IS~音撃の織斑 二十八の巻:頂上決戦 その二
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結果的に、三つのペアは完敗した。

 

「に、兄様、もう少し手加減を・・・・」

 

「断る。」

 

「あうう・・・・・」

 

「もう、何なのよー、その反則級の強さはぁー!」

 

鈴音は悔しそうにバタバタと仰向けになったまま手足をばたつかせる。

 

「本当ですわ!これでは私達には模擬戦にもなりません事よ、一夏さん?」

 

「でも、やっぱり一夏って凄いね。でも、戦い方がめちゃくちゃ過ぎる・・・・ラウラを振り回してぶつけて来るなんて・・・・・」

 

先程の戦いを思い出してシャルロットの顔は青ざめた。

 

「常軌を逸してこそ、勝ちへの道が開かれる。ISとは既存の兵器を超えるブラックボックス。常識に捉われていちゃ、やろうと思っても出来ない事もある。だから、始めから脳のネジを弾け飛ばしてりゃ自然と出来る事もあるんだよ。ラピッドスイッチを更に高速で行ったり、AICを同時に発動したり。兎に角、突拍子も無い発想は大事だ。」

 

「常軌を逸してこそ、勝ちへの道が開かれる、か・・・・・うむ、良い勉強になった、感謝するぞ。」

 

「さてと、楯無との試合があるから、俺は少し休憩を取る。」

 

「お疲れさま。はい。」

 

簪が待ってましたとばかりにスポーツドリンクを出した。

 

「ありがと。」

 

一夏は仮眠を取る為にピットに戻って行く。

 

「一夏さん、実力は学年最強とは疑う余地はありませんわね。」

 

「うむ・・・確かにな・・・・もしかすれば、一夏が生徒会長になれるかもしれんな。」

 

箒も腕組みをしてセシリアの言葉に同意する。

 

「あらあら、一年の代表候補生全員がお揃いで何してるの?」

 

全員振り向くと、そこには楯無の姿があった。

 

「あ、お姉ちゃん・・・!」

 

「いつの間に・・・!」

 

「全く気配を感じませんでしたわ・・・」

 

「一夏君と模擬戦したみたいだけど、どうだったの?」

 

「惨敗ですわ・・・・」

 

「ペアでも全然勝てないのよ!何なのよあれ?!」

 

「そりゃそうよ?初戦なのに私に勝ったも同然の結果を出したんだから、貴方達じゃ勝てないわ?じゃ、今度は私と模擬戦しましょ?」

 

「お姉ちゃん、時間あんまり無いんじゃない?一夏との試合がまたあるんだし・・・」

 

「そうね。早く準備しよーっと♪」

 

楯無はスキップしながらそのアリーナを後にした。

 

「い?ちか君♪」

 

「楯無・・・・・何しに来た?」

 

「あら、彼氏に会いに来るのに理由なんかいる?」

 

「それもそうか・・・・ISでの試合、これが最後だな。」

 

「そうね。」

 

「楯無、ちょっと来い。」

 

楯無が簡易ベッドに近付くと、顔を両手で優しく包まれた。そして髪をゆっくりと梳く。

 

「一応私年上なのよ?」

 

「精神年齢は低いだろ?人を丸め込むんだし。後、お前との勝負が終わったら、改めてお前と簪に言いたい事がある。」

 

「あら、何かしら?」

 

「まだ言わない。」

 

そして一夏は初めて自分から楯無にキスした。

 

(うわ・・・舌が・・・・やばい・・・)

 

そして離れた頃には唾液の糸が二人の間に出来ていた。

 

「さてと、もうすぐだな。」

 

「うん。」

 

二人はピットでISを展開し、カタパルトで射出された。

 

「ISでは、これで最後。今回こそは勝つぞ。」

 

二人は再び、ぶつかり合う。クリア・パッションで楯無の周りが爆発し、姿を覆い隠した。涅槃を構えた一夏は伸縮するラスティー・ネイルを搦め捕って引っ張った。だが、飛んで来たのはラスティー・ネイルだけだった。

 

「ちっ・・・」

 

そして反射的に一夏は、前進する。後ろで何かがブォンと振られる音を聞く。

 

(あのガトリング付きの槍か・・・・)

 

そして案の定飛んで来る銃撃を涅槃で防御し、瞬時にカノンモードの雪羅で撃ち返した。だが、それが半分に分裂した所で突然爆発した。それに向かって涅槃を投げつけると、雪羅の砲撃を纏って更に異動スピードが上がった。そして相手のエネルギーが削れる。

 

戻って来た涅槃を掴むと、落ちて行くラスティー・ネイルを楯無に向かって投げ飛ばす。

 

「危ないわね・・・」

 

「まさか雪羅をクリア・パッションで防御するとは思わなかったが・・・・良く見てみろ。」

 

「また、アクアクリスタルを破壊したのね。えげつない。(一個残ってるけど・・・・・また二つとも破壊されたら・・・・)」

 

「お前の使う攻撃の方が余計にえげつないぞ。俺なんかハイリスクハイリターンなんだ。お前はノーリスクハイリターンだろうが。」

 

一夏は涅槃を変形させ、今度は草薙とクローモードの雪羅を研ぎ合わせると、更に閃爪刃を展開した。クローの零落白夜のエネルギーもそれに宿り、腕と脚を振り回し、エネルギーの刃を飛ばした。

 

『残月破・百花繚乱!』

 

四方八方から飛んで来るエネルギーの刃をクリアパッションで消し飛ばしていたが、そうする度に一部が残って拡散、更に小さくなって襲いかかる。じわじわと、そして確実にエネルギーを削られ、残った一つのアクアクリスタルも徐々に罅が入り始めた。

 

(これで・・・・バースト!)

 

斬撃が全て文字通り楯無の周りで((爆散|バースト))し、一気にシールドエネルギーが削られる。アクアクリスタルも破壊されてしまった。最後に一夏はクローと草薙で最後のエネルギーの残滓を削る。

 

『試合終了!勝者、五十嵐一夏!』

 

「勝っ・・・・・た・・・・のか・・・」

 

「あーあ、お姉さん負けちゃったわね。ちょっと残念。」

 

一夏はISを解除すると、楯無の方にゆっくりと歩いて行った。

 

「これで、お願い一つ聞いてもらおうか・・・・・生徒会には入らないぞ。」

 

「もー、分かったから。これで一勝一敗ね。」

 

「ああ。残りは生身での対戦・・・・これは本当にどうなるか分からないな。」

 

「でも驚いたわ、零落白夜の斬撃を飛ばしてそれをコントロールするなんて。」

 

「出来たのは軌道修正だけだ。百花繚乱では、流石にちょっとな・・・・・少し休む・・・」

 

「お疲れさま。」

 

壁にもたれながら楯無を抱きしめ、ずるずると座り込んだ一夏の意識は無くなった。

 

説明
はい、第二ラウンドです。短めです、すいません。
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コメント
カッコイイっす!!(ゆっけ)
一夏カッケェー!(まあくん34)
タグ
仮面ライダー響鬼 インフィニット・ストラトス IS 

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