いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した
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 第五十二話 どSなおませさん!

 

 

 「君達の処罰だが、かなり厳しいものになる。懲役や実刑は免れない。それだけは覚悟していてくれ」

 

 コアを吹き飛ばした後、八神はやてを保護しながら守護騎士達にアースラへと任意同行を願った。

 騎士達ははやての保護を条件にアースラへ素直に連行された。

 シャマルとユーノの二人掛かりではやての回復を促してもらいながら僕は騎士達の処遇を話した。

 

 「そんなっ!どうにかならないのクロノ君!」

 

 なのはが僕の言葉に意見を言ってきたがそれをシグナム達がそれを押しとどめる。

 

 「…いいんだ、高町。私達がしでかしたことはそれだけのことだと理解している」

 

 「そうだ、な。ただ、それが主はやてのこの後を考えると…」

 

 「そうだな。私達は闇の書の呪いで出来ているから…。…はやてを残して、私達は消えて…」

 

 守護騎士達の顔に悲しみの色に染まるがリインフォースがそれを否定する。

 

 「いや、お前達は消えない。…消えるのは私だけだ。だが、その前に『傷だらけの獅子』に会わせてくれないか」

 

 

 

 「まったく、あなたは本当に頭が悪い子ね」

 

 リインフォースが暴走体のコアを吹き飛ばした後、アースラの医療室に寝かされていた。

 …知らない天井だ。なんてことはなく前にもお世話になった寝台だけどね。

 俺のお見舞いに来てくれたのはテスタロッサ一家の皆さんである。

 

 「お母さん。あんまりお兄ちゃんを苛めないで。上手くいったからいいじゃない」

 

 「そ、それでもアリシア。アリシアも失敗したらコアに取り込まれていたのかもしれないのにあんなことをするなんて」

 

 「大丈夫だよフェイト。だって、私のお兄ちゃんだからだもん」

 

 理由になっていないぞ、アリシア。

 ちなみにアリシアは『傷だらけの獅子』が成長したお蔭で、マグナモードを使っても彼女の方は激痛に悩まされることは無くなった。

 俺は未だに激痛を感じる上にスタミナの消費も激しいのに。

 …なんかずるい。

 

 「しかもガンレオンの体中からスフィアのエネルギーを全開放。それをすれば確かに防げるとはいえ、長く持つわけがないのに。おかげでガンレオンの関節部分・表面部分の被害は甚大よ」

 

 肉体疲労も半端ないです。

 成長した『傷だらけの獅子』を使ってマグナモードを使った後、全身を駆け巡る筋肉痛の波に襲われた俺は直立不動の状態でベッドに寝かされた。

 その筋肉痛は酷いもので。少しでも何かに触れるとビクビクと動いて過敏に感じるのだ。

 そんな俺の上に覆いかぶさるかのようにアリシアが布団の上にいる。

 動くなよアリシア。動いたら布団と肌が擦れて痛いんだ。

 

 「まあ、これはあの勝手なことをした罰よ」

 

 ペチンッ。

 

 と、プレシアが俺のおでこを手のひらで軽くはたく。が、今の俺は過敏になっているので≪軽くはたく≫。というこの行為は俺の頭蓋に響く一撃に変化する。

 

 「ふ、ぅ、ぬうううううおおおおおぅ」

 

 「…タ、タカシ。大丈夫?」

 

 ナデナデ。

 

 フェイトが悶絶する俺を心配してか、プレシアが叩いたところを優しく撫でる。

 バルディッシュを振るい、肉刺だらけになった手で撫でられた。少しごつごつしていたけど少し冷たくて、気持ちいい…。

 いや、なんだかすごく気持ちいいぞ!

 

 「ふ、ふぅおおおおおお」

 

 「た、タカシ?」

 

 思わず零れた快感の息を見てフェイトが手を遠ざけた。

 …あ、天使の手当てが遠ざかった。

 

 「タカ。反省しているの」

 

 ペチンッ。

 

 「ふ、ぅ、うううううおおおおおぅ」

 

 再び激痛がぁあああああ。

 

 「お兄ちゃん。大丈夫?」

 

 なでなで。

 

 フェイトとは違いぷにぷにの手で俺の額を撫でてくるアリシア。

 少ししっとりしていて暖かい手で撫でられる。こ、これも、これで気持ちいい。

 フェイトのナデナデにマッサージ効果があるとしたら、アリシアのなでなでには湯船につかった時のリラックス効果がある。

 

 「ふうああああああ」

 

 「お兄ちゃん。気持ちよさそう♪」

 

 俺はアリシアに頭を撫でられると体中にたまった疲れを吐き出すかのようなため息をこぼす。

 アリシアは俺の様子を見て嬉しそうに表情を和らげた。

 

 「タカ」

 

 ペチンッ。

 

 「ふ、ぬぅおおおおおお」(ダメージ)

 

 「た、タカシ?」

 

 ナデナデ。

 

 「ふ、ふぅおおおおおお」(癒され中)

 

 「タカ」

 

 ペチンッ。

 

 「ふ、ぬぅおおおおおお」(ダメージ)

 

 「お兄ちゃん」

 

 なでなで。

 

 「ふ、ふぅおおおおおお」(癒され中)

 

 以下エンドレス。

 

 

 辞めて、辞めて。

 痛みの感情と癒しの感情が交互に入り混じって変な感覚になってきた。

 お願いプレシア様もう叩かないで!

 あなたが叩くとあなたの娘達が俺に気を使って叩いたところを撫でてくるの。それがとてもとても気持ちいいの!

 痛いと思った次の瞬間に気持ち良くなるの!まるで、まるで次に叩かれるのを待ち望みそうになるの!

 …お、俺。これが続いたら俺ぇえええええっ。

 

 

 

 痛みと癒しが螺旋を描いて入り混じる。

 その螺旋はドリルとなって俺の((どM|禁忌))の壁をぶち破る。

 

 被・虐・思・考!『どMの獅子』!ここに覚醒!

 

 

 

 嫌・すぎ・る!

 

 「いやぁああ、もうやめてぇえええ!俺の体に触らないでぇえええ!」

 

 「何言ってるの。まだ話は終わっていないわよ」

 

 ペチンッ。

 

 「ふぅあああああああっ」(ダメージ)

 

 「お兄ちゃんの体ビクビクいっているね。おもしろーい♪ほーら、つんつん♪」

 

 つんつん♪

 

 「あっあっあっ」(ダメージ?癒し?)

 

 「駄目だよアリシア。タカシは疲れているんだから優しくしないと…」

 

 なでなで。

 

 「らめぇええええええ、気持ち良すぎるのぉおおおお」(癒し)

 

 ペチンッ。つんつん♪なでなで。

 

 「ふあああああ」「あっあっあっ」「ふああああああああああ」

 

 

 

 「………」

 

 夜天の書の管理システム人格。リインフォースは医務室の前で立ち往生していた。

 『傷だらけの獅子』にお礼とこれからのことを相談しようとしたら、途中から聞こえてきた高志の声にその扉を開けることは無かった。

 

 『お願、い。も、もう、やめ、て』

 

 『な、なんだかいけないことをしているような気がするんだよ』

 

 『フェイトは見ない方がいいよ。私と一緒に外で待っていよう』

 

 『…お母さん。このお兄ちゃんを見ているとなんだか胸が締め付けられるの。でも嫌じゃない。これが…恋?』

 

 『どSなおませさん!』

 

 『傷だらけの獅子』は息も絶え絶えになりながらもツッコミを行うが、その息遣いからしてかなり弱っていた。

 

 『さあ、アリシア。今度はタカのここをこう。ね』

 

 『うんうん♪』

 

 『な、なに?!アリシアとプレシアの目をイキイキとさせて、何で俺を見るの!』

 

 『…フェイトはちょっと外に出ていようね〜』

 

 『え、え、アリシア?』

 

 『フェイトにはまだ早いよ。だから、外で待っておこうね』

 

 『アルフまで…』

 

 私が外で待っていると扉が開いて私を止めてくれた小さな勇者の一人と彼女の護衛獣が出てくる。

 

 「あ、リインフォースさん。…あの何か御用ですか?」

 

 「いや、その…。『傷だらけの獅子』に用があったのだが…」

 

 「今は止めておいた方がいいよ」

 

 と、緋色の守護獣が部屋の外に出た瞬間に扉が閉まる。そして…。

 

 『それじゃあ、お兄ちゃん。気持ちよくなろーね♪』

 

 『いやああああああっ、誰か助けてぇえええええ!ふ、ふぅうああああああああ』

 

 

 助けるべきか否か。私はどう行動すればいいか分からなかった。

 その扉の前に『揺れる天秤』を連れた執務官殿と高町なのは。リンディ艦長殿が来るまで、『傷だらけの獅子』の悶え声は響いた。

 

説明
第五十二話 どSなおませさん!
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コメント
もちろん問いますが、問題が山済みなので一つずつ解決していきます。まずはスフィアの方からです。(たかB)
仮面の男は猫猫姉妹ではなかったの?彼女達ならば主も含めて責任は?守護騎士達の罪を問うなら仮面の男と関係者の罪も問わないといけないのでは?(Leccee)
そうだった!すぐに訂正します!(たかB)
最新話……哀れタカシ。テスタロッサ家の玩具に……それは兎も角、最初の方、なのはの台詞がフェイトの扱いになってますが…?(孝(たか))
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魔法少女リリカルなのは コメディー 悲しみの乙女 傷だらけの獅子 

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