超次元ゲイム ネプテューヌmk2 〜Blue Wind〜(~shadow's cry~)
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「ブ、ブラック!」

ユニがその名を呼んだ。

そう、そこに居たのはブラック。

しかし、様子がおかしい。怒り、あるいは苦痛に顔を歪めているともとらえられるような渋面で息が上がっていた。

少しだけ開いた口からギリギリと歯軋りをする音が聞こえる。

「……………ッ!!!」

 

―――ギンッ!!

 

フー、フーと荒息を立てすぐ後ろで右腕を押さえたユニに一瞥を投げると今度は少し離れた場所にいるネプギアを睨む。

 

「貴様…………ユニに何をしたぁッ!?」

 

そして叫ぶ。

何故かその声は悲痛な叫び声にも聞こえた。

「えッ!?」

ネプギアは聞き返す。

「お、おい!落ち着けよシャドウ!」

そんなネプギアを守るようにソニックが立ちはだかるとブラックをなだめようと試みる。

「貴様に用は無い!ユニに手出しする者はこの僕が消し去ってくれるッ!!」

「何があったんだ!落ち着けって!」

ブラックは血が滲み出るほどに拳を握りしめる。

「………最後に警告する!僕の邪魔をするな!邪魔をするなら容赦はしない!」

「目の前で友達が危ない目に合ってんのにほっとけるわけないだろ!?」

 

スッ―――

 

ブラックはワナワナと体を震えさせ、顔を下げる。

「…………そこまで消えたいのなら望み通り貴様から消し去ってくれる!貴様は初めから気に食わないと思っていた!跡形もなく消し去ってくれる!」

「ブラック!止めなさいッ!」

ユニが止めるが、ブラックは聞く耳を持たない。

「……こうなったらやるしかないみたいだな。」

ソニックも構える。

「うん……」

ネプギアもビームソードを構える。

 

スッ――

 

ソニックは徐にネプギア達に退がってろと言わんばかりに腕をあげる。

「ソニック……?」

ネプギアが尋ねる。

「………sorry、ここは俺一人にやらせてくれ。」

「な、何言ってんのよ!?危ないじゃない!」

「アイツのことは俺が一番よく知っている。頼む、俺一人にやらせてくれ。」

そう言い放ったソニックの額には汗が伝っていた。

「駄目よ!かなう訳がないわ!ブラックはお姉ちゃんと―――『ブラックハート』とほぼ互角なのよッ!?」

「えッ!?」

 

―――ラステイションの女神………ノワールさんと互角!?

 

ネプギアの額に汗が伝った。

「そ、ソニック!ダメだよ!危な―――」

 

シャッ!

 

ネプギアが口を開いている最中、ブラックの姿がかき消える。

「ハァッ!」

 

シャッ!

 

続いてソニックの姿も消える。

「あッ!?」

コンパが声を上げる。

 

ドガンッ!!

 

虚空で衝撃波が生じた。

「うわぁッ!?」

その振動で日本一は倒れそうになる。

 

ドガンッ!!ドドドドドドドドドドドドガガガガガガガガガガガガガガッ!!

 

至る所で衝撃波が生じる。

 

ババッ!!

 

二人の姿が露になり、両者は一度距離を取った。

「く………ッ!」

強い。

それがハッキリと分かった。

今の虚空での撃ち合いはソニックが防戦一方だったのだ。

 

――――もしかしたら、俺の知ってるシャドウよりもずっと強いかもしれない……!

 

「フーッ………フーッ………!!!」

一方のブラックは先程からの怒りが治まることも無く心の底から湧きあがってくる憎悪に顔を歪ませる。

最早その顔は―――原形をとどめていなかった。

 

ジャキッ!

 

ブラックはどこからかガトリングを取り出し左腕に装着する。

「全身を蜂の巣にしてやる……!!」

 

シャッ!

 

「ッ!」

ブラックの姿が掻き消えるとソニックは身の回りに気配を感じ取った。

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!

 

そして、四方八方から弾丸がソニックに襲い掛かった。

そう、ブラックが超音速で移動しながらソニックにガトリング弾を放っているのだ。

「くらうかッ!」

 

スチャッ!

 

ソニックは目にも見えぬスピードで地に両手をつけると、足を浮かばせ手で地を押しジャンプする。

そして、一回転すると再びジャンプし一回転…………―――

ブレイクダンスの高等技―――『エアー・トラックス』だ。

ソニックは軽やかな身のこなしでどんどん弾丸をかわしていく。

「まだまだ!」

 

バッ!

 

ソニックはそのまま背を地につけ猛スピードで回転すると同時に、大きく足を開き胴体共にまるで扇風機のように勢いよく回転させ弾丸をかわしていく。

同じくブレイクダンスの高等技―――『ウィンドミル』だ。

 

バッ!

 

少し離れた場所でブラックの姿が露になる。

「小賢しい……!!」

 

シャッ!

 

ブラックは腰に装着していた剣を抜き取り構える。

 

シャキンッ!

 

ソニックも背からブルーウィンドソウルを抜き取り構える。

 

バッ!

 

「ハアァァァァァァッ!!」

ソニックは大きく跳躍すると剣を振り上げたまま猛スピードで回転しブラックに突っ込む。

 

ガガガガガガガガガガガガガッ!!

 

しかし、ブラックの剣にガードされる。

「鈍だな。その剣が泣くぞ。」

 

ガキンッ!

 

ブラックは剣を無造作に振りソニックを弾き飛ばす。

 

スチャッ!

 

ブンッ!

 

ソニックは少し離れた場所で着地すると剣を一振りする。

「俺が鈍だって?俺は風の騎士ソニックさ!」

 

ドンッ!!

 

そう言い放つとソニックが肉薄する。

 

ガキンッ!!

 

そして再び剣を振り下ろすがやはりブラックの剣に防がれてしまう。

「小癪なッ!」

 

バッ!

 

ガキンッ!ガキンッ!!

 

ブラックは瞬時にしてソニックに体当たりし間合いをはかると剣を振り下ろす。

「へッ!俺だって伊達に風の騎士って呼ばれたわけじゃないぜ!?相棒と共に沢山の技を覚えたんだ!こんな風になッ!」

 

ガッ!

 

ソニックがブラックの剣を受け止めると一気に腹に入り込む。

 

ドゴッ!

 

「ぐあッ!」

そして、剣の取っての先っちょの尖った部分でブラックの腹を突いた。

 

トッ!

 

ブラックの体が吹っ飛ばされたが空中で体制を整え着地する。

「おのれ……!ならば肉弾戦でカタをつける………!」

そう言うとブラックは所持していた銃器を全て外し、ユニの目前に放りなげる。

「望むところだ!ネプギア、持っててくれ!」

「え?」

同じくソニックもブルーウィンドソウルが装着されたベルトを外し、ネプギアに投げ渡す。

「ハァッ!」

一気にブラックが肉薄してくる。

 

ババババババババババッ!!

 

そして高速で回し蹴りや手刀の見事なコンビネーションを放ってくる。

「く………ッ!」

 

ガガガガガガガガガガガッ!!

 

ソニックは苦しい声をあげながらもなんとかブラックの攻撃を全て防御する。

 

ドガッ!

 

「ぐぁッ!?」

しかし、最後の一撃―――ソニックの腹にブラックの回し蹴りが決まり、ソニックが吹っ飛ばされる。痛みで一瞬頭の中が真っ白になった。

 

ギュイィィィィィィンッ!!スチャッ!

 

ソニックは空中で体勢を整え着地する。

「その程度か………!!」

ブラックが荒息をたてながら言い放つ。

「………へッ!俺はまだまだ全然本気なんて出しちゃいないぜッ!」

右腕で腹を押さえつつソニックも言い返す。

だが、今の言葉の半分はハッタリだった。

「戯言をッ!」

そう叫ぶとブラックは再び肉薄してくる。

「………!」

先程のダメージが大きく左目が霞む。

(まずい……!次に接近戦に持ち込まれたらやられる……!)

頬に汗を伝らせるソニックの心の中で一つの案が浮かんだ。

 

ギュィィィィィィィィィイインッ!!

 

ソニックは突如その場で丸まり高速で回転を始める。

 

カアアアァァァァァァァァァァッ!!

 

そんなソニックに幾つもの光が集まり、吸収されるかのように消えていく。

「………Ready!」

そして叫ぶ。

 

グオオオォォォォォォォッ!!!

 

ブラックはもう目と鼻の先まで来ていた。

「……………Go!!!」

 

ドンッ!

 

衝撃波と共にソニックの姿が掻き消える。

「ッ!」

ブラックは止まろうと試みるがもう遅かった。

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!

 

「ぐああああああああああぁぁぁッ!!?」

光を纏ったまま丸まったソニックは光速で辺り一面を飛び回り、四方八方からブラックに攻撃する。

ソニックの必殺技の一つ―――『ライトアタック』が発動した。

苦痛にブラックは叫び声をあげる。

 

ドガァッ!!

 

そして、空高くブラックを蹴り上げる。

「これでラストだッ!」

 

ギュォォォォォォォォォォォォォッ!!

 

先回りしていたソニックは空中で更に回転する。

 

ドガァッ!!

 

「ぐはぁッ!!」

そして飛んできたブラックを回転を利用した鋭い蹴りで地に叩き落す。

 

ヒュウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ――――

 

ドガ―――――ンッ!!!!

 

ブラックは地に叩きつけられる。

 

スチャッ!

 

少し離れた場所でソニックが着地する。

「ぐ……!おのれ………!!」

ヨロヨロとブラックが立ち上がる。

「………Hun!まだやるか、しぶといねぇ〜!」

ソニックも構える。

そして、口の端を吊り上げ余裕そうに告げる。

だが、ソニックは今度こそ体力の限界だった。立っているのもやっとなのだから。

「………今度こそ貴様を―――」

 

ズキンッ!!

 

「なッ!?」

ブラックが口を開いている最中、彼を激しい頭痛が襲った。

ブラックは膝をつき、苦しそうに頭を押さえる。

「ブラック!」

ユニが駆け寄り、ブラックの背に手を置く。

 

―――ドサァッ!

 

だがその刹那、ブラックは意識を失い倒れた。

「―――ハァ………!」

 

ドサッ!

 

一方、ソニックもとうとう足の力が抜けその場に座り込む。

「ソニック〜!」

そんなソニックにネプギア達が駆け寄ってきた。

「二人とも凄かったね〜!思わず見入っちゃったよ〜!」

「に、日本一さん!そんな呑気なこと言ってる場合じゃないですぅ!」

「ソニック、大丈夫?」

心配そうにネプギアがソニックの顔を覗き込む。

「俺は平気さ!」

ビッ!とソニックは親指を立てる。

だが、片目が半分シャットダウンされていた。

「そっちはどうだ?ユニ!」

そう言いつつ、ソニックは顔をユニの方へ向ける。

 

だが――――

 

「――――あれ?居ない………」

ネプギアが小さくそう言う。

そう、そこにはもう誰も居なくなっていた。

だが、先程までユニ達が居た場所に『天殻』が置いてあった。

アイエフがそっと近づく。

「――――『持って行け』………ってことかしら?」

「多分な。」

アイエフの言葉にソニックが返す。

さて、とソニックが立ち上がろうとするが足に力が入らず上手く立てない。

「あ、ソニック!」

ネプギアがソニックの片腕を掴み、助け起こす。

「へへ、悪いな……さて、帰ろうぜ。ラステイションの教会に。」

 

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場所は一転しラステイションの教会内。

「――――じゃあ、三つの素材をくれるかな?」

「はい!」

ケイの言葉にネプギアが返すと、先程集めた三つの素材をケイに渡した。

ネプギア達が素材集めに成功したことをやはり知っていたらしい。

「……Hun。これで『ゲイムキャラ』の場所を教えてくれるんだよな?大分時間がかかったし、早くしないとまた下っ端達に壊されるかもしれないぜ?」

ソニックが両手を頭の後ろに組みぶっきらぼうに言う。

先程コンパに手当てをしてもらい、ソニックの体力はすっかり元通りとなっていた。

「大丈夫、未だに壊されていないなら相手もまだ場所を把握していないだろう。それよりまず、ノワール達の事をお伺いしよう。」

ケイは相変わらず冷静に言う。

「……分かりました。」

ネプギアはケイに一部始終を話した。

 

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「……ノワールは無事か、良かった……」

ふぅ、とケイは安堵するかのように息を吐く。

「つか、そんな心配してるんならもっと協力してくれてもよかったんじゃないのか?」

ソニックがジトー……と細目でケイを見つめる。

「いや、あなた方が独自に女神救出を進めてるようにこちら側にもいろいろ策を練っていてね。それに必要なのが『天殻』を除く先程の素材だったんだ。」

ケイがそっと紙切れを手渡してくる。

「『ゲイムキャラ』の居場所はここに書いてある。」

ネプギアが紙切れを受け取ると笑顔を見せる。

「ありがとうございます!」

しかし、ケイは眉間に皺を寄せる。

「ただ……素直にあなた方の要求がのんでもらえるとは思わないほうがいいかもしれない。」

「どういう意味?」

日本一が聞き返す。

「行けば分かる。上手くいけばいいけどね……」

「分かりました、行ってきます。」

若干、腑に落ちなかったがネプギア達は教会を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(一言雑談:余談ですが……作者は一応ブレイクダンスをやっていてチーム入ってますwけど、流石にエアートラックスとウィンドミルは出来ませんw)

説明
.ソニックはいつものようにエッグマンの計画を阻止しようとしていた。だがそれはエッグマンの罠だったのだ。カオスエメラルドの力で別世界へと飛ばされてしまったソニック。そこはゲイムギョウ界と呼ばれた異世界だった。そしてその世界でネプギアと言う名の少女に出会い―――……ネプギアは姉を助け出すことは出来るのか?ソニックは元の世界へ帰れるのか?これは、ネプテューヌmk2にソニックが居たら――のもしもの物語である。―――
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ネプギア ソニック 超次元ゲイムネプテューヌ ネプテューヌ クロスオーバー 

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