IS《インフィニット・ストラトス》 SEEDを持つ者達 第24話
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臨海学校の初日の夜。

座敷席とテーブル席に分かれて用意されており、ラウラを除いたメンバーは座敷席で豪華な夕食を堪能していた。

 

「うん、美味い! 流石は本ワサ!」

「旅館で栽培してる本山葵だから、いい風味が出ている」

 

一夏の隣に座っている箒は山葵を堪能していた。

因みに一夏の右側の席にはシャルロット、セシリア、左側には箒が座っていた。

 

「シャル、足は痺れてないか?」

「あ、うん、フランスで正座の練習もしてきたから、まだ平気だよ」

 

一夏はシャルロットが正座が出来る事に驚いていた。

一方、セシリアに眼を向けると正座に慣れてないのか足が痺れてソワソワしていた。

 

「セシリア、辛いのか?」

「い、いえ! その、大丈夫ですわ! このセシリア・オルコットが、高々正座くらいで……」

「えい」

「っ!? る、ルナマリアさん!? な、なにしますの!?」

 

様子を見に来ていたルナマリアがセシリアの足を突いた。

セシリアは悲鳴を挙げて、涙目でルナマリアを睨んだ。

 

「無理しないでテーブル席に行ったほうが良かったんじゃない」

「それだけは出来ません!?」

 

セシリアは一夏の隣になれなかったとは言え、それでも一夏の近くの席になれたのに、離れてしまっては折角のチャンスを逃してしまうと感じていた。

 

「そうなんだぁ、じゃあ足が痺れてもう限界なんて言わないわよね?」

「も、ももも勿論んですわ!!」

 

悪戯子の様な笑みを浮かべるルナマリアにセシリアはそう宣言するが、結局、足の痺れに我慢できずにテーブル席に行くのであった。

 

 

夕食が終わり、箒達は一夏に会いに一夏の部屋に向かったのだが、千冬の部屋から一夏と千冬の声が聞こえたので入ろうとしたのだが、千冬の声が聞こえ動きを止めた。

 

「……溜まっ……もっと……」

「…………そこ……強く……」

 

その声に箒達は千冬の部屋の襖に耳を当てる。

そして次々と千冬の出る声に鈴、シャルロット、ラウラ、箒、セシリアの五人は顔を赤くした。

 

「う、嘘でしょ……」

 

小声で言う鈴。

 

「仲はいいとは思ってたけど……まさかそんな……」

『………』

 

5人とも想像している行為はアレであった。

というか聞こえた言葉からはアレ以外考えられなかった。

 

「どうしたの、皆?」

「何か、あったの?」

 

そこにキラ、シン、ルナマリア、簪が通りかかった。

千冬の部屋で襖に耳を当てていた5人にキラ達は不思議と首をかしげた。

その時、襖が開き襖に耳を当てていた5人は部屋へ倒れこんだ。

 

「何をやっているのだ、馬鹿者どもが」

「は、はは……」

「お、織斑先生……」

「き、教官……」

「こ、こんばんは、織斑先生……」

「さ、さようなら、織斑先生っ!!」

 

5人は逃げようとしたが、千冬に捕まってしまった。

箒、鈴は首根っこを鷲掴みされ、セシリア、シャルロット、ラウラは浴衣の裾を踏まれていた。

 

 

「まったく! 何をしてるか馬鹿者が!」

 

千冬は椅子に座りなおして5人を叱り始めた。

箒たちは椅子に座る千冬と一夏、キラ、シン、ルナマリア、簪の前で並んで正座させられていた。

 

「マッサージだったんですか……」

「しかし良かった、てっきり」

「何やってると思ったんだよ?」

「それは勿論」

 

ラウラはこの場で言ってはいけない事を言おうとした。

それに気付いた他の4人が慌ててラウラの口を塞ぐ。

 

「べ、別に!」

「と、特に何とは!」

「ほ、ほほほ……」

 

何となく理解出来たキラ、シン、ルナマリア、千冬は溜息を吐き、簪は頬を赤くしながら俯いていた、唯一理解していない一夏は首傾げるのであった。

 

「こう見えて、こいつはマッサージが上手い、順番にお前達もやってもらえ」

 

千冬の提案に驚く5人。

すると一夏が突然の指名が来た。

 

「よし、じゃあ最初はシャルからだ」

「ぼ、僕から!?」

 

自分からとは思っていなかったシャルロットは驚愕して、顔を真っ赤にした。

 

「ほら、シャル、マッサージするからここに寝てくれ」

「う、うん……それじゃあ、お願いね」

 

シャルロットは千冬が横になっていたであろう布団にうつ伏せで横になり、一夏が腰からマッサージを始めた。

 

「んっ……! ああ、良いよ。これは、想像以上だよ」

「そうか? 痛かったら言ってくれ、優しくするから」

「う、うん、思わず、うんん、声が、あはぁ、出ちゃう、よ」

「ホントに出てるよ……」

 

何気に鈴がツッコミを入れたが、夢見心地のシャルロットは気付いていないかった。

だが、此処で千冬の悪戯が入った。

 

「ほう? 白のレースか……随分と乙女心満載の下着だな」

「っ!? きゃああ!?」

 

千冬がシャルロットの浴衣を捲り、シャルロットの下着を晒しだしてしまったのだ。

慌てて一夏、キラ、シンは目を逸らしたが、突然の事でバッチリと見てしまった為、その光景は脳裏に焼きついてしまった。

 

「な、な、何するんですか織斑先生!?」

「いや何、小娘がどれだけ乙女か気になってな、しかし……随分と可愛らしい勝負下着だな……教師の前で淫行を期待するなよぉ? 15歳」

「っ!? い、いいい……」

「冗談だ」

 

千冬は浴衣から手を離した。

 

「一夏、風呂にでも行って来い、部屋を汗臭くされては困る」

「え? あ、ああ……」

 

千冬に言われるまま、タオルと着替えを持って一夏は部屋を出て行った。

 

「それじゃあ、千冬さん」

「俺達も風呂に行ってきます」

「そうだったな、時間制で男が入れる時間は限られていたな、まあ、ゆっくりしていけ」

「ありがとうございます」

 

キラとシンが部屋を出て直ぐに千冬は部屋に備え付けている冷蔵庫から飲み物7個出して手渡した。

 

「私の奢りだ、受け取れ」

 

箒達は戸惑いながらも飲み物を受け取り飲み物を口にした。

千冬は箒達が飲んだの見て、ニヤリと笑った。

 

「飲んだな?」

「は、はい?」

「そ、そりゃ、飲みましたけど……」

「な、何か入っていたんですか!?」

「失礼な事を言うなバカめ、なに、ちょっとした口封じだ」

 

そう言って千冬は部屋に備え付けている冷蔵庫からビールの缶を取り出した。

プルタブを開けて、千冬は豪快に飲み始めた。

ルナマリア以外の全員は唖然していた。

因みに千冬は夜中にキラと一緒に酒を飲んでいる、それを知っているルナマリアは平然としていた。

 

「それで? お前ら、あいつの何処が良いんだ?」

『っ』

「まぁ、確かにあいつは役に立つ。家事も料理も中々だし、マッサージも上手い。付き合える女は得だな」

 

一夏は顔も悪くない炊事洗濯などの家事全般は得意、マッサージも上手で、男としてはかなりの優良物件である。

 

「どうだ、欲しいか?」

『くれるんですか!?』

「やるか、馬鹿」

『えー……』

 

一夏に恋する五人を煽って、そして突き落とす、中々の悪女だ。

 

「女ならな、奪うくらいの気持ちで行かなくて如何する。自分を磨けよ? ガキども」

 

弟が欲しければ姉である千冬が納得出来る女になってから奪いに来いと言っていた。

 

「ところで更識、キラの何処が良いんだ?」

「お、織斑先生!?」

 

突然の事に簪は大慌てであった。

 

「それ、僕も気になる!」

「あたしも!」

 

箒達まで簪がキラに惚れた話を聞きたそうにする。

その後、簪は話を終えるまで顔を真っ赤にしながら答えるのであった。

 

 

翌朝、キラと一夏は少し早起きをして旅館の中を散歩していた。

すると中庭へ入れる廊下の途中で箒がしゃがみ込みながら、庭の一部をジッと見つめているのが見えた。

 

「箒?」

 

何を見ているのか気になった二人は近づいていくと、庭の一部、箒の目の前に機械的なウサミミが生えておりその後ろには“ひっぱってください”と書かれた看板が刺さっていた。

 

「なぁ、これってもしかして……」

「知らん、私に聞くな」

 

一夏はそれが何なのか気付いた。

一夏の脳裏には一人の女性の姿が映し出されている。

 

「おい、ほっといて良いのか?」

 

一夏の問いに答えず、箒は立ち去ってしまった。

仕方ないと一夏は庭に出てウサミミを引き抜こうとした。

 

「何してるの、一夏?」

 

その時、ちょうどキラ達と同じで散歩に出てきていたらしいシャルロットが来た。

 

「いや、ちょっとな」

 

一夏は、ウサミミを思いっきり引き抜いた。

だが、何も起きなかった。

 

「何の音だ?」

「っ! 上?」

「ふぇ?」

 

一夏達は空を見上げると、人参型のミサイルと思しき物が飛来してきた。

人参ミサイルは真っ直ぐ一夏目掛けて落下してきて、その足元に突き刺さった。

 

「うおわああああ!?」

 

一夏は思わず尻餅を着いて人参を見上げた、呆然とするキラとシャルロットの耳に、女性の笑い声が聞こえてきた。

 

『うふふふふふ、あはははははは!!』

 

突然人参が割れ、煙を出しながら中から一人の女性が出てきた。

一夏が引き抜いたウサミミと同じ物を頭に乗せたアリス服の女性であった。

 

「引っかかったねいっくん! ブイブイ!」

「お、お久しぶりです……束さん」

「あ〜! いっくん! うんうん! お久だねぇ、ホントに久しいねぇ!」

 

笑顔で人参ミサイルから飛び降りた束はキョロキョロと辺りを見回した。何かを探している様だ。

 

「ところでいっくん、箒ちゃんは何処かな?」

「え、えっと……」

「まあ、私が開発したこの箒ちゃん探知機ですぐに見つかるよ! じゃあね、いっくん! また後でね〜!!」

 

本当に嵐のような登場で、嵐の様な立ち去り方だった。

 

「い、一夏、今の人は一体……?」

「篠ノ之 束さん、箒の姉さんだ」

「あの人がISの生みの親、篠ノ之 束」

「……えぇ!?」

 

シャルロットの驚きも無理は無かった。

指名手配中にして行方不明の彼女が、こんな所に現れたのだから。

キラは何かが起こる、そう感じるのであった。

説明
第24話です。

プロローグ
http://www.tinami.com/view/463196

設定集(ネタバレあり)
http://www.tinami.com/view/502954
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タグ
インフィニット・ストラトス IS ガンダムSEEDDESTINY クロスオーバー 設定改変あり シン×ルナマリア 

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