ONE PIECE ?黒髪少年の描く世界?  第三十七話 ジャヤ
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ルフィが拾って来た地図によると、どうやら『スカイピア』と呼ばれる空島は存在するらしい。その地図が空から降って来たセントブリス号から出て来た事もあり、ナミの指示でサルベージをする事になった。代表としてルフィとゾロ、サンジが海に潜る事になり、樽で作った特製ウェットスーツを着て、潜っていった。ルフィもそれのおかげで弱らずにすんでいる。その樽からはチューブが伸びていて、船の上でウソップがシュコシュコ空気を送っている。

 ちなみに俺も上で待ってる係だ。するとどこからかにぎやかな音が聞こえて来た…

 

シャンシャンシャンシャン♪

ピーピーピーピー♪

 

やかましい音と共に見えて来たのは船頭にでっかい猿のついた船だった。やかましい事この上ない船の船員はなぜか猿のような顔をした者ばかりだった。まさかこの船だけ人類の進化は止まったのか?という感じだ。

 

 

 

 

 

 

「引き上げ準備ーーーー!沈んだ船はおれのもんだぁ!!ウッキッキー!」

「「「「「「ウッキッキー!」」」」」」

 

そして船長は船員に負けない猿だった。船員よりも猿だ。なんかクロマニョン人?ホモサピエンス?とかそういう感じだ。まあこの船では船長の事を|園長(ボス)というらしいが。マシラと言うらしいボスによると、自分たちもサルベージをするという。大柄な船長に恐れたナミ達は、なんとか自分たちもサルベージをしている事がバレないように必死にごまかしていた。

 

それにしても…

 

 

 

 

変わった容姿だな…

「なあ!」

マシラに向かって大声ではなしかける。

「ん?なんだ?」

「ちょっとそっち行ってスケッチさしてもらえねーか?」

スケッチブックを見せて言う。

「え、ちょ、ヤマトさん!?」

ビビは慌てたようにヤマトの方を見る。するとマシラは一瞬顔をしかめ、

「いいぞ!…そんなに俺はサルあがりか?」

…いきなりデレはじめた。

「あ、ああ、ちょーサルあがり…」

「そうか!俺が今からそっちに行こうか!?」

気を良くしたマシラの声に身を固くするウソップ達。そして『だめだめだめだめ!!!』と目で訴えてくるナミ。

「あー…いいよ、俺がそっちに行く。スケッチさしてもらうんだし」

そういい、スケッチブックを持ち、飛ぶ。もちろん半分草になって、だ。そうしないといくら船が近いからとはいえ海に落ちる。

「よいしょっと」

船に着地して、マシラに船の先に立つように言う。するとどこからかバラを取り出し、くわえる。

 

 

「…いや、くわえなくていいっすから…」

あぐらをかき、絵の具を広げながら言う。

「よりサルあがりにやった方がいいかと思ったんだが」

「いやーそれもいいんだけど、やっぱそのまんまの方がマシラらしいんじゃないか?」

「そうか!?おれは元々サルあがりか!」

微妙にかみ合っていない会話も端から見たら仲良く話しているように見える。そのためナミ達は『ヤマトは絶対接客業に向いてる』、と内心感心していた。

 

 

そうしているうちにルフィ達が海から上がってくる。それを傍目に確認した俺は、絵を終わらせた。そうして船に戻ろうと船の縁に足をかける。と。

「ぬおおおおお!お前らサルベージしてたのか!!!」

「へ?」

いきなりのマシラの怒声に困惑した顔で振り返るヤマト。そしてマシラの視線をたどっていくと…

 

 

 

 

鎧を全身にまとってガションガション遊んでいるルフィの姿。海賊船に鎧くらいあってもおかしくはないが…ルフィのまとっている鎧は明らかに古すぎて観賞用にあったものとは思えない。

「あんの…馬鹿!!」

つぶやき、思いっきり船の縁を蹴る。そして船に着地する。そして後ろを見ると

 

「マシラ飛びすぎだろ…」

マシラもこちらに飛び移ってるところだった。

「おれを騙そうなんていい度胸じゃねーか!」

何かもうこれにはなに言っても無駄な気がする。

「問答無用。サンジ!返却ショットだ!」

「おう!返却ショット!!」

 

ドガァァァァァン

 

吹っ飛んでいくマシラ。そしてしっかり向こうのマストに当たり、返却された。

 

 

 

 

「って返却ショットてなんだよ!」

サンジにつっこまれる。

「ノリつっこみ遅っ」

「うっせ!俺のかっけーシュートにかっこわるい名前つけやがって!!」

ギャーギャーじゃれていると辺りが急に闇に包まれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へ?」

「今度は何なのよ?!」

さっきっから心配ばかりしているビビはもう心臓が限界だ。

 

 

 

だがしばらくしても何も起きなかった。

変わった事と言ったら夜のように真っ暗になった事くらいだ。

ふいにヤマトが後ろを見ると…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには3人の巨人が槍を持って立っていた。

 

 

 

「うっそぉーん…」

苦笑いでつぶやくヤマト。だが他の船員ももちろん惚けている。そしてサンジが我にかえり、叫ぶ。

「逃げろ!とにかくオールを漕げ!!!」

そこからはみんなありえない程の動きの速さだった。急いでオールを取り出し、思いっきり漕ぐ。

 

 

 

メリー号の進む早さは尋常じゃなかった。

 

後に俺がゾロに『あのときの船の速さはどう表現したらいいと思う』と聞いたら『羊が羽ばたいてるような感じじゃねえか?』と言われた。

 

俺は『羊が羽ばたいてる』と言ったら寝る前に数えるような飛んでる羊しか思いつかない。あの柵をエビ反りになって飛び越えていくやつ。

 

まあそんなことどうでもよくて。

 

 

ようやく夜のような闇からも3人の巨人からも逃げ出した俺たちは、完全に船の針路を見失った。途方に暮れ、しゃがみ込むナミの肩をロビンが叩き、あるものをさしだす。それを見た瞬間ナミが『お姉様大好き!』とかなんとか言ってロビンにしがみついたという事は恐らく何とかなったのだろう。ロビンに何を渡したのかと問うと、ジャヤという所のエターナルポーズらしい。マシラの船から盗って来ていたようだ。さすが闇の女ー(笑)

 

 

そんじゃここはみんなに任せて、俺は一眠りすっか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと起きて!ヤマト!!」

ガスッ

「でっ」

俺の目覚めは最悪だった。

なんとナミのげんこつで起床だ。しかも俺の体内時計が正しければあれから1時間弱しか寝ていないというのに。

 

「なんだよ…」

目をこすりながら起き上がるヤマトの目にボヤけながら映ったのは腰に手を当てたナミだ。

「寝てんならあの二人の見張りに付いてって!」

「あぁ?」

まだはっきり見えない目でナミが顎をしゃくった方を見ると、そこにはいつの間に船から降りたやら。ゾロとルフィがいた。

「別にルフィがいるんだしゾロが帰って来れねえことないだろ?寝させろー」

また寝っ転がろうとするヤマトの腕を思いっきり引っ張って無理矢理立たせるナミ。

 

「だぁめーなーのーー!!あの二人が行ったら絶対なんか事件起こしてくるんだから!」

ホラさっさと行く!、と言われ背中を押された俺は頭をボリボリかきながら二人を追いかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これで多分争いごとにはなんないでしょ」

安心した様子のナミだったが

 

 

 

 

 

ヤマトだって争いを起こすのである。

 

説明
にじファンからの転載です。

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