IS 世界を守る者 EP40 憎・悪・決・着
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IS学園、校舎の屋上…

 

ジンヤは空を見ながら考えていた。

 

箒の紅椿にはG4システムが有るという事を上手く説明する為の方法を…

 

「正直に話したら、なおさらキレそうだし…あ〜あ〜どうすればいいんだ…」

 

ジンヤが悩んで空を見ていると、セシリアが屋上に来てジンヤに話し掛けた。

 

「ん?セシリア、どうしたの?」

 

「ジンヤさん、実は篠ノ之さんからこれを渡されて…」

 

セシリアは箒から渡された手紙をジンヤに渡した。

 

「なになに…放課後、アリーナで一騎打ちか…こりゃ果たし状、決闘の申し込みだね」

 

「あのジンヤさん、これは危険ですよ。篠ノ之さんはジンヤさんを殺す気ですわ!」

 

セシリアは臨海学校での事を思い出しながらそう言うと、ジンヤは笑いながら言った。

 

「せっかく招待状が届いているから行かないと損だよ」

 

そう言って、ジンヤはアリーナへ向かおうとするとセシリアが止めた。

 

「それでは、わたくしも行きますわ!!」

 

「分かった、でも手出し無用だよ」

 

ジンヤはセシリアにそう言って、共にアリーナへ向かった。

 

一方、アリーナで箒は紅椿を展開してジンヤへの憎悪を出しながら待っていた。

 

(しかし、あのゼイビアックスという奴には感謝だな)

 

実は箒の所にゼイビアックスと名乗る男の電話が有った。

 

ジンヤを抹殺したいなら、アリーナでISの戦いでの事故と見せかけて殺せと…

 

その時、箒は事故死と思える事が出来るのかと言うのだがゼイビアックスは女尊男卑の世論を使い、またIS学園は何所の国の法律も通じない治外法権である事を言い、更に委員会は第4世代ISを持つ箒の方が大事だと言った。

 

それを聞いた箒はジンヤを殺す決意をした。

 

だが少し予想外の事が起きた。

 

アリーナの観客席には生徒達が集まってきた事。

 

まだ、教師が止めに入ったりアリーナに居ないのが幸いだった。

 

そこにジンヤがジャンボットを展開して現れた。

 

(神崎を殺し、更には凰も殺し私が一夏の隣に居る!!)

 

そして、放送部員が試合開始の合図をした。

 

その瞬間、箒は雨月、空裂でレーザーや斬撃をジンヤに向けて放つがジンヤはギリギリで回避した。

 

「ジャンボット、いきなり本気で行くぞ!」

 

『ああ、分かった!』

 

すると、ジャンボットが光に包まれ、忍・灰狐となった。

 

「はっぁ!」

 

箒は雨月や空裂でレーザーや斬撃を無茶苦茶に放つがジンヤには華麗に回避されていく。

 

(僕への憎悪で射撃の精度が荒いな…)

 

そう思いながら、ジンヤの左腕がある武器が転送、装着された。

 

左腕に装着された武器はかつてラクーンシティでのアンブレラ事件に対G生物用兵器としてSPEC OPSが持ち込んだレールガン、パラケルススの魔剣。

 

当時のは試作型だったがジンヤに装着されたのは完成兼改良型だった。

 

そして、ジンヤは走りながらパラケルススの魔剣で箒を撃った。

 

「ぐわぁぁ!」

 

箒はパラケルススの魔剣の一撃でシールドの耐久力が半分近くになった。

 

(まだだ!神崎を殺す!殺すんだ!!)

 

すると、箒の脳裏にある映像が見えた。

 

なんと、箒はパラケルススの魔剣の銃撃を回避し始めていた。

 

「見切ったのか?だがパラケルススの魔剣の速度は速くて機械を使っても予測できないのに…」

 

「ふふふ…違うんだ、貴様がどう動くのか、どう攻撃するのか!全てが私の脳裏に見えるんだ!そして、見えるぞ…貴様の死がな!!」

 

その言葉にジンヤの脳裏にある事が浮かんだ。

 

(G4には超能力者を使い、未来が見えるというシステムがあったが紅椿には単品で使えるのか…なら!)

 

すると、ジンヤはスモークグレネードを箒の周りに撃ちまくった。

 

それにより、箒の目の前にはスモークで何も見えず、またハイパーセンサーを使っても感知できなかった。

 

(くっ、ハイパーセンサーも使えないのか…だが紅椿に有るワンオフ、未来が見える能力を使えば…)

 

箒はそう思うと、未来を見ようとするが…

 

「うあたぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「ぐあ!?」

 

ジンヤは箒に蹴りを入れた。

 

「おあたたたたたったた!!」

 

更にパンチのラッシュを箒に叩き込んだ。

 

箒の脳裏には未来が見えるがその未来は殴られる未来。

 

(違う!この未来じゃない!もっと!もっと先の未来だ!!)

 

そう思って未来を見ようと集中するが先の未来が見えない。

 

「うっあたぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

止めの蹴りで箒は吹き飛ばされた。

 

それと同時に勝鬨が上がった。

 

『勝者、神崎ジンヤ』

 

すると、ジンヤは忍・灰狐を解除すると村正ブレードを持って箒に近付いた。

 

「ジンヤさん!ダメですわ!!」

 

「パパ、ダメだよ!!」

 

「嫁!そんな事をしないでくれ!」

 

観客席に居るセシリア、アリス、ラウラがそう言うが、ジンヤは歩みを止めなかった。

 

「ひっ………」

 

箒は腰を抜かしたまま、後ろに下がるがジンヤに追いつかれた。

 

そして、ジンヤは村正ブレードを振り上げた。

 

「神崎君、止めてください!!」

 

「止めろ!ジンヤ!!」

 

そこに真耶とラウが掛け付けた。

 

そして、ジンヤは倒れた箒の顔の横に村正ブレードを突き刺して言った。

 

「1つ言っておくが、お前みたいなちっぽけな憎悪より僕の秘めている憎悪や狂気の方が上なんだよ…」

 

そう言うと、ジンヤは村正ブレードを引き抜いて去った。

 

(まだだ…殺す!神崎ジンヤを殺す!!一夏の隣は…私が!!)

 

すると、箒の脳裏にある映像が浮かぶ。

 

それは…一夏を雨月で刺し殺す場面。

 

(ち、違う!一夏を私が……嘘だ!嘘だ!!)

 

否定する箒に次々と映像が浮かぶ。

 

一夏を真っ二つにして殺す場面、一夏の首を締めて殺す場面、一夏の首をはねる場面。

 

更には剣道部の仲間や中学時代の仲が良かったクラスメイト、家族を色んな手段で殺す場面。

 

(嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)

 

そして、紅椿にあるシステムが動き出した。

 

「イヤァァァァァァァァ!!」

 

いきなりの箒の悲鳴に振り向くジンヤ。

 

なんと、紅椿が勝手に起動して箒の身体に装着した。

 

更に紅椿の装甲が展開して、箒の身体を覆っていく。

 

その時、無意識なのか箒は手を伸ばしていた。

 

「くそっ!」

 

悪態をつきながらジンヤは走り、箒の手を掴んだ。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

ジンヤは手を引っ張り、箒を助け出した。

 

箒が居なくなったが紅椿はある姿へと変貌した。

 

「あれは…G4」

 

紅椿は赤いG4へとなり、手甲から守斬を展開して切り掛かった。

 

ジンヤは箒を見て思った。

 

(今、回避したら気を失った箒に刺さる…こうなったら!)

 

ジンヤは村正ブレードを赤いG4に突きをした。

 

「ジンヤァァァァァ!!」

 

ラウが叫んだ。

 

赤いG4は守斬でジンヤの左肩を掠っていた。

 

だがジンヤは村正ブレードで赤いG4の胸…紅椿のISコアを貫いた。

 

「地獄に落ちな!機械の化け物!居なくなれ!深海理沙の亡霊よ!!」

 

コアを貫かれた赤いG4はバラバラに分解された。

 

それを見たジンヤはその場に座り込んだ。

 

「ジンヤ、大丈夫か?!」

 

ラウがジンヤに声掛けると、ジンヤは何とか笑みを浮かべて言った。

 

「何とかね…一応、篠ノ之を保健室を連れて行くよ」

 

そう言うと、ジンヤは箒を背中に背負うと保健室へと向かった…

 

 

説明
どうもギアルです。

今回はジンヤVS箒のお話です。

因みに箒はアンチルートではなく、救済ルートで行きます。

それではゆっくりしていってね!

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