緋弾のアリア〜一般校の転校生〜 |
14弾
あの後アリアは雨の中、喧噪のなか泣き続けた。あんなこといってもどうすればいいのか分からず、どうすることもできなかった
授業に出る気も起きなかったので、男子寮の屋上に行き寝転がっていた。
いつのまにか寝ていたようで、起きたら授業が終わっている時間だった。
「眠ってたのか。なんかやな汗かいてるな。着替えるか」
思い出そうとしてみるが、なんか嫌な夢を見ていた気がする。
ぴりりりり
ちょうど着替え終わり、銃の整備が一区切りついたとき、携帯が鳴った。
「もしもし」
「瑞樹か!?急いで羽田空港に来てくれ!アリアが危ない!」
「了解。すぐ行く」
何があったのか分からないけど、さっきのキンジは最初に遭ったときみたいだった。それになんとなく嫌な感じがする。
「はぁはぁ、それでキンジ、アリアが危ないってどういうこと?」
途中で合流したキンジに聞く。けどさすがにきつい、少し体力づくりしてたからよかったけど。
「お前を呼んだのは、最悪の場合のためだ。急ぐぞ」
「ちゃんと後で説明しろよ!」
「武偵だ!離陸を中止しろ!」
途中にあったチェックインを武偵徽章で通り、金属探知機は無視し、ゲートを通った。そしてまっすぐロンドンのヒースロー空港行きに飛び込み、中にいたフライトアテンダントにキンジが言う。
「キンジなさけないな、この程度で座り込むなんて。これで全部終わりか?……うぉ!…これ動いてる!?」
止めるように頼んだはずなのに、動いてる……離陸を始めてる!
「あ、あのダメでしたぁ。かん……」
「ダメならいい!ここに神崎・H・アリアって客がいるはずだ、そいつのとこに連れて行ってくれ。知り合いなんだ」
アテンダントの言葉を遮って言う、どう考えても先手は取れなかった。だから攻め方を変える。
機体は上空に出て、ベルト着用のサインが消えた。
「それじゃあ案内してください」
アリアはどうやら個室にいるらしい。それにしてもここって前にテレビで見たことあるなぁ、確か空飛ぶリゾートとか言われてた気がする。
「キンジ、多分アリアから何で来たのかって聞かれると思うよ、何でアリアが危ないのか、きちんと教えてもらうぞ」
「分かってる」
「キンジ!?それに瑞樹も!?」
「さすがリアル貴族さまだな。これ片道20万ぐらいするんじゃないのか?」
キンジがそういうと、アリアがキンジをにらんで。
「断りもなく部屋に押し掛けてくるなんて失礼よ!」
「お前にそのセリフを言う権利はないだろ」
「アリアにだけは言われたくないと思うよ、そのセリフ」
アリアのセリフに、俺とキンジのつっこみが入る。
そして、自分が勝手に押し掛けてきたのを思い出したのだろう。アリアは少しむっとしながらも黙る。
「……何で来たのよ」
「太陽は何で昇る?月はなぜ輝く?」
「キンジ、キモいからそんなこと言わないで」
キンジのキャラじゃないだろ。
「うるさい!答えないと風穴開けるわよ!」
なぜか怒り、スカートの裾に手をやる。
「キンジほんとにキモいから、にやけるのやめて。Mなの?」
撃たれそうなのに、にやけるとかM以外考えられないだろ。
「ちげぇよ!お前は何でいつもそっちに持って行くんだよ!」
「楽しいから」
なんだよキンジ、こいつもう駄目だみたいな顔すんなよ。
「で、何で来たの?」
「アリアが危ないって聞いたから」
「武偵憲章2条。依頼人との契約は絶対守れ」
なるほどそういうことね。そういう理由をつけてアリアを守るってことか。
「……?」
アリアは分かってないみたいだな。
「俺は、こう約束した。《最初に起きた事件を1つだけ、お前と一緒に解決してやる》と。武偵殺しの事件は、まだ解決してない」
「何よ…何もできない役立たずのくせに!帰りなさい!あんたのおかげでよーーーーく分かったの!あたしは独唱曲(アリア )!あたしのパートナーになれるやつなんて、世界のどこにもいない!だからもう全部、ずっと、私一人で戦うって決めたの!」
「もうちょっと早くそういってもらいたかったけどな」
「かなえさんを助けるのは、俺も手伝うっていったんだけどな。どうせそういうならもっと早くに言ってくれ」
口をそろえて、俺とキンジは言う。
「ロンドンに着いたら、すぐに引き返しなさい。エコノミーのチケットくらい買ってあげるから!あんたたちとはもう他人!あたしにしゃべりかけないこと!」
「もとから他人だろ」
「血縁関係だったりした記憶は無いけど?それに、他人には話しかけちゃいけないなら、友達が作れないだろ?」
「うるさーい!特に瑞樹!喋るの禁止!」
「ひでぇ!」
何で名指し!?
説明 | ||
〜武偵殺し編〜 一般校から武偵校に転校してきた瑞樹。 初心者なのにSランクになったり、事件に巻き込まれてしまう。 |
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