魔法少女リリカルなのはmemories 第四章 覚醒する末裔の記憶(メモリー) 第四十五話
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 ドアの先を歩いて行くと薄暗い道が続いており、周りの岩の壁は湿度によってか湿っていた。

 アリスの魔法で周りを灯し、地面にできてる水たまりを踏んだりして出る音や、天井から水滴が垂れ落ちて地面に当たる音が聞こえ、少しは肌寒いと思いながらも進んでいくのだった。

 そしてドアを開けてから十分ぐらい歩いて行くと、突然広い場所に出てくるのだった。

 

「どうやら着いたみたいね」

 

 アリスは歩いて目の前にあった台に、先ほどから灯していた魔法をそこに注ぎ入れるかのようにするのだった。

 すると周りが突然と明るくなり、中央に紋章みたいなのが地面に掘られている感じなのがあるのだった。

 

「さて、のんびりとしている暇はないから、さっさと始めるわよ。今回デュナとリィナは私のやっている姿を見ているだけでいいから、他の場所ではあなた達がしっかりやるのよ」

「分かってるよ。リィナも良いよね?」

「うん、今日のを見てしっかりとやり方を覚えないとね」

 

 シルフィア姉妹の二人は言われなくても分かってると言い、大丈夫だとアリスに伝えるのだった。

 

「二人とも大丈夫そうね。それじゃあなのはさん、あの紋章みたいな所の中央に行ってもらえるかしら? あ、その前にバリアジャケットに着替えてもらえる?」

「あ、はい。分かりました」

 

 なのははアリスに言われた通りにレイジングハートを起動し、バリアジャケットに着替え、それから紋章みたいに刻まれている所へ移動し、二つの台みたいなのがある紋章のみたいに刻まれている中央付近に立つのだった。

 

「あ、そうそう。エクスティアとカリべリティア……今は何て呼ぶのかしら?」

「レイジングハートとテュディアです」

「そうそう、それでレイジングハートとテュディアを、目の前にある二つの台にある窪みみたいなところに入れてくれるかしら?」

「どっちにどれを置けばいいのですか?」

「エクスティア、レイジングハートを左に、カルベリティア、テュディアを右に置いて。そうすれば準備が終わるから」

 

 なのはは頷き、アリスに言われた通りにレイジングハートを左に、テュディアを右にある台の窪みに入れるのだった。

 

「準備できました」

「そう。それじゃあ、始めるわよ」

 

 準備が整うと、アリスはある言葉を唱え始めるのだった。

 

「我がシルヴェルンの末裔、アリス・シルヴェルンより告げる。禁断なる力の一つ、『聖王の騎士甲冑』を今ここに求む。聖王の末裔へとシルヴェルンの立会いの下受け継げよ。彼女は、世界を変えるほどの意志を持ち、その意志は揺るぎないとアリス・シルヴェルンがここに誓う!!」

 

 突然地面に刻まれていた紋章みたいなのが光をともしだし、なのははその中心で体を動かさずに唯立っていた。

 そして尚もアリスの言葉は続く。

 

「掟に従い、そのすべてに誓う!! 今こそその力を解き放ち時、聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトが封印した力を今こそ解き放て!!」

 

 刹那、ジュエルシードとテュディアが光りだして、さらに光っていた紋章の光は強まり、なのはの姿をシルフィア姉妹からは見えなくなってしまった。

 そして、光の中に包まれているなのはは何かを感じ取っていた。

 

 ――感じる。私の中から心地よい何かが体中に回っていく。なんか、懐かしい感じ。

 

 心地よく、まるで母親のような温かさが感じるのだった。

 そしてなのはの来ていたバリアジャケットに異変が起こり始めるのだった。バリアジャケットが突如変化し始め、騎士甲冑に変化し始めていくのだった。

 変化が終わると、なのはを隠していた光が消えていき、アリスやシルフィア姉妹からなのはの姿を見ることができた。

 だが、その時に見たなのはの衣装は先ほどと全く変わっているのだった。

 

「そ、その姿は一体?」

「あれは、聖王オリヴィエ様が使っていた騎士甲冑。聖王オリヴィエ様が子孫のために残しておいたものの一つよ」

 

 なのはの姿が先ほどと着ているものが全く変わっていることにリィナは驚き、アリスがどうして騎士甲冑を聞いているのかという理由を言い始めるのだった。

 

「力が封印されている所にはね、聖王オリヴィエ様が使っていた武器や騎士甲冑などが封印されてるの。この場所には騎士甲冑、第45管理外世界には聖王オリヴィエ自身が恐れたと言われ、一度しか使ったことがない剣、ティルヴィングが。そして第97管理外世界、聖王オリヴィエ様の子孫が密かに暮らしていくために、暮らすことになった世界には聖王オリヴィエが子孫に強力な魔力が生まれながらに使えないように封印した魔力結晶、グレイプニルがそれぞれ封印されてるの」

「それじゃあ、あとはそのティルヴィングとグレイプニルを手にするために向かう事になるのですか?」

「その通りよ。だがなのはさんにはその力を使うのだから相当の覚悟が必要だけどね。まぁ、聖王オリヴィエから了承貰ってるからここに居るのだろうと思うけどね」

「私の覚悟は変わりません。私が望んだことですから」

「そう、ならいいわ」

 

 なのはの覚悟をここで一度聞いてわかると、アリスは『さて、』と言って話を変えるのだった。

 

「そろそろ戻りましょうか? ちなみにレイジングハートを待機状態にすれば元の姿に戻れるから。また次からでも今まで使っていたバリアジャケットも使えて、騎士甲冑の姿はテュディアを使ってもその姿にはなれると思うわ」

「分かりました」

「それと、私はあなたたちの仲間よ。リィナが今までどうしていたかなんて、デュナから聞かなくても大体わかるわよ。聖王の子孫の居場所が分かっていたぐらいなんだから」

「え!? 知っていたのお母さん!?」

「当然よ。デュナには言わなかったけどね」

 

 その言葉を聞いてデュナは驚いていた。そう、デュナは母親であるアリスにリィナがどうなっていることは伏せていたのだが、実はとっくに知っていたのである。アリスももちろんリィナを救う方法を探していたが、今リィナがここに居ることは助けられたという事で、だから先ほどリィナと再会した時に驚いていたのだ。もちろん突然帰ってきたデュナも見て驚いていたが。

 

「さて、二人を待たせている事だから、そろそろ戻りましょうか」

 

 アリスの言葉に全員が頷き、なのはは元の私服姿に戻り、それから全員でフィルノとアリシアがいる所へと戻るのだった。

説明
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。

二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。

それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。



魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。
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