魔法少女リリカルなのはmemories 第四章 覚醒する末裔の記憶(メモリー) 第五十話 |
「あ、いたいた」
なのはは月村家から後にして、シルフィア姉妹と待ち合わせをしていた場所へと移動して海鳴臨海公園といた。
待ち合わせの時間まではちょうどよく、本当ならもう少し遅れる可能性が高かったので、アリサが月村家にいた事にはありがたかった。
そして海鳴臨海公園でシルフィア姉妹の他にフィルノとアリシアの二人もおり、どうして今回は二人も来たのかと疑問に思った。
「あれ、フィルノ君とアリシアちゃんもなんでいるの?」
「俺とアリシアも最初は別々に行動しようと思っていたのだが、一度なのはと合流してからにしようと思ってな。これと言って意味はないのだけどな」
「そっか。それで、場所はどこなの?」
「ここから離れた場所にある山の祠よ。表面上は何かを祀っているのだけど、その地下には秘密の隠しドアがあるの」
「分かった。とりあえず案内してくれる?」
それに頷いたデュナはなのはと一緒に最後の一つである魔力結晶、グレイプニルを手に入れるために移動し、フィルノとアリシアは管理局が動かないかと別行動を取るのだった。
目的の場所はデュナが言った通りかなり町から離れたところにあり、歩いて行くとかなり時間が掛かる場所だった。集合した場所が海鳴臨海公園だったというのもあり、余計に遠くなってしまったのである。
結局歩くわけにもいかず、なのは達はタクシーで近くまで移動するのだった。
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「それで、数時間前から誰かが第97管理外世界に居るというのは本当なのか?」
「数時間くらい前に第97管理外世界、しかもはやて司令が生まれ故郷でもある海鳴市内に転移魔法の魔力反応がありまして。そして先ほど、さらに魔力反応が複数見つけましたので」
その頃、ヴォルフラム内にある管制室にてはやては魔力反応が海鳴市内であったという事を聞いた。
あの後、なのは達が戻ってくる可能性があると思って海鳴市内を中心に魔力反応があるかもしれないという理由で、調べていたのである。管理外世界であるので魔力反応があれば疑問に思えるし、先ほどさらに魔力反応を感知したとなると何か嫌な予感がすると思っていたのである。
もし、最初の魔力反応がなのはであり、家族やアリサなどに挨拶していたのかもしれないとはやては思った。突然研究所の破壊がなくなり、そのかわりに何かを集めているようにも思えてきた。そして最初の魔力反応がなのはで親とアリサに挨拶したと仮定すると、何かとんでもないことを起こそうとしているかもしれないとはやては思ってしまった。
「……念のため、警戒態勢を全員とっておいてや。まだ敵なのか分かっていないが、もしかしたら向こうは何かをしようとしているかもしれないからな」
「りょうか……っ!? 第97管理外世界の海上にて魔力反応っ!? これは、フィルノ・オルデルタとアリシア・テスタロッサと名乗った二人です!!」
はやての言葉に命令された艦船内の一人が了解と言おうとしていると、突然魔力反応が海鳴市付近の海上にて探知したのである。
「すぐにシグナム三等空佐、ヴィータ一等空尉の二人を現場に向かわせるんや!! 今度こそ、向こうの思うつぼにはさせるな!!」
『了解!!』
それぞれが自分の行動へと移動し、シグナムとヴィータの二人はすぐにフィルノが居る場所へと向かわせた。
だが、立った二人だけでは足りない可能性が高いと思ったフェイトはすぐにはやてに話しかける。
「はやて、たった二人では勝てる可能性が低いのでは? アリシアは私でも勝てなかった相手なんだよ?」
「分かってる。けど、あの二人に戦力をすべて使わせるわけにもいかんのや。向こうはまだ、なのはちゃんやシルフィア姉妹の二人を出していない」
「……もしかして、あの二人は囮っ!?」
「その可能性もあるし、隠れているという可能性もある。だから二人だけにさせたんや。もし囮だった場合は怪我がだいぶ回復したフェイトちゃんにも動いてもらうかもしれんから待機しておいてな」
「分かった。怪我と言ってももうほとんど治っているのだけどね」
そう言ってフェイトははやてから離れ、いつでも出れる準備をするだった。
「それにしても、一体何をしようとしているんや……」
はやてはフェイトが居なくなってからそう呟くのだった――
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「やはり来たか……」
フィルノはヴィータとシグナムの二人の姿を見て、そう呟いた。
「ま、今回の私たちは囮役なんだけどね」
「そうだが、俺たちがこうやって戦っていないと向こうもなのは達の行動に気づかれる可能性があるからな」
苦笑いをしながらもフィルノに言いい、フィルノはその言葉に真面目に答えた。
そんな会話をしているとヴィータとシグナムの二人が二人の近くまでやってきた。
「さて、いい加減追いかけてくるのはやめてほしいのだが」
「それは出来ないのは分かっているだろ? テメェ達がやっている事は犯罪なんだからな!!」
ヴィータはフィルノの言葉を切り捨てて言う。
「確かに、管理局側から見ればそうだね。だけど、私たちだって好きでこんなことをやっているわけでないのは分かって欲しいのだけど」
「それなら事情を聞きたいのだが、そうさせてくれないだろう?」
「まぁ、その通りだけどね」
アリシアは管理局に事情なんか話せたらこんなことをする必要はないと間接的にシグナム言う。シグナムやヴィータもそれくらいは分かっているだろうが、管理局として逮捕しないといかないのは変わりなかった。
「それで、他のメンバーはどうしたんだよ?」
「それを教えるか? 知りたいなら俺たちを倒してから聞くのだな」
「上等!! ぶっ倒して居場所を聞いてやる!!」
ヴィータの言葉を合図に四人はそれぞれ動き出すのだった。
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「そろそろ、フィルノ君とアリシアちゃんもはやてちゃん達とぶつかったかな?」
山奥にある祠の前でなのははそう呟いた。
海側からフィルノとアリシア以外の魔力反応が感じられたので、なのははそう思ったのである。
「多分、そうだと思うよ。でも、向こうは囮でこちらにはまだ気づいていないようだけどね」
「そのようだね。さっさとやることを終わらせようか」
なのはとシルフィア姉妹の三人は祠のましたある隠し扉を開きその中へと一人ずつ入っていくのだった。
中に入ると洞窟みたいになっており、天井からは水滴が所々で落ちてきていた。
その中を奥へと進んで行くとまたしても扉が見えてきて、その扉はシルフィア家の家にもあったような扉であった。
「じゃあ、今回は私がやるね」
そう言ってリィナはなのはと一緒に扉に手を付けて、魔力を注いでいきました。
すると扉の鍵がすべて外れ扉を押すとさらに奥に続き、なのはとシルフィア姉妹はさらに進んで行くのだった。
そして進んだ先に広間に出てきて、今までの二つと同じよう形と紋章みたいなものが見えてきた。
「それじゃあ、今回は急ぐよ。急がないともしかしたらフィルノ君とアリシアちゃんがやられるかもしれないから」
「そうですね、急ぎましょ。リィナはお母さんと私がやったようにやれるよね?」
「うん、一応見ていたから大丈夫だよ」
今回はリィナが担当するので、リィナはアリスとデュナがやったように立ち位置に着くのだった。
そしてなのはもいつも通り中央に立ち、そしていつも通りにレイジングハートとテュディアを台の上にそれぞれ置くのだった。
準備がで来たなのははリィナに一度顔を振り向いて頷き、リィナはそれが準備が終わった合図だと分かったリィナはすぐに唱え始めるのだった。
「我がシルヴェルンの末裔、リィナ・シルヴェルンより告げる。禁断なる魔力を封印している足枷、『グレイプニル』を今ここに解き放たん。聖王の末裔へとシルヴェルンの立会いの下、ゼーゲブレヒト家の魔力を受け継げよ。彼女は、世界を変えるほどの意志を持ち、その意志は揺るぎないとリィナ・シルヴェルンがここに誓う!!」
刹那、鎖みたいなものが切れるような音が洞窟内に響き渡り、そのすぐになのはの胸辺りに向けてなんらかの光が放たれた。
しかし、今までの光と違い、なのはを包み込むような感じではなくてなのはの体に取り込むような感じの光だった。
「ぐっ、あ、あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!?」
「い、一体何が起こってるの!?」
突然のなのはの悲鳴にシルフィア姉妹の二人は驚き、一体何が起こっているのか二人ですら分かっていなかった。
そして、一瞬にして洞窟内を包み込み、その後すぐに爆発が起こるのだった――
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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