IS?インフィニット・ストラトス?黒獅子と駆ける者?
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episode50 信じ難い事実

 

 

 

 

そして一夏は第四アリーナにて着替えをしていた。

 

 

 

 

「・・・・・・」

 

「中々似合っているわよ、一夏君」

 

と、楯無は言うが、一夏はどうも気が進んでない。

 

なぜなら・・・その格好はよくある王子様である。

 

「ところで、隼人はどこに?」

 

「隼人君には別の役をやってもらうから、別の場所で待機してもらっているわ」

 

「はぁ・・」

 

「はい。王冠」

 

そして楯無は一夏の頭に王冠を被せた。

 

「と、言うか・・俺脚本とか台本見てないんですが・・・」

 

「心配ないわ。基本的にアナウンスで流すから、台詞はアドリブね」

 

「は、はい・・・」

 

「では、開幕よ!」

 

 

 

そしてブザーが鳴ると照明が落とされてカーテンが開けられた。

 

アリーナ内にはかなり凝った作りのセットが組まれており、それが一面に広がっていた。

 

 

 

 

『むかーしむかしあるところに、シンデレラという少女がいました』

 

 

と、普通の出だし・・・と、思ったが・・・・・

 

 

 

『否、それはもはや名前ではない。幾多の舞踏会を抜け、群がる敵兵をなぎ倒し、灰燼を纏うことさえいとわぬ地上最強の兵士達。彼女らを呼ぶのにふさわしい称号・・・・・それが『灰被り姫』!』

 

 

(はい?)

 

 

『今宵もまた、血に飢えたシンデレラたちの夜が始まる。王子の王冠に隠された隣国の軍事機密を狙い、舞踏会という名の死地に少女達が舞い踊る!』

 

「は、はぁ!?」

 

 

 

 

「もらったぁぁぁ!!」

 

すると突然シンデレラのドレスを身に纏った鈴が中国製の手裏剣こと飛剣を手に襲い掛かる。

 

「のわっ!?」

 

一夏はとっさに斬撃をかわすと、鈴は飛剣を投げてきたが一夏はすぐに近くにあったトレーを手にして飛剣を受け止めた。

 

「こ、殺す気か!?」

 

「殺さない程度に殺すわよ!」

 

(意味が分からん!!)

 

 

一夏はそのまますぐに脱兎の如く逃げていくが、鈴はしつこく追いかける・・・・

 

 

 

 

(逃がしてたまるか!!一夏には悪いけど、その王冠は必ず手に入れてやる!)

 

鈴は飛剣を投げるが、一夏は頭を下げて回避した。

 

 

 

「一夏!」

 

すると一夏の前にドレス姿で日本刀を持った箒が現れた。

 

「覚悟!!」

 

「のわぁぁぁっ!?」

 

そして箒が勢いよく日本刀を振り下ろすが、一夏はとっさに横に飛んで回避する。

 

「何邪魔してんのよ!!」

 

すると鈴が飛剣で箒に切りかかるが、箒はとっさに日本刀を前に出して防いだ。

 

「こっちの台詞だ!ちょうどいい!ここで倒してやる!!」

 

「上等っ!!」

 

そして二人はそのままガチな戦闘に入った。

 

 

 

(い、今のうちに逃げよう・・・)

 

 

と、一夏はこっそり逃げようとするが・・・・

 

 

 

「・・・?」

 

すると、自分の身体に赤い点が出てきた。

 

一夏は一瞬「?」と思ったが、次の瞬間には「!」と思い、とっさに地面に前倒れになると、その直後に弾丸が上を通り過ぎた。

 

(狙撃!?セシリアかエリーナか!?)

 

そして一夏はとっさに立ち上がると、狙撃をかわしながら逃走する・・・・

 

 

 

 

 

(外した・・・!)

 

セシリアはスコープから目を離すとライフル側面の撃鉄を引いて空薬莢を排出すると、次の狙撃ポイントに向かう。

 

(一夏さんには悪いですが・・・今回は勝たせてもらいますわ!)

 

そして狙撃ポイントに着くと、ライフルを構える。

 

「その王冠・・・いただきますわ!」

 

そしてトリガーに指を掛けた瞬間・・・・

 

 

 

 

「それはどうかな?」

 

 

「えっ!?」

 

すると後ろから聞き覚えの声がして、セシリアは後ろを向くと、その瞬間発砲音と共に額に何かが強く当たった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

(な、なんだ?狙撃が止んだ?)

 

建物のセットの陰に隠れた一夏は異変に気が付く。

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

すると建物のセットの上よりラウラが降下してきた。

 

「のわぁぁっ!?」

 

一夏はとっさに前に飛び込んでとっさに立ち上がる。

 

「ここで果ててもらうぞ!」

 

そしてラウラは両手に持つタクティカルナイフで一夏に切りかかる。

 

「ま、待てって!?」

 

一夏は必死になってナイフを回避し続けるが・・・・・

 

 

 

 

 

 

「もらったっ!」

 

すると、建物と建物の間よりエリーナが飛び出てきて、アサルトライフルを放つと、一夏の足元に直撃させる。

 

「おわっ!?」

 

それによって一夏はその衝撃でバランスを崩して地面に倒れる。

 

 

 

「これで決まりや!」

 

そしてエリーナは地面に着地した直後にアサルトライフルを構えた瞬間・・・・・

 

 

 

 

「ふげっ!?」

 

すると左側より何かが飛んできて、そのまま元の場所に戻された。

 

 

「な、なにっ!?」

 

ラウラが驚くと、今度はラウラの真上に何かが飛んでくると、突然爆発して中からネットが出てきてラウラを覆い被さった。

 

「な、なんだこれは!?」

 

ラウラがネットにもがいていると、一夏の前に誰かが下りてきた。

 

 

 

 

「やれやれ・・・面倒なことを言ってくれるぜ」

 

それは黒い服装に身を包んだ隼人であった。

 

軍用ブーツに黒いズボン、それに黒いシャツと軍服姿であるが、その上に前開きの黒いコートを着ており、身体全身にはいくつもの武器を装備していた。しかも見た目は重く、熱そうだった。

 

「隼人・・・お前がやったのか?」

 

「あぁ」

 

「助かったぜ・・・。ってか、何だその格好は?」

 

一夏は隼人の格好に疑問を抱くが・・・・

 

 

 

「言っておくが・・・俺はお前を助けた覚えは無い」

 

「え・・・?」

 

 

 

 

『おぉと!!これは邪魔者が入ってきた!!』

 

するとアナウンスで楯無が叫ぶ。

 

「へ?」

 

『隣国の更に隣国が雇った傭兵がこのエリアに出現した!これによってシンデレラはもちろんのこと王子様にも危険が迫る!』

 

 

 

 

「・・・・・」

 

一夏は青ざめてゆっくりと隼人のほうを見る。

 

「そういうことだ」

 

そして隼人は両脇のホルスターより黒色のハンドガンを抜き放つ。

 

「シンデレラの邪魔をするのはもちろんのこと、お前の王冠を狙う・・・つまり俺はどっちの味方でもない」

 

そしてハンドガンを放つ。

 

「っ!?」

 

そして実物のような発砲音と共に弾丸が放たれて、一夏の顔の両側を通り過ぎる。

 

「ちょっ!?それ本物じゃないよな!?」

 

「安心しろ。模擬弾だが、ちょいとばかりいてぇぞ」

 

そして隼人は連続でハンドガンを放っていくと、一夏は悲鳴を上げながら逃げていく。

 

 

 

 

 

(死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!!あいつ本気(マジ)だ!!)

 

一夏は必死になってセット内を走っていくが・・・・

 

 

 

 

「一夏!!」

 

すると鈴が一夏に襲い掛かってきた。

 

「ぎゃぁぁぁぁ!!こっちもかぁっ!!」

 

一夏が絶望の声を上げると、鈴が飛剣を投げてきた。

 

 

しかし飛剣は弾丸にはじかれて、セットに突き刺さった。

 

「っ!」

 

 

 

そして一夏の後を追ってきた隼人が鈴に向けてハンドガンを放つ。

 

「傭兵の登場だ」

 

「くっ!」

 

鈴は隼人が放ってくる弾丸をかわしていくと・・・・

 

 

 

「のわぁぁぁぁ!?」

 

すると地面からネットが出てきて、そのまま鈴を包み込んで上に上げられた。

 

「わりぃな。事前にトラップは仕掛けさせてもらったぜ」

 

「なっ!?は、隼人!!」

 

鈴は脱出しようともがくも、ネットは丈夫にできているので簡単には破れない。

 

「脱出しきればチャンスはいくらでもあるぞ」

 

「お、覚えておきなさいよ!」

 

「覚えていればな」

 

そして隼人はハンドガンを捨てて両脇のホルスターを外して捨てると、、左側のコートの内側に隠していた鎮圧用のショットガンを抜き放ち、逃げている一夏に向けてショットガンを放つ。

 

 

 

「ぐえっ!?」

 

そして十字に広がった弾が一夏の背中に直撃して、一夏はそのまま前に倒れる。

 

「く、くそぉっ!・・・容赦ねぇ!」

 

一夏は痛みに耐えながら立ち上がって逃走する。

 

 

 

「大したもんだな」

 

そして連続でショットガンを放っていくが、一夏は必死になってかわしていった。

 

 

 

「さてと」

 

そしてショットガンを捨てて背中に背負っていた日本刀を鞘から抜き放つと、一夏を追いかける。

 

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと待ってくれ!?」

 

「待てと言って待つ馬鹿はいない!」

 

そして日本刀を振り下ろすが、一夏は右を見て何かに驚いた。

 

 

 

「覚悟ぉっ!!」

 

そして一夏の右から箒が日本刀を振り上げ一夏に襲い掛かってきた。

 

 

 

 

「っ!」

 

しかし両者の間に隼人が入り込むと、箒の攻撃を受け止める。

 

「邪魔をするな!」

 

「悪いな。それが俺の役目なんでな」

 

そして隼人は箒を強引に押し返した。

 

「なら、お前を倒してでも行ってやる!!」

 

箒は日本刀の柄を握り直して隼人に切りかかるが、隼人は斬撃をすべて受け流していく。

 

 

 

「前よりいい動きだ。だが―――」

 

すると隼人は左手をコート内側に入れると刀身の短い日本刀を抜き放って、箒と反対側に振るう。

 

そしてナイフは反対側から来ていたラウラのタクティカルナイフを受け止めた。

 

「っ!?」

 

「弟子が師匠に歯向かうなど・・・十年早い!」

 

そして隼人は二人を同時に押し返した。

 

「くっ・・・さすが師匠・・・しかし!」

 

そしてラウラが飛び出すと、箒も飛び出す。

 

「今回は譲れないんだ!お前が相手でもなぁっ!」

 

箒は日本刀を振り下ろすが隼人は斬撃を防ぐと柄を握る手を緩めた。

 

「あっ!」

 

それによって箒はそのままの前の方に放り出されてバランスを崩しそうになる。

 

その間にラウラがタクティカルナイフを振り下ろしてくるが、隼人は両手の日本刀を振るって斬撃を防ぐ。

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

そしてラウラが高くジャンプすると隼人に回し蹴りをするが、隼人は右腕を上に上げて蹴りを防いだ。

 

 

「くっ・・」

 

「いい蹴りだ・・・だが!」

 

そしてそのままラウラを押し返すと、左手の日本刀を手放してラウラの腹部を殴りつけた。

 

「がはっ!」

 

ラウラはそのまま後ろに吹き飛ばされた。

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

その直後に箒が勢いよく日本刀を振り下ろしてきたが、隼人は振り向くと同時に日本刀を前に出す、と見せかけて身体をずらした。

 

「なっ!?」

 

それによって勢い余って箒は前に放り投げだされて足を躓かせて地面に倒れる。

 

「まだだ!!」

 

そしてラウラが隼人に殴りかかってくるが、隼人は右手の日本刀を地面に突き刺すと、身体をずらしてラウラの拳を避けると、そのまま腕を掴んだ。

 

「なっ!?」

 

「どりゃぁぁぁぁ!!」

 

そして隼人はラウラを背負い投げの要領で前に放り投げると、そのまま立ち上がろうとする箒にぶつかった。

 

「「ぐおっ!!」」

 

そしてそのまま二人ともセットの壁にぶつかって地面に倒れる。

 

 

「ごくろうさん」

 

と、隼人は指を鳴らすと、箒とラウラの後ろの壁の表面が剥がれると枠ネットが出てきて、そのまま倒れて二人を押し付けた。

 

「ぐっ・・・は、隼人・・・!!」

 

「またネット・・・!」

 

枠ネットに押さえつけられて箒とラウラは身動きが取れなかった。

 

「うまく切り抜ければチャンスはあると思うぜ」

 

そして隼人は日本刀二本を拾い上げると、短い方の日本刀をコートの内側にある鞘に収めてそのまま歩いていった。

 

 

 

 

 

 

「ひぃぃぃ・・・」

 

一夏は逃走を続けるものも、序盤で飛ばしすぎたために速度が落ちていた。

 

「さてと、そろそろ止めと行くか」

 

そして隼人は日本刀を背中の鞘に納めると、両腰のホルスターよりハンドガンを取り出す。

 

 

 

(しかし・・・楯無さんも厄介な条件を出しやがって・・・・。力づくでもあいつの王冠は取らないといけないんだよ!)

 

実のところ隼人は演劇前に楯無にこう言われていた・・・・・

 

 

 

『もしシンデレラが王冠をとった場合には、一つだけ願いを叶えるっていうのが条件なの。まぁ勘の鋭い隼人君ならどうなるのかは分かるよね?』

 

 

 

(面倒なことだけは避けたい・・・。特に俺の部屋に泊まるなんて言われた日にはたまったもんじゃないんだよ)

 

そして隼人はハンドガンのトリガーに指を掛けた・・・・その瞬間だった・・・・

 

 

 

「隼人」

 

「!」

 

隼人はとっさに後ろを向くと、「げっ!」と驚く。

 

そこにはドレス姿の簪がいた。

 

「か、簪・・・」

 

隼人が困っている理由と言うのは・・・・

 

 

 

 

『おぉっと!ここで隣国の隣国のお姫様が登場!つまりは傭兵の雇い主だ!』

 

と、アナウンスで楯無が言う。

 

 

『これによって傭兵は自身が持っているデータベースには重要なデータが入っているため、お姫様に渡さなければいけません』

 

 

 

「・・・・・」

 

隼人は「はぁ」とため息を付くと、左手に持つハンドガンをホルスターに戻してからポケットより端末を取り出すと簪に渡した。

 

この行為が何を意味するのかというと・・・・

 

 

 

『これで傭兵は任務を終えて、自分の国に帰ることになりました』

 

楯無のアナウンス後に隼人は帰ろうとする。

 

 

 

(よかった・・・少なくともあいつの脅威は無くなった――――)

 

 

 

『しかし!お姫様は傭兵を呼び止めました』

 

すると簪が隼人を呼び止めた。

 

(え・・?)

 

一夏の脳裏には嫌な予感が過ぎった・・・・

 

 

 

『そして交渉の末、傭兵はお姫様のいる国に加担するようになりました』

 

 

 

(・・え?・・・え?)

 

 

 

『それによって傭兵はシンデレラ側になり、お助けキャラになりました!』

 

 

 

 

「な、なんだとぉっ!?」

 

一夏が叫ぶと、隼人は右手のハンドガンを放ってきた。

 

「おわぁっ!?」

 

一夏はとっさにかがんで模擬弾をかわす。

 

「悪いな一夏。これがシナリオさ」

 

「滅茶苦茶だろ!?」

 

「俺に言うな。楯無さんが決めたことだからな」

 

そして戻しておいたもう片方のハンドガンを抜き放って弾丸を連続で放ってきた。

 

「もうやだぁぁぁぁ!!」

 

一夏はその場から必死になって逃走した。

 

 

 

そして一夏は建物の間に逃げ込んだ。

 

「そこは行き止まりさ!」

 

隼人は追いかけていき、建物と建物の間を見る。

 

「なに?」

 

しかしそこには一夏の姿は無かった。

 

「どういうことだ・・・一夏はどこに行ったんだ」

 

隼人は少し中に進んでいくと・・・

 

 

 

「・・・?」

 

すると、行き止まりの壁が不自然にずれていた。

 

「・・まさか」

 

そして隼人は壁を退かすと、その向こうにあった扉が開いていた。

 

そこはIS学園敷地内にあるISアリーナすべてに繋がる地下通路の入り口だった。

 

「あいつ逃げやがったか・・」

 

しかし・・・・・

 

 

 

 

「っ!?」

 

すると爆発音が中より響いた。

 

「まさか!?」

 

隼人はとっさに中に入った・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「くっ!」

 

一夏はウイングスラスターを噴射して後退する。

 

「オラオラどうした小僧!その程度かよ!」

 

と、目の前にいる異形のISを纏う女性が蜘蛛の足のようなアーム先端より弾丸を放っていく。

 

一夏はうねりながら後退しながら弾丸を回避していく。

 

「何なんだよあんたは!」

 

「あぁ?悪の組織の一員だ!」

 

「なに!?」

 

「そして私は亡国機業の一人オータム様だ!覚えておけ!」

 

そして蜘蛛の足先端から弾丸を放っていく。

 

「く、くそっ!」

 

一夏はウイングスラスターを一気に左下に噴射する。

 

「ぐっ!・・・うおぉぉぉぉぉ!!」

 

ブレーキがかかって、その直後に左に飛ぶとそのまま壁の方に向かっていくと壁を蹴り、オータムの方に向かうと雪片参型を振るう。

 

「はっ!」

 

しかしオータムは蜘蛛の足を集めて参型を受け止める。

 

「くっ!」

 

一夏はとっさに不知火をクローモードにしてオータムに突き出すが、オータムは参型を離すと後ろに飛んでかわす。

 

 

「なめた真似をするじゃねぇかあの野郎を思い出すぜ!」

 

「あの野郎?」

 

「あぁ!あの黒獅子を操っていた男だ!」

 

「黒獅子・・・まさか!?」

 

「おらぁ!」

 

するとオータムは蜘蛛の足を突き出して、一夏はとっさに不知火を前に出して防いだが、衝撃でそのまま後ろに吹き飛ばされる。

 

「ぐっ・・・!」

 

そして一夏は壁に背中を叩きつけられた。

 

 

「もらった!」

 

そして蜘蛛の足を勢いよく突き出したが・・・・

 

 

 

「っ!?」

 

するとその蜘蛛の足を高出力のビームが先端から消滅させた。

 

 

「ビーム兵器・・・・まさか」

 

そしてビームが飛んできたほうを見ると、ビームマグナムを向けた状態で飛んでくるバンシィの姿があった。しかしよく見ると両腕にはアームドアーマーBSとアームドアーマーVNが装備されてなかった。

 

 

「怪しいと思って追いかけてみれば、まさかこんな状態とはな」

 

「隼人!」

 

そして隼人は近くに着地して、オータムに向けてビームマグナムを向ける。

 

 

 

「・・・黒獅子」

 

するとオータムの口角が吊り上げる。

 

「やっと会えたなぁ!!この日をどれだけ待ったことか!」

 

オータムは蜘蛛の足をバンシィに向ける。

 

「・・・・・・・」

 

 

 

 

「・・・誰だっけ?」

 

と、隼人は首を傾げる。

 

 

 

「テメェッ!?このオータム様を忘れたって言うのかゴルァ!!」

 

「オータム?・・・オータム・・・あぁ・・・あの時の―――」

 

「やっと思い出したか!あの時は散々」

 

 

 

「おばさんか」

 

「喧嘩売ってんのかゴルァッ!!殺すぞ!」

 

「・・まぁ、冗談はさて置き」

 

「冗談かよ!?」

 

と、一夏が突っ込みを入れる。

 

 

「まさかお前とまた会うとはな」

 

「あぁそうだな。こっちだって同じ気持ちだな」

 

「そうかい。だったら速攻で片付ける」

 

「戯言を。前の私とは違うんだよ」

 

「それはこっちも同じさ」

 

そして隼人はビームマグナムをバックパックにマウントすると、右腕のビームトンファーを展開してオータムに切りかかるが、オータムは蜘蛛の足を前に集めて斬撃を防いだ。

 

「くっ!」

 

「やっぱりコーティングをしておいて正解だったな!」

 

そしてオータムは隼人を押し返すと、蜘蛛の足先端から弾丸を放つが、隼人は狭い空間でありながらもスラスターを噴射して弾丸をうまくかわしていく。

 

隼人は額の小さいアンテナを上に上げると頭部バルカンを放つが、オータムは飛び跳ねて弾丸をかわして行く。

 

「ちっ!」

 

隼人は右手にビームガトリングを展開して、ビーム弾を放っていくが、オータムは蜘蛛の足を前に出して器用に弾丸を防いでいく。

 

(やっぱり出力的にコーティングを破れるのはマグナムか)

 

そしてオータムが飛び出してきて蜘蛛の足を突き出してくるが、隼人は後ろに飛んでかわす。

 

「お似合いだな・・・そのISは」

 

「あぁそうかい。私も気に入ってんだよ」

 

そしてオータムは蜘蛛の足先端から弾丸を放ってきて、隼人は弾丸をかわしながらビームガトリングを収納してバックパックにマウントしていたビームマグナムを取り出して、オータムに向けて高出力ビームを放つ。

 

「ちっ!」

 

オータムは後ろに飛んでかわすと、蜘蛛の足先端を隼人に向けるが・・・・

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

すると一夏が勢いよくオータムに飛び出して体当たりを行った。

 

「一夏!?」

 

「て、てめぇ!?」

 

「俺がこいつを引き受ける!隼人はみんなに知らせてくれ!」

 

そして一夏は一気にウイングスラスターを噴射して飛び出した。

 

 

「こいつ!」

 

 

 

「悪の組織だって言うんなら――――」

 

「なに?」

 

「・・だったら・・・・ここから―――」

 

そして白式・雪光の装甲が展開していって下の赤いフレームが露出すると、耳当てが後ろに伸びて額の角が縦に割れて展開した。

 

「ここから・・・出ていけぇぇぇぇぇぇっ!!!!」

 

 

そしてウイングスラスターを全開ににして一気に押していった・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

「一夏!」

 

隼人は一夏の後を追おうとした・・・・・

 

 

 

「ぐあぁっ!?」

 

しかしその瞬間背中に何かの直撃を受けて爆発した。

 

隼人はバランスを崩しそうになるが何とか踏ん張った。

 

「ちっ!まだ居たのか!」

 

隼人はとっさに後ろに振り向くが、先ほどの戦闘で電灯の一部が破壊されていて暗くなっていた。

 

 

しかしそれでも何かが近づいてくる気配は感じた。

 

「・・・・・・」

 

隼人は身構える・・・・

 

 

 

「・・・?」

 

するとその直後にモニターにエネルギー反応の持ち主のデータが表示された・・・・

 

 

 

「・・・っ!?・・この反応は・・」

 

隼人はそのエネルギー反応を見て目を疑った。

 

 

 

「・・・イタリア第二世代試作型IS・・・・スタルクリゲール・・・」

 

隼人は前をとっさに見ると、影になっているところからそれが姿を現した。

 

 

 

「・・・ま、まさか・・・そんな・・」

 

隼人は信じられなかった・・・・

 

 

 

「・・・・・・」

 

そこには背中のバックパックのキャノンを向けたスタルクリゲールを纏うティアがいた。

 

「ティア・・・・?」

 

「・・・・」

 

そしてティアは隼人に向けてバックパックのキャノンを放った。

 

「っ!?」

 

隼人はとっさに回避したが、その直後にティアは右手にアサルトライフルを展開して隼人に向けて放ってきた。

 

「ぐっ・・!」

 

そして直撃を受けて動きが鈍ったところを再びキャノンを放ち、バンシィに直撃した。

 

 

 

「・・・・」

 

それによってバンシィは吹き飛ばされて床に膝を着いて着地する。

 

「・・なぜだ」

 

 

 

「・・・・・・・」

 

 

 

「なぜなんだ!?ティア!!」

 

 

 

 

 

 

後書き

前半は少しごちゃごちゃとなってしまったかも・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ!


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コメント
中の人ネタがァァァ(Kaine0819)
裏切り者は矢張り、ティアでしたか………。この後の戦闘がかなりの規模になりそうな気がします。オータムに付き添いがいる時点でフラグ。(jon/doe)
いい出演だねシンデレラ・・・俺オータム好きなキャラなんだよね戦闘狂っていうかうん好きだな〜(鎖紅十字)
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バンシィ ガンダム インフィニット・ストラトス IS 

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