ぬこの魔法生活 第29話 |
◆ 第29話 A's始めました ◆
どうも。久しぶりのご主人のO☆SHI☆O☆KIから生き延びる事ができたぬこ(開発済み)です。
中の人は40過ぎだと言うのに小学生のご主人に○○○で×××なことを一晩中『バキューン』されて、
さらには『キンキンキンッ』なことをノンストップでフルスロットルでした。
何を言ってるかぬこにも分からないけど、これがリアルで快感になりそうで怖いです。
ん? ご主人? ご主人はぬこの隣で寝てるよ!
「んふふ〜みぃ君〜」
(あのっ、ごしゅじーん?ぬこを抱きしめるのはいいんですけど、腕の力を緩めてくれません? そろそろぬこ圧死しちゃう!)
「大丈夫だよ〜つぶれたみぃ君も可愛いの〜」
(つぶれるのは決定事項ですか、そうですか。ついにぬこが二次元の世界に進出するようです)
リアルで魔法がある世界の住人が何を言ってるんだって話ですよね。
実はホントにアニメの世界とかだったりしないんだろうか?
そうだとしたらご主人は間違いなく主人公体質だよね。ヒロインではなく。ヒロイン枠はフェイト嬢あたりですかね。
「何バカなこと言ってるのさ。それより、顔が真っ青だよ?」
(ふふ、ぬこ、実はロシアンブルーだったんだ)
「いや、ロシアンブルーのブルーは毛の事だから。そもそもグレーの毛色の事を言うらしいよ?」
(フェレットの分際でぬこの事に詳しいじゃないか……というか、そんなこといってる暇があるなら助けれ)
「結構余裕そうに見えるんだけど……」
(獅子舞でも踊れるように見えますか? それなら安心ですだよ。あ、そろそろオチる……)
そこでぬこの視界は暗転したのであった。
◆
キングクリムゾン!!
別にぬこはスタンドが使えるわけじゃないけど時間は吹き飛んだのさ!
……すいません、ぬこ今嘘つきました。
あの後、目が覚めたときには、すでにご主人が魔法の練習から帰ってきてたんで、
今日は本番に備えてゆっくりまったりと看板ぬこをして過ごしてました。
まぁ、そんなこんなで外はすでに真っ暗になっていたりします。
ご主人も今日は体育の授業があったらしくバテバテですでに寝ちゃってます。
なにやら苦手な長距離走(勿論 小学生に合わせた距離)だったらしく、がんばったけどすずか嬢を筆頭に周回遅れにされたそうな。
相変わらず、フィジカル面ではポンコツな我等がご主人様である。
帰ってきたときはそれはもう落ち込んでいらっしゃって、ユーノと二人で必死に慰めていたりしてました。
せっかく魔法が使えるんだから多少なりとも使えばいいのにね。
まぁ、そんな感じでぐったりでぐっすりなご主人をユーノに任せてぬこは今、はやて嬢の家に向かっている最中だったりします。
うーむ、この時間帯にご主人と一緒にいないのは久しぶりのような気がしますね。
時の庭園に連れていかれた時は除いてだけど。
ふむ、となると今はご主人はユーノと二人っきりなわけか……
………おい。
よく考えてみると、ご主人が疲れてぐっすり寝てるところにユーノという淫獣を放置してきたという事になるのか……?
待て待て、冷静に考えるんだ。ユーノがいくら淫獣としての((罪状|キャリア))を積んでると言えども、ヘタレだぞ、ヘタレ。
うん、大丈夫。きっと。
それに今まで2ヶ月近く一緒に居たんだから、ぬこだってユーノの事を信用してますよ。
いくら二人きりになったからって、そんな……そんな……
・
・
・
・
ぬぅおぉおおぉぉッ!! 信用できるかッ!?
男はいつだってけだものですよ! 無防備なままのご主人をそのままにしてくるだなんて、ぬこ迂闊!
塀や屋根を伝って、全速力で高町家へと帰還する。
幸いにして、まだそう離れてないところだし、はやて嬢のところへは少し遅刻するくらいで済むだろう。
そして、勢いそのままに窓からダイナミックエントリー!
華麗に着地をしたところで、なにやら魔法で作業しているユーノを確保。
「わっ!? なに!? なんなの!?」
(ひゃっはー! 淫獣は消毒だぁ!)
「ああああああぁぁ!?」
しっぽを咥えたまま、部屋を出て、隣の美由希さんの部屋に叩き込む。
余談だが、ご主人達の部屋のドアにはキャットドアが設置されてるんだ、超便利です。
(そぉぉいぃぃぃぃ!!)
(わぁあぁああああ!?)
「あ、ユーノだ。今日はなのはと寝ないんだ」
それじゃ、私と寝よっかーという声を聞こえてきたところで、ミッションコンプリート。
我ながらいい仕事をしたね!
なにやら、念話でぎゃあぎゃあ言ってきてる様な気がするけど、ぬこは気にしない。
何も問題はなかった(キリッ
さて、後顧の憂いを断ったことだし、はやて嬢のところに行かなくては!
◆
(とまあ、そんな事があったんですよ)
「うーん、なんていうかナチュラルに外道やね、みぃ君」
(いやぁ、照れますね)
「褒めとらんよ」
(知ってます)
「あはは、こやつめ!」
ごすごすと、はやて嬢にぬこの額を指で小突かれる。
予定してた時間より遅れちゃったんで、甘んじて受けましょう。
でも、ぬこは反省してませんよ! ご主人の安全は何事にも優先されるのです。
(ま、何はともあれ、お誕生日おめでとうございます……は、明日なんでしたっけ)
「うん。でもありがとうなー」
(いえいえ。さって、ちょっと時間も遅くなっちゃいましたし、早速メインイベントに移りたいんですけど大丈夫ですかね?)
「遅くなったのは誰かさんが遅刻した所為やけどな。ま、準備は万端や!」
(そいつは重畳。それでは、行くとしましょうか)
「了解や。んで、どこでやるん?」
あ、そういや言ってませんでしたね。
まあ、特に影響はないしいいか。
(あー、いつぞやの公園でやろうかと思ってるんですけども)
「む、ここから結構あるなぁ。誰かに見つからんやろか」
こんな時間帯に外出とったら補導されるわぁ……と、不安そうなはやて嬢。
(むふふ、我に秘策ありって奴ですよ)
「さいか。んじゃ行こか!」
ということで、二人して移動してるわけなんですけども、夜の10時を過ぎてると言うのに
一向に注意してくる大人が居ないのを不思議に思ったらしくはやて嬢が尋ねてきた。
「なぁなぁ、みぃくん。さっきから会う人、皆私らの事素通りして行くんやけど、こんなに海鳴って冷たい街だったんやね……ショックやわー」
(いやいや、別にそういう訳じゃなくてですね。魔法を使わせてもらったんですよー。認識阻害の結界みたいなもんです)
「へ? いつの間にそんな事しとったん!?」
(ぬこ達が出発してからずっと。つまり最初からですな)
「ほーじゃあコレがさっき言ってた秘策なんか。秘策って言う割にえらい地味やね」
(ぐぬ、様式美よりも機能美なんですよ!)
「外印乙やな」
(ずいぶんマイナーなキャラなのによく知ってますね……)
「みぃ君が言い出したくせに何ゆーとるん」
(そりゃ失敬しました)
こんな中身のない話をグダグダと話す二人であった。
◆
何事もなく公園に到着したぬことはやて嬢。
まさか誰も居ないからといって、バンバン魔法を使うわけにもいかないので結界を展開する。
以前は使えなかった結界も今ではご覧の通りですよ!
フハハ、着々と淫獣いらない子計画が推進しているぜ!
まー、ぬこの場合、保有魔力が残念な感じなんで、この前見たく戦闘では運用できそうにないんですけど。
これでも、ちまちまと術式を換えてもらって運用コストを減らしてるんです。
(んじゃま、やりますかね)
「おぉ、待ってました!」
(では、上空をご覧ください)
まずは、あんぐりと口を開けましてと……!
ぬこビーム(極大)! 発射!!
空へと一条の極太ビームが奔る。
すかさず幻術魔法を応用し、光線に彩りを加える……!
(爆ぜろ!などと厨二臭く言ってみる!)
瞬間、爆音と七色の光線が夜空へと広がった。
そして光線の残滓がしだれ花火のごとく地上へと降り注ぐ。
(まだまだ行きますよっ)
次々に打ち出される花火さながらの光と音の競演。
暗かった夜空を華やかに彩り続ける。
「うわぁーー!! すごっ、めっちゃすごいやん!」
興奮したようにはやて嬢が話しかけてきた。
だが、まだぬこのターンは終わってないぜ!
(フフフ、これがラストです! ぬこビーム(三連)!!)
一気に三つの光線……というか魔力弾を打ち上げ、上空で待機させる。
「ん? 失敗したん?」
(いやいや、ここからですよっと!)
待機させていた三つを同時に動かす。
そしてメッセージを描いていく。
A HAPPY
BIRTH DAY
DEAR HAYATE
これがぬこの練習の成果だぁーーー!!
文字に見えるように魔力を留めておくのは苦労しましたよ……
ご主人が寝入ってからも練習した甲斐がありましたね。
ま、ものの数秒で消えてしまいましたが、自分では満足のいく出来でした。
(どうでした? はやて嬢)
「すごかったわぁ……。ホントに花火を近くで見とるみたいやった!」
(満足いったみたいですねー)
「うん! ありがとうなぁ! こんなにすごい誕生日は初めてや!」
(いえいえ、どういたしまして)
どうやら喜んでもらえたようですな。
こっちとしても嬉しいのですが、ぬこはガス欠一歩手前だったりする。
「ん? 大丈夫なん? なんか疲れとるみたいやけど」
(や、ちょっと魔力を使いすぎただけなんで、大丈夫……?)
「こっちに訊かれても……」
(あ、やば……ちょっと、寝ます……)
「ちょっ、みぃ君!?」
ここでぬこの計画性の無さが露呈した!
このメッセージまでの消費魔力をやりくりしてたけど、そりゃあギリギリまで使ったらこうなるよね!
ぐぅ。
・
・
・
・
緩やかな振動で目を覚ます。
どうやらはやて嬢がぬこを運んでくれているようだ。
というか、ぬこはただいま膝枕状態! それにしてもこのぬこ、リア充過ぎる……
「あ、起きたん?」
(いやー申し訳ない。魔力消費した後の事とかすっかり忘れてて……)
「あはは、最後の最後でしまらんかったなぁ」
(うぐぅ……)
「ま、もうウチに着くし、もうちょっと休憩していってな!」
はやて嬢もこう言ってくれてることだし、お言葉に甘えますかな。
朝まで、というかご主人が起きる前には帰らないと……ガクガクブルブル
絶対二度寝なんかしないよ!
「ただいまー」
(お邪魔しますよっと)
「邪魔するんやったら帰ってやー」
(いや、そんな吉本的なテンプレはいらんですよ)
「何ゆーとるん! お笑いはテンプレがあるから面白いんよ!!」
(ぬこ相手にお笑いについて熱弁されても……)
と、そんなやり取りをしているとなにやらはやて嬢の部屋から眩い光が溢れだしている。
(……はやて嬢、部屋がえらい光ってるんですけど)
「ほんまや……って! 呆けてる場合とちゃう! 火事か! 火事なんか!? えと、119番って何番!?」
(とりあえず火事ではないからもちついて! なんか魔力反応っぽいです)
「ハッ、これはまさか私覚醒フラグ!」
(妄想乙です。とりあえず中覗いてみます? 危なかったら即時撤退の方針で)
「そやね」
どうでもいいけど、結構落ち着いてますねはやて嬢。
それはさておき、とりあえず中を覗いてみることに。
一応、ぬこバリアを張れる程度までに魔力は回復してるみたいなんでなんとかなる、と思う。
そして、少しドアを開けて様子をうががって見ると……
なんか、4人ほど誰もいないベッドに向かってブツブツ言ってるんですけど……
闇の書とか、騎士とか言ってますよ。
「なぁなぁ、みぃ君どうなっとるん?」
(わかんないです。はやて嬢はあの電波な人たちに心当たりは?)
「ないなー。やっぱ警察に電話したほうがええかな」
(どうしましょうか……)
こそこそ二人でやってると、なにやら誰も居ないことに気付いたようで突然慌しくなり始めた。
「ここは空気を呼んで出て行ってあげた方がええんかな?」
(さぁ? とりあえず危ない人たちじゃなさそうではありますよね)
「ど、どういうことだ!」
「わ、わかりませんよぅ!」
「なぁ……さっきからこっち見てるのがそうなんじゃないのか?」
「うむ」
どうやら見つかってしまったようだ。
「おぉ! ばれてもーた」
(話が見えないけども、何なんですかアンタら)
「……我らはヴォルケンリッター。闇の書の主に集いし守護騎士。主よ、何なりとご命令を」
そう言うなりはやて嬢に向かって跪く4人。
ビシッと決めているが……
(ヴァイスリッターだかローゼンリッターだか知らないけど、さっきの慌てっぷりを見た後だと……)
「うん、しまらんなー」
『うぐっ』
そんな騎士(笑)のメンツは女性×2、ロリっ娘、男性(犬耳装備)。
……なんてカオス。
ていうか、男が犬耳とか……まさに誰得。
男で獣耳が許されるのはうたわれ○ものぐらいじゃないかなとぬこは思うね。
「ふわぁ……」
(む、眠そうですな)
「うん、ちょっとな。なんやかんやでもう0時過ぎてるし……」
(まぁ、詳しい事は明日聞けばいいんじゃないんですか?)
「うん、そやね。それじゃあ部屋の準備せな」
「あの、主?」
「あ、ちゃんと手伝ってな。わたしこんなんやから」
「え、あ、ハイ……」
戸惑い気味の騎士たちを引き連れて部屋から出て行くはやて嬢。
さてさて、どうなることなのやら。
面倒な事にならなきゃいいんですけどねぇ……
はぁ、ぬこも寝るとしますか。
今日はいろんな事があって疲れました。
眠って忘れたい気分なのです……
げ、現実逃避なんかじゃないんだからっ!勘違いしないでよね!
◆ あとがき ◆
読了感謝です。
というわけで、A's編導入部でした。
この話では、ぬことユーノとのやり取りを主に変更してます。
誤字脱字などあれば、ご報告いただけるとありがたいです。
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>量産型第一次強化式骸骨さん このノリは誰彼構わず侵食するのですよ・・・!w 指摘ありがとうございます、修正しておきました。(pluet) ぬことはやてのノリと会話に騎士達は付いて行けるのだろうかww 「やらい地味やね」→「えらい地味やね」では?(量産型第一次強化式骸骨) >義之さん 毛のことであってますよ?毛は青灰色ということらしいです。子猫の頃は青い目をしてますが、大人になるにつれ綺麗なエメラルドグリーンの目になるそうです。byうぃきぺであ(pluet) 「いや、ロシアンブルーのブルーは毛の事だから。そもそもグレーの毛色の事を言うらしいよ?」の所で、『毛の事』ではなく『目の事』では無いかと思うのですが(義之) >鎖紅十字さん ……あはは、いやまさか。たかだか外泊ぐらいで、ねぇ?w(pluet) >黄金拍車さん ありがとうございます。修正しました(pluet) あれ?寝ちゃっていいの?帰んなくていいの?次こそ逝っちゃうよ!?(鎖紅十字) 「いえいえ。さって、ちょっと時間も遅くなっちゃいましたし、早速メインイベントに移りたいんですけど大丈夫ですかね?」「そいつは重畳。それでは、行きましょうか」⇒()(黄金拍車) |
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