幽霊のお仕事 |
コンニャクを踏んだんだ。
あの灰色のあれ。
汁物に入れるとおいしいんだよな。おでんもいいな。
すまない、話がずれた。
まあ、あれだ、ポイ捨てはよくないって事だ、俺が言いたいのは。
特に食い物のカスだ、虫が寄るし、見て気持ちいいものでもない。
食い物でも特にコンニャクだ、灰色だからアスファルトとパッと見だと見分けがつかないし、山芋が材料だからすべる、だから絶対に捨てちゃあかん。
もう俺が何を言いたいのか、分かるだろ。
・・・なに、分からない?ヒントよこせだと。
しょうがないなぁ、ではこちらをお読みいただこう。
〜5分ぐらい前〜
「ハァッハァッハァッ」 タッタッタッタ・・・
さて、こちらの息を切らしながら走っているのは、顔が『中の中』で、頭も『良いとも悪いとも言えない』で、運動神経『万年2〜4位だろ』の俺、『葉華野台表』だ、って名前ぐらいしっかり言わせ・・・さっきから『』入れてくるの誰だ・・・(ブルッ)ま、まあ改めて名前を言わせてもらうと、葉野ひろし。高校1年生だ。
何故走っているかって?理由は実にシンプル、時間が無いからだ。
さっき言った通り俺は高校1年生なのだが、それは今日からで、しかも入学式は9時開始で、さらに起きたのが8時40分だから、そしてこの時8時48分。走って学校まで最短で約15分だからまだ間に合う可能性があった、この時までは。
さあ、角を曲がって少し車の通りが多い十字路をいったん止まって渡ろうとした、でも足元に、そう!コンニャクがあったのだ。
・・・ああすまない答えを言ったようなものかもう。
では戻ろうとしよう。
〜終了〜
鉄の壁が目の前にあった・・・気がした、でももう何も見えない、聞こえない、動かない、でもこれだけはしっかりと感じる事ができた、自分の心臓がゆっくりと、なっていく、ことが。
3 (・・・)
2 「・・・」
1――――――――
「午前8時53分、死亡確認。これより案内を開始します。」
何も見えないはずだった、でも目を開けることができた。
「・・・あれ?」
俺、死んだんじゃ―――
下を見た、真っ赤だった、その赤は少し黒っぽくて、不思議と温かく感じられた。
左を見た、塀にワゴン車がめり込んでいた。
右を見た、人垣が出来ていて、ある女性は顔を覆って苦しそうな顔をしていて、ある男性はあせった表情をして電話をどこかへと掛けていた。
後ろを見た―――「へ?」
肉があった、サッカーボールくらいの。黒い糸がたくさんついていた、そこで俺は分かった、気づいた・・・それは俺の頭だったものだって。
いや、そんなはずは無い。恐る恐るというか、手が自然と自分の(後ろじゃないほうの)頭を触っていた。ある、じゃあこれは?
手を伸ばして触ろうとしたが触れられなかった、手がすり抜けた、まるで霧に手を伸ばしたようだった。
なんだ、これは。もう一回触ろうとした。触れなかった。
俺は混乱した。何故、どうして、まさか―――
「これは「幽霊」。ッ!?」
前を見た、人のシルエットをした闇があった。いや、よく見ると口元が見え、真っ黒なローブを着ていて、フードを目深くかぶっていることがわかる。
「誰?」
「死神です」
「何故ここに?」
「・・・本当かどうか聞かないんですか?」
「なんか嘘には聞こえないから」
「そう・・・ですか」
へこんだ?
「ああ、そうですね、質問に答えてませんでしたね。私はあなたを案内するためにあの世から来ました。」
「あn「まとめて説明させてもらいます。」、はい・・・」
ん?このタイミングの感じ・・・
「さっきどこかにいた?」
「ええ、あなたの死ぬところを観賞させてもらいました」
「観賞って・・・「プッ///」笑うなよ!」
「だって、コンニャクってプクク、バナナはベタだからがんばってみましたって?人生最後の労力をどこにつかってるのって話だよ・・・ははははは!」
「ひ、ひでえ」
「あははは、ごめんごめん。っと、コホン、えーそれでは説明をする前に、移動したほうがよさそうですね」
周りに意識を向けるとさっきの男性が呼んでくれたのだろうか、救急車の音が聞こえる。
「そうだな」
おそらくこれで最初で最後だろうな自分の体をこうやって眺めるのは。
「さよなら」
俺は血の池に伏した自分の体に別れを告げた。
初投稿になります、下駄を脱いだ猫です。
TINAMIには結構前に登録していたんですけど、読む専になって自分なりにTINAMIライフをフィーバーしていました。
書き物は全くのド素人なのでアドバイスなどの方、出来ればよろしくお願いします。
それでは。
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ド素人で初投稿がオリジナルで思いつきで書くいうのは無謀でしょうか・・・ | ||
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