IS《インフィニット・ストラトス》  駆け抜ける光 番外短編 エリスの想い
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 私は特に何かができるというわけではない。オーストラリアにいた頃は、普通の女の子だったし友達も普通にいた。そんな平和な日々を暮らしていたのに――それは崩れた。

 

IS――インフィニット・ストラトスという兵器が誕生してからは世界は――私の生活は変わった。

 

ISを動かせるのはなぜか女性しかできないということで世界中が「女尊男卑」になるのはすぐの話だった。私が小学5年生ぐらいにISが誕生して、何ヶ月後には男友達は女子から――私からも関わろうとはしなくなった。男友達に好きな子がいたわけではないが、やっぱり友達が少なくなるのは悲しかった。

 

 しかし、そんな世界になっても母はいつものように私も父も好きでいてくれた。母はISを誇りに思っているけど、だからと言って男性に高圧的な態度を取ることはなかった。

 

「ISは凄いと思う。でもISを使わなかったら男性と何も変わらない普通の人間よ」

 

 母はいつでも自分を見失わずに自分の考えを貫いていた。それがどんなに周りに反対されようと……。

 

 ISが誕生してからはISの授業が急遽行われ、まぁ量が多かったけど基本的な事を勉強したよ。IS学園でやってる授業に比べれば簡単だったと思う。小学生だった私にはチンプンカンプンだったけど、なんとか、ね。

 

 中学3年生の進路で私はIS学園を選んだ。正確には私の意見ではなく両親が決めたことだ。中学の頃の成績も上の中ぐらいで合格はほぼ大丈夫だった。

 

 私自身、ISはあまり好きじゃない。友達も失い、世界もおかしくなって、ISには関わりたくなかったのに――。

 

 始めはIS学園に行くことに反対した。でも両親は私に楽しんでほしいからIS学園に行って欲しいのだと言う。

 

「IS学園はいろんな国の人たちが集まる場所よ。ISの授業も大切なんでしょうけど、たくさんの人との思い出を作るのもいいことなのよ」

「お前のいいところはその明るい性格で他の人と繋がりが出来ることだ。今更だが、無理にとはいかない。考えてくれ」

 

 私は両親のその言葉に泣きそうになった。確かに私はいろんな人と出会ってみたい。そしてその繋がりを大切にしたいんだ。

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 私はIS学園に入学することに決め、無事に入学することが出来た。

 

 私は一年四組の一員として頑張っていくことになった。周りが女子ばかりだからかすぐに打ち解けることが出来た。でもそんなクラスの中にも一人、異質なのがいた。

 

 更識簪(さらしき かんざし)。入学当時は知らなかったが、あの生徒会長――更識盾無の妹でもあった。日本の代表候補生でもあり、専用機持ちなんだけど……まだ未完成のISなんだ。

 

 原因は一夏くんのIS――白式と簪のISは作っている会社が同じで白式の完成やデータ収集を優先にして簪のISはほっておかれているのだ。

 

 そんな中、簪は一人でISを作ると決めたらしい。私はそれに協力しようと話を持ちかけていたけど一人で作ると言って話を聞いてくれないのである。

 

 何がいけないのだろうかと考えた時に、やはり彼女と正面から話してみることにした。そして和解することに成功して友達となった。

 

 私が担当しているのはISのOSである。これがまた難しく、部活の整備科に入って勉強しながら日々、作っている。難しいけど、友達の助けになれると思ったらとても楽しいものである。

 

 そして始めてクラス外で友達が出来た。名前は凰鈴音。二組の転校生で中国の代表候補生だと言う。もちろん、専用機持ちで実力は相当なものだ。よく四組に来ていたから話してみると面白い子ですぐに仲良くなった。

 

 クラス対抗での事件の後に鈴が心配で、すぐに声を掛けたが「あの乱入したIS、光輝が居なかったらやられてたわ」と言っていた。観客席からは乱入しISが現れたと同時にシャッターが下ろされ様子を見ることは出来なかった。でも少しだけ見たそのISを忘れることはない。なにせ血のように真っ赤なISだったからだ。

 

 そして、その日の夜に私はIS「ZZガンダム」を手にしたんだ。

 

 ZZガンダムのスペックは従来のISを軽く超えており、特にビーム系の出力が高過ぎてリミッターを掛けるのに苦労したよ。特にハイメガキャノンなんて……試技で何回アリーナのシールドも壊しそうになったか……。

 

 でも良いこともあった。νガンダムの保持者である織斑光輝くんと友達になれた。男の娘としても噂があった光輝くんのことは前々から知っていたが話すことはなかったね。

 

 彼と関わっていくうちに私は彼に――恋をし始めた。今までそんなことをしたこともないので戸惑いが隠せなかったが鈴のおかげで気持ちの整理がつき、自分にも正直になれた。

 

 セシリア、後にラウラも光輝くんが好きでいわゆる恋敵がいたのだ。何回も彼にアプローチするがスル―されてしまう。それは単に彼がそう言うことに鈍感なのだ。鈴も「一夏も昔から鈍感なのよね……光輝も人のなら分かるんだけど自分の事になったら鈍感なのよ。ホントに馬鹿兄弟なんだから」と言っていた。でもなんだかんだで一夏くんのことは好きなのである。鈴はツンデレだよねwww

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 そして臨海学校で私は感じるようになってしまった。それはクラス対抗で現れたISの発展型であるナイチンゲールの出現時に起こった。モニターであれを見ていたら嫌な感じがした。何て言えばいいのか分からないけど……今まで感じたことのない負の渦? を感じたんだ。

 

 その予感は当たり光輝くんはナイチンゲールに負けてしまった。間一髪のところで光輝くんを助けることはできたけど、やはりあのISは……気持ち悪かった。

 

 ラウラが福音を発見したということで光輝くんと一夏くん以外の私たちで福音の暴走を止めることにした。先生にも黙って出撃するのは相当な罰則が与えられるが今の私たちはそんなことを気にしてはいなかった。それにZZも篠ノ之博士のおかげでフルアーマーユニットをダウンロードしてもらったおかげでパワーアップすることが出来た。しかし、なぜ博士はそんなことをしたのだろうか? 未だにそれは分からないまま……。

 

 話がそれちゃいました♪ まぁ何回もそれちゃったけどね。

 

 そして私たち6人は福音と対峙し戦闘を始めた。なんとか協力して福音の両翼を切断し、墜とすことに成功した。でもそれで終わりじゃなかった……。

 

 また嫌な感じがして福音が墜ちていった場所にハイパーメガカノンを放ったけど――遅かった。福音は二次移行を果たし、異常に戦闘能力が上がった福音に為すすべなどなかった……。それ以前に私は福音から発せられる異様な感覚に怖くなって動くことすらできなかった。目の前で仲間が――友達が次々と倒れていく中で私は脅えていた。私も僅かな抵抗も出来ずに福音にやられ気絶していた。

 

 次に意識が回復した時は驚いた。だって光輝くんがいるんだもの。彼はちゃんと心が回復したと思うとつい嬉しくなってしまう。でもすぐにそれ以上の負の感覚が私を襲った。全てを消し去ってしまうかのような闇のような感覚――ナイチンゲールの時とは違う負の感覚。

 

 怖い……怖い……怖い! なんで私はこうなっちゃたの!? 今までこんな事無かったのに……! こんなの嫌だ……。

 

 そう思っていた矢先、福音に挑む光を感じた。何かを護ろうとする強い意志。重傷を負っていた一夏くんが――二次移行を果たした白式を纏って福音と戦っていた。それを見た光輝くんは援護しに行こうとする。でも彼の身体は前の戦闘でボロボロになっていたのを私は感じていた。でも彼はそんな素振りを全く見せず、ましてや私を励まして一夏くんの元に向かっていった。

 

 一夏くん、箒、光輝くんの活躍で福音を倒したのを見届けていたら、背後にあの赤いIS――ナイチンゲール――赤い彗星のシャアがいた。

 

 足が竦んだ私は後ろを向くのがやっとでもう戦うことなんてできなかった。このISからいろんな人の断末魔が聞こえて、それを感じながら私は殺されてしまうのかと思った。でもシャアさんは私に何度か会話をするだけで攻撃はしてこなかった。

 

 光輝くんが駆けつけてくれた時には私は逃げたい気持ちでいっぱいで彼の足にしがみ付いた。でも彼はシャアさんと話したいと言って戦わなかった。彼は闇に陥られた際に、闇を受け入れることを知った。それを受け入れて始めて人と分かり合えるということも……。

 

 ――でもそれを受け入れるのは一人では無理だけど、仲間がいるから僕は、少しずつでもそれを受けいれる。

 

 彼のその勇気が凄かった。私もその部分を受け入れる! 一気には無理だけど少しずつ、少しずつなら私も受け入れる……! 

 

 そして人の可能性を信じないシャアさんに私たち全員の想いをぶつけた。人の心の光は人と人を繋ぐ絆。それを紡いでいけば――。

 

 その私たちの想いが伝わったのか光輝くんのISは二次移行を果たし、シャアさんは私たちを見守ると言って消えていった……。

 

 私は未だに闇は怖い。今みたいに全てを否定しているわけでもない。まだまだ時間はかかるけど、ちゃんと受け入れて私も光輝くんのように光を伝えれたら――そして必ず光輝くんに私の想いを伝えれるようにこれからも頑張ると誓ったんだ!

 

説明
番外第二弾です。今回はエリスについてです。彼女の今まで歩んだ道をみていきましょう。

番外 光輝編
http://www.tinami.com/view/439059
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タグ
エリスの歩み インフィニット・ストラトス 

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