IS<インフィニット・ストラトス>with LN<リリカルなのは>第二十二話 |
第二十二話 任務終了と報告
今、俺は楯無と管理局にいる。
あの謎のISとの戦闘のあと、俺は一度海鳴から帰ることにした。
ISとの戦闘の報告をしなければならなかったからだ。
アリサさんは怪我をしておらずただの気絶だけだった。
俺はアリサさんの家に向かい、そこにはアリサさんを心配してきたすずかさんをはじめ月村家の人達や高町家の人達も来ていた。
魔法戦闘があったからもしものときのためにもみんなで集まっていたのだろう。
アリサさんが寝ている部屋に入るとすずかさんに抱きつかれた。
目の周りを真っ赤にして泣いていた。
アリサさんがいきなり気絶した状態で運ばれてきたのだ、心配して当たり前。
すずかさんはずっとアリサさんの部屋にいたらしい。
更にすずかさんは俺のことも心配していた。
虚さんに俺のことを聞いたらしい。
すずかさんは『わ、私のせいでごめんね.....一夏くん、アレに色々副作用があるだなんて.......』
すずかさんはひたすら俺に謝りながら泣いていた。
俺はそんなすずかさんをひたすら『すずかさんのせいじゃありません』そう言い続けた。
楯無は何故か不満顔だったが。
数分かたちすずかさんも落ち着いた頃アリサさんが目を覚ました。
すずかさんはアリサさんが目を覚ますと同時に抱きついていた。
アリサさんは照れていたのか顔を赤くしていた。
そして、俺は事情を説明した。
海鳴に来たのは謎のISについての件で来たと。
アリサさんは実際に見たのでちょっと反応が芳しくなかった。
俺はすぐこの件について管理局に報告しに行かなければならないと言った。
それを聞くとすずかさんにアリサさんは悲しそうな顔をした。
士朗さんや桃子さんに恭也さん、忍さん、美由紀さん、ファリンさん、ノエルさん達も同じように悲しそうな顔をしていた。
しかし、すずかさんにアリサさん、それに月村家、バニングス家、高町家の人達はすぐ納得したような顔をしていた。
俺はそこにいる全員に頭を下げていた。
アリサさんを巻き込んでしまったこと、みんなに心配をかけてしまったこと、この事をちゃんと言っておけば迷惑をかけることはなかったと。
管理局最強と呼ばれているのに周りを巻き込んでしまったこと。
情けない、俺は俺自身に思った。
だから、殴られても文句は言えない。
しかし、そこにいる全員はそれを否定した。
俺のせいじゃないと、そう言った。
俺はそれを聞いて驚いた。
責められてもおかしくないのに。
俺は不思議と涙を流していた。
守ると言っておきながら守れなかった自分に優しくしてくれる周りに、嬉しくもあるが、同時に悲しくもなった。
だから、このとき俺は決めた。
絶対俺の大切な人達を守る。
アリサさんのときの誓いを新たにして。
俺は誓った。
そして、最初に戻る。
もう一度言うが俺と楯無は管理局にいる。
正確にはクロノの部屋にいる。
ちなみに虚さんは楯無のかわりに別の用件があって今はいない。
「そうか........有人機のISが出現したのか..........」
クロノは唸るようにして言った。
「魔力ランクも無人機より遥かに高い。はっきり言って一般の魔導師じゃまず勝てない」
俺はクロノにそう言った。
「無人機でも一般の魔導師なら一体相手にするのに十人はいるんじゃないかしら」
無人機を単騎で九体撃破した楯無は言った。
まあ、楯無は魔導師ランクSSだからな。
並の魔導師ではない。
「いくら人を守りながら、リミッターをかけて、((誓約|・・))をかけられているとはいえ、一夏が苦戦するとはな.......」
クロノは頭を押さえながら言った。
今回の事件は相当厄介だ。
恐らく((去年の件|・・・・))に匹敵するくらい。
「そうだ、この件はなのはさん達には秘密にしてもらえないか?一応アリサさん達には秘密にしておいてくれって頼んだんだが」
「あぁ、それについては僕も考えていた」
出来ればフェイト達は巻き込みたくない、クロノはそう言った。
いくら、なのはさん達でもあのIS達とは戦わせたくない。
なのはさん達はたしかに強い。
だが、それでも分が悪い。
なのはさん達に足りないもの、それはISの知識もだがISとの戦闘経験だ。
これについてはあるうさぎのせいで色々あった。
というかなのはさんと束さんの仲が悪いと言うのに原因があったりする。
前、束さんに頼んで六課で対IS戦の戦闘訓練を行おうとした。
が、そこでなのはさんと束さんが..........その、まあ、色々あったとしか言えない。
言えるとしたらあれは戦争だった。
なのはさんの砲撃しかり、束さんの砲撃しかり、どちらも同じタイプの技を使うのでつくづく似ているなと思ってしまう。
ちなみに束さん、ISの操縦技術においてもすごい。
恐らくISでの戦闘なら世界最強クラス。
あの千冬姉と互角に戦った。
まあ、魔法を使用していたらどうなっていたか分からないが。
そのため周りのメンツは恐怖で震えていた。
俺でさえ震えた上に千冬姉もちょっと震えていた。
俺と千冬姉と士朗さんと柳韻さんでやった修行に似通ったものを感じた。
しかし、分からないことがあった。
はやてさんはこれを言えばあれを止められると言って俺に言ってきた。
俺ははやてさんに言われた通りにこう言った。
『喧嘩を止めないと一生口聞いてやらないぞ』
そう言った瞬間なのはさんと束さんは戦争を止め俺に土下座してきた。
はっきり言ってちょっと引いた。
歳上の土下座を見ることになるとは思わなかったからだ。
でも何でこれで止まったのかが分からない。
俺と一生口聞かないってそんなに嫌なことなのか?
でも、友達と一生口聞かないってのは普通に嫌だよな(流石鈍感、いや唐変木と言うべきか)
まあ、そんなことがあり管理局のみんなはISでの戦闘訓練が出来ずじまいになってしまったということである。
だから、巻き込みたくないのだが、
「実はな、フェイト達は一夏がIS学園で襲撃されたのは知っているんだよ」
「おい!まさかクロノ教えたのか!?」
なのはさん達は巻き込みたくない。
だからそれだけは阻止したい。
「いや、本当にすまない!言わなければ僕の命も無かったんだ!」
命の危機って何があったんだ?
「だが、今回の海鳴の件は教えていない..........だが」
時間の問題だ、そう言うクロノ。
くっ、なのはさん達のことだ、あの狸は絶対ここまで辿り着くに違いない。
というかクロノよ、何故そんなに震えている?
マジで何があったんだよ?
途中『魔王が..........死神が..........』そんなのが聞こえた。
すると楯無は、
「恋する乙女の底力ってやつね」
良い笑顔で言った。
恋?
なんのことだ?
「一夏ラヴァーズ恐るべしだな..........」
クロノは震えながら何か言っていたが声が小さくて聞こえない。
そしてクロノはどうにか震えを抑えると、俺たちの方を見て聞いてくる。
「他に新しい情報はないか?例えば有人機ISの顔を見た、とか?」
そう言うと俺は、
「いや、((見てないな|・・・・・))」
そう言った。
「私は無人機の相手をしていたから分からないわね」
楯無は両手を挙げてそう言った。
「そうか..........すまない、本当に助かった。ありがとう」
クロノは頭を下げそう言った。
「気にするなよ、クロノ。親友なんだから手伝うに決まってるだろ」
「そうよ、一夏くんの言う通りよ、クロノくん」
俺と楯無はそう言った。
「いや、それでもだ。本当にありがとう」
クロノがそう言うと、俺は気になっていることを聞いた。
「なあ、クロノ。弾から途中報告とか来たか?」
「あぁ、来ているよ。買い物に付き合っているとかそう言うのだが。何か気になることでもあったのか?」
クロノは怪訝そうに言った。
「いや、弾のことだから遊んでそうだなって思ってさ」
そう言うと、クロノと楯無はぷっと吹き出した。
「確かに、そうだな」
「ええ、弾くんのことだからね」
クロノと楯無は笑っている。
俺も笑っていたが心の中ではこう考えていた。
(エミル・レイルトンとあの有人機に乗っていた少女は同一人物なのか?弾のことだから大丈夫だとは思うがあとで連絡してみるか........)
今回の件はかなり謎が多い。
リンカーコアを積んだ謎の無人機IS。
さらには有人機のIS、しかも操縦者にそっくりな少女、エミル・レイルトンの存在。
考えるだけで頭が痛くなってくる。
俺がクロノに教えなかったのは何かこう、直感的なものだ。
何故かは分からない。
だが、そう直感したのだ。
「それじゃあ、そろそろ俺はIS学園の方に戻るよ」
「私はまだ仕事があるからまだ学園の方には戻れないわね」
楯無は溜め息をつきながらそう言った。
ハハハ、と苦笑いする俺とクロノ。
「んじゃあな、クロノ。困ったときは呼んでくれ」
「バイバイ、クロノくん。私も困ったときは呼んでね..........一夏くん付きで」
楯無は最後小さい声で何か言っていたが聞こえなかった。
クロノはまた苦笑いしていたが。
「あぁ、頼らせてもらう。二人とも気を付けろよ」
クロノにそう言われ、俺と楯無は了解と言って部屋を出た。
その後、楯無と少々会話をしていたが、俺の中では先程の件のことが渦巻いていた。
マルチタスクのおかげで顔に出ることは無かったが。
そして、俺は楯無と別れIS学園に帰って来た。
更なることが待っていると知らずに。
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もし、一夏が管理局最強魔導師と呼ばれていたらのifの物語。 | ||
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