魔法少女リリカルなのは DevilStrikerS ー御伽話ー
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「すごかったねー!ティア!」

 

「すごいというより出鱈目だわ…それにデバイスが2つあるなんて」

 

「あんなに大きなデバイスを軽々と振ってたし…もしかして僕との模擬戦は手加減してたのかな……」

 

「エリオ君…頑張って」

 

「しかし、まさかあそこまでできるなんてなぁ」

 

「これならもう良さそうだな…ふふ」

 

上からスバル、ティアナ、エリオ、キャロ、ヴィータ、シグナムという順でバルダの戦いの感想を述べた。

スバル達はバルダの強さはエリオとの模擬戦で知っていたが改めて驚いていた。エリオの場合はあまりにも圧倒的な展開だったため自分との模擬戦は手加減してくれたのかと思いうなだれていた。キャロはそんなエリオを必死に励ましていた 。ヴィータはただ感嘆し、シグナムは何やら怪しい感じの雰囲気だった。

 

「まあ、俺は父さんに護身術程度にって戦い方を教わったんだよ」

 

「どんなお父さんよ」

 

突っ込むティアナ。

 

「ねぇねぇ、どんな感じの人なの?魔導師だよね?」

 

「……一言でいえば規格外な人だったな。そして優しかった、尊敬できる父だったよ」

 

バルダの言い方は全て過去形だった。それに気づいたスバルは気まずい感じで謝った。

 

「ご、ごめん」

 

しかしバルダは気にした様子はなく、苦笑いして

 

「いえ、気にしないで下さい。あっ、父さんは魔導師ではないよ」

 

といった。

 

「あ、でも…ってえええ!?バルダのお父さん、魔導師じゃないの!?」

 

バルダを除く全員が驚いた。

 

「まあね、けど自分は魔剣士と言ってたなぁ」

 

「魔剣士?騎士じゃなくて?」

 

キャロが不思議に思って聞いてきた。

 

「うーん…………なら少しおとぎ話をしようか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

2000年前、人間界に魔の手が迫った。それは闇より生まれし異形の者達、悪魔だった。

それ等は瞬く間に人間界に侵攻し、世界を闇に染めていった。人間達は抵抗するが…まるで歯が立たなかった。そしてこのまま世界は悪魔の手に落ちると思われた…

 

…だが、ここから状況は一変する。

 

一人の悪魔が反旗を翻したのだ。

 

その悪魔の名はスパーダ。スパーダはたった一人で悪魔の軍勢をなぎ倒し、更には悪魔達の住む世界、魔界を統べる王をも打ち倒した。こうして、世界は正義に目覚めた一人の悪魔によって救われたという。

 

そして人々は彼をこう呼んだ。

 

 

 

 

ーーー伝説の魔剣士スパーダと…ーーー

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

「うわー…いい話だね」

 

「かっこいいですねそのスパーダさん」

 

スバルとエリオは目をキラキラさせていた。

 

「確かにいい話だったけど、その話とどういう関係が……」

 

ティアナはいまいちよくわからないといった感じだ。

 

「分かりませんか?このおとぎ話は実在しているのですよ」

 

それを聞いた瞬間周りの空間が止まった。

 

「「「ええええええええええええええええ!!?」」」

 

これには全員驚きを隠せなかった。

 

「嘘!?その話実在してたの?!」

 

慌てたなのはが聞いてくる。

 

「ええ、因みにおとぎ話にはまだ続きがあるんです」

 

「続きとは何だ?」

 

珍しくシグナムが聞いてきた。そしてバルダはその続きを語った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

戦いを終えた魔剣士スパーダはしばし旅に出た。

そして数々の村や町を見て、そこにはたくさんの笑顔があった。そんな人間達の様子を見てスパーダはこう思った…

 

 

 

 

――――この世界を守れて良かった――――

 

 

 

 

旅を終えて数百年…スパーダは一人の女性に出会う。二人は恋に落ち、将来を誓った。

そして二人は双子の子供を授かり、幸せに暮らしたという。

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「つまり魔剣士とはそのスパーダという悪魔がその由縁だったのか」

 

「んまあそう言うことです。そして生まれてきた双子の体には、半分だが悪魔の血が流れていたんだ」

 

「その双子はどうなったの?」

 

気になったスバルが聞いてくる。

 

「うーん…詳しい話は聞かされなかったからわかんないや。聞こうとすると悲しい表情で苦笑いしてくるし…あ、父さんは双子の内の片割れだよ」

 

「「!!!?」」

 

皆信じられないといった感じだった。

 

「それじゃ、バルダ君には……」

 

キャロが恐る恐る言う。

 

「ああ、悪魔の血が流れている…スパーダの血がね」

 

だがバルダはさらっと自身のことを言った。

 

「すごくさらっと言っちゃたけど大丈夫なの?」

 

なのはが心配そうに聞いてくる。

 

「大丈夫ですよ。気持ちの整理はとっくの昔に出来てる、何も心配は入りません。それよりも貴方達は大丈夫なのか?こんな化け物を受け入れちまって…」

 

自嘲気味に笑いながら、逆にバルダがなのは達に問い詰める。

 

[大丈夫や]

 

「!…はやてさん」

 

すると声とともにいつの間にかはやてがモニターに写っていた。

 

[話は聞かせて貰った。バルダ、何にも心配せんでえぇ。君を化け物呼ばわりなんか誰にもさせへん。君は私達の仲間や。だから大丈夫や。私達機動六課はたとえ君が悪魔だろうと受け入れます]

 

はやての目には決意の念がこもっていた。それは他の誰もが一緒だった。

 

「……皆さん…ありがとう…」

 

それにバルダは心から感謝したのだった。

説明
九話目です。
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