IS 白狐 お別れ |
コンは人の姿に戻り一夏達と散歩していた。そんな時一夏がふとあることを思い出す。 「あ、そういや友達の落としたものってどんなんだ?」
皆も一夏の言葉に「あ!」と声を立てる。
「ああそれね。」
コンは胸元をゴソゴソさせて『青の玉』を取り出す。
「なんだそれ?」
「これは友達が大事にしている『青の玉』だよ。」
「へ〜、きれいだな。触ってもいいか?」
「たぶん無理だよ、人間には。」
「そんなのわかんないじゃない。」
「そうですわ。」
コンの言葉に反発する鈴とセシリア。その言葉に他の皆も頷く。
「じゃあ触ってみる?」
「ええ、やってやろうじゃない。」
そう言って鈴は『青の玉』に触ろうと地被くが・・・
「・・・・・・・え?」
その場にいた者目の前で起こったことに戸惑いを隠せなかった。『青の玉』を取ろうとした鈴が『青の玉』を背にして物を取る姿勢でいるのだから。
「い、一体何が?」
「だから無理だって。」
「もう一度。」
また触ろうとするが同じようになる。
「今度は私が。」
箒も触ろうとするが鈴と同じ目に合う。
「何故だ、何故触れん。」
「いやだから無理なんだって。」
「今度は僕が触ってみるよ。」
シャルロットも触ろうとするが・・・・・やはり同じ。シャルロットに続きセシリア、ラウラ、楯無、山田、千冬もしてみたがやはり鈴の同じ結果になった。
「どうしてですの。」
「だから特別な人間じゃないと触れないんだって。」
「俺も触ってみてもいいか?」
「いいけど多分無理だよ。」
一夏は『青の玉』に手を伸ばす。そして・・・・・・
「あれ、普通に取れるじゃん。」
その光景を見ていた者は驚いた。自分達は触ろうとしても何故か避けられるように玉から遠ざけられていたのだから。理由をコンに聞こうとした瞬間であった。
「コ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん。」
どこからか声がした。皆は辺りを見回すがどこにいるかわからない。そんな時シャルロットが空を見る。
「何あれ。」
そこには金色のとてつもなく大きな3つの玉を持っている竜の姿があった。竜はこちら見向かってくる。一夏達はISを起動しようとするがコンが止める。
「ちょっと待って。」
「どうしてだ。どうみてもあれは・・・・」
「あいつは俺の友達だから。」
その言葉に驚き、何もいえない一夏達。そんな一夏達をよそにコンは竜に話しかける。
「黄ちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん、こっち〜〜〜〜〜〜〜〜〜。」
竜は一夏達の方に近づいて来る。ぶつかると一同は思った瞬間、顔の方から鱗がボロボロと取れていき、スーツを着た男性が立っていた。
「コンちゃん、帰り遅いから心配したよ。」
「いや〜〜〜〜〜、ごめんね。いろいろあってさ。」
「いろいろって・・まいいか。このかたがたは?」
「ここの学園の生徒だよ。で、そこにいる男の子が前に言ってた恩人の子。」
「ああ、君が。ありがとうございます。私、黄竜の黄です。」
「あ、どうも。」
「あ、大事なこと忘れてた。」
「今度は何。」
「君へのお礼の品、まだ渡してなかった。ちょっと待ってて。」
そう言ってコンはどこからか巾着袋を取り出し中に手を突っ込むが・・・・・
「あれ、だいぶ奥に言ってるみたい。」
「手伝うよ。」
「ごめんね。」
「どうなってんだこの中?」
「空間と空間の間をこの中に作ったんだけどどうしても整理してもばらばらになって。」
コンと一夏が探し物をしている間に箒達が黄にあることを問いただす。
「1つ聞いていいか、黄。」
「何でしょう?」
「どうしてあの玉をわざわざここに置いたんだ。」
「え、落としたんじゃないんですか?」
「私もそう思ったがおかしいと思わないか。あんなところのてっぺんに置いてあるかのように置いてあったんだからな。」
「確かにそうですね。どうしてですか?」
「それはコンちゃんのためにやったんです。」
「?どういうことですか?」
「コンちゃんは他の人の仕事も引き受けちゃうやさしい子で、職場の女性からも結構もてているんですけど・・・」
「「「「「「「「けど?」」」」」」」」
「鈍感なんです。超が付くほど。」
「「「「「「「「あ〜。」」」」」」」」
「で、女子から心配もいされてるんです。働きすぎて倒れるんじゃないんかって。それでここに『青の玉』を置いたんです。」
「なるほど。だが他の方法があったんじゃないんですか?」
「親友を大事にするところを利用する意外思いつかなかったんです。あの人に釣合う人はここにしかいないって皆言ってたんで。」
「まあそれなら仕方ないでしょう。今回だけは許します。」
「ありがとうございます。」
「もう1つ聞いいですか。」
「どうしてその『青の玉』は一夏が触れて私達が触れないんですか?」
「それはあの子が表裏ない子からですよ。あれは悪い人間とか心の弱い人間が悪用しないように玉自体が拒絶するようになってるんです。」
「で、一夏君は誰にも心優しく、強い子だから触れるんです。」
全員が納得したし瞬間、コンが「あった。」と大きな声で言う。
「見つかったコンちゃん。」
「うん。はい、一夏君。これもらって。」
コンが一夏に渡したのは鞘に入った包丁であった。
「これは?」
「白包丁。食材の味を君はそのまま活かしそうだから。」
「あ、ありがとう。もらっとくな。」
「うん。」
「コンちゃん、そろそろ。」
「あ、ちょっと待って。最後の仕上げがまだあった。」
「「「「「「「「「「最後の仕上げ?」」」」」」」」」」
そう言ってコンは半妖の姿になる。その姿は狐耳に9本の白い尻尾のある姿であった。
「狐妖式狐舞・総回妖復」
コンは両手に扇子を持って舞う。その姿に一同は見惚れた。
扇子から出た光は学園全体をめぐりる。生徒達は疲れて就寝しているが、疲れはどこかへ吹っ飛んでいく。それは箒達も感じていた。
そしてコンは舞を終えた。
「今のは?」
「狐妖式狐舞・総回妖復、妖力を使った癒しの舞だよ。なんかマッサージての皆求めてる顔してたから。」
「それじゃあね、一夏君。またいつか縁があったらね。」
「コッコ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン」
「ガオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ」
コンと黄は空に上っていった。
後日、一夏はコンからもらった白包丁で8人に弁当を作った。食材の味を活かしていたのでとてもおいしかったそうだ。
END
説明 | ||
散歩している一夏達とコン。そこへ大きな龍が・・・・ 物語完結 |
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