ガンダム学園で僕と握手 003 ユニコーンの日前編<UC>
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ニュータイプ高校の入学式の日。

バナージ・リンクスも今日初めてここに入学する。

「ああ…ニュータイプ高校か。どんなところなんだろう…」

バナージ的には近いから選んだだけなので、ロクに調べてもいない。

かなり個性的な生徒が多いマンモス校という事実を知らなかったのは、彼にとってはある意味悲劇だった。

「バナージ早く行こうぜ」

「ああ…うん」

親友のMSマニア、タクヤに言われバナージは歩行を再開する。

今まで、バナージは平凡な日常を歩んできた。

子供のころからあまり目立たない生徒で、成績も普通で運動神経も普通だ。

両親は都合でいないので、今はタクヤの家で生活をしている。

ただそれだけでは申し訳ないので、アルバイトを欠かしてはいなかった。

「バナージってさ」

「ん?」

ガールフレンドのミコットが話しかけてきた。

「時々どこか遠くを見るような顔するよね」

「ああいや…それって多分それ、どこかを見ているわけじゃなくて、どこにいるのかなって考えているときだと思う」

「ご両親のこと?」

「いや自分がね。何をしてもその時を本当には過ごせていないような」

バナージの日常には明らかに弾みが無い。

このまま普通に高校を過ごし、普通に卒業、就職して普通に結婚して、平凡に死んで行くのかもしれない。

趣味も特に無く、部活動もやっていなかった。

「何か難しいこと考えてるねー」

タクヤはあんまりこういうことは気にしていない。でも、彼には夢がある。

機械の技術士だ。MSオタで、趣味は機械いじり。

父親も自動車工場で技師をやっている。

「アンタは少し考えなさいよ」

ミコットもそうだ。工場長の父親がいるから、彼女も技術者を目指している。

将来があやふやなのはバナージだけなのである。

だからって何かを変えたいと思うわけでもない。

せめて何かきっかけがあれば…

そのとき、視界に女の子が映った。

見目麗しい外見の女の子だった。

彼女を見てから、バナージはその子から目が離せなくなる。

なので、隣にいる金髪のロリコンと、紫髪のミンキーモモカットの女には全く気が付いていない。

「おいバナージどうした?」

タクヤがバナージに尋ねる。

「天使…オードリーだ…」

「はい?」

ミコットがバナージの見ている方向を見る。

「…」

ミコットの心に嫉妬の黒い炎がうずく。

「バナージって女の子に興味無いと思ってたが、よかったよかった!」

「…」

タクヤのボケにもツッコミを入れない。

それほどバナージは周りが見えていない。

「…オードリー・ヘップバーンだ!!」

そして何故か叫ぶバナージ。

「全然似てないじゃない」

「同感」

ミコットとタクヤは冷たかった。

でもバナージの心は暖かかった。

 

 

 

 

説明
宇宙暦0093.シャアはアクシズの光に包まれ意識を失った。だが、気がつくとシャアは見知らぬ世界にいた!その世界は、歴代のガンダムのキャラクターたちが学園を中心に生活している世界だったのだ!シリアス成分は少な目で、ほぼギャグのバカコメディ。キャラ崩壊なんて日常茶飯事!作品は1stなどの宇宙世紀作品を始め、平成4作品とSEEDや00などオールです。<>内に主な登場作品を記載しています。
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