天の迷い子 第十話
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程なくして、ある事件が起こった。

皇帝・劉宏が崩御したのだ。

そして、それに乗じて大将軍・何進が劉宏の長子である劉弁を皇帝に即位させた。

それにより、今まで水面下で争っていた、次の皇帝に劉弁を据えた何進・何太后一派と、次子である劉協を皇帝に据えようとしていた十常侍一派の覇権争いが激化、表面化した。

両陣営の幹部陣の暗殺の横行、賄賂、引き抜き、そしてついに何太后までもが暗殺された。

これに怒った何進陣営は、仕返しとばかりに十常侍陣営に組していた董太后を暗殺。

泥沼と化していった。

 

 

Side 何進

 

ちぃっ!張譲め!私の駒を次々と暗殺しおって!

所詮は駒とはいえ、補充するには金と労力と時間がかかる。

幸い側近は難を逃れてはいるが、何時殺られるかわからん。

こうなればこちらから先手をうって奴を暗殺するしかないか。

 

もし失敗して本格的な戦いになったとしても、こちらには董仲頴の軍を懐に入れている。

あれを上手く使えば負けることは無いだろう。

いや、あれに張譲を暗殺させるのも手か。

 

下らぬことだが、奴は民に取り入ることを第一に考えているようだし、そこを上手く使えば出来ぬことでは無いな。

そうと決まればすぐに策を練り、裏工作や根回しをせねばな。

 

くくっ、待っていろ張譲。

この国は私の物だ。

ふふふ…、はーっはっはっはっはっはっ!!!

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ふと、目の前の暗闇の中に視線をやると、三・四人の男が歩いていた。

特に目立つ訳でもないのだが、何故か気になった。

 

どさっ。

 

不意に、左後ろを歩いていた護衛の部下が仰向けに倒れた。

その額には短剣が刺さっていた。

 

刺客か!!

 

そう思い、剣に手をかける。

しかしすでに私は囲まれていた。

 

「くっ!貴様ら、何をしている!!早く私を護らぬか!」

 

しかし、返事が無い。

いや、気配すらそこには存在しなかった。

周りには、十の肉塊が転がっていた。

 

一つは先ほど短剣で刺された者。

二つは首をねじ切られ、三つは真っ二つに切り裂かれ、残りの四つは一つの塊になっていた。

 

「ひ、ひぃっ!!」

 

抜刀しようと筋肉を動か…そうとして、動かすべき物が無いことに気付いた。

右腕が無い。

(死にたくない!)

 

走り、逃げようとした。

転ぶ。

左脚が無い。

(死にたくない!!)

 

叫ぼうとした。

声が出ない。

首から刃が生えていた。

(死にたくない!!!)

 

ひゅーひゅーと喉から息が漏れる、血が流れる。

 

ああ、なるほど。

向こうも同じ事を考えていたということか。

(助けてくれ!!!!)

 

薄れ行く意識の中、私は大きく口を開け自分を飲み込む血塗れの龍の姿を見た気がした。

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(しに………た…………………く……………な…い………………。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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“何進の暗殺”

その報が届いたのは次の日だった。

自分の屋敷に帰る途中で刺客に襲われたらしい。

おそらく、黒幕は十常侍筆頭張譲だろう。

もはや宮廷内にはこの男以上の力を持つ者はいない。

 

十常侍と張譲による独裁が始まるかと思われた時、何進の部下の将達が十常侍に対して武力蜂起をした。

彼等は何進亡き後、閑職に追いやられようとしていた。

今まで甘い汁をすすってきた彼等にとって、それは我慢のならないこと。

ならばいっそ奴らも道連れにと考えたんだろう。

 

危険を察した張譲は、劉弁陛下・劉協殿下の二人を人質に、長安に逃げようとした。

 

それを聞いた俺たちはすぐに百人程の部隊を率いて張譲を追った。

 

やっとの事で追いつくとそこには賊に襲われる一人の子供と炎上する馬車だった。

 

 

「あれは、劉協殿下やないか!二十人ほどで向こうの馬車の消火と調査にあたり!残りはうちと殿下の救出にあたるで!あの賊どもを蹴散らす!気合いれや!!」

『応っ!!!』

 

 

数十人の賊は、瞬く間に一掃された。

さすがは神速と謳われる張遼隊、一人の死傷者も出さなかった。

 

劉協殿下を無事保護した俺たちは、馬車の調査の報告を受けた。

それによれば、馬車は完全に焼けてしまっていて、中に乗っていたのが誰だったのかすら判らない状態だったらしい。

ただ、焼け跡から大人と子供の焼死体が見つかり、その死体は張譲と劉弁陛下のものとされた。

二人の亡骸の埋葬は部隊の人達に任せ、俺と遼姉は劉協殿下を連れて、洛陽に戻ることにした。

 

洛陽に戻るまでの間、劉協殿下は一言も口を開かなかった。

 

 

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しばらく経ったある日、なんだか外が騒がしい。

気になって騒ぎの起こっているであろう場所まで行ってみると、そこは劉協陛下の私室だった。

 

「陛下!ここを開けて下さい!もう五日もお食事をお取りになられていないでしょう!このままでは御身体を壊してしまいます!せめてお食事だけでも!陛下!陛下!!」

 

何人かの文官が部屋の前で叫んでいる。

その中に見知った顔がいた。

 

「仲頴、文和、何があったんだ?まあ大方予想はつくけど。」

 

声をかけると二人はこちらに振り向き駆け寄ってきた。

 

「流騎さん!実は劉協陛下がお戻りになってから、全くお食事に手をつけていらっしゃらないんです。」

「さすがに五日も何も食べないのはまずいわ。身体を壊すだけならまだしも、下手をすれば命に係わる事もあるんだから。」

 

…やっぱりか。

 

あの時、洛陽への道中、劉協の顔は俺の良く知っている顔だった。

両親を亡くし家に引きこもっていた時の俺と同じ顔をしていたから。

俺の時は、師匠が天の岩戸蹴破ってくれたから、取り返しがつかなくなることは無かったけど、彼にはそんな風に無理にでも壁をぶち破って、叱り飛ばしてくれる人が居るんだろうか?

 

「流騎さん、お願いします。陛下を助けてください!」

 

何故か俺に向かって仲頴は頭を下げていた。

 

「ちょっと待ってくれ、なんで俺なんだよ。他にもっと近しい人が居るだろうし、そもそも回りの人間がこれだけ言っても駄目なら俺が何を言っても無駄だろう?」

「実を言うと陛下には、肉親以外に親しいといえる人間は居ないのよ。ほとんど軟禁状態みたいなものだったようだし、皇族に近づける人なんてそうそう居ないし。」

「それにきっと流騎さんの言葉なら届くと思います。だって流騎さんの声は温かくて、心に染み込んできますから。」

 

なっ!?なんつ〜恥ずかしい事を!

 

「〜〜〜〜っ≪ガッ≫…っ!いって!何すんだよ!」

「ったく月に褒められたからって何照れてんのよ。ほら、さっさと行って来なさい。他の連中は僕たちが抑えといてあげるから。」

 

背中を押され、扉の前に立たされる。

ふう、仕方ないな。

気にならない訳じゃないし、もう助けたことで係わっちまって、人の縁は繋がってしまったんだから。

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「…次の者に渡す、か。」

 

なれるんだろうか、師匠みたいに。

いや、なってやらなきゃな。

この扉の先に、あの頃の俺がいるんなら。

 

意を決して、目の前の扉に手をかけ…………一気に蹴破る!!!!

 

ドカン!!

 

すごい音がして扉は開いた。

 

「えっ!?っな!何、何を!!?」

 

あ〜、なんか混乱してるみたいだな。

そりゃそうか、急に扉蹴破られてほとんど面識の無い男が部屋に入ってきたらびっくりして当然だよな〜。

師匠、あなたやっぱり無茶苦茶です。

 

しかし、頬はこけて目は虚ろ、寝台にもぐりこんで生気のない顔。

こんなん見せられたら説教の一つもしたくなるよなあ。

そんなことを考えながら、劉協が潜り込んでいる寝台に近づき腰掛ける。

 

「何をしている!ぶ、無礼な!さっさと朕の部屋から出て行くがいい!」

 

声を上げるがやっぱり何日も食べていないせいか、声に力が無い。

 

「…なあ劉協、そんな風に塞ぎこんでいても、何も変わらないぞ。」

 

少し考え俺は、友達に話しかけるように砕けた言葉を使うことにした。

畏まった言葉遣いでは、家臣と変わらない。

それじゃあ何も届かない。

師匠の真似をして、少し強引にいってみよう。

 

「いくら落ち込んだってお前の父親や母親、兄はもういない。そりゃあつらいだろう、悲しいだろう、寂しいだろう。でも、これからは否応無く自分自身の足で立って歩いていかなきゃいけない。それは誰も代わってやれないことだ。だから…。」

「お前に何が解る!!父上も母上もいない、誰にも頼れない、周りは上辺だけの優しい言葉をかけるだけ。何も知らないくせに解ったようなことを言うな!!」

 

ばんっ!と枕を投げつけられる。

 

「甘えたこと言ってんな!解ったようなことを言うなだと?何もしない、何も話さない奴の気持ちが解るわけないだろ!知って欲しいなら、解って欲しいなら、知ってもらう努力をしろ!助けて欲しいならそう叫べ!じゃなきゃ周りもどうしていいのか判らないだろうが!」

 

そう叱りつけると、びくっと身体を震わせる劉協。

 

「…言ったところで誰が助けてくれると言うのだ。朕を道具として、皇帝としてしか見れない者がどうして助けてくれる?それに、助けを求めても助けてくれるとは限らないことぐらい子供でも知っているぞ。」

「かもしれない。でも、言ってみなきゃ分からないだろ?それにほら、今は隣に俺がいる。今叫べば嫌でも聞こえるぞ?それに…」

 

俺はそっと劉協の耳元に顔を近づけ、小さな声で言う。

 

「…実は俺、この国、この世界の人間じゃないんだ。だから、お前が皇帝だろうが何だろうが、知ったこっちゃないんだ。」

 

劉協は驚いたように目を見開く。

 

「ば、馬鹿な、ならばお前は天から来たとでも言うのか!」

「まあ、天ってわけじゃないけどな。とりあえず、お前の身分なんてものは俺は気にしない。だから対等の関係でいられると思うんだ。良かったら、俺と友達になってくれないか?」

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すっと握手を求め、手を伸ばす。

「…あっ。」と小さく声を上げ、俺の手と顔を交互に見比べている。

仕方ないな。

少し強引に手を引き寄せ、握手を交わし、「よろしく。」と微笑み自己紹介。

すると、くぅ〜〜っと可愛らしい音が鳴った。

顔を真っ赤にして俯く劉協の頭を優しく撫で、「よかった」とつぶやく。

 

「えっ?良かったって?」

「腹が減るのは生きてる証拠、生きる意志の証だ。さっきまで死んだ魚みたいな目をしてたからな。安心したよ。さて、そんじゃあちっと腕を振るいますか。」

 

立ち上がり、食事を作るために厨房へ向かった。

途中、劉協は立ち止まり、俺の顔を見上げてきた。

どうしたのかと見返すと、

 

「すまなかったな、流騎。父上や母上、兄上が死んで自暴自棄になっておったようじゃ。誰の言葉も耳に入らず、自分の殻に閉じこもって…情けない限りじゃ。肉親を全て失った悲しみが癒えたわけではないし、理不尽を呪う気持ちもあるが、先ほどまでより幾分かは楽になった気がする。朕に檄を飛ばしてくれたこと、改めて礼を言うぞ。…まあ、扉を蹴り開けられたのはさすがに驚いたがな。」

 

礼を言ってくれた。少し苦笑も混ざってはいたが。

 

「はは、それは素直にごめんなさい。ただ、礼を言うなら仲頴や文和に言ってやってくれ。あいつらに頼まれたからってのが大きいからな。もちろんほっとけなかったってのもあるけどさ。」

「そうか、では今度改めて二人には礼を言っておこう。しかし、嘘を吐くのは感心せんぞ。誰かに言われたからというだけの者の言葉では耳には届いても心には届かぬものじゃからな。」

 

よく人を見てる。本当に賢い子だな。

そう思い、くしゃくしゃと劉協の頭を撫でる。

少し顔をしかめたが、撫で続けると気持ちよさそうに身を委ねてくれた。

 

「それはそうと、せっかく友達になったんだ、そういう堅苦しい話し方はやめにしようぜ。そうだな、一回あだ名で呼んでみようか。俺は流騎だから、んじゃ、きー君とか。」

「し、しかし朕は皇帝じゃし…。」

「ほれほれ〜、言っちゃえって。は〜や〜く〜。」

「うう、き、きー君…。これでいいんじゃろ!恥ずかしすぎる、もう呼ばんぞ!ほれ、さっさと行くぞ!朕…私に食事を振舞うのだろう!?」

 

肩を怒らせずんずんと歩いていく劉協。

よほど照れくさいのか耳まで真っ赤だ。

俺は口元を綻ばせながら小走りで劉協を追いかけた。

 

 

 

「おお、美味いの!こんなに美味いもの初めて食べたぞ!」

 

俺の作った料理を食べ、そう言って笑う劉協の顔は、ほんのり上気し、生気で満ちた、歳相応の少年のものだった。

 

 

 

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玉座の間には皇帝である劉協、相国となった董卓を始め、董卓軍に所属している各将が集まっていた。

主だった将が全員集まったことを確認して、賈駆は話し始めた。

 

「皆に集まってもらったのは他でもない。先日、袁本初が皇帝陛下を傀儡とし、悪政を敷く暴君・董卓を討つべしと、各諸侯に檄文を送っているという情報が入った。しかもそれに呼応し、続々と諸侯達が集まっているらしい。しかし、悪政などという事実が無いことを僕達は知っている!愚かにも、くだらない檄文に踊らされて、集まり始めている連合軍を、このまま見過ごす訳にはいかない!だから、貴方たちの力を一つに集め、連合軍を討つ!!!」

 

その言葉を聴き、各将達はその眼に闘志の火を宿した。

そして、すっと董卓は立ち上がり、静かに語りだす。

 

「皆さん、この様な事態になってしまったのは私の力不足の所為です。私は自分に力が無いことを知っています。それでも、皆さんを始め、多くの人の力を借りて、この洛陽を住み易い街にしてきたという自負はあります。だから、この街を戦場にはしたくありません。

そして、この理不尽な暴力に、退く気も無いのです。これは私の我が侭。でも、もし、皆さんも同じ気持ちなら、一緒に戦ってください。私に戦う力はありませんが、貴方達が人を殺す、そして傷つき殺されることに対する責任は全て私が背負います!ですから、皆さんの力を、命を、貸してください!」

 

しん、と静まり返る一同。

次の瞬間、

 

『うおおおぉぉぉぉぉぉおおおおおお!!!!!!!!!』

 

という咆哮が響き渡った。

皆、董卓の懸命な言葉、表情、仕草に心を打たれ、自然と叫んでいた。

 

後にこの場に居た者達は言う。

その意志を感じさせる声、強き光を放つ眼差し、同時に慈愛の空気を纏ったその姿はまるで天女の様であったと。

 

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Side 静護

 

廊下を広間に向かって歩く。

さっき侍女さんが部屋に来て、皆が広間で待っていると伝えてくれた。

たぶん、袁紹が反董卓連合結成の檄文を各地に送っているらしいから、そのことだと思うけど、改めて何の話なんだろう。

 

そんなことを考えているうちに広間に着いた。

 

「お待たせ。で、全員揃って何の用事なんだ?」

 

広間に入ると、文和が前に出て口を開く。

 

「流騎、今日この時より、貴殿を独立遊軍特殊千人将に任命する!異論はあるか!」

 

独立遊軍?つまり独自の判断で動く遊撃千人隊を率いろってことか?

この大きな戦の前にこの重要そうな役職に就くってことは期待されてるっていう事か。

それなら返事は決まってる。

 

「謹んで、お受けいたします。」

 

膝を着き、拝手をしながらそう返した。

 

「ありがとうございます、流騎さん。それともう一つ、こっちの方が主な理由なんですけど…」

 

前に出てきた仲頴はすうっと息を吸い込むと、

 

「流騎さん、貴方に字、鋼信を与えます。私たちは貴方に鋼の信頼を寄せています。受け取って、貰えますか?」

 

俺に、字?

鋼信、鋼信か。

鋼の信頼、そんなものを俺なんかに寄せてくれてる。

嬉しいな、そう思った途端じわりと何かがこみ上げてきた。

 

「ちょっ、ちょっとあんた、何泣いてるのよ!」

「え?…うわっ、何だこれ!止まらない!」

「にゃははは、何や流騎、泣くほど嬉しかったんかいな。」

「全く子供ですのー。泣き虫なのです。」

「ふふ、それだけ嬉しかったのじゃな、流騎。」

「ほほう、泣くほどか。以外に単純な奴だな。」

「雄姉にだけは言われたくない。」

「何ぃいいいい!!!?」

 

遼姉、陳宮、劉協、雄姉に笑われる。

 

「…………ん。」

「≪なでなで≫あはは、ありがとう恋。…なんて言うかこの世界に来て出会えた人達が皆でよかった。」

 

心からそう思う。

他の人だったら、こんな風に泣いたり笑ったり出来なかったかもしれない。

 

「これから、連合軍との戦いが始まります。流騎さんにとっては初めての大きな戦になるでしょう。もし、あなたがくじけそうになったときは、私たちとの絆を思い出してください。あなたは一人じゃないんですから。」

 

包み込むような穏やかな声と優しい眼差し。

心がぽっと温かくなった。

 

「うん、わかった。よっし!気合入った!俺、絶対仲頴の事護って見せるからな!」

 

ぎゅっと俺は仲頴の手を握る。

 

「へうぅ、りゅ、流騎さん!?」

「≪ガッ≫っ!?いっつ!?何すんだよ!」

「何どさくさに紛れて月の手を握ってるのよ!変なことしたら許さないって言ったでしょ!」

「だからって蹴るなよ!」

「言っても解らないでしょ!」

「解るよ!どんだけ馬鹿だと思われてんだ!?」

「っくく、二人に焼きもち焼くのは大変やなあ、詠。」

「あはは、流騎はもてもてじゃな〜。」

「ちょっと、霞!誰が焼きもちを焼いてるって言うのよ!陛下も勘違いなさらないでください!」

 

だんだん収拾つかなくなってきた。

大戦の直前の雰囲気じゃないよなぁ。

まあ、リラックスできてるって事でいいのかな。

 

この居心地のいい空間を壊したく無い。

きっと護り抜いてみせる。

たとえ、相手がどんな奴でも。

 

 

説明
ちわっす、へたれど素人です。
今回はあまり時間が開かずに投稿できました。
よろしければ読んでやってください。
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コメント
きたさん様  コメントとご指摘ありがとうございます。さっそく訂正させていただきました。(杯に注ぐ清酒と浮かぶ月)
のんぐり様  コメントありがとうございます。私のような者の作品を読んでいただいて、面白いという評価を頂けて嬉しい限りです。これからも楽しんでいただければ嬉しいです。(杯に注ぐ清酒と浮かぶ月)
「その死体は張譲と劉協殿下のもの」って、劉協は生きているんですから、ここは劉弁の間違いではないですか?  まあ実は劉弁は生きていた、ってのはあるのかもしれませんが!(きたさん)
第一話から一気に読ませて頂きました。とてもおもしろかったです。更新頑張って下さい^^(のんぐり)
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