デジモンクロスウォーズ 絆の将と魔道の戦士
[全2ページ]
-1ページ-

リニアレールがガジェットに制圧されたと連絡があり、現場へ出動し見事ガジェットの全機殲滅とレリックの回収を終えた機動六課の面々に、突如驚くべき報せが入った。

「現場へ向けて強大なエネルギー反応が向かっています。」

見ると、小さな翼が生えた竜、オウムのような姿だが両手が付いた鳥、赤い体で両手が武器になっているドラゴンが群れをなして飛んできた。極めつけは彼らの群れの中央にいる、とてつもなく巨大な竜である。

「あれは!エアドラモンにパロットモン、メガドラモンじゃ!中央の巨大なドラゴンはギガシードラモンじゃ!」

ヘリの中で様子を見ていたタイキのそばで声が響いた。いつのまにかリロードしていた「ジジモン」の声だった。

「でもどうして?他の三体はともかくギガシードラモンが活動可能範囲は地上と水中だけだったはずです。」

すると、タイキのクロスローダーの中から女性の声が響いた。しかし、今はその声の疑問に応じている暇は無い。突如、ギガシードラモンの腹部が開くと、中から丸い大型ガジェットが次々と出てきた。そして下で停車しているリニアレールめがけて降下していった。

空にいたなのは、フェイト、スパロウモンの三人は、突然の援軍を食い止めようとしたが、エアドラモン、パロットモン、メガドラモンの砲撃で牽制され身動きが取れなくなった。

「なあ、もっとヘリをリニアレールに近づけられないか?」

タイキは、ヘリの操縦桿を握るヴァイスにたずねた。

「無理っすよ、これでも危険地帯ギリギリを飛んでるんすから。」

しかし、肝心のヴァイスはこう答えた。

(仕方ない)

タイキはこう思うと、なのはや新人四人がやったように飛び降りた。そして、空中でクロスローダーを掲げると、

「リロード!メデューサモン!!」

と、叫んだ。するとクロスローダーから光が迸り、全体を白で統一した装備を身に付け、背中から巨大な白い翼を生やした女性の姿をしたデジモンが飛び出した。

彼女はタイキを空中で捕まえると、そのまま着衣を乱さず華麗にリニアレールの上に着地した。

「ありがとう、メデューサモン。」

「いえいえー、またいつでも使って下さいね。」

タイキは彼女、メデューサモンに礼を述べ、メデューサモンはそれに答えた。そしてその声は、先ほどクロスローダーの中から響いたものだった。

その直後、タイキ達とフォワードメンバーの周りに、先ほどギガシードラモンから放出された大型のガジェットが多数降りてきた。

「おいおい、さすがにまずくねえか?」

シャウトモンにしては珍しく弱音のような事を言っている。それもそうだ、リニアレールの上は狭いので×3以降のデジクロスを使えないのだから。

「大丈夫ですよ。私一人でもこのガラクタ全部フルボッコに出来ますから。」

メデューサモンは皆にこう言い放った。清楚な見た目と凛々しい声からは想像できない物騒な言い方に、この場にいる皆は一様にこう思った。

(見た目は可愛いのに、すごくもったいない)

しかし、今は呑気な事を考えていられる場合ではないので、

「リロード!ベルゼブモン!ディアナモン!」

タイキは新しく二体のデジモンをリロードした。ベルゼブモンと一緒に出てきたのは、全身を輝く銀の忍装束で包んだ、女性の姿の神人型デジモンである。この「ディアナモン」そしてメデューサモンのクロスハート加入の経緯については、後日改めて明らかになります。

「二人で上空の敵を牽制して、できれば三人を助けてここまで護衛してくれないか。」

「分かった!」

「はい!」

タイキから仕事の説明を受けた二人は、早速上空の敵へと向かっていった。そして、ベルゼブモンは銃をぶっ放しながら、ディアナモンは取り出した諸刃の大鎌を弓のように使い、敵の部隊を混乱させている所を見届けると、改めて周りを見た。

「ともかく、この状況をなんとかしよう。」

タイキのこの言葉で、皆はとりあえず背中合わせになって敵に対応する事にした。

「シャウトモン、バリスタモン、メデューサモン、ナイトモン、ポーンチェスモンズ、デジクロス!!」

タイキはクロスローダーを掲げて力の限り叫んだ。

「シャウトモン×2!!」

「メデューサモンN(ナイト)P(プリンセス)」

シャウトモンはバリスタモンと合体した姿になり、メデューサモンはナイトモン、ポーンチェスモンズとのデジクロスで純白の鎧とドレスを身につけた姿になった。

「いくぞみんな!!」

「応!!」

タイキの掛け声と共に皆はガジェットに向かっていった。

「アームバンカー!!」

「リボルバーナックル!!」

シャウトモン×2とスバルは渾身のパンチを繰り出すも、ガジェットの硬いボディの前には余り効いていないようだ。

「グングニル!!」

メデューサモンNPも、槍に変化させた剣で一体ずつ確実にガジェットを潰していくが、数が多いのいで埒が明かない。

空の方も、なんとかベルゼブモン達はなのは達と合流するも、敵の囲み撃ちに合い、ディアナモンが作り上げた幻影のおかげで護られているという芳しくない状況になっている。

(なんとかこいつらを手短になんとかしないと。)

タイキが周りのガジェットたちをみながらこう思うと、

「俺がいくぞタイキ。」

「そろそろ俺達の出番をよこせ。」

クロスローダーの中から声が響いた。タイキは思い出した、デジタルワールドからミッドチルダに来るさいに、奴らがついて来ていた事を、

「よし!行くぞ!」

タイキはクロスローダーを掲げると、思い切り叫んだ。

「リロード!グレイモン!メイルバードラモン!」

クロスローダーから光が発せられ、中からティラノサウルス型の黒いデジモンと、青い猛禽型の戦闘機のようなデジモンが現れた。

「いくぞ!グレイモン!!」

メイルバードラモンはガジェットを一体足で掴むと、グレイモンめがけて飛んでいった。

「ホーンストライク!!」

グレイモンは角を突き出してガジェットに突進し、ガジェットを一体角に突き刺しメイルバードラモンに向かっていき、メイルバードラモンが掴まえたガジェットとぶつけ合った。

「ああ、そうだ。」

グレイモンとメイルバードラモンの戦い方を見ながら、メデューサモンNPもいい作戦を思いついたようで。

「ドルルモン!スターモンズ!あれやるよ!!」

と呼びかけた。

「バインド・オブ・ゴルゴン!!」

メデューサモンの眼が怪しく光ると共に、複数のガジェットの動きが鈍り始めた。彼女の眼から発せられた光を受けた事で表面の材質は勿論、触手の間接から内部の構造に至るまで、彼方此方が石のようになっているのだ。

「ドリルブレーダー!!」

「メテオスコール!!」

ドルルモンは、巨大化した尻尾のドリルで敵に突撃し、スターモンズはその反対側から大量のピックモンを投げつけた。

二つの技がぶつかり合った瞬間、石化ガジェットの表面がみるみるうちに剥がれていき、しだいに内部構造があらわになり始めた。

これが、メデューサモン考案の「対石化ガジェット用りんごの皮むき戦法」である。

「ティアナ、とどめをお願い。」

半分以上の外殻が無くなったところで、メデューサモンNPはティアナに言った。

「クロスファイヤーシュート!!」

ティアナは待ってましたと言わんばかりに両手の銃から数発の光弾を放ち、ガジェットの中枢を完璧に打ち抜いた。その間にもグレイモンとメイルバードラモンが大暴れして、リニアレールのガジェット第二陣は殲滅された。

 

 

 

一方空中では、これまで静観するに留まっていたギガシードラモンが動き出そうとしていた。

ギガシードラモンは、リニアレールの上に集まっている機動六課のフォワード達に狙いを定め、その途端、雲の子を散らしたように前に出ていたデジモン達がギガシードラモンの前から退いた。

「ギガシーデストロイヤー!!」

ギガシードラモンの放つ破壊光線が、リニアレールの上にタイキ達めがけて飛んでいった。

「やば、シール・ザ・アイギス!!」

いち早くこの動きにきずいたメデューサモンは、すぐにみなの前に出ると、どこからか取り出した光り輝く盾を掲げた。

メデューサモンの盾にギガシーデストロイヤーが当たり、衝撃で発生した埃が静まった時、

「仮にもタンクモン40体の砲撃にも耐えた盾なんだけど。それなのに盾には罅が入って私が翼と腕を犠牲にしてようやくこれだけ……」

メデューサモンの取り出した盾は、輝きを失い罅だらけになっていた。そして盾を持っていた両腕は傷だらけになっており、衝撃から皆を護った翼は、半分以上の羽を失っていた。そして、後ろの六課メンバー達は、重症というほどではないが皆怪我をしていた。

「次の砲撃には耐えられないよ。高威力の砲撃で一気に殲滅した方がいい。まだ全然本気の威力は出てないからすぐに第二射が来る。」

メデューサモンは苦し紛れにタイキ達に告げた。そしてタイキは考えた。何を使えば有効か、と。

「スパロウモンもベルゼブモンも居ない。この状況で……」

辺りを見回した時、割と傷の浅いグレイモンとメイルバードラモンが眼に入った。

「閃いた!!」

タイキは一つ作戦を思いついた。

 

 

 

その頃、ディアナモンの幻影の中では、同じようにフェイトがある事を閃いていた。そして、閃いた途端に、

「なのは!今すぐディバインバスターを放てる?!」

と訊いた。

「え?まあやろうと思えば出来るよ。」

突然の事に驚いたなのはだったが、できない事でもないのでこう答えた。

「それから、えっと……?」

次にディアナモンを見て言葉につまった。お互いに名前を知らなかったのだ。

「ディアナモンです。」

ディアナモンはすぐにこう言った。

「ディアナモン、この場所だけ幻影を解除できる?」

フェイトはスパロウモンの向いている方向を指差して訊いた。

「出来ますよ。」

ディアナモンは即答した。

「それじゃあ、ディアナモンは私が合図したらその場所の幻影を解除して、そしたらそこになのはがディバインバスターを放って。あとはみんなスパロウモンにしがみ付いていればいいから。」

フェイトは、この場にいる皆にこう説明すると、スパロウモンにくっ付いた。

特にする事を言われなかったベルゼブモンも同じように空いた手でスパロウモンの翼を掴んだ。

「今だよ!」

フェイトの合図と共にディアナモンは、フェイトに言われた場所の幻影を解除した。敵の攻撃が入ってくる前に、

「ディバインバスター!!」

なのはが得意とする、桃色の魔力光線が放たれた。突然の攻撃に驚いたのか、空中のデジモン達は一瞬だけその光線の道筋からそれた。

「行って!スパロウモン!」

その途端、幻影全てが消えたと同時に、黒と黄色の混ざった光の矢がデジモン達の間通り去った。群れの中から飛び出したスパロウモンは、そのままリニアレールへと向かって飛んで行き、そのまま激突した。

「スパロウモン・ソニックフォーム、二度と使わないようにしよう。」

フェイトは、自分の切り札である「ソニックフォーム」を自らではなく、スパロウモンに装備したのだ。結果、スパロウモンのスピードは一時的に増したがブレーキが利かなくなり、みんなそろって激突したのだ。

突然の結果に呆れながらも、気にする必要のある要素がもう無い、と判断した工藤タイキは、

「みんな、今から黙って俺の指示に従ってくれるか?」

と、仲間のデジモン達に訊いた。

「俺はタイキに従うぜ!」

「勿論だ。」

と、シャウトモン×2とドルルモン、

「いいだろう。」

「お前はキリハが認めた男、従うのも吝かではない。」

と、メイルバードラモンとグレイモンが答えた。

皆の答えを聞いたタイキは、クロスローダーを掲げると、

「シャウトモン×2、ドルルモン、グレイモン、メイルバードラモン、デジクロス!!」

と、叫んだ。そして四体のデジモンが光に包まれ、その光が静まると、身体の大きさは完全体のフリードの五倍はあるだろう、巨大な炎の翼を持つ飛竜型デジモンが現れた。

「シャウトモン×3GM!!」

シャウトモン×3GMは、合体が完了すると同時に飛び上がり、上空のデジモンの群れに向かっていった。

「ブレスオブペルーン!!」

そして口から吐き出した破壊光線で、ギガシードラモンの周りにいる飛行デジモンを一体残らず吹き飛ばした。

「ブリリアンスダガー!!」

最後に残ったギガシードラモンは、炎の翼でバラバラに切り裂いた。

 

 

 

 

「ギガシードラモン部隊、全滅。」

モニタの前で件の現場を眺める男に、後ろでパネルを操作していた女は淡々とした口調で言った。

「やはり、ガジェット運搬用のデジモンでは相手にならなかったか。」

男は、残念そうな印象が持てない、むしろ嬉しそうな口調で言った。

 

 

 

「やったねティア!初任務無事に成功だよ。」

スバルはレリックの入った入れ物を抱えながら隣を歩くティアナに言った、しかしティアナは微妙な口調でスバルの言葉に答えた。

今回の事件が、ティアナの心に影を落とした事は、まだ誰も知らない。

 

-2ページ-

カットマン

「カットマンと。」

 

モニタモンズ

「モニタモンズの。」

 

全員

「デジモン紹介のコーナー!!」

 

カットマン

「さて、今回紹介するデジモンは、今話初登場。俺の考えたオリジナルデジモン、メデューサモンです。」

 

モニタモンA

「我らでは詳しいデータは分からないので、説明をお願いします。」

 

カットマン

「メデューサモンは女性天使型デジモン、旧デジモンシリーズらしく説明すれば、彼女はウイルス種、世代は究極体だ。必殺技は相手を石化する目で相手を破壊する「バインド・オブ・ゴルゴン」携える剣「アロンダイト」で敵を切断する「スレイ・エレイン」また携える盾「アイギス」で攻撃を防御する「シール・ザ・アイギス」イメージCVは大原さやかさんだ。」

 

モニタモンA

「そこまで考えてあるんですか。ではどんなデジモンなのですか?」

 

カットマン

「基本は誰かの上に立つか、一人で行動する孤高のデジモンだ。たまに気まぐれで誰かに従う事もあるけど、飽きたらすぐに見限って居なくなるんだと。仲良くなれれば割といい奴なんだけど。」

 

モニタモンB

「扱いが大変ですな。」

 

モニタモンC

「ところでどうやってクロスハートに入ったの?」

 

カットマン

「……次回もお楽しみに。」

 

モニタモン達

「誤魔化したな。」

 

ブツッ……、ガサガサガサ(テレビの砂嵐の音)

 

 

次回予告

骨董品オークションの密輸品取締りと、ガジェット襲撃のさいの安全警護のため「ホテル・アグスタ」へやって来た機動六課の面々。

そんな彼らに、ガジェットと共に巨大な襲撃者が襲い掛かる。

次回「ホテル・アグスタ、古代竜の襲撃」

 

説明
第四話 逆転のシャウトモン×3GM
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
2037 2028 0
タグ
デジモンクロスウォーズ

超人カットマンさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com