初の一撃以降まともに止められなくなっていた。鉄球による攻撃も、数が重なるとプロテクションが耐えられなくなり、ヒビがはいった。しかし、もうもたないと思ったところで弾幕がやんだ。
「?・・・一体どうし「もらったあぁぁ!!」うそっ!?」
叫ぶと同時にあの子はデバイスを振りかぶって向かってきた。まさかあの鉄球の攻撃はおとり!?こっちが本命ってことだったの!?私はとっさにレイジングハートで防御してしまった。しかし、振り下ろす瞬間、振り下ろしたのとは反対側の部分が火を噴いた。えぇ!?そんなことまでできるの!?
「こんのっ!」
「うぅ・・・え?」
赤い服の子とデバイスでつばぜり合いみたいな事をしていると、嫌な音がした。自分のデバイスを見てみると、柄の部分から全体に広がる様にヒビが入っていた。
「レイジングハート!?」
「隙ありぃっ!」
「あぁっ!」
レイジングハートを心配して力を緩めた瞬間、力任せに押し切られ、私はその勢いのまま、建物の屋上にたたきつけられるように落下した。あの子もそれを確認するかしないかくらいのタイミングで私に向かってきた。
「これで・・終わりだあぁ!!」
(こんな所で終わりなの?私はまだ何も話せてないのに・・!)
あの子がデバイスを振り下ろすのを私はゆっくりとした感覚で見ていた。そして当たる直前に目を瞑った。・・・?何も起きない?そう思って目を開けた。そこには懐かしい人物が立っていた。
「ちっ・・・邪魔しやがって。何者だてめぇは!?」
「時空管理局嘱託魔導師フェイト・テスタロッサ。魔導師襲撃の容疑であなたを逮捕します」
説明 | ||
はい!というわけでお待たせしました〜・・・。最近この暑さで創作意欲が落ちてまして・・・。何とか頑張ってもう少しペースを上げていこうかと思ってます。ではでは本編どうぞ〜・・・。 | ||
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コメント | ||
なるほど・・・匿名さんの言う事も一理ありますね・・・。よし、後ほど今までの分のタグを消しておきます。(レア) まだ当分はA's編が続くんだろうし、恋姫タグは入れない方がいいのでは?現状まったく恋姫とはかすりもしてませんし、タグで検索し恋姫目当てにこの作品読んだ人はどう感じるでしょうかね?(匿名希望) ちょっと我が侭を言えば、フェイトの「友達だ」が欲しかったです(カイ) |
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