緋弾のアリア〜一般校の転校生〜
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12弾

 

 

あの後すぐ武偵病院に運ばれたアリアは傷はなかった、ただ念のために入院することになったらしい。

 

 

次の日、俺はアリアのお見舞いに行こうと思っていたが、なぜか行くことができなかった、

無理やり外に出てみても、病院のほうに足が行かなかった。

 

「瑞樹さんどうしたんですか?」

 

やることがなく、ただ街をぶらぶらしていたら、レキと会った。

 

「いや、アリアのお見舞い行こうと思ったんだけど、なんか足が行かなくて……

適当にぶらぶらしてるだけ」

 

「そうですか…それなら私もアリアさんの所に行くので一緒に行きますか?」

 

「うん、じゃあお願い、一緒に行こ」

 

「はい」

 

あれだけ病院のほうに行く事を拒んで、なかなか進まなかった足が、レキと一緒に行ったらあっさり進んだ。

なぜだろう、今はレキと一緒にいるとすごく安心する。

 

 

アリアの病院は、VIP用の個室だった。

あいつってVIPなのか…そういえば、インスタントコーヒー飲んだことなかったんだっけ。

 

「アリア入るよ」

 

「失礼します」

 

俺とレキは声をかけて病室に入る。

 

「あんたたちどうしたの?」

 

「お見舞いに来た」

 

「お見舞いです」

 

レキは白百合(カサブランカ )を。

俺は何を持っていけばいいかわからなかったので、果物を持ってきた。

 

「調子はどうなんだ?」

 

「別に、平気。入院する必要はないくらいよ」

 

「そうですか、よかったです」

 

「それより、どうせ持ってきたなら、リンゴでも剥いてくれるとありがたいんだけど」

 

はいはいわかりましたよ。

持ってきた果物の中から適当に選ぶ。

さてと切りますかね。

 

 

 

「あんた、ずいぶんきれいに切れるのね」

 

「まぁ、結構自分で料理作ったりしてるから」

 

でもなぜかあいつには、何でそんな風に使って、きれいに切れるのか分からないって言われたな。

 

「アリア、悪かった最初にあんな大口叩いておいて結局傷つけた」

 

「別にいいわよ。それに大口叩いたのってキンジに向かってでしょ。

……結局あいつじゃなかったのかな、探してたのって」

 

最後に何か言ったみたいだが、声が小さくて聞こえなかった。

 

 

 

「それじゃあな」

 

「お邪魔しました」

 

あの後、適当にしゃべったりして時間をつぶした。

さすがに長居しすぎだと思ったので、帰ることにした。

 

「瑞樹さん、一つ聞いてもいいですか?」

 

「何?」

 

珍しいな、レキから何か聞かれるなんて。

 

「さっきからの話を聞いてると、あなたはとても誰かを護るという事にずいぶん必死になっている気がしますが、何でですか?アリアさんのお見舞いにいけなかった理由は、そのことが関係してるんじゃないですか?」

 

そのことか…まぁレキなら別にいいかな。でも…

 

「いいけど、そのことはまた今度でいいかなあまり聞かれたくないんだ」

 

「分かりました。ではまた今度教えてください」

 

「うん、ごめんね。……あれ?携帯がない?レキ、俺携帯病室に置いてきたみたいだから先に帰ってて。また明日」

 

「はい、また明日」

 

 

「……!」

 

なんだ?言い争い?

 

アリアの部屋の前に着いたら言い争いのような声がした。

さすがに失礼だとは思ったが、扉のそばに近づいて聞き耳を立てて見た。

 

「お前が勝手に期待したんだろ!俺にそんな力はない!それにもう……俺は、武偵なんかやめるって決めたんだ!お前は何でそんなに勝手なんだよ!」

 

「勝手にもなるわよ!あたしにはもう時間がない!」

 

「なんだよそれ!意味がわかんねえよ!」

 

「武偵なら自分で調べれば!?あたしに……あたしに比べれば、あんたが武偵をやめる事情なんて、大したことじゃないに決まってるんだから!」

 

がちゃ

 

つい耐えきれず病室の中に入ってしまった。

 

「何してんのキンジ?いくら怒ってても、襲ったりするのはよくないぞ」

 

そしたら目に入ったのは、怒りの顔でアリアに詰め寄るキンジの姿だった。

 

「瑞樹…いくらなんでも今回はマジで切れるぞ」

 

「それで怒りが収まるならどうぞ」

 

どうせ全部避け切れる。

 

「くそっ」

 

ダンッ

 

キンジが荒々しく扉を閉めて出ていく。

 

「で、何で戻ってきたの?」

 

「携帯忘れた。ちなみに、お前が勝手に物事の重要性を決めつける権利なんてないと思うんだけど。」

 

「なんの話?あぁさっきの聞いてたのね。私のほうが絶対重要なんだから」

 

「例えば、ある人物が大事な人を自分の力不足で助けられず、もうそんなことにならないように力を手に入れたい。そう思って他人の何倍も努力するのは、お前の事情に比べて大したことないか?」

 

「…………わかんない」

 

「おぉあった。よかったよ、自分のほうが重要だって言ったりしなくて。

まぁ、キンジの事情は知らないけど、聞きもしないのに、勝手に決め付けないほうがいいぞ」

 

「……うん」

 

どうやら、わかったみたいだな。

さて次はキンジをどうにかしないとな。

 

説明
〜武偵殺し編〜
一般校から武偵校に転校してきた瑞樹。
初心者なのにSランクになったり、事件に巻き込まれてしまう。
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