ViVidに転生した。うん、そのはず………。 その3
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 ザンクト・ヒルデ魔法学院に入学した。

 

 アインハルトとは同じクラスだった。格闘技をお互いやっていることもあり、結構話はしている。

 最近覇王イングヴァルトの子孫だって話を聞いた。覇王について知ってること……武技に秀でてたとか、古代ベルカ諸王時代を最後まで生き残った家の一つだとか、っていうのを話したら、「なんで知ってるのか」とびっくりされた。というか、疑いもせず信じられたことにびっくりしてたな、あれは。

 

 時折試合もするのだが、結構いい勝負である。相手が突進して重い一撃を撃とうとするのに対し、こちらはスピードと手数で翻弄する。相手の一撃が決まるか、こちらが相手を切り崩すかと言う感じで、毎度盛り上がっている。

 

 兄貴は今中等科一年。教会騎士としての鍛錬も始めたそうだ。

 四年の姉貴は管理局入りを考えているらしい。

 

 その一方で、俺は無限書庫司書とデバイスマイスターの資格をようやくゲット。最年少記録? そんなものはどうでもよろしい。

 

 やっと思った通りのデバイスを作れるかと思いきや、

 

 

 

 

「金が…………無いっ…………!」

 

 

 

 

 資格勉強やら、デバイスマイスターの専用工具やらを買いまくっているうちに相当な金欠になっていた。親にねだるにしても限度がある。

 

 自分専用のデバイス、まずはAIを載せたコアを作るために……頑張ろう。

 

 

 自分で働いて金稼いで自分のデバイスを作ろうとしていると親に説明したら、教会騎士団の方に連れて行かれた。父親はここで働いている。

 なんでも、デバイスを整備してくれるやつが欲しかったそうだ。ある程度安めだがそれでも結構な量の金が入るので割と真面目にこなしている。色んなデバイスを見れるしな!

 

 

「あら、こんなところで何をやっているのですか?」

 

 そんなところにやってきたのは紫の短髪のシスターさん。っと、新顔か? 皆同じ反応するんだよな………。

 

 いつものように情報端末を操作し、持っている証明書を見せる。

 

「デバイスマイスターです。格安で整備やってます」

 

 新顔さんはさらに半額である。

 

「まあ。じゃあこれ、お願いしてもいいですか?」

 

「はい、じゃ、整備者権限で起動して、と……」

 

 デバイスモードで現れたのは、トンファー型の双剣だった。

 

「なるほどなるほど……」

 

「どうですか? ヴィンデルシャフトは」

 

「なかなか使い込まれた感じですが、整備は怠ってないようですね。一応、汚れやゆがみが発生しやすいカートリッジ周りを精査させてもらいます……ヴィンデルシャフトというのはこのデバイスの名前ですか?」

 

「ええ、私の愛機です」

 

「そうですか……」

 

 なんでまた原作キャラに会うんだろ。最近結構多いよな。

 

「よし、残っていた魔力の残滓を取り除いて、カートリッジ周りも掃除させてもらいました。……グリップはすり減ってませんか?」

 

「大丈夫です。ありがとう。若いのに優秀なのですね」

 

「いえいえ」

 

 お金を払ってもらった後、名刺を貰った。

 

 聖王教会シスター、シャッハ・ヌエラと書いてあった。

 

 名乗ったら驚かれた。

 

「なるほど……ブランデンブルク卿のご子息の噂は本当だったのですね」

 

「へ?」

 

「兄の方は正義感が強く、指揮能力に長ける。弟は大人しめで、万能だけど特に戦闘と技術が天才的だ、と」

 

「誰ですかそんな嫌な噂蒔いたの」

 

 俺が嫌そうな顔をしたのに対し、怪訝そうな顔でシスターシャッハは尋ねた。

 

「謙遜することは無いのでは?」

 

「努力しなきゃ強くなれる訳ないと言う点で俺はただの凡人ですよ。全部努力と勉強しなきゃどうしようもない」

 

 そう、上辺だけ見てこいつは天才だとかいわれるのは気に喰わない。俺だって努力してるのに、それを「天才」の一言で片付けられたらたまったもんじゃない。

 

「……あなたの努力を侮辱するような発言でしたね、すみません」

 

「……わかって頂ければ別に構いません」

 

「お詫びと言っては何ですが……」

 

 訓練に時折付き合ってもらえるようになった。

 凄まじく厳しいのでひいひい言ってるが、これもForceで生き残るため………!

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして初等部一年の終わり頃。

 

 

「金たまったぁ!」

 

 

 早速、コアの素体を購入。

 整備中にいろいろ取らせてもらったAIのデータサンプルを元にオリジナルAIを組み上げていく。

 

 

「ここをこうして、装備に発展の余裕持たせたいから………」

 

 今は武器のパーツを買うほどまでは金が無いので、そっちの分も想定しておく。

 

「よし、出来た!」

 

 輝くのは緋色の弾丸に紐を通したネックレス。

 

 さて、と。

 

「……マスター認証、レオンハルト・ブランデンブルク」

 

 ミッドチルダ式の緋色の魔法陣が展開。

 

「術式は近代ベルカとミッドの混合ハイブリッド。魔法の種類によって術式主体は変化」

 

 魔力の流れが確立する。

 

「愛機デバイスに個体名称を登録………愛称ペットネームは『ロイ』、正式名称『トロイメライ』」

 

 ……これでこの機体は完全に俺の物になった。

 

「ロイ、バリアジャケットを構築」

 

『了解しました、マスター』

 

 

 黒いインナーに灰色のコートを羽織った状態の物が構築された。コートは勿論、黒いズボンにも収納の余裕が結構ある。カートリッジ等を入れるのに問題はなさそうだ。

 

 

「成人状態への変身」

 

『了解』

 

 いきなり地面が遠くなり、一瞬ふらついたがすぐに感覚を取り戻す。

 

 その後もいろいろ魔法を試してみて、

 

「……よしよし、全部問題ないな」

 

 首元で輝いてるロイに声をかける。

 

「お金が貯まりしだい、フレームも作るからな。これからよろしく、ロイ」

 

『こちらこそ、((我が主|マイ・マスター))』

説明
その3 世知辛い世の中になったもんだ
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コメント
久々の更新乙でした〜。もうチョイ早く続きを読みたいけれども、そこら辺は人それぞれなのでこの戯言は無視しといて下さい。(神薙)
タグ
魔法少女リリカルなのはシリーズ ヤンデレ バトル 

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