Masked Rider in Nanoha 三十二話 心へ響く先人の言葉
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 六課に戻った五代達を待っていたのは翔一達と見知らぬ者達だった。しかし、それは五代とスターズ、それとライトニングコンビだけ。フェイトと光太郎は揃ってそこにいた者達へ驚きを見せた。

 食堂で忙しそうに働く者達。それは言うまでもなく真司達だ。更にそれを眺めているゼスト達の姿もある。それに疑問を浮かべるフェイトと光太郎。すると、それに真司も気付いたのか光太郎達へ手を振って笑顔を見せた。

 

「あ、さっきはどうも」

「城戸さん……どうして六課に?」

「それに君達まで……」

 

 フェイトが不思議そうに声を出すと、光太郎もそれに続いてナンバーズを見つめてそう告げた。しかし、それに真司達が答える前にスバルとティアナがセインを見て言葉を失う。

 

「あ、アンタ……」

「あの時の怪人?!」

「あ〜……そうなんだ。あんた達があたしのコピーと会ったんだね」

 

 二人の言葉にセインは苦笑。そこで現状を説明すべく翔一達が隊舎前の出来事を話し、五代達も納得した。そこへ転送魔法が展開され、メガーヌと共に三人の人物が現れた。それに真司達が嬉しそうな表情を見せる。そう、そこにいたのはウーノとドゥーエに一人の男性だった。

 

「何でジェイル・スカリエッティが……」

「まぁ、それが普通の反応だろうね。ああ、安心してくれ。何もしないし、する気もないよ。今の私にあるのは邪眼、だったか。あれに対する恨みや怒りだから。そこについては君達以上に私は深いつもりだ」

 

 はやての驚きと戸惑いが混ざった反応にジェイルは変に飾る事もせずにそう返してから周囲に宣言するように告げた。それにまだどこか信頼出来ないという反応を見せる六課の者達が一斉に注目した。

 その視線を受け止め、ジェイルは真剣な眼差しで断言する。それは何の打算も計算もない言葉。彼の素直な想い。そして真司達も同じくするものだ。

 

「私は奴から私達の家を、思い出を取り返したい。例え相手がどれ程凶悪で強力だったとしてもだ」

 

 それに真司達は頷き、五代達は呆気に取られた。フェイトはジェイルの言葉に嘘がないと感じ、すぐにそんなはずはないと思い返し悩んでいた。そんなフェイトの反応を見たのかジェイルは自嘲気味に笑みを浮かべた。

 六課の他の者達も同じような気持ちだろうと判断したからだ。だからこそ、これだけは言っておかねばならない。そう思ってジェイルははやてを見つめて告げた。

 

「私の事は信じてくれなくても構わない。ただ、真司達は信じてくれないだろうか。私の大切な娘達と大切な友人だけは……」

「……ええやろ」

 

 そんなジェイルの言葉にはやては戸惑いを隠せなかったが、その発言に込められた思いを感じ取り、頷いた。それに真司達は先程の戦いでの功績もある。そちらに関しては六課の中でも疑う者はいないのだから。

 そう考え、はやてはジェイルの事をどうするかを相談すべく早急に後援者の一人であるカリムへ会う必要があると判断した。既に状況はかなり急激な変化を起こしている。予言に出てきた龍騎士。それが龍騎だと判断した今、その事についても話し合う事があったのだ。

 

 それに、ゼストとジェイルが約束したAMFへの対抗策も手を打ってもらう必要がある。そこまで考え、はやてはやる事が多いと思って小さくため息を吐いた。

 一気に戦力が増えたのは良かったが、その反面問題も増えたのだから。しかし、邪眼の居場所が分かった以上、こちらから打って出る事も出来る。そう考えて、彼女は悪い事だけではないと思い直した。

 

「さあ! 難しい話は終わったし、食事にしましょう! 今日は、いつも以上に気合入れて作りましたから!」

「そうだよな……。あ、俺も手伝ったんで、どうか食べてみてください!」

 

 その場の空気を変えようと翔一が一際大きな声でそう言うと、真司もそれに続けと声を出す。それに五代も乗っかって周囲へ声を掛けた。

 

「まずはみんなで食事にしましょう! これからの事はこれから考える。これまでの事はもうここで終わり。切り替えていきましょう!」

 

 サムズアップ。それにその場の空気が幾分が和らいだ。五代の、翔一の、真司の笑顔が見ている者達を和ませる。そして、まずはスバルとエリオの大喰らいが空腹に耐えかねてテーブルに着き、それに反応しティアナとキャロも座りだせば、なのはがフェイトへ声を掛けてテーブルへと動き出す。

 光太郎もそれに頷いてテーブルへ移動しようとして、ふと見つめられていると察して振り向いた。そこにはナンバーズがいた。その視線が問いかけているものを悟り、彼は少し真剣な表情で尋ねた。

 

「何か用かな?」

「……お前達の体は……どうなっている」

 

 光太郎だけではなく五代にも翔一にも体に人らしからぬものがある。それを視る事が出来たナンバーズ。そして、そんな全員を代表して告げたチンクの言葉に光太郎はさして驚く事もなく真剣な表情でこう答えた。

 

―――それは、今夜にでも話そう。翔一君達と真司君やスカリエッティも交えて。

 

 それに全員が揃って頷いてナンバーズもそれぞれに動き出す。それを眺め、光太郎は話す時が来たのかもしれないと思った。それは改造人間の事。戦闘機人であるナンバーズ。それを知れば、否応無くスバルの事にも話が及ぶ。

 彼女が自分と親戚とも言える相手だけにその話をさせるとは思えなかったのだ。故に、光太郎は自身の体についても話すべきだと決心していた。それは戦闘機人よりも異形である自分を知らせる事で、六課の者達がスバル達に抱く恐怖を自分へ向けさせるため。

 

(彼女達は俺達のような被害者じゃない。生まれながらにそうだったのならそう考えるのが当然だ。それに、例えその体が人と異なるとしても心は紛れも無く人間。そう考えてもらえるのなら、俺は……)

 

 その決意の視線の先では、真司作の餃子に翔一とはやてが驚愕しレシピをせがんでいる。それを見てなのは達だけでなくナンバーズさえも笑い声を上げていた。その光景を今だけのものにしたくない。そう思って光太郎はテーブルへと移動を始める。

 

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 それから少ししてモニターが六課中に出現する。はやての口からジェイル達を六課で預かり、協力して事に当たる旨を告げるためだ。すると、予想通りにあちこちでざわめきが生まれた。しかし、それをはやては鎮めようとはしない。

 代わりにはやては真司を手招きした。彼はそんな彼女の行動に不思議そうに自分を指差しながら歩き出す。はやては真司へこう頼んだのだ。この中で本当のジェイルを知っているのは真司だけ。故に、それを六課の者達に伝えて欲しいのだと。そこには、はやて自身の気持ちも込められていた。

 

 広域次元犯罪者であるジェイル。それをすぐ信頼する事など局員ならば出来るはずもない。だからこそ一般人である真司に語って欲しかったのだ。怪人と戦い、六課を守った仮面ライダー。その彼ならば、自分が言うよりも信憑性がある。そうはやては考えたのだ。

 真司ははやての気持ちを知らぬでも、これがここでのジェイル達の扱いに大きく関わると気付いて意を決して話し出した。

 

「えっと、俺は城戸真司って言います。地球の日本生まれで、ミッドへは気がついたら来てました」

 

 突然の見知らぬ人物にざわめきが少しだが小さくなる。真司の言葉の真実を見極めようとしているのだ。それを感じながら、真司は簡潔に自分とジェイルとの出会いを話した。

 真司は言った。悪いのはジェイルだけじゃない。ジェイルに悪い事を悪いと言ってやる者がいなかったのがいけなかったのだと。それどころかジェイルへ悪事を強要する存在さえいた事を告げた。

 

 しかし、その名を真司が言おうとした瞬間、ゼストとジェイルが揃って止めに入った。それにははやて達も疑問を浮かべた。真司も同様に。すると、ゼストがモニターへ向かって告げた。

 

―――それを知る事は……君達の危険に繋がる。

 

 それだけで全員が何となくだが理解した。理解してしまった。ジェイルに悪事をさせていた相手。それが何なのか。はやてもフェイトも仕事柄そういう噂に触れる機会は多いためか周囲よりもその表情は暗い。

 一方の真司はジェイルから軽く指摘を受けていた。無闇にその事を話しては駄目だからと。それは、管理局員達に与える影響が大きいため。そして下手をすれば、それを知るだけで命を狙われる事にもなりかねないのだから。

 

「最高評議会っていうのは、それだけ用心深いんだよ」

「……そっか。知らない方がいい事もあるもんな」

 

 ジェイルの言葉に真司はジャーナリストとして納得した。情報を知る事は危険にも近付く事になる可能性がある。その事を思い出したのだ。知る事は必ずしも良い事だけではない。知らない方が良い事もある。

 それを以前真司は聞かされたのだ。OREジャーナルの編集長や先輩である令子に。報道に携わるのなら知る事の危険性を常に頭に入れておけ。そんな感じの事を言われた事があったのだ。

 

 真司がそんな事を思い出している横で、五代と翔一は元々ジェイルの事をそこまで知らないからこそ思う事があった。それは、根っからの悪人はいないという事。

 真司と出会う前のジェイルは本当に犯罪者だったのだろう。しかし、真司と知り合い、触れ合った事でその心が変化していった。それはジェイルが悪人ではなかったからだ。

 

 真司が言ったように悪い事を悪いと言う存在がいなかったために犯罪者となった。つまり純粋だったのだと。自分のしたい事をしていたジェイル。それをちゃんと正し、修正する人間がいてさえやれば彼も今のような優しい心の持ち主になれる。そう結論付け、二人は笑みを浮かべた。

 

「……真司君も仮面ライダーだね」

「そうですね。俺達も負けないようにしないと」

 

 二人は揃って知り合いに警察の者達がいる。故に、犯罪者という者達の中にはなりたくてなった者達だけではない事も聞いていた。そして複雑な境遇にいる事が多いのは何となく理解していた。

 

「五代さんと翔一さんは……信じるんですか?」

「なのはちゃんは無理?」

 

 平然とジェイル達を信じるような発言をしている二人に、なのははやや戸惑うようにそう声を掛けた。だが、それに対して五代が返した言葉に彼女は即答出来なかった。それはなのはも真司の言葉を信じたいと思っている証拠。

 ただ、局員としての部分がどうしてもそれを素直に頷かせてくれない。見ればフェイトもはやても同じような表情だ。真司の言葉を信じたい。だが、それを責任ある立場で、尚且つ影響力を与える存在である自分達があっさりと示す訳にはいかない。

 

―――疑っていたら敵は見つけられるかもしれない。でも、信じなければ仲間は見つからない。

 

 六課の者達が迷いを見せている中、どこからともなくそんな言葉が響いた。それに全員の視線が動く。それを言ったのは光太郎だった。

 

「俺の先輩の一人。仮面ライダーV3が教えてくれた言葉だ。これを、先輩はある人に言われて思い出したそうだ。仮面ライダーとしてだけじゃなく、人として大切なのは相手を信じる事だと」

「……それを言った人もライダーなんですか?」

 

 光太郎の言葉に痛い所を突かれてその重要性を噛み締めるはやて達。それを横目に翔一がそう問い返す。それに光太郎は首を横に振って告げた。

 

「その人は、ライダーじゃない。でも、誰よりも仮面ライダーらしい人だったと聞いた……」

 

 その言葉に誰もが疑問を浮かべた。光太郎も聞いた話のため詳しい事は知らない。だが、光太郎にその男の話をしたV3やZXは確かにそう言ったのだ。ライダーよりもライダーだった男だと。

 名前までは聞けなかったが、その男の話は先輩ライダー全員が知っていた。そして全員が口を揃えて言ったのだ。仮面ライダー0号と呼ぶべき男。変身能力がなくても、人類の平和と自由のために命がけで戦える男。故に、仮面ライダーの原点であり理想なのだと。

 

 光太郎がその話をすると、それを聞いて五代も翔一もある者を思い出す。五代は一条の事を、翔一は氷川の事を思い浮かべた。二人に変身能力はない。それでも怪人が現れれば誰かの暮らしを、命を守るために命がけで戦っていたのだ。

 その姿を思い出し、二人は光太郎の告げた話に感じ入った。彼らも知っていたのだ。仮面ライダーよりも仮面ライダーらしい者達を。そして真司も光太郎の話に強く心を打たれていた。仮面ライダーの意味がまったく違うだけではない。その在り様も正反対だったのだから。

 

(他の世界のライダーは、自分のためにじゃなく誰かのために戦っていたんだ。それだけじゃない。ライダーじゃない人だって、命がけで……)

 

 そう思って真司は心から悲しくなった。異世界では人を守り助ける存在であるライダー。それが、何故自分の世界では殺し合う存在なのだろうと。全てのライダーが手を取り合い、モンスターと戦う。そんな事にどうしてならないのだろうか。そんな風に思い、真司は強く拳を握り締める。

 

「ジェイルさん……俺、決めたよ。元の世界に戻ったら蓮や北岡さん達に、俺の世界のライダーにこの話を聞かせる。笑われたって、馬鹿にされたっていい。仮面ライダーは、こうあるべきだって言い続けるよ」

「真司……」

「ライダーは、いつでもみんなのために戦うんだ。自分のためじゃなく、みんなのために」

 

 真司はそう言い切って五代達へ視線を向けた。それは、その言葉が合っているかと尋ねる目。それを感じて、五代達三人は揃って頷いてサムズアップ。それを見た真司は心から嬉しそうに頷いてサムズアップを返す。

 

 そして、そんな四人を見てスバル達フォワードメンバー四人が意を決してナンバーズに近付き出した。それにやや困惑しながらも彼女達はスバル達を見つめた。

 

「私、スバル。スバル・ナカジマ。まだ全部受け入れる事は出来ないけど、それでもこれだけは言える。私は、貴方達を信じたい。だから、これからお互いの事を知っていこう」

「アタシはティアナ・ランスターよ。ティアナでいいわ。アタシもスバルと一緒。まだ完全に信頼は出来ない。でも、それはそっちもだろうし……ま、互いに信じ合えるようになりましょ」

「僕はエリオです。エリオ・モンディアル。僕は、貴方達を仲間って思いたい。だから、僕も貴方達から仲間って思われるように頑張ります」

「私はキャロ・ル・ルシエです。こっちは大切な家族のフリード。貴方達は私達の家みたいな六課を助けてくれた。なら、次は私達が貴方達の家を助ける番です。私の力は小さいけど、この恩は絶対にお返しします」

 

 そう言ってスバル達は揃って笑顔で告げた。これからよろしくと。それにナンバーズはやや呆気に取られるが、やがて小さく笑みを見せて答えていく。

 

「私はウーノよ」

「ドゥーエ。よろしく」

「……トーレだ」

「クアットロ」

「チンクだ」

「あたしはセインだよ」

「セッテと言う」

「オットーです」

「……ノーヴェ」

「あたしはディエチ。よろしくね」

「ウェンディッス」

「ディードと申します」

 

 それを見つめ、はやて達は苦笑した。ゼスト達は微笑みさえ浮かべている。ジェイルと真司は二人で笑みを見せ合って喜んでいた。五代と翔一、光太郎はその雰囲気から和やかなものを感じ取り、頷いた。

 そして、それをキッカケにアルトが、ルキノが、シャーリーがナンバーズ達へ自己紹介を始めた。それを見てはやては改めて光太郎達の影響力を感じていた。先程までは、真司の話を聞いて迷っているだけだった六課の者達。それが、光太郎達の会話を聞いただけで、こうしてジェイル達を信じてみようと動き出したからだ。

 

 そんな風にはやてがどこか嬉しそうにその光景を眺めていると、ゼストがそれにこう言った。

 

「俺の隊よりも早いな」

「……仮面ライダーがいますから」

 

 そのはやての答えにゼストは頷き、視線をクイントとメガーヌへ向けた。二人は揃って真司とジェイルへ注意をしていた。それは先程の事だけではない。六課であまり勝手な行動はしないようにと、母親のような事を言っていたのだ。

 

「真司君、スカリエッティが犯罪者って言うのは事実なんだからね。だから、ちゃんと周囲に今は違うって理解してもらえるように頑張って」

「はい。ありがとうございます、メガーヌさん」

「いいのよ。それと、またあの子と遊んでくれると嬉しいわ。アギトちゃんも一緒に、ね」

「おう。ルーがそう望むって言うならいつでも行くさ」

 

 メガーヌの言葉にアギトはそう応じて笑みを見せる。ルーテシアだと長くて呼び辛い。そうアギトが漏らすと彼女はその呼び名を提案したのだ。真司もそれに倣いルーちゃんと呼ぶ事にしたのは言うまでもない。

 

 そんな真司とアギトの横では、ジェイルがクイントからある事を頼まれていた。

 

「……スバルを、私の娘の事を頼むわ。あの子、ノーヴェ達の事に気付いているだろうから」

「分かっているよ。それに戦闘機人なんて呼称は私も、もう聞きたくないしね」

「そう……。貴方も、色々あったのね」

「ほとんどが真司が来てからさ。でも……悪くない事ばかりだったよ」

 

 そう言って笑うジェイル。それにクイントも小さく笑みを返し、和やかな空気がそこから感じられる。フェイトとなのはは、そんなゼスト隊とジェイルと真司の関係を見て心から驚いていた。

 ゼスト隊の名は空と海で働いていた二人であっても知っている。陸の番人とまで言われる精鋭部隊。それがジェイル達を受け入れ、更にどう見てもその関係は局員と犯罪者のそれではなかったのだ。

 

 そんな光景を見つめ戸惑う二人にはやてが静かに近付いた。

 

「信用はまだ出来ん。でも、信頼はしてみよ。少なくても、真司さんだけは私は信じられる」

「……そうだね。私も城戸さんと、あの子達を信じる」

「私は……真司さん達全員を信じてみる。五代さん達のように……」

 

 なのはの言葉に二人は軽く驚きを見せるものの、その影響を受けた人間を思い出して苦笑しつつ納得。なのはに強い影響を与えたのは五代。ならば、誰かを疑って痛い目を見ないより、誰かを信じて痛い目を見る事を選ぶだろうと、そう思ったのだ。

 そして自己紹介も終わりが近付き、残るは隊長陣だけとなった。シグナムやシャマルなどが自己紹介をする中、ジェイルがふと視線をフェイトへと向けた。それにフェイトも気付くものの、何か反応を返すかどうか迷い、何か動く事はなかった。

 

「……次、フェイトちゃんだよ」

「あ、うん」

 

 なのはの声で意識を切り替え、フェイトは真司達へもう一度自己紹介。それが終わったのを見てはやてが締め括りとばかりに自分の紹介を終え、その場は解散となった。

 だが、ジェイルははやてとフェイトの二人から話があると部隊長室へ連れて行かれ、ナンバーズは宿舎の場所を案内し部屋を割り当てるためリインが外へと連れ出した。残された真司とアギトは食堂で五代達と話しながら片付けなどをする事になった。

 

 ゼスト達はジェイル達に別れを告げたが、何かあればいつでも手を貸すと言って真司達だけでなくはやて達を喜ばせた。ギンガはどこか後ろ髪を引かれる思いだったが、ゼスト達と共に去って行った。

 こうして波乱を呼んだ初任務の日に六課は新しい力と絆を得る。そして、それに伴い知らされる事実もあった。それはこの夜の事。日も落ち、シフトも夜勤に切り替わり始めた頃、六課隊舎の食堂には主だった者達が集まる事になるのだ。

 

 

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「……まずは、集まってくれてありがとう」

 

 周囲を見渡して光太郎がそう告げると少なからず苦笑が漏れる。別にそんな畏まらなくてもと、そう思う者が多かったからだ。食堂にいるのは休憩室でライダーの話をした際と同じ顔ぶれ。それにジェイル達が加わったものだ。

 光太郎ははやてに告げたのだ。自分がこの状況について気付いた事に関して意見が欲しい。だから、出来るだけ主だった者を集めてくれないかと。それにはやては応え、この状況になったのだ。

 

「今日集まってもらったのは、この状況にある程度の予想が立ったからなんだ。それについて意見を聞こうと思って」

「……あいつの事も含めて、ですか?」

 

 翔一の言葉に光太郎は頷いた。だが、周囲はそれに疑問を浮かべる事しか出来ない。それを察してか光太郎が話し出す。

 

「まずは、俺と翔一君が出会った発電所の話をしよう。初めて邪眼と戦い、先輩達と出会った時の話を……」

 

 共に何か嫌な気配を感じ訪れた発電所。そこは時空が歪められていて、過去と未来が繋がった状態となっていた。そのため、過去で行なった行動が未来へ影響し、逆に未来でした事が過去に影響を与える。そんな空間と化していたのだ。

 そんな光太郎の切り出しに誰もが言葉を失った。しかし、それを疑う者はいない。それを話している光太郎は真剣そのもので、思い出して頷く翔一を見たからだ。

 

 そこで二人が知った事は、五万年前に死んだ世紀王だった邪眼が滅んだはずの悪の組織を使い、自分の体を復活させようとしているという恐ろしい計画だった。しかし、その発電所に作られた秘密基地にあった通信設備が過去や未来と繋がっていた事がその計画崩壊のキッカケとなる。

 そう、それによって異なる時代の四人のライダーが繋がりを持つ事が出来たのだ。通信越しに四人は繋がり、それぞれがそれぞれの時代の悪を倒す事で一致団結した。そこから始まるライダーの時代を超えた共闘。

 

 そして、それぞれの時代の企みを阻止しながらBLACKとアギトは一号やV3と共に邪眼を追い詰めていった。最後にはその空間の性質を活かし、まだ復活前の邪眼の体を一番過去の時代にいた一号が破壊して全てを終えた。

 そこからは光太郎に代わって翔一が話し出した。彼らは邪眼の体が生成されていた部屋に行き、一号の起こした事が影響を及ぼしていく事を確認したのだが、翔一の時代だけはもう既に体が無かった。つまり、一号が破壊して影響を及ぼす前にもう邪眼は復活を果たしてしまったのだ。

 

「俺は急いで通信室へ戻った。そして、その事を話すと光太郎さん……BLACKさんだけ連絡が無かったんだ」

「俺が通信室へ戻ると不意を突かれて地下にある空洞へと落とされた。そこで見たんだ。復活した邪眼の姿を」

 

 そこから再び光太郎が話を引き受け、語る。邪眼の力は凄まじくBLACKは危機に陥ったものの、様々な要因が重なり過去と未来からアギト達三人が救援に現れた。そう光太郎が話すとスバルが目を輝かせた。エリオなどは拳を握りヒーローショーを見ている子供のような雰囲気さえ出していた。

 同じように、なのは達もその話に完全に引き込まれていた。ライダーの武勇伝。そうとも言える話だが、それはそんな簡単なものではない。いくつもの時代を超え、人知れず悪と戦い、平和を守る戦いなのだから。

 

 そして話は終盤へと移る。四人の力を一人に集め邪眼に対抗しようと一号が提案し、その役目を負ったのはアギト。三人のアギトの光を貰ったんだと、翔一はそう語って光太郎から話を引き受けた。

 三人の力を受けたアギトは苦戦しながらも邪眼に膝をつかせた。だが、その時邪眼が再び時空を超えて逃げようと動き出したのだ。それを察した四人は全ての力と想いを込めたライダーキックを放ち、邪眼へとどめを刺した。だが……

 

「そこで翔一君や先輩達に時間が来ちゃってね」

「時間?」

「うん。俺達は別の時代の存在だから、邪眼が消えて空間が戻る時に元の時代に戻されたんだよ」

 

 その際、四人は重なる事のない手を重ね合わせるようにし、互いの姿と助けを決して忘れまいと誓い合うように言葉を交わしたのだ。それを光太郎と翔一が感慨深く語る。そして、話を終えた光太郎と翔一を見てジェイルが呟いた。

 

―――仮面ライダーとは……そんな生き方が出来る者達なんだね。

 

 それに全員がジェイルへと視線を向けた。ジェイルはそれに小さく笑みを見せ、悲しそうにこう続けた。

 

「もし、もし昔の私が今の話を聞いたのなら一笑に付しただろうね。でも、今の私はそんな事が出来ない。君達の生き方を聞いて感動してしまったからだ。他者のために人知れず戦う。何て馬鹿らしく、何て偽善的で……何て気高く強い生き方なんだろうね、それは」

「ジェイルさん……」

 

 真司はジェイルの言葉から底知れない憧れを感じた。彼は自分とは違う仮面ライダーの生き方を聞いて心を打たれた。そんな風に自分も生きる事が出来たら。そう思ったからこそ先程のような事を言ったのだろうと真司は考えた。

 そして、ジェイルの感想は誰もが思った事だった。なのは達は以前リンディ達から聞いた話で知ってはいた。だが、こうして改めて聞き、思ったのだ。何て優しく強い者達なのだろうと。

 

(光太郎さん達の名乗りを聞いて、翔一さんがどうして”仮面ライダー”を名乗りたいと思ったか、今なら分かる……)

(翔一さんは、憧れたんだ。人知れず悪と戦い、みんなの笑顔を守り続けていた仮面ライダーに……)

(自分も、そうでありたい。アギトの力を、そう使い続ける事が出来る者でありたい。そう考えたんやな、翔にぃは)

 

 彼女達はそう思い、同時に自分達がもし同じ力を得ていたのならそう考えると思って納得した。一方、初めてライダーの戦いの記憶の一端に触れたスバル達はまた違った感想を抱いていた。

 

(クウガだけじゃなく、仮面ライダーは昔からみんなを助けてたんだ。例え、それを誰も知らないとしても……)

(声無き声。それに呼ばれて戦う……か。作り話みたいでも、信じる事が出来る。クウガとRXの姿を見た今なら……)

(決して力に溺れず、恐ろしい怪人相手に戦い続ける。それがどれだけ凄い事なのか、今の僕は知っている)

(怖くて、嫌で、逃げ出したい。でも、それをしなかったのは……それを誰かに押し付けたくなかったから)

 

 彼らは知っている。五代や翔一、光太郎と関わった故に彼らがどんな人間かを。決して争いを好まない。だからこそ、そんな彼らが怪人相手に戦い続けたのは優しさだと思った。誰かを悲しませたくない。怪人を知って怖がったり、恐れたりしながら生きる事にならないように。

 そんな思いで彼らは戦ったのだろうと。だが、四人は知らない。その思いも空しく、未確認もアンノウンも、果てはゴルゴムやクライシスさえ人々の知るところとなってしまったのだから。

 

 そして、五代達本来の仮面ライダーと触れ合っていた四人とは違い、真司しかライダーを知らず、更に仮面ライダーが自分の願いを叶えるために戦う者だと思っていた者達がいた。故にナンバーズが受けた衝撃はスバル達以上だった。

 

(自分を犠牲にしてでも、他者のために戦う……真司さんと一緒だわ)

(そう……異世界のライダーと真司君は同じだったのね。怪物の犠牲になる人を出さないために変身する。そんな優しい存在……)

(その体は異形。だが、心は人のまま。本来仮面ライダーとは……戦士でありながら戦いを否定する存在か)

(シンちゃん……嬉しいでしょうねぇ。自分の選んだ道が本物の仮面ライダーと同じだったんですもの)

(人ならざる力、か……。それを、自分のためでなく誰かのためにとは。私達も……そうなれるだろうか?)

(カッコイイ……カッコイイけど……何か悲しいよ。こんなに優しい人達なのに……どうして戦わないといけなくなるのさ!)

(真の強さ。それを彼らは知っている。いや、知らずとも身に着けている。私も……彼らのように強くありたい)

(見てるだけの自分は嫌だった。助ける力があるのなら、それを使う事を躊躇わない。例え、それで人々から疎外されたとしても……)

(邪眼と戦って、倒して、また戦って……かよ。それをあいつらは誰かに頼まれた訳でもねえのにするんだよな。……強いはずだぜ)

(光太郎さん達も真司兄さんと同じなんだね。ライダーの力は守るために使う。絶対に自分のためには使わないんだ……)

(いや、何か凄い話を聞いたッス。でも、あの二人は邪眼と戦ったらしいッスけど、五代って人は何で戦ってないんッスかね……?)

(あの方達は、傷付く事を恐れず戦う人になる事を選んだ。自分の住む町を、世界を、邪悪に渡さぬそのために……)

 

 ナンバーズが揃って神妙な表情を浮かべる横で真司は強く心を動かしていた。自分と違い、望んでライダーになった訳ではない者達。それでも、それを誰かのために使う事を選んだ男達。それを知り、余計に自分の世界のライダー同士の戦いを止めたいと思ったのだ。

 誰かを不幸にして、犠牲にして手に入れたい願い。それは間違っているのだと、心から叫びたい。何故なら、それは自分の抱いた悲しみや怒り、悔しさを、その犠牲にした誰かに押し付ける事になるからだ。負の連鎖を断ち切る希望。それを、真司は光太郎達の姿からも貰った気がした。

 

(俺達の世界でのライダー。それは、願いを叶えるために戦う奴でしかなかった。でも、これからはそうじゃない。俺が変えてみせる。みんなのためにって戦う奴が仮面ライダーだって、そう教えてくれたから。そう信じさせてくれる人達に出会ったから!)

 

 蓮は、もしかしたら理解を示してくれるかもしれない。そう思い、真司はふと小さく笑う。龍騎とナイトの二人でモンスターを倒し、誰かを助け守る日々。その想像がとても笑えるものだったのだ。

 そう、彼の動きや行動に不満や文句を述べる蓮。それに納得しながらも反論する自分。そんな凸凹ダブルライダーの図しか浮かばなかった。とてもではないが、光太郎達のようにはならないだろうと思ったのだ。

 

 そして邪眼との話の余韻がやや残る中、更に光太郎は話を続けた。それは、自分までの仮面ライダーについての話。そう、未だに五代とフェイト以外は知らない話をするためだ。

 改造人間。その話を聞いて大きく反応したのはスバルとティアナだ。ゼクスがそう言っていた事を思い出しただけではない。何故その言葉を光太郎が知っているのかと思ったからでもあった。

 

「五代さんや翔一君と違って、俺や先輩達は人間を改造し生まれた改造人間。それが元々の仮面ライダーだったんだ」

 

 フェイトと五代は何故光太郎がここでその話をしたのか、理由を何となくだが察していた。

 

(光太郎さん……スバル達の事を話しやすくするために)

(そっか……あの子達は戦闘機人なんだっけ)

 

 光太郎の話を聞いて一同は言葉を失っていた。それを感じ取り、五代とフェイトは無理もないと思った。彼らでさえ聞いた当初は信じられない気持ちになったのだ。人を改造し、異形の存在へと変える。それを聞いて、スバルやナンバーズ達は揃って表情を変えた。

 

 光太郎は自分だけではなく先輩ライダーの事も含めて話した。突然組織に誘拐され、五体を切り刻まれ、骨を鋼に変えられた。筋を、脈を、肉を、毛皮を強靭なものに造り変えられ、その体は兵器と成り果てたのだと。

 だが、それでも残されたものがある。そう光太郎は続けてこう言い切った。彼も含めた仮面ライダー達全員の想い。そして信念であり決意をそこに込めて。

 

「それでも、先輩達には魂が残った。人としての、気高い魂が。例え機械の体になったとしても、心さえ、心さえ人であれば決して生物兵器ではないと、そう信じて戦ってきたんだ」

 

 それを聞き、五代とフェイトは頷いた。そして翔一も。仮面ライダーになった五代や翔一。仮面ライダーの本来の姿を教えてもらっていたフェイト。三人はそれ故に光太郎の言葉に納得し、理解した。そんな三人に遅れる事数瞬、スバルとティアナが頷いた。

 戦闘機人であるスバル。その秘密を本人から聞いたティアナは、光太郎の言った言葉の根底に流れるものこそスバルとギンガの気持ちだと思ったのだ。故にその言葉は彼女が言いたい事の代弁でもあった。

 

「……私、それ分かります。だって、私も同じようなものだから」

「スバルっ!?」

 

 ざわつく食堂内。エリオ達は戸惑いを浮かべ、なのは達隊長陣はスバルの事を知っているためかその顔が驚きに包まれている。一方、ティアナはスバルの言おうとしている事を察しそれを止めようとするが、それに彼女は笑みを見せて首を横に振った。

 

「いいんだよティア。私、光太郎さんみたいに変身は出来ないですけど、普通の人じゃないんです。戦闘機人って言うんですけど……」

 

 その言葉にナンバーズ達と真司が驚いた。知らなかったからではない。まさか自分から話し出すとは思わなかったからだ。そこで語られるスバルの簡単な生い立ち。それに言葉がないエリオ達。しかし、その場を覆う雰囲気は重苦しいものではない。

 それは光太郎の話を聞いたから。そう、誰もが感じ入ったのだ。仮面ライダーの生き方とその気持ちに。人ならざる力と姿、その哀しみを乗り越えて独り戦い続けるその覚悟と決意。それを聞いて尚、戦闘機人に差別的な思考を抱く者はいない。

 

 更に、実際にスバルを見て接した以上、その言葉の意味を余計に感じたのだろう。そんなスバルの告白が終わり、それにエリオが意を決して何かを言い出そうとした瞬間、光太郎がそれを阻止するように声を出した。

 

「スバルちゃん達は、俺達とは違うよ。君達は始めからそういう存在として生まれてきたんだ。それは、一つの人種だ。人として生きていた者達を捕らえて改造する改造人間とは違うんだ」

 

 それを聞いたエリオは、何故かそれが自分にも言われているような気がしていた。始めからそういう風に生まれた以上、それがどんなに普通の人と違う境遇だとしてもその者は人なのだ。そう光太郎が言ってくれたように思ったのだ。

 

(光太郎さんは……僕の事を知ってるのかもしれない……)

 

 そう考えエリオは一瞬目を閉じた。そして誓った。自分の生まれを決して卑下しないと。胸を張って生きよう。エリオ・モンディアルとしてではなく、他でもない”自分”として。その想いを込めた眼差しをエリオは光太郎へ向けた。

 それに光太郎は嬉しそうな表情を返し、頷いた。エリオもそれに笑顔で頷き返し同時に思う。光太郎に自分が鍛えて欲しいと言った時、どうして戸惑ったのか。そして、どうして自分のようにはなれない可能性があるとしか言わなかったのか。その理由を悟ったのだ。

 

 光太郎は否定しなかったのだ。エリオが改造人間である自分と同じぐらいの力を身に付ける可能性を。望みがないにも等しいそれを、光太郎は否定しなかった。エリオは知らない。それは、エリオのためだけではない。光太郎自身の気持ちにも繋がっているのだ。

 絶対、人類は平和を築いてみせる。必ず、人と自然が調和する世界になる。そんな未来を光太郎は否定したくないから。だから、僅かな可能性を否定したくなかったのだ。例えそれが、どれだけ馬鹿げているとしても。

 

「……翔一君、あの男との戦いを話してくれないか?」

「分かりました」

 

 周囲の雰囲気が落ち着いたのを見計らい、光太郎は翔一にそう頼んだ。それに翔一が頷いて話をすべく光太郎と位置を交代する。

 

「あの男って誰の事や?」

「この状況を作り出した存在さ」

 

 はやての問いかけに光太郎はそう答え、翔一へ視線を向けた。それに頷き、翔一は話し出す。

 

「実は……今日ある男が光太郎さんへの伝言を俺に頼んできたんだ。出来る限りの事をしたから、後は頼むって。そいつは、俺が元いた世界で戦っていたアンノウンって言う怪人達を操ってた奴なんだけど……」

 

 翔一は簡単にアンノウンの説明やそれらと黒の青年を交えた最終決戦の話を始めた。G3-Xやギルスと三人で戦った最初で最後の戦い。その内容も先程の邪眼戦と見劣りしないもの。故に聞いている者達にも再び熱が生まれていく。

 翔一は告げた。その黒の青年は彼らに対してこう言い切った事を。人間の運命は自分が握っているとの発言だ。その証拠に、その頃翔一達の世界では謎の自殺者が後を絶たなかった。それを聞き、全員が驚きを見せた。

 

 無論、翔一達はその存在に対し敢然と立ち向かい、これに勝利した。そして、最後に翔一はこう締め括った。

 

「それ以来謎の自殺者はいなくなって、もうアンノウンも現れなくなったんだ」

「……やはりか。神、とでも言うべきかもしれないな、その相手は」

 

 光太郎の呟きに全員何も言わなかった。同じような感想を抱いたのだ。人間を死へ誘い、異形の存在を意のままに操る存在。それは、神という表現がぴったりきたのだから。それだけではない。はやて達八神家の者達は以前の推測を思い出して言葉を失っていたのだ。

 まさか本当に神と呼べそうな存在がいて、それと翔一が戦ったと聞けば余計に。不自然な予言とライダー関連の内容。その全てを納得させる事の出来る事実がこんなところから出てくるとは誰も思わなかったのだから。

 

 と、そこでスバルが手を挙げて五代へ問いかけた。それは、彼女が一番クウガが好きだからこその質問。だが、それは五代にとっては一番思い出したくない事に繋がるもの。

 

―――五代さんは、最後どんな奴と戦ったんです?

 

 純粋な疑問。そこに他意はない。興奮していたのもあるのだろう。光太郎や翔一が自分達の戦いを語る事に少しも嫌悪感を示さなかったのもそれに拍車を掛けたのかもしれない。しかし、五代は二人とは違う。

 ゴルゴムもクライシスもアンノウンも始めから多くの犠牲者を出した訳ではない。確かに犠牲になった者達もいる。だが、それが世間として大きく取り上げるレベルになったのはかなり時間が経過してからだった。

 

 だが、彼が戦った未確認生命体はすぐに世間に知れ渡り、その恐怖は日本中を襲ったのだ。そう、彼らは明確に殺人をゲームとして行なっていた。それに歴代ライダーが戦っていた怪人と違う点が未確認には存在していた事もある。

 

 スバルの問いかけを、五代は誤魔化す事が出来た。しかし、それを良しとしなかったのだろう。搾り出すような声でたった一言だけ告げた。

 

「……未確認の王様みたいな奴だったかな」

 

 五代が思い出すのは、たった一日で三万人もの人間を殺した第0号の事。そして、あの吹雪の中での殴り合い。嫌な感触を感じながら、拳を振るったあの時。どこまでも嗤いながら暴力を振るっていた第0号。それに対し、五代は涙を流しながら暴力を振るった。

 まさに誰も知らない世界の命運を賭けた殺し合いだった。そう、殺し合いだ。決して戦いなどと五代は表現しない。彼にとって、クウガになって未確認と戦う事はそういう意味だったのだから。

 

 人間のために怪人を殺す。歴代の仮面ライダー達も、どこかで戦いに嫌悪感を感じていた。だが、それを持ち前の正義感と優しさで抑え込み、拳を振るい続けた。しかし、それが心の負担となっていたのは言うまでもない。

 五代は、それがもっとも大きかった。誰よりも暴力を振るう事を嫌う五代。クウガになって戦う事は、彼から笑顔を奪う事だった。勿論、彼だけではない。争う哀しみを仮面に隠し、ライダーは戦い続けたのだから。

 

 しかし、光太郎や翔一が自らの戦いを語る事に嫌悪感がないのは、彼らの相手が最初から異形の怪物だったためだろう。五代が相手にした未確認は元々人類と同じ存在で、クウガである彼と同じような鉱石を有した民族。故に、余計に五代へ殺人を意識させる事に繋がったのだ。

 

 そんな五代の声から何かを感じ取ったのかスバルは何も言えなくなった。それだけではない。先程まで周囲にあった熱気が一気に冷めたのだ。五代は六課のムードメーカーだ。いつも笑顔を絶やさない太陽のような存在。それが、初めてなのは達の前で影を見せた。

 それに誰もが驚き、そして同時に悟ったのだ。五代にとって、クウガとしての記憶は思い出したいものではないのだと。

 

「……ごめんなさい」

「ううん、いいんだよ。気になるよね、こういうのって。俺も、好きなドラマの最終回とか見逃すと気になるから。分かるよ、スバルちゃんの気持ち」

 

 五代は申し訳なさそうなスバルの声に明るくそう答えた。それが五代の気遣いだと誰もが気付く。それでも、誰もそれを口にしない。そんな気まずい雰囲気を感じ取り、何とかそれを変えたいと五代は思って動き出す。

 そして、厨房からボウルやコップなどを持ってきて、それをお手玉の要領で動かし始めた。ジャグリング。五代の技の一つだ。その光景にキャロとエリオは懐かしさを感じ、スバル達はその突然の行動に呆気に取られるものの、その見事さにそのまま見つめた。

 

 しばらくその曲芸は続き、誰もが感動はしないものの感心はしていた。いや、ツヴァイやアギトなどは感嘆の声を上げていた。やがて、それを器用に近くにいたスバルやティアナ達へと投げ渡し、五代は笑顔で締め括った。

 

「これが、俺の二千の技の一つ。ジャグリングです」

 

 それにツヴァイとアギト、キャロとエリオが拍手をした。それに呼応するようにスバルやティアナ達も拍手をし、食堂を拍手の音が包んだ。それに五代は嬉しそうに笑みを見せて一礼する。

 そこには、先程の気まずさはなかった。だが、まだぎこちなさが残っている。そう、ジェイル達と六課メンバーの間にある壁のようなものだ。先程も拍手をしたのは六課の者達に加えてセインやウェンディ、アギトなど限られた者だけだったのだから。

 

 それを感じて五代はある話をする事にした。それは、五代が感動した恩師の教え。そして、その後の彼を、五代雄介を五代雄介たらしめる事になった思い出。

 

―――五代雄介……こういうのを知ってるか。

「真司君達は……これ、知ってるかな?」

 

 彼が脳裏に思い出すのは、恩師である神崎昭二の言葉と姿。一方、スバル達は突然五代が話し出した事に呆気に取られた。それはそうだろう。彼が聞いているそれは、彼が広めたとも言える仕草なのだから。

 

―――古代ローマで、満足出来る、納得出来る行動をした者にだけ与えられる仕草だ。お前も、これに相応しい男になれ。

「古代ローマで、満足出来る、納得出来る行動をした人にだけ与えられる仕草なんだ。みんなも、これに相応しい人になって欲しい」

 

 しかし、徐々にだが誰もが気付いていく。それは、五代が誰かに言われた事を再現しているのだと。そう、彼がしているのはその代名詞とも言えるサムズアップなのだ。

 そして五代の話す姿を見て、誰もがぼんやりとだが別の人物の影を見ていた。学校を知る者は教師を、知らぬ者でも誰かに物を教える者を想像した。

 

―――お父さんが亡くなって、確かに悲しいだろう。でも、そんな時こそ、お母さんや妹の笑顔のために頑張れる男になれ。

「家が奪われて、確かに悲しいと思う。でも、そんな時こそ、大切な人や家族の笑顔のために頑張れる人になって」

 

 恩師が自分へ語りかけてくれたその言葉を、想いを噛み締めるように思い出しながら五代は語る。あの時の自分が受けた感銘。それを、この場にいる者達にも感じて欲しい。これから待ち受けるだろう過酷な戦い。それを、全員が笑顔で乗り越えられるようにとの願いを込めて。

 

―――いつでも誰かの笑顔のために頑張れるって、凄く素敵な事だと思わないか。

「いつでも誰かの笑顔のために頑張れるって、凄く素敵な事だと思うから」

 

 その締め括りの言葉に、誰もが五代の原点を知った。これが五代を今のような男にしたのだと。

 

「五代さん……今のって……」

 

 ジェイル達が何とも言えない気持ちになっている中、真司が何かを確かめるように声を発した。それに五代も何を言おうとしたのか気付いたのだろう。小さく頷いて、話し出した。

 

「これ、俺が小学校六年生の時に先生から教えてもらった言葉を少し変えたものなんだ。俺さ、これにすっ……ごく感動して。絶対、これに相応しい男になるんだ! ……って思ったんだ」

 

 その五代の懐かしむような声に誰もが黙った。話を聞いて感動したり、憧れる事はあるだろう。だが、それを時間と共に忘れてしまうのが普通だ。しかし、五代は忘れなかった。いつまでもその時の想いを、感動を失う事なく今日まで生きている。

 それがどれ程尊敬に値するのか知らぬ彼らではない。誰もが改めて五代の凄さを感じていた。それがただ信念としてだけではなく、行動として出来ているのが五代の凄さなのだから。

 

 そんな五代は、何事もなかったかのようにスバル達に渡したボウルなどを回収して厨房へと向かう。そして、五代が戻ってきたのを見てジェイルが声を発した。

 

「……私も話をしてもいいかな?」

 

 ジェイルの窺うような声に、はやてがどうぞと頷いた。それにジェイルは頷き、立ち上がって五代のいた位置へ歩き出す。

 

「じゃあ、私の話も聞いて欲しい。何、彼らと違い私自身の話ではないよ。邪眼がこれから取りうるだろう動きについてさ」

 

 それに六課の者達と真司の表情が変わる。一方ナンバーズは、上の姉六人とディエチはどこか納得したように頷き、下の五人は真司と同じように驚きを見せていた。

 

「奴は、私の作った物を利用して動いている。おそらくだが、それは私が真司と出会った頃まで思い描いていた計画を基にしているはずだ」

 

 ジェイルはそこから語り出す。それは、本来ならば真司へ新たな力を託す際に教えるはずだった過去の話。管理局転覆にも近い犯罪。その一部始終だった。そして、ジェイルはマリアージュにも言及した。そう、軍団長のデータを使って怪人を作る可能性もあると予想したのだ。

 そして、マリアージュの厄介さと凶悪さを聞き、誰もが言葉を失った。死者を喰らい自身とする増殖機能。死ぬ際は恐ろしい程の爆発を起こし、火災の原因にもなりかねない特徴。それら全てが危険物でしかなかった。

 

「……最終的には聖王のゆりかごを使うだろうね。それで、ミッドチルダを攻撃するつもりだ」

「聖王のゆりかご……名前から察するに、恐ろしいもん持っとったんやな」

「だが、それを使うためにはある者が必要不可欠だ。そう、聖王家の一族だよ」

 

 ジェイルがそう語った時、真司が勢い良く椅子から立ち上がる。思い出したのだ。かつて聖王の話を聞いた時、ジェイルから会えるかもしれないと言われた事を。

 

「まさかっ!? あの時会えるかもって言ったのは……」

「覚えてたんだね。そうさ。私は聖王の血を、正確にはその遺伝子を手に入れていたんだよ」

「……そして、それを使ってコピーを作った」

 

 フェイトがやや怒りを滲ませて告げる。それをしっかりと受け止めてジェイルは頷いた。

 

「……そうだよ。今なら決してやろうとも考えないだろうね。ともかく、それを邪眼も手に入れようとするだろう。だが、そちらに関しては下手に動かなくてもいい」

「どうしてです?」

 

 五代の質問にジェイルは少しだけ苦笑して告げた。その作られた聖王のコピーは、ある者達が時期が来るまで培養し彼のラボへ運ぶ手筈になっている。自身の手でそれをしなかったのは、万が一を考えたある者達が警戒しての事だろうと彼は語った。

 そのため、ジェイルさえどこでそれをしているかは知らないのだ。彼自身そこまで執着していなかったのもある。それを聞いてはやて達も納得はした。だが、すぐにとある問題に気付く。

 

「ちょっと待って。それじゃ、いつか邪眼のところにその子は運ばれるんですか?!」

「そうなるが、心配はいらないよ。それを知っているのは私だけ。それ自体は会話のみでデータは残っていないし、邪眼は精々聖王のコピーがいるとしか知らない。別のコピーを作りたくても、もう遺伝子はないしね。そして輸送ルートは予測出来るし、後はそこで待ち受ければいいだけさ。時期は、確か予定通りだとおそらく……後一月半から二月後ぐらいだね」

「その間に私がISを使い、培養しているだろう施設に当たりをつけます。それと同時に万が一に備えてもおきますので」

 

 ウーノがそう締め括ると、なのはも理解はしたのか少し安堵の表情を見せた。そして、ジェイルは更に全員へ告げた。

 

「後、先程話に出たマリアージュだが、それを生成する存在の居場所も突き止めるべく動こうと思う。邪眼が知る事はないが、マリアージュを作り出せば嫌でもその個体が話すだろうからね。時間は多少掛かるだろうが、必ず公開意見陳述会までには見つけてみせるさ」

「……公開意見陳述会、か。やはりそれを狙っていたのだな」

「確かに、次元世界中に管理局の敗北を見せ付けるにはうってつけの舞台だわ」

 

 シグナムとシャマルがジェイルの口から出た期限にそう呟いた。はやてもフェイトもなのはも同じ気持ちだった。多くの報道機関が詰めかけ、一般の人々の目に触れる機会だ。その警備は厳重極まりない。それを少数で突破し、痛手を負わせたとなれば管理局の権威失墜は大きい。

 ジェイルの狙いは実に単純。故に効果は大きい。邪眼が同じ舞台を選ばないはずはないだろうと誰もが思った。邪眼が遊んでいるとすれば、そここそが遊びの最後を飾るだろうと考えたのだ。

 

 仮面ライダーとその協力者達。更に次元世界を守る管理局までも無力化して見せる事で、多くの者達に絶望という名の闇を与えるそのために。だが、そんな企みを理解して黙っていられるような者達ではなかった。

 

「そんな事、絶対させない!」

「そうです! 俺達が力を合わせれば、邪眼なんて!」

 

 真司と翔一が邪眼の企みに対し、強い怒りを見せる。それに周囲も同調していった。

 

「わざわざ待つ必要もないよ。あいつらの居場所は分かっているんだ!」

「そうだ! アタシ達全員で攻めれば、邪眼共を驚かしてそのまま勝てるぜ!」

 

 セインとノーヴェがそう言いながら立ち上がる。共に拳を握り締めているのがらしさだろう。

 

「ノーヴェの言う通りッス! 向こうはアタシらを舐めてるッスから、そこを突けば……」

「油断している今が好機とも言えます。奴も、我々がいきなり総攻撃をかけてくるとまでは思わないでしょう」

 

 ウェンディもノーヴェ達に続けと立ち上がり、その握り拳を彼女と合わせる。ディードは立ち上がりこそしなかったが、少し興奮気味にそう告げた。それにスバル達フォワードメンバーも賛同しようと立ち上がった瞬間、光太郎がそんな熱気を冷ますようにはっきりと告げた。

 

「俺は、反対だな」

「俺も光太郎さんと同じだよ。まだ、邪眼の本拠地に行くのは早いと思う」

 

 更に五代までがそれに呼応する。見れば、ウーノ達上の姉達に、はやて達さえも同じような意見なのか冷静な表情をしている。

 

「俺は、数多くの怪人と戦ってきた。その経験から言わせてもらえば、未知の怪人と戦うのは危険が付き物だ」

「俺もそう。未確認も凄く恐ろしい力を持った奴ばかりだったんだ。でも、その力を警察の人達が分析したり、解明して対抗策を打ってくれたから勝ってこれたんだよ」

 

 二人はISの厄介さを直に感じたために改造機人の恐ろしさをはっきりと告げた。きっと邪眼はまだ戦った事のない怪人を送り込んでくる。それらと戦い、情報を得てからでも攻めるのは遅くない。光太郎はそう考えていると周囲に説明した。

 シグナム達もそうだった。フュンフのISを応用した攻撃には苦しめられたのだ。しかし、翔一はドライのISにそこまで苦しむ事が無かったためにそこまで脅威を感じる事が出来なかったし、真司は全員のISを知っていた。そのため、二人は改造機人の恐ろしさをあまり感じる事が出来なかったのだ。

 

「……つまり、邪眼がこちらを侮っている間に情報を集め、各怪人への対抗策や手段を構築しておこうと?」

「そうだね。ライダーが四人いるのなら、怪人を最低でも四体相手出来る。向こうが同じ怪人を送ってくる事は当分ないだろうし……」

 

 グリフィスの言葉に光太郎がそう応じた。しかし、その最後の部分にアギトが疑問を感じたのかこう尋ねた。

 

「何でさ?」

「一度負けた相手を、すぐに送る程邪眼も馬鹿やないだろうって事や。つまり、こちらが知らん怪人を送って情報収集するはず」

「シグナムやヴィータがフュンフから聞いた話だと、邪眼は仮面ライダーのデータを欲しがってるみたいだし、ね」

 

 その疑問にはやてとフェイトが答えた。それを聞いて真司達も納得する。光太郎と五代は邪眼がデータを集める事を利用し、逆に自分達が怪人のデータを得ようと考えているのだと。

 しかし、光太郎はともかく五代は違った。彼は純粋になのは達が何も知らないまま怪人と戦う事は避けたかっただけなのだ。

 

 そう、魔法生物などはよかった。何故なら、魔法生物は元々管理世界にいた存在。しかも、クロノ達から聞いた管理局の常識では、子供であっても大人のように扱われるのが局員だ。

 それに、多くの情報や支援が確立している状況なら、例え子供のなのは達でも戦場に立たせる事にそこまで抵抗はなかった。

 

 しかし、怪人は違う。あれは例え大人であろうとも普通は人間が戦える相手ではない。一条達でも、様々な条件や武器を揃えて何とかだったのだ。いかになのは達が魔法を使えるからといって、その戦場に何も知らないまま立たせる事は出来ない。五代はそう考えていたのだから。

 本音を言えば、五代は自分達ライダー以外を戦わせたくない。特にエリオやキャロといった子供達などは。だが、それを直接言う程、五代は管理世界の常識を知らない訳ではなかった。二人は、幼いながらも決意と覚悟を持って局員になったのだから。

 

(なら、一緒に戦うしかないよね。出来るだけ危険にならないように、俺達が頑張って)

 

 決して守るなどとは言わない。エリオもキャロも自分にはない力を持った者。ならば、あの邪眼との戦いでのなのは達と同じだ。矢面に立ったのは自分達。それを後ろから支えてくれたのがなのは達なのだから。そう思って五代は自分へ言い聞かせるように小さく頷いた。

 

「とりあえず、当面は専守防衛や。それと、出来るだけライダー達が邪眼が知らん力や技は使わんですむよう私らが援護しよ」

 

 はやての言葉に五代達四人が感謝するように頷いたのを見て、なのは達も頷きを返す。

 

「私やウーノはトイのAMFを何とか出来るようにしよう。シャリオ君だったね? 設備を貸してくれるだけでなく君も手伝ってくれると助かるんだが」

 

 ジェイルは視線をウーノへ向けてからシャーリーへそう告げた。それに彼女は少し考えるも、決意を固めて力強く頷いた。それでもう話し合いは終わったと誰もが感じ取った瞬間だった。

 

「みんなで頑張りましょう!」

 

 五代がそう締め括ってサムズアップをする。それに六課の者達は揃ってそれを返し、ジェイル達はやや困惑した。意味自体は先程の話で聞いたが、やはりまだ抵抗があるのだろう。

 すると、五代は光太郎と翔一を呼んで何かを話した後、真司へ視線を向けた。それに気付き、真司が何かと思って視線を返す。それに五代は笑顔を見せて手招きした。

 

「……じゃ、行くよ?」

「っしゃあ!」

 

 何かを五代から聞かされ、真司は気合十分とばかりにそう答えた。それが何を意味するかを察しながらも、なのは達もジェイル達も何も言わなかった。ただ、ジェイル達にはどこか諦めにも似た表情が多かったが。

 

「「「「みんなで頑張ろうっ!」」」」

 

 五代達四人の笑顔とサムズアップ。今度は真司が加わった事でジェイル達もそれを返す事が出来た。こうして全員がサムズアップを送り合って、この日は終わりを迎えた。

 

 これが、機動六課の本当の戦いの日々の始まり。そして、後に語り継がれる事になる伝説の始まりでもあった。

 

 

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新生六課。四人のライダーとなのは達にジェイル達を加えたドリームチーム。

 

だが、邪眼の戦力は闇の書事件の比ではないのも事実。これだけ揃えてやっとの状況です。

 

次回は、完全日常編です。

説明
六課と合流した真司達。だが、ジェイルが現れた事で問題が起きる。
広域次元犯罪者。その肩書を持つ彼を前になのは達は真司達との間に溝を作りかける。
そんな溝をなくそうと光太郎と五代が告げる言葉。それは彼らに大きな影響を与えた恩人のものだった。
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