ガンダム学園で僕と握手 009 月は出ているか<X> |
夜にひっそりと満月が真上に浮かんでいた。
今日も夜遅くまでバイトをしてしまったようだ。
「ああ…結構遅くなっちまったな」
ガロード・ランは走って帰宅していた。
「や、やめてください!」
「?」
ガロードは路地裏から聞こえた少女の声が気になった。
これがすでに運命であったことを彼は知らない。
「…何だ?」
ガロードは興味本位で路地裏へと入り、物陰へと隠れた。
そこで見たのは。
「離して! 私は貴方達とは行かない!」
「何を言っているんだ? 自分から路地裏に来たくせによー!」
「(あの女の子…絡まれてる!?)」
ガロードは拳を強く握った。
助けなきゃ、瞬時にそう感じた。
「待て!」
ガロードは意を決して不良たちの前に躍り出た。
「その子から手を放せ!!」
ガロードは不良たちへと駆け出し、女の子を掴んでる男にタックルをかます。
「ぐあっ!!」
「じゃーん! 天下無敵の高校生、ガロード・ラン様が来たぜっ!!」
「うるせー!」
しかしガロードは後ろから鉄パイプで殴られた。
「ううっ!!」
「ガロード!!」
「(…何で俺の名を…)」
ガロードは薄れゆく意識の中でそれが気になった。
「俺は情けない奴だ。女の子一人守れやしない」
「そんなことない」
「き、君は…!」
夢の中でガロードはあの少女に出会った。
「貴方は強い人…強い心を持った…」
「お、俺は…」
なお、地味にこの少女にガロードは惚れてしまっていた。
いわゆる初恋という奴だ。
「で、でも結局君を守れなかった! 一発でKOとか情けねーよな…はは」
「貴方は…私を助けたい?」
「あ、当たり前だろ!! 困ってる女の子、放ってはおけないよ! だから…」
「力が欲しいの?」
「ああ」
「…貴方がこれから一生残酷な運命を背負うことになっても?」
「ああ。ここで逃げたら、俺は一生後悔する」
「…分かった。あなたに、力を」
「え」
少女が両手をガロードに突き出したと同時に、ガロードは夢の世界から消えていった。
「…!?」
気が付くとガロードは地面の上に寝転がっていた。
しかもまだ不良たちの声が聞こえる。
あまり長く倒れてはいなかったようだ。
「くっ…頭がジンジンするな」
そう言いつつもガロードは立ち上がった。
「おいお前ら! 俺はまだ立ってるぜ?」
「何だと?」
不良たちはガロード達を一斉に見た。
「マイクロウェーブ、来る!!」
ガロードがそう叫ぶと、月から一筋の光がガロードを照らす。
それと同時にガロードの身体が装甲に覆われた。仮面ラ○ダーみたいな感じ。
「GX、参上!!」
「な、何だその格好は!?」
不良たちは呆気にとられていた、なおガロードもそうだ。
「でもかっこいいじゃんこれ!!」
だがガロードは喜んでいた。
「これからの俺は一味違うよ!!」
「あの痛い格好の奴に礼儀を思い知らせてやれ!!」
不良軍団がガロードを襲う。
しかし、今度のガロードは一味もふた味も違った。
次々と不良たちを蹴散らしていく。
「すごい…何て力だ!」
「ガロード…」
ガロードはものの数分で不良たち約20名を蹴散らした。
「はぁ」
疲れたガロードは変身を解いてその場にしゃがみ込む。
さすがに疲れたようだ。
「ま、君を守れてよかったよ」
「ありがとう…ガロード」
「ところで何で俺の名前を? 知ってたのか?」
「違う。感じたの、あなたを」
「俺を? …ま、よくわかんないけどいいや。君は何て言うの?」
「ティファ。ティファ・アディール」
「ティファ!! 今の光は!?」
そんなとき、サングラスをかけた男がガロードたちの目の前に現れた。
「あ」
「まさかティファ…」
サングラスの男はガロードを見つめた。
「この少年がGXになったのか」
ティファはコクリと頷いた。
「そこの少年」
「ガロード! ガロード・ランだ!」
「ガロード、私と共に来てもらおう」
「アンタは一体何者だ!?」
ガロードはサングラスの男に腕を掴まれ、反射的に抵抗した。
「ジャミルだ。ジャミル・ニートだ」
「え? ニート?」
「名字がニートなだけだ!!!!!」
ジャミルは心の底から叫んだ。
「まあいい。私もお前に一つ質問がある」
「何だよ」
「月は出ているか?」
「は?」
「月は出ているのかと聞いている!!」
「見りゃわかるだろ!!」
ガロードの声が月にまで届きそうなくらいのヴォリュームだった。
当然近所迷惑でした。
説明 | ||
宇宙暦0093.シャアはアクシズの光に包まれ意識を失った。だが、気がつくとシャアは見知らぬ世界にいた!その世界は、歴代のガンダムのキャラクターたちが学園を中心に生活している世界だったのだ!シリアス成分は少な目で、ほぼギャグのバカコメディ。キャラ崩壊なんて日常茶飯事!作品は1stなどの宇宙世紀作品を始め、平成4作品とSEEDや00などオールです。<>内に主な登場作品を記載しています。 | ||
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