魔法少女リリカルなのは 平穏無事に過ごしたい 原作前ミッド編
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「ここがミッド、私達夫婦のもう一つの故郷であり、お前たちのもう一つの世界だ」

 

父さんは転移ポートから一歩出て、家を見渡しながらそう言った。

母さんは、どこか懐かしそうにこの家を見ていて、遊菜はいきなり景色が変わったことに驚いたものの元気に辺りを見まわったりしていた。

 

俺は………

 

「ここが、父さんたちの、もう一つの家……」

 

茫然としていた。

 

なぜなら、

 

「嘘だろ?こんな、こんな……

 

 

 

 

豪邸に住めるだなんて!」

 

想像以上に広かったことに驚いていた。

 

地球(あっち)の家はごくごく一般的なサイズの家であり、ミッド(こっち)の家もそれをイメージしていたためである。

というか、辺りに骨董品と思われるデバイスが多いのである。

 

古びた鉄板の様なもの……恐らくは、ストレージデバイスと思われる。

刀を模したカードリッジ機能付きのデバイス。

機関銃の様なデバイス。

 

その他にも、剥製と思ったが、実は使い魔のようなデバイスだった熊やトラ(勿論、喋った)。

 

「デバイス屋敷か……」

 

父さんたちに聞こえないように、小声で呟いた。

肝心の父さんたちは何やら忙しく動き回っていた為に俺の呟きには気づかなかった。

運が良かった。

 

「さて、私は早速仕事といきたいんだが……悠樹、遊菜。

ちょっと来なさい」

「なあに、パパ〜」

「どうしたの?父さん」

 

先程まで、忙しそうにしていた父が自分たちを呼ぶ。

 

「お前たちに良い物を上げようと思ってね。

受け取りなさい。お前たち専用のデバイスだ」

 

そう言いながら、父さんは俺に白い腕輪を遊菜にはピンクの髪留めをそれぞれを手渡した。

 

「これなにー?」

「ん?これはデバイスといってね。魔法が使えるようになるすごい物なんだよ」

「魔法!すごーい!」

「さて、挨拶をしなさい。クラウン、ハピネル」

 

『『了解しました(しましたぁ〜)。我が創造主(様ぁ)』』

 

そう言って白い腕輪の十字架部分が光りながら、答えた。

ちなみに俺のは真面目な方らしい。

遊菜のは間延びした声だ。

 

『これより、マスター認証を始めます。

マスター。名を御名乗り下さい』

「ああ、うん。俺の名前は朝霧悠樹」

『悠樹様ですね。

私はクラウン。マスターの剣となれた事、光栄に思います』

 

仰々しく、膝をついて答える騎士の姿が……このデバイスから連想できた。

う〜ん。こういうのは好きじゃないんだよな。もっとこう、フレンドリー?にしてもらわないと。

よしっ!そうと決まったら、

 

「う、うん。ありがとう。

あ、あのさ、クラウン」

『はい。なんでしょうか?マスター』

「もうちょっとさ、砕けた感じになってくれない?

クラウンは俺の道具じゃないんだし、むしろ言うなら、相棒だろう?」

 

交渉(?)だ!………上手くいくかはわからんけどね。

 

そう思って口にした言葉。

それに対し、クラウンは……

 

『わかりました。マスター。

マスターの言うとおりに致します。……いまだに不慣れですが、徐々に直すことに致します』

 

案外と普通に受け止めてくれた。はあ、良かった。

 

……まあ、まだあんまり、抜けていないけどね。

 

そんなやり取りをしていると、父さんが俺たちを見ながら

 

「うん。どっちも終わったみたいだね。

それじゃあ、『セットアップ』って言ってみるんだ。そうすると、変身できる」

 

『セットアップ』を勧めてきた。

 

「変身!すごーい!すごーい!」

 

遊菜はとても嬉しそうな笑顔で飛びは寝ながらはしゃいでいる。

 

『ああも〜私のマスターはなんでこんなに可愛いんでしょうかぁ』

 

遊菜のデバイス……ハピネルは遊菜の可愛さに悶えていた。

わかるぞ。その気持ち。

ホントに無邪気でかわいいもんな。

 

ん?シスコン?ロリコン?

 

前者は認めるが後者は認めない!俺は、変態的趣向持ちの幼女性愛者(ロリコン)じゃない!

ただの、シスコンだ!

 

どっちもどっちだって?

違うな。

そもそも、変態的趣向持ち幼女性愛者(ロリコン)とはな(ry

って、わけだよ。

 

そんな、どうでもいい(俺の沽券を考えれば、重大な、とつくが)説明を脳内で終えると、

遊菜が

 

「はぴねる。せっとあーっぷ!」

『了解しましたぁ〜』

 

光に包まれていった。

あっちはあっちでいつの間にか進んでいる様だ。

じゃあ、こっちも

 

「クラウン。セットアップ!」

『セットアップ』

 

そう言うと、俺の身体も遊菜同様に光に包まれ……思わず目を閉じる。

 

数瞬待つと、光が治まった様な気がしため、目を開く。

するとその目の先に見えたのは……先程までいた私服だった妹が、何故か髪の毛の色がピンクになって巫女服を着ている妹がいた。

 

”あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

セットアップが終了したのを確認するために目を開いてみたら、妹がピンクの髪に変わってて、巫女服を着ていたんだ。

な、何を言っているかわからねーと思うが、俺も何をされたかわからなかった

頭がどうにかなりそうだった……催眠術だとか超スピードだとか、そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……。

 

『「可愛いすぎるわ(ですぅ)!遊菜(マスタァー!)!」』

 

その証拠にそれを見た母さんとハピネルは口々に遊菜を褒める。

母さんに至っては抱きついたりしている。それを見ていたデバイスが、『私にも、体があればぁー!』と大騒ぎしていた。

ずいぶん感情豊かだな。あのデバイス。

 

っていうか、髪の色が変わったことに気付け!

 

「髪の毛が変化しているな。これはユニゾンデバイスでしか見たことのない現象だが……なるほど興味深いな。

さて、悠樹は……お前もか!」

 

遊菜の方を見ていると、父さんの声が聞こえてきた。

どうやら、みたことも無い現象らしい。

 

うん?待てよ……今父さん。「お前もか!」って言ったよな!?

 

俺は、今の自分の姿が気になったため、走って鏡の前に立つ。

 

そこに映っていたのは

 

「髪が白い!服はナニコレ!廚二全開じゃん!

というか、これってDグレのアレンじゃね!?でも武器は銃!?」

 

黒かった髪が真っ白に染まり、アレンの『神の道化(クラウン・クラウン)』のようなバリアジャケットを纏った俺がいた。

 

武装は《ベレッタM92F》のシルバーモデルに銃剣が固定されている物が二丁だった。

 

いやいや、白兵戦でもしろと?魔砲少女共相手に?死ぬだろーが!

と心の中でそう叫んでいた!

 

『魔力値AAA+。収束魔法・砲撃魔法・身体強化魔法の適性が高いです。その中で最も適正値が高いのは収束魔法と身体強化魔法。

高速移動型の魔導銃師ですね』

「クラウン!それは本当かい!?

本当だったら、彼女の……あの銃技、継承できるかもしれない。

私はすぐに連絡を入れておく!

……まったく、私の子供はかなりの規格外のようだな。

親としては嬉しいが、元魔導師としては何故だか、悔しいな」

 

何か父さんとクラウンが言っているが、聞こえない。

俺は今の恰好と世の中の理不尽をorzの態勢で嘆いていた。

 

「立夏!それぐらいにしておきなさい。

私はこれから仕事に行ってくるから、あの人が来たら、悠樹の事を頼んで置いてくれないか?」

「あの人?あの人って、まさか!メイ!?

しかも悠くんを?

ああ!悠くんはカッコイイわ!「はあ、もう私は行くぞ」あっ!仁さん!?もうっ、相変わらず忙しいのね……こっちだと」

 

父さんと母さんが俺について、何か話しているようだが……全くわからん!

誰だよ。あの人って?俺の事を頼むって何?俺、捨てられフラグ?

 

ええっ!まさかまさかの衝撃事実だぞ!

やべぇ……涙が出てきた。

 

「かあ、さん。俺、捨てられるの?」

 

そんな言葉が出てきた。

何故だか、わからないが、出てきてしまった。

母さんは、その言葉を聞くと、ハッとした顔になり、俺を抱きしめてくれた。

 

「ありえないわ。そんなこと。

悠くんを、子供を捨てるなんて、私も仁さんも絶対にできるはず無いわ。

悠くんを捨てるくらいなら、世界を捨てる。

悠くんと人類を天秤に掛けられても、悠くんを選ぶ。

当然じゃない。

だって、貴方は、あの人に、仁さんに残された数少ない大切な人たちなんだから」

 

………母さん。

ごめんなさい。

そんな言葉が心を支配してはいたが、声には出ない。

 

俺はただその母さんの胸もとで泣いていた。

 

俺のバリアジャケットを小さな力で誰かが引っ張っている。

遊菜だ。

 

「悠にい。なかないで!」

 

遊菜自身が泣きそうな顔で俺を見ている。

 

それを見た俺は自分を殴りたくなった。

大切な、妹が、泣いている。

俺の無責任な行動のせいで……。

 

『マスター。貴方は、一人ではありません。

その証拠に、泣いて下さる母様、妹様が居られるではございませんか』

 

デバイスにすらも慰められる。

情けないなぁ。

だけど、今ぐらい、良いよな?

 

俺は全部を吐き出すように

 

「……ごめん。ごめん、なさい。母さん、遊菜、クラウン……」

 

嗚咽を我慢しながら、言いきる。

その間にも母さんは、俺と更には遊菜まで抱いてくれていた。

 

温かい。

俺が前世で知りえなかった温かさ。

 

そうだ。

前世と、今は、関係無い。

俺には最高の家族がいる。

 

「……ありがとう」

 

そう言って、俺は、我慢する事無く、恥も外聞もなく、母さんの胸の中で泣いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ものすごく入りづらいんだが…………」

 

その時、外に誰かいるとは知らずに………

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ウ「どうも。何故か構想まとまらずに軽い話に重い話が混ざってしまった。ミッド編第一話」

 

悠「…………」

 

ウ「思い切り泣いちゃいましたね。悠樹くん(ニヤニヤ」

 

悠「……切り刻みますよ?(ベレッタの銃剣を作者に向けて」

 

ウ「チョーシ乗ってスイマセンでしたぁああああああ!」

 

悠「まあ、いい。今回は許す」

 

ウ「ほっ」

 

悠「下らない事は良いから、さっと次回の予告始めてくれ」

 

ウ「わかりました。

  ミッドについて直後の悠樹たちに突然の来訪者。

  果たしてその目的は?

  続々オリキャラ登場。何時、キャラ紹介を入れようか?

  ミッド編第二話『来訪者』」

 

悠「ミッド編からはタイトル有りになったんだな」

 

ウ「うん。なんかその方がいいかなぁ〜と思って」

 

悠「必要無いもんも入ってたな。後で魔法の練習台にするか」

 

ウ「えっ?!」

 

悠「それでは、次回をお楽しみ!」

 

ウ「ちょ、嘘だってバーニィー!」

 

その後、銃声と悲鳴だけが少しの間だけ響いたとさ……。

説明
ミッド編第一話『到着』

待望の専用デバイス登場。
だけど、まだまだ戦闘シーンにはいけない罠。

一体ここからどうなるのか!?
それは作者にもわからない……。

ちょ、SLBはやめっ……アッ―――――!
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魔法少女リリカルなのは 転生 ご都合主義アリ モブを目指せ…… 

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